ジャン「この死に急ぎ野郎!!」【進撃ss】

1 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:31:06.96

コニー「朝から毎度毎度元気だな―」

マルコ「はぁ……もっと仲良くしてくれよぉ」

アルミン「同感だねマルコ……オナカイタイ」

ジャン「テメェ今俺の事睨んだな!?朝から喧嘩売ってんのかぁ!?」

エレン「うるせぇぞジャン!お前がチラチラ見てきたんだろ!」

ジャン「イチャモンつけんのかこの死に急ぎ野郎!!」

ミカサ「エレン。パンを食べないと朝食の時間が終わる」

エレン「ミカサちょっと黙ってろ!」パァン!

ミカサ「あっ」

サシャ「パァァァァァァァァァァンッ!!!」

2 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:33:20.41

サシャ「このパンは私の物ですよジャン!」

ユミル「引っ込んでろよ芋女」

クリスタ「もぅダメだよユミル!」

ライナー(かわいい)

ジャン「そうやっていつもいつもいつも……あー羨ましい!!俺にも輝きを分けろ!!」

エレン「本当に意味分かんねえぞ!輝きってなんだよ!?」

マルコ「はは……」

アルミン「今日も訓練兵団は平和だね」

ベルトルト(もう告白と変わんないよねジャン)

3 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:34:45.11
――訓練――

エレン「朝から疲れた」

ミカサ「大丈夫エレン?邪魔なら私が削ぎ落と」

アルミン「さぁ今日も元気に行こー!!」

エレン「どうしたんだアルミン?」

アルミン「元気があれば疲れも吹き飛ぶ!そうだろ!?」

エレン「あ、ああそうだな!元気に行くか!」

ミカサ「エレンが元気なら私も元気になる」キリッ

マルコ(苦労人だなーアルミンは)

ベルトルト(いつもお疲れ様)

アニ(いい笑顔……)

クリスタ(今日も平和だね)

ライナー(かわいい)

4 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:35:51.73
キース「今日の訓練は二人組で行うツーマンセル方式だ!兵団でもいつも全員で行動するわけにはいかんからな。
少数の動きという物を把握してもらう」

ミカサ(エレンと)

アニ(……エレン)

アルミン(僕とエレンが組むのが一番事が大きくならないと思う)

クリスタ(うーん……誰と組もうかな)

ライナー(可愛い)

ジャン(ミカサと……ジャン!)

キース「戦場では誰と一緒になるか分からん!こちらで組みをすでに分けてある!」

ユミル(あんのハゲ野郎)

サシャ(ここで恩を売ればご飯が美味しく?)

ベルトルト(洗浄……洗濯しないと)

キース「今回の組み分けはこれだ!!」
5 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:36:25.56

クリスタ・ベルトルト

ジャン・アニ

エレン・サシャ

ユミル・ライナー

ミカサ・マルコ

アルミン・コニー

アルミン(これは……嫌な予感しかしない!)

アルミン(教官は一体何を考えているんだ!?エレンはミカサ以外の女と組ませちゃだめだ!)

アルミン「でもベルトルトなら安心だ!」

ベルトルト「え?」

キース「アルレルト訓練兵!何か言ったか!?」

アルミン「何でもありません!」ビシィ!
6 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:36:51.23
コニー「よろしくなアルミン!いやー頭が良いやつでよかったぜ!」

アルミン「よろしくねコニー」

アルミン(まぁコニーなら深いこと考えなくても大丈夫なはず)

コニー「それにしても中身はなんだろうな?」

アルミン「そうだね……全く予想できない」

アルミン(だからこそ怖い……特にエレン絡みで)

キース「これから貴様らには最低限の持ち物で山に一日篭ってもらう!」

キース「もちろん立体機動装置もないからな、そして山の中に幾つかある旗を回収しろ!
一組一本で十分だそれが訓練の成功と証になる!もちろん組み分ないからな!」

ベルトルト「とりあえず旗を探そうか」

クリスタ「うん!よろしくねベルト……ルト!」

ベルトルト(かわいい)

ライナー(なに笑ってんだベルトルト)

ユミル(死ねよ木偶の坊)

キース「それでは解散だ!散れっ!!」


7 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:37:20.92


サシャ「それでは行きましょうエレン」

エレン「ああ……まずはどうする?」

サシャ「山なら私に任せてください!狩りの一つや二つ朝飯前ですよ?もう食べましたけど」

エレン「頼りにしてるぞサシャ。そんじゃ行くか!」

ミカサ「……」コォォォォ

マルコ(この気……無想転生!?)

マルコ「って勝手に行かないでよミカサ!」

8 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:38:22.56




コニー「俺達はどうする?」

アルミン「旗の数が限られてるなら皆とは別の方向から行こう」

コニー「さすがアルミン!そうすれば旗の多いところに着くんだな!」

アルミン「まぁね」(そうしたほうがお腹も楽だし)

クリスタ「私達も行こ?ぜったい旗見つけようね!」

ベルトルト(守りたいこの笑顔……でも僕達は)

ライナー「旗とかどうでもいいわ」

ユミル「気が合うじゃねぇかライナー……潰しにかかるぞ」


9 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:38:48.26


ジャン「なんでマルコがミカサと一緒なんだよ!?」

アニ「芋女……」ギリギリ

ジャンアニ「手を出したら潰す!!」

ジャンアニ「……ん?」

ジャン「何か言ったかアニ?」

アニ「それはこっち……」

ジャン「とりあえず俺達も行くぞ。さっさと旗を取って合流してえしな」

アニ(ジャンがミカサを追う→ミカサはエレンを追う→エレンに会える……)

アニ「ああそうだなミカサを追う」

ジャン「な、ななな何でミカサを追うんだよ!?」

アニ「ジャンに合わせる……それでいいでしょ?」

ジャン「……恩に着る」

10 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:39:34.17
――山の中――

エレン「んー今考えると自然ってすげぇよな」

サシャ「急に何ですか?自作のポエムとか晒す年頃ですか?」

エレン「ちげーよ、何かこう……歩いてると全部自然だろ?眼に入るものが」

サシャ「そうですね……それがどうかしました?」

エレン「自然に囲まれてると心が癒されるっていうか……開放的になれるんだよ」

サシャ「それすごい分かります!私も村にいたときはよく外で寝てました」

エレン「守りたい!って言うのはこういう物の事なんだろうな」

11 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:40:18.68


サシャ「私実はもっと自然を増やす方法を知っているんですよ?」

エレン「本当かサシャ!?教えてくれ!」

サシャ「それは今度の夕食を私に授ける意思表明ですか?」

エレン「人が食いついてるのにお前はまた飯の話か……」

サシャ「冗談ですよ……それは巨人から私たちの大地を奪還することです」

エレン「!」

サシャ「頑張りましょうエレン!死に急ぐのはそれからでもいいんじゃないですか?」

エレン「誰も死に急いじゃいねえからな!?」

ミカサ「……」ゴゴゴゴゴゴゴ

マルコ「これは……修羅の門!?」

12 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:41:56.36


マルコ「落ち着いてミカサ!気づかれるよ!?」

ミカサ「元々隠れる気はない。旗があったらエレンに譲って新しいのを見つければいい」

マルコ「これがミカサ理論……ん?何か聞こえない?」

ミカサ「サシャの声がノイズに聞こえる」

マルコ「アルミンノキモチガワカルミン」

ミカサ「仕方ない。マルコの意見を尊重して様子を伺う」

マルコ「伺っても行動はやめてよね!?」

13 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:42:42.71


エレン「」

サシャ「」

エレン「こういう時はどうしたらいい?任せていいんだよな?」

サシャ「いや~巨人を駆逐するならこれぐらいエレン出来ますよね!?」

エレン「立体機動装置はおろかナイフも無いぜ?」

サシャ「それでは逃げましょう!」

エレサシャ「熊だああああああああああああああああああああああああああああああ」

マルコ(伺って正解だった!……ミカサがいない!?)

ミカサ「よくやった。褒めて使わす」

くま「!?」

14 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:43:17.73


ミカサ「よくあの芋女とエレンを引き離してくれた……その行いは人類の勝利に大きく貢献した」

ミカサ「故に言葉を送りたい、ありがとうと」

マルコ「大げさだからね、それに相手熊だからね」

ミカサ「でもあなたはエレンに危害を加える可能性があった」

くま「!」

マルコ「!じゃないよ。コイツ絶対知性あるよね」

ミカサ「その場合はどう落とし前つけるつもり?」

くま「」ガクブル

マルコ「くまってなんだよもう」

15 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:44:13.30


ミカサ「私の特技を肉を削ぎ落とすこと。でも今は武器はない」

くま(!)ガッツポーズ!

ミカサ「でも殴ることなら出来る」

くま「」

ミカサ「私の気が晴れるまで殴るのをやめない」

くま「」

マルコ「マックノーウチマックノーウチ」

キース(ミカサ・アッカーマン。全てに置いてトップクラスの成績を誇るがエレン・イェーガーの事になると全てを捨てて優先する)

キース(マルコ・ボット。優しい性格からか仲間の印象は良い。努力家だが手柄を仲間に譲る傾向が強い)

16 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:45:45.98


アルミン「食事は一食分……まずは水辺を探そう」

コニー「泳ぐのか!?」

アルミン「まずは水を確保したいんだ。一食分じゃ夜は越せないからね」

コニー「そうかアルミンは水浴びをしたいのか!」

アルミン「じゃあそれでいいよ……」

アルミン(これはこれで疲れる)

コニー「あっちでフランツとハンナがイチャコラしてる」

アルミン「この組み分けは……」

キース(アルミン・アルレルト。体力面は標準を下回るが座学は類を見ない。その道を見出せば可能性が広がるだろう)

キース(コニー・スプリンガー。運動神経は人一倍強いが頭が付いて行かず作戦に向かない)

17 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:46:21.42


クリスタ「うーんまずは……」

ベルトルト「旗を見つけるのも大切だけどまずは安心して寝れる場所を探そう」

クリスタ「そっか!夜もここで過ごさなきゃいけないのか」

ベルトルト「だから……出来れば水場が近い洞穴みたいな所がいいかな」

クリスタ「夜か……怖い」

ベルトルト(かわいい)

クリスタ「頼りにしてるよ!ベ……ルトルト!」

ベルトルト(おふっ)

ライナー(濡れ場!?)

ユミル(穴!?)

18 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:47:02.18


ユミル「おいライナーてめぇの連れは家のクリスタにナニをする気だ!?」

ライナー「俺は戦士だ」

ユミル「あ?」

ライナー「いざって時にはベルトルトと敵対する覚悟もある」

ユミル「あーまぁいいんだけどよ」

ライナー「それにクリスタはお前の物じゃない」

ユミル「心配すんなテメェのモンでもねえから」

19 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:47:53.16


ライナー「……おいあれを見ろ」

ユミル「クリスタの気軽なボディタッチ……シバくか」

ライナー「いや、そうじゃない。岩の上だ」

ユミル「あん……!ありゃ旗か」

ライナー「皆視点が自分の高さにしか向いてないからな。誰も気づいちゃいない」

ユミル「お前目いいな」

ライナー「……言われて分かるユミルもな」

ユミル(でもあの高さじゃ人間はキツイな)

ライナー(あの高さなら……いいや馬鹿な考えはよせ)

20 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:48:32.46


ユミル「仕方ねえな。ここはあの木偶の坊を信じて上を目指すぞ」

ライナー「何だここからすぐ行けないのか?」

ユミル「はぁ!?意味分かんねえ事言ってないで早く行くぞホモ野郎!」

ライナー「残念だがクリスタに身を捧げる覚悟は出来ている」

ユミル「きも」

ライナー「きもいとか言ってくるユミルさん怖いです><」

ユミル「ああああああああああああああああああ」トリハダ

21 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:49:16.00


ジャン「ミカサを見失った」

アニ(もう(こいつと一緒に行動する理由)ないジャン……)

22 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:50:03.72


ジャン「これも吐いてるダズを助けたせいか……」

アニ「まさか見張りに見つかって手伝うハメになるとはね」

ジャン「仕方ねえしまずは上を目指すぞ」

アニ「理由はあるのか?」

ジャン「上に行けば何でも見えるからな。そっから旗や寝床やミカサを見つければいい」

アニ「意外に考えてるのねジャン」

ジャン「意外は余計だ!やるからには旗取るぞ」

アニ「……ええ」

ジャン「おっし!ついて来いアニ!」

アニ(やっぱりこいつらと居ると……)

23 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:50:45.58


ジャン「俺にもミカサレーダーがあればな」

アニ「レーダーを持ってる奴なんてミカサとユミルとライナーぐらいだから」

ジャン「そこに仲間入りはしたくねえ」

アニ「ジャンも十分素質あると思うんだけど」

ジャン「そいつはぁ宣戦布告か!?」

アニ「はぁ……ホント喧嘩腰ね。その気ならいいよ」ファイティンポーズ

ジャン「おっとなんだか走りたい気分だ!行くゼェ!!」タタタ

アニ「ちょっと!……逃げたな」

アニ「追わなきゃ」

ジャン(ライナーをぶっ飛ばす奴に勝てねえわ)

ジャン(でもエレンはアニと格闘訓練よくしてるからな……)

ジャン(くっそ……)

24 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:51:58.04


アニ「ねえジャン」

ジャン「おっと俺は女に手を挙げない主義だからな!喧嘩は反対だぜ?」

アニ「ミカサのどこが好きなの?」

ジャン「は、ハァ!?べっっつに好きじゃねえええええええし!!」

アニ「中学生かよ……中学生か」

ジャン「まぁ!?ミカサのいい所を上げるなら綺麗な黒髪に抜群のスタイルに綺麗な眼差しかな!!」

アニ「はいはいごちそうさま。お会計は出来ないから諦めたらどうだい?」

ジャン「……おいお前が想像してるミカサの相手ってのは」

アニ「心当たりがあるなら合ってると思うけど」

ジャン「おいこらテメェ!!」

アニ「!ちょっと黙って何か聞こえる」

ジャン「あん!?」

「「熊だあああああああああああああああああああああ」」

25 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:52:26.79


クリスタ「あ、小鳥さん!」

ベルトルト(人類も捨てたもんじゃない)

クリスタ「見て!川があるよ」トテテ

ベルトルト「これで水の確保は出来るね」

クリスタ「ルールが書いてる紙には『旗を取った組が日の出後帰る権利を与える』だからだもんね」

ベルトルト「どんな状況であれ一晩は確定だからね。水があれば何とか……」

クリスタ「一食分……ベルトルトもお腹へったら私の少し分けてあげるから我慢してね?」

ベルトルト「そんな気にしなくていいよ!?クリスタの分はクリスタの分だから」

クリスタ「何か気を使わせちゃってごめんなさい」

ベルトルト(故郷に持って帰りたい)

ユミル「ぶっ殺したいあの笑顔」

ライナー「特に理由のない殺気がライナーから感じ取れる!!」

26 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:53:03.66

ライナー「とりあえず上に行くぞ」

ユミル「そうだなまずは最低条件揃えてからでも罰は与えられるしな」

ライナー(許せベルトルト……俺は今揺らいでいるんだ)

ライナー(クリスタと会話している男は滅ぶべきなんだ……)

ユミル「うっわ蛇じゃん」

ライナー「怖くないのか?」

ユミル「あたしがか弱い乙女に見えんのか童貞?」

ライナー「俺の目は人間より優れてるからな。全く見えん」

ユミル「ならいいじゃん……っと!」シューッ!

クリスタ:キャーヘビ

ベルトルト:ボクニマカセテ

クリスタ:アリガトッベルトルト!カッコヨカッタヨ!!

ユミル「あああああああああああああああああああ」

ライナー「ファッキューベッル」

27 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:53:52.13


ユミル「チクショーアイツは光の星から生まれたのかよ……」

ライナー「今のはベルトルトは悪く無いだろ」

ユミル「あいつがだらし無い男だったらクリスタが幻滅してただろ?」

ライナー「10:0でベルトルトが悪い、仕方ないな」

ユミル「それが世界の選択だからな……もし世界があいつとクリスタの仲を取り持つなら」

ライナー「おいやめろ!何か俺達がそう言う事言うと洒落にならんぞぉ!」

ユミル「死人が出るぞ気をつけろ!!」

キース(ライナー・ブラウン。精神的にも肉体的にも皆から頼られる訓練兵の支柱。だが周りの期待に答えるのか潰れるのが危惧される)

キース(ユミル。実力は申し分ないが素行の悪さが目立つ)

28 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:54:34.04


コニー「おいアルミン旗があるぞ!!」

アルミン「岩の上にくっついてるね……うーん回るしかないかな?」

コニー「それじゃあ誰かに取られちまうって!」

アルミン「でも手持ちにはナイフ一本だし立体機動装置があれば話は別だけど」

コニー「俺の村での狩りでは弓を使うんだ!弓が壊れて矢が残っていたら!!」

アルミン「まってコニー!それは危険だよ!!」

コニー「ぶん投げる!!」

アルミン「そんな不安定な岩に衝撃を与えたら……崩れる!!」

コニー「ははナニをいって」

ゴロゴロ

コニー「」

キース「スプリンガー訓練兵……覚悟はできてるか」

29 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:55:04.33


ジャン「何で岩が落ちて来てんだあああああああああああ」

アニ「ちっ……石投げた奴殺す」

ジャン「こっちだアニ!避けるぞ!」

アニ(それでは全部避けきれない)

ジャン「おい早く来いよ!巻き込まれるぞ!?」

アニ(でもそれが最善……ジャンの奴意外と頭が回る)

ジャン「ああもう!こっち来い!!」グイッ

アニ「!ちょっと引っ張んないでよ!」

ジャン「うるせぇ!女見捨てるほど人間腐ってねえんだよ!!」

アニ「!」

30 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:55:36.81


ジャン(啖呵切っても無理なもんは無理だ……)

ジャン「アニ悪い!!」ドン

アニ「あんた私を突き飛ばして……危ない!!」

ジャン「動きを見切れ……左ッ!!」

ジャン「でも避け切れるのは無理ってのは……ッ!!」

アニ「ジャンの左足に掠った……ジャン!!」

ジャン「いって―……おうアニ、無事か?」

アニ「私は大丈夫だ!それよりもジャンの方が……」

ジャン「心配すんなってこんなモンミカサに変な事言われるよりマシだ」

アニ「……何で私を助けたんだよ」

ジャン「おいおいこりゃ組の、互いのパートーナーと協力する訓練だぜ?そりゃ助けるだろ?それに女を見捨てる程屑じゃねえ」

アニ「……ありがとう」ボソッ

ジャン「……どーいたしまして」

31 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:56:19.12


ライナー「この方向はベルトルト……!」

ユミル「チィ!クリスタに当たったらあの禿頭殺す」

ライナー「俺も協力する……当たんなくてもな!」

ユミル(どっちにしろクリスタが危険なのは変わりない……でもよ、手段がねえ!)

ライナー(ベルトルトを信じてない訳じゃないがこれは危険だ)


((これは巨人になるしかないのか!?))


32 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:57:19.58


クリスタ「そんな岩が!?」

ベルトルト「まずい……!!」

クリスタ「私ここで終わりか……訓練中に死亡……もっと理由が欲しかったな」

ベルトルト「岩のサイズは巨大、こっちの武器になる手持ちはない、そしてクリスタを守る……」

ベルトルト(巨人になれば簡単に解決できるが全てが水の泡になる……)

クリスタ「ごめんねユミル……もっと仲良くなりたかった」

ベルトルト「――――――クリスタッ!!」

クリスタ「キャッ――――――!?」

ベルトルト「川に飛び込むしか無い!!」

ベルトルト「クリスタは息をいっぱい吸って意識をしっかり保って!」

ザパーン!

33 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:58:19.25


ユミル「クリスタ!」

ライナー「ベルトルト!」

ユミル「下流まで下ってあいつらを探すぞ!」

ライナー「分かってる!このまま最悪の可能性があるからな」

ユミル「クリスタは絶対に死なせねえ」

ライナー「頼んだぞベルトルト……」

34 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:59:08.25


エレン「ハァハァ……疲れた」

サシャ「ゼェゼェ……そ、そうですね……もう懲り懲りです」

エレン「熊何てよ……素手じゃ無理だって」

サシャ「そんな事よりもお腹が減りました!」

エレン「サシャは食べることが大好きだな」

サシャ「欲求に答えてるだけですよ!」

キース『訓練兵達に告げる!!今回の訓練は落石により中止とする!!即刻帰還しろ!!』

エレン「落石……!?」

サシャ「エレン私達も早く戻りましょう!嫌な予感がします!」

35 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 12:59:37.22


――帰還――

エレン「アルミン!無事か!?」

アルミン「エレンも無事だったんだね……良かった」

ミカサ「エレン……怪我はない?傷は?パンは?ちゃんとご飯食べた?熊に襲われなかった?」

エレン「よく分かんないけど俺は大丈夫だ。後熊には襲われた」

サシャ「それよりも皆は無事なんですか?」

アルミン「まだジャンとアニ、ライナーとユミル、ベルトルトとクリスタ達が戻ってきてないんだ」

マルコ「ジャンはすぐ戻ってきてると思ったんだけど……」

エレン「アニも一緒だし……それにあいつは簡単にくたばる奴じゃないから大丈夫だろ」

マルコ「……そのセリフは本人に言ってほしいよ」

ミカサ「ライナーとユミルは逆に弱ってる姿が想像出来ない」

エレン「訓練兵の中でもトップクラスの実力だし大丈夫だと信じたい」

アルミン「クリスタはベルトルトが付いていれば大丈夫だとは思うんだけど……」


36 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 13:00:13.69


サシャ「そう言えばアルミンのペアはコニーでしたよね?」

エレン「コニーはどこにいるんだ?」

アルミン「はは……どっこだろうねー?」

アルミン(言えない彼が原因だなんて口が裂けても)

マルコ「あっ(察し)」

キース「これより日も落ちる!今日の訓練は終了とし宿舎に戻れ!」

エレン「そんなまだライナー達が帰ってきてないのに」

キース「イェーガー訓練兵!何か文句があるのか?」

ミカサ「ここは大人しく引きましょうエレン」

エレン「な、何でもありません……」

エレン(皆……無事でいてくれよ……!)

37 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 13:00:44.48


――山・ジャンサイド――

ジャン「熊だな」

アニ「熊が倒れてる」

ジャン「(・(ェ)・)」

アニ「(・(ェ)・)」

38 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 13:01:51.60


ジャン「悪いな……俺の足が負傷してなきゃ普通に戻れてんのに」

アニ「あんたは悪くないし別に困ってるわけじゃない」

ジャン「そう言ってくれるとありがたいけどよ……もう日が落ちる」

アニ「仕方ない……野宿をするしかないわ」

ジャン「しかねえか……迷惑をかけるアニ」

アニ「だから気にしてないって……とりあえず」ガバッ

ジャン「……何のつもりだよ」

アニ「肩を貸してあげてるだけ……早く寝床を探さないとね」

ジャン「恩に着るぜアニ」

アニ「それはこっちのセリフ」ボソ

ジャン「あん!?なんか言ったか!?」

アニ「なんでも無いから行くよ!」

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/15(土) 14:20:16.09

ジャンアニだと!?
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/15(土) 16:34:06.71

ジャンに春が来たジャン…!
49 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:29:05.96
ジャン「……」

アニ「……」

ジャンアニ(気まずい)

ジャン(肩貸してもらってんだから文句は言えないけどよ)

アニ(密着してんのに会話がないとか……いや密着とかそんな意味じゃなくて)

ジャン(それにしてもアニも意外と優しい所あるじゃねえか)

アニ(あの時のジャンはカッコ良かったわ……珍しい)

ジャンアニ(って何考えてんだ!!)

ジャン(これは早く帰りたいぜ……もう訓練終わってるし)

アニ(この状況を脱するには早く帰還するのが一番)

50 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:30:12.61
ジャン(まぁずっとこのままもアレだし声かけるか)

アニ(ジャンは負傷してるしこっちから声をかけなきゃね)

ジャン「なあ」

アニ「ねえ」

ジャンアニ「……」

ジャン「な、何だよ」

アニ「気にする必要はないわ、言って」

ジャン「いやお前意外に優しいなって」

アニ「そう……」

ジャン「ああ……」

ジャンアニ(なにこれ気まずい)

51 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:30:49.58
ジャン(何でそんな返しなんだよ!だから輪に入れねえんだよ)

アニ(なんで黙る?だからミカサは見向きもしないんじゃないか)

ジャン(いやもっとCOOLになれジャン!相手は今助けてくれてるんだぞ)

アニ(もう少し素直に……助けてくれたのはジャンだし)

アニ「歩き辛くない?大丈夫?」

ジャン「ああお陰様で十分歩けてるわ」

アニ「……」

ジャン「……」

ジャンアニ(会話続かない)

52 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:31:42.23
――下流サイド――

ライナー「ったく……疲れたぜ」

ユミル「お疲れさん。岩場に二人が引っかかって助かったな」

ライナー「全くだ、それで二人は無事か?」

ユミル「息はあるし外傷もないね女神は健在だ」

ライナー「おまけに旗までゲットしてやがる……たまたま川底にあったのが付いてきたのか」

ユミル「クリスタは幸運の女神様ってのが証明されたんだろ?まぁ今回はこの木偶野郎ベルトルト様のおかげだけどな」

ライナー「普段は大人しいが頼れる立派な戦士だぞこいつは」

ユミル「ライナーの腰巾着から一気に評価が上がったわ同期の男じゃあトップだな」

ライナー「一番人気のエレンを差し置いてか?」

ユミル「あれが一番人気とか知ったこっちゃねーよ」

53 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:32:13.16
ユミル「服濡れてるし乾かしてやりたいが代わりに着せる服がない」

ライナー「!」ガタッ

ユミル「今回はベルトルトに花持たせてやるしそこの穴蔵に運ぶぞ」

ライナー「俺はもちろんクリスタを運べばいいんだな!」

ユミル「ドーモ=ライナーサン」ニッコリ

ライナー「俺はベルトルトの親友だぞ!?運ぶに決まってるだろ!」

ユミル「素直なのはいい事だ……分かってんだろうな」

ライナー(濡れてるクリスタ……ユミルで隠れて透けてねえ!!)

55 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:33:07.52
ライナー「火でも起こすか?」ドサッ

ユミル「それじゃあ助けたことがバレるだろ」

ライナー「そもそも何で隠す?」

ユミル「私達がストーカーみたいじゃん。クリスタに嫌われるのは嫌だろ」

ライナー「ああそうだな(真顔)」

ユミル「だから仕方ねえけどヒーローはそいつだ……守ってのもそいつだし」

ライナー「そうか……そんな優しいユミル様にプレゼントだ!」

ユミル「あ?ってこいつは旗じゃねえか!?」

ライナー「岩が崩れた時にな……こっそり回収しといた」

ユミル「でかしたライナー!後はクリスタを遠くから見守るだけだ!」

ライナー「ユミルのたみにとってありがたきお言葉」

ユミル「……冗談か何か知らねえがその言葉使ったら殺すぞ」

ライナー「おっと変な地雷踏んだか?悪いな」

56 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:33:49.50
ライナー「という訳でクリスタたちが見える丁度いい穴蔵を拠点にする」

ユミル「夜だけなら一食分で足りるが……おいライナー折角だし魚取ってこいよ!」

ライナー「ユミル様は人使いが荒いようで……」

ユミル「なんか言ったかホモォ!?」

ライナー「何でもない!鰊でも文句言うなよ!?」

ユミル「季節考えろバーカ!!」

ライナー「……『鰊』ねぇ……どうしたもんか」

57 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:34:20.85
ユミル「あー」

ライナー「冷た!水冷た!!」

ユミル「ホモの水遊びとか誰得だよ」

ライナー「足の裏いてぇ!小石ィ!!」

ユミル「クリスタに取り付く害虫は駆逐しねえと」

ライナー「だが俺は戦士……勇敢な海の戦士!!」

ユミル「でも女神は悲しむんだよなー」

ライナー「とったどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

ユミル「まあ飯にするか」

ライナー「この日人類は遂に勝利しましたあああああああああああ」

ユミル「うるせぇぞライナー!」

58 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:35:04.31
ライナー「という訳で夕食」

ユミル「風向き的にクリスタ達から煙は見えないしな」

ライナー「自分で取った飯は上手い」

ユミル「おいお前が取ったとかキモいからやめろ」

ライナー「ふぇぇ……」ウルウル

ユミル「きめええええええええええええええええええ」

クリスタ「ん???」

ライユミ「!!!」ガタッ

59 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:35:42.42
ベルトルト「気がついたかいクリスタ?」

クリスタ「ここは……それに岩は!?」

ベルトルト「とっさに川に飛び込んだけど助かったみたいだね」

クリスタ「そうなの……」クシュン!

ベルトルト「火は起こしといたから暖まってね」

クリスタ「ありがとうベルトルト!」

ベルトルト(すんなり名前言ってくれた!)

クリスタ「それに助けてくれたこともありがとう!」

ベルトルト「でも気づけば此処にいたんだよ?」

クリスタ「もぅやめてよ、それじゃ誰が助けたの?ベルトルトでしょ!ありがとう!」

ユミル「なぁ今からネタばらしありだと思う?」

ライナー「お前少し前のレス読み返せよ」

60 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:36:21.73
クリスタ「あ、パンもしかして湿気ってる?」

ベルトルト「それが湿気ってないんだ……不思議だ」

クリスタ「そっか……神様の贈り物だね!」

ベルトルト(一家に一人置きたいこの女神)

クリスタ「じゃあ今日は此処で一泊して朝山から降りる?」

ベルトルト「それが一番安全だね」

ライナー「安全かどうかはお前が決めることじゃない」

ユミル「私達が女神を守る――親衛隊」

ライナー「一人の戦士として女神のために命を捧げる覚悟はどの世界でも変わらない」

61 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:36:58.42
――宿舎――

エレン「あいつらが心配なのに!」

アルミン「今日は一段と見張りが厳しいね」

マルコ「心配だけど先輩たちも捜索に行ってるし信じよう」

エレン「でもよ……熊とかいたらどうすんだよ!?」

ミカサ「その心配の必要はないわ」ファサッ

マルコ「(・(ェ)・)」

アルミン「まさか……まさか!?」

マルコ「アルミン」

アルミン「マルコ?」

マルコ「(・(ェ)・)」

アルミン「(・(ェ)・)かーwwwwwwwwww」

62 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:37:31.25
エレン「そうだな……簡単にくたばる奴らじゃないし大丈夫だな!」

アルミン「そっかー……僕の気持ちが少しは分かったかい?」

マルコ「うん……(・(ェ)・)だしね」

サシャ「あああああああああああああ」

エレン「どうしたサシャ!?」

ミカサ「落ち着いてサシャ。熊なら私が(・(ェ)・)したから安心して」

アルミン(冷静に考えると武器も無いのに(・(ェ)・)したのか)ガクブル

サシャ「違うんです……そういうことじゃないんです」

マルコ「本当にどうしたの?」

サシャ「皆が心配です!でもパァンが6つ余ってます!!でも皆が帰ってくると信じています!!!でも6つ余っているんですよ!!!!」

エレン「食えよ」

63 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:42:22.30
――ジャンアニサイド・穴蔵――

ジャン「うっし……ありがとなアニ」

アニ「今日は此処で一晩明かして朝一で降りたいと思うけど大丈夫?」

ジャン「ああ一日寝れば治るだろうし構わねえぜ」

アニ「そう……ご飯」

ジャン「あん?」

アニ「疲れたしご飯にしない、と言ったの」

ジャン「そうだなたしかに腹は減ってるし飯にすっか!」

アニ「パンだけどね」

ジャン「パァンかよ!あぁ肉食いてーなおい!」

アニ「……w」

ジャン「あん?どうしたアニ」

アニ「!嫌なんでもい……気分を害したらごめん」

ジャン「いや別に悪くは無いけど何か笑うとこあったか?」

アニ「……パァン」

ジャン「あん?」

アニ「『パァン』ってサシャの真似でしょ?」

ジャン「ああ、それか。たしかに芋女のテンションを真似たけどよ」

アニ「思ったより似てた」

ジャン「褒められても嬉しい気はしねえわ」

アニ「フフ……それもそうね」

ジャン「ああ全くだ!」

アニ「それじゃパァン食べる?」

ジャン「そうすっか!」

64 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:42:49.78
ジャン「上手い!って感じはしねーよなそりゃ」

アニ「そうね……サシャが食料を盗んでくれば話は別だけど」

ジャン「ひでぇイメージだなおい!」

アニ「そう?簡単に想像できると思うけど」

ジャン「上官の食料庫から盗んできましたぁみんなぁで食べましょうぉぅ」

アニ「出来てんじゃんジャン」

アニ「……ジャンジャン」

ジャン「」

アニ「ハッ!?」

ジャン「……ジヤンジャン」

アニ「――!」///

ジャン「アニお前面白い奴だな!いっつもそうやって笑ってくれよ!」

アニ「え?」

ジャン「黙って怖い顔より笑ってるほうが似合ってるぜ?」

アニ「」

ジャン「?どうした急に黙って――」ハッ

ジャンアニ(気まずい)

65 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:43:58.51
ジャン(やべぇつい口走ってしまった)

アニ(突然過ぎて思考停止しちゃった……)

ジャン(でも本当のことだしフォローしねえと!)

アニ(褒めてもらったんだからお礼言わなきゃ!)

ジャンアニ「ちょっといい(かい)?」

ジャンアニ「!」

ジャンアニ(まただ……)

ジャン(ここで引いたらダメだ……けどよ)

アニ(繰り返し……)

ジャンアニ「何で話すのが難しいのかな」

ジャン「あ?」

アニ「え?」



ジャン「は……ハハハハハハハハ!!」

アニ「……フフッ」

66 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:44:28.05
ジャン「何だアニそんな事気にするタイプか?」

アニ「ジャンこそミカサの時みたくすればいいじゃない」

ジャン「言ってくれるなアニ!」

アニ「本音を言っただけだけど」

ジャン「そいつは……返す言葉もねえ」

アニ「……ジャン」

ジャン「ジャン」

アニ「そうじゃなくて……そのアリガト」ボソ

ジャン「」

アニ「何その顔」

ジャン「意識がロストしてたからもう一回頼む」

アニ「絶対イヤ!」

ジャン「頼む後生の願いだ!」

アニ「嫌なものはイヤなの!」

ジャン「まさかアニからありがとう何て言われるとわ」

アニ「聞こえてんじゃん!!」ブン

ジャン「痛い!蹴んなって!!」

67 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:45:18.21
――穴蔵――

ユミル「ガリガリ君でも食いたいわ」

ライナー「さて寝袋の準備でもするか」

ユミル「ちょっとコンビニまで行ってこいよライナー」

ライナー「意味の分からない事言ってないで準備しろよ」

ユミル「おいおい誰もお前と寝る準備したくねえよ」

ライナー「何でお前みたいな女襲わなくちゃいけないんだよ?レポートにまとめてくれよ」

ユミル「特に理由のない――理由がある殺意が盛り上がる」

ライナー「お、クリスタ達が動いたぞ」

ユミル「何!?」

ライナー(助かった……が『コンビニ』か)

68 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:46:52.51


クリスタ「星がキレイだねー!」

ベルトルト「ああ今日の夜空は綺麗だ」(火も付いてるし野獣の心配もない)

ライユミ(クリスタの方が綺麗だもん><)

クリスタ「皆元気かな……」

ベルトルト「大丈夫だと思うけど寂しいかい?」

クリスタ「ベルトルトがいるから大丈夫!……けどユミルや皆のことが心配」

ユミル(ようライナー?『ユミル』と皆だってよぉ?)

ライナー(ぐぬぬ)

ベルトルト「皆なら無事だと思う……誰も死にはしないさ」

クリスタ「そうだよね!……ねえベルトルト?」

ベルトルト「ん?」(かわいい)

クリスタ「ベルトルトはライナーの事心配じゃないの?」

ライナー(女神降臨キタ━(゚∀゚)━!)

ユミル(ぐぬぬ)

69 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:47:23.46
ベルトルト「心配か……ライナーならその必要はないと思うよ」

クリスタ「根拠はあるの?」

ベルトルト「ライナーは立派な戦士を目指してるしその素質があるからね……ちょっと思い込みが強いところもあるけど」

クリスタ「ふふ……ベルトルトとライナーは仲良しだもんね!」

ベルトルト「仲良し……なのかな?」

クリスタ「うん……私とユミルもそうなればいいのに」

ライナー(かわいい)

ベルトルト「え……クリスタとユミルは仲良しでしょ?少なくても僕にはそう見える」

ユミル「ベルトルトさんイケメン!」

クリスタ「ユミル?」

ユミル(やっべ!)グイッ

ベルトルト「気のせいじゃない?」

クリスタ「……そうみた、い?」

ライナー「何やってんだ馬鹿」

ユミル「恩に着る」

70 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:48:22.63
クリスタ「ユミルはいっつも私に絡んできてイジワルばっかりなの」

ベルトルト「うーん……」

クリスタ「でもお話したり構ってくれるのが嬉しくてね?」

ベルトルト「うんうん」

クリスタ「でも私に気を使いすぎ……みたく感じちゃって」

ベルトルト「あーね」

クリスタ「だからユミルから見たら上辺だけの友達なのかなって」

ユミル「それH「それは違うと思うよ」

クリスタ「え?」

ベルトルト「ユミルは気何かじゃなくて本気でクリスタのことを思っているんだと思う」

ベルトルト「たしかにクリスタのユミルは他の人の時と違って異常なテンションかもしれないし僕もそう思う」

ベルトルト「でもそれは本気の証拠だと思う、だからそんな事気にしなくてもいいよ」

クリスタ「なるほど……でもそうかな?」

ユミル「さっすがベッル!話が分かんじゃねえか!!なぁクリスタ!!」

クリスタ「ユミル!?」

ライナー「お前何のために隠れたんだよ」

ベルトルト「ライナー!?」

71 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:49:23.30
ユミル「よぉクリスタちゃんー何々私との関係を気にしてたの?」ワシャワシャ

クリスタ「もうユミル髪やめてよー」

ベルトルト「ねえライナー」

ライナー「どうしたベルトルト?」

ベルトルト「かわいい」

ライナー「仕方がない」

ユミル「まぁ皆無事ってことでいいじゃないか!」

ライナー「そうだな……最高だ!」

ベルトルト「何か」

クリスタ「すごい仲良くなってる?」

72 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:49:55.75
――ジャンアニサイド――

ジャン「一応火は付けとくわ」

アニ「分かった……まだ痛いの?」

ジャン「いや全然……!いたいなぁ」

アニ「そんな演技はいらないからね」

ジャン「解ったよ……にしても強い蹴りだな」

アニ「理由によってはまた蹴ることになるよ?」

ジャン「違うって!素直に受け止めろよ!」

アニ「ジャンに素直とか言われたくない……エレンにも素直になれば?」

ジャン「……」

アニ「ジャン?」

ジャン「俺だって分かんねえよ」

アニ「!」

73 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:50:39.15
ジャン「あいつの夢は立派だし馬鹿にする気は無えけどよ、どうしても気に食わねんだ」

ジャン「あいつは巨人を見たことがあるが俺は無いし恐怖も実際には知らない」

ジャン「でもあいつの目が、ひたすらに目を見続ける瞳が羨ましいんだ!!」

ジャン「あいつ……エレンは俺には無い物を持っている……それが嫌だったかもな」

アニ「……何だ、ジャンは良い奴なんだな」

ジャン「――ん?」

アニ「ミカサ関連かと思った」

ジャン「あのなぁアニたしかにそれもあるかもしれねえが――些細だろ?」

アニ「それならいいの。その理由ならあんたたちは分かり合える日が来る」

ジャン「そのことで一役買ってくれねえか?」

アニ「?」

ジャン「格闘訓練の相手を頼みたいんだ」

74 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:51:06.00
ジャン「女に頼むってのはアレだが……此処に来てミカサやアニを見てそんな幻想は壊された」

アニ「喧嘩売ってるのかい?」

ジャン「そんでエレンには悔しいが……格闘じゃ勝てねえ、座学や立体起動なら別だけどよ」

アニ「たしかに立体機動装置に関してはミカサ並だねジャンは」

ジャン「エレンと組んでるアニに頼むのはアレだが……頼まれてくれないか」

アニ「……1つだけ教えてもらえない?」

ジャン「何だよ」

アニ「エレンに勝ってどうするの」

ジャン「――俺の気持ちに決着を付ける」

アニ「……いいよ任された」

ジャン「!礼を言うぜアニ!ありがとう!」

アニ「今日の恩もあるし……当然」

75 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:51:37.97
ジャン「アニがこんな良い奴とは思わなかったぜ」

アニ「本当に喧嘩売ってない?」

ジャン「ちげーよ……ほらアニはいっつも黙ってるだけじゃん?もっと笑えって!」

アニ「そう?……さっきも言ってたけど?」

ジャン「ああ絶対アニのことを勘違いしてる奴がいるしなー」

アニ「努力するわ」

ジャン「おうそれが一番だ!」

アニ(同期……仲間か)

アニ「ジャンももっと素直にね」

ジャン「それはおいおい決着つけるさ」

76 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/15(土) 22:52:56.59
ジャン「それじゃあ寝るか」

アニ「ジャンって大胆?」

ジャン「あん?――!馬鹿じゃねえの!?」

アニ「顔が赤いよジャン?ミカサじゃないのに?」

ジャン「本当にな」ボソ

アニ「なんか言った?」

ジャン「お前も顔が赤いんだよ暴力女!!」

アニ「な!?……許さない」

ジャン「こいやぁ!訓練と行こうぜ?」

アニ「容赦はしない……!!」

ジャン(まさかこんな事になるとはな)

アニ(意外だ……とっても)

ジャンアニ(こんなにも楽しく感じるなんて!)

80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/15(土) 23:12:43.23

ジャンはミカサ以外の女性にも目を向けるべき
ミカサはエレンと一緒にいるのでそっとしておくといい
87 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:30:36.48
――朝――

ジャン(まぁあの状況で寝れるわけもないです仕方ないね!)

アニ(結局一睡も出来なかった……無理がある)

ジャン「おはようアニいい天気だな」

アニ「すごう眠そうな顔してんだけど……怖い」

ジャン「お前も目の隈やべえぞ?さては寝てないな?」

アニ「……お互い様でしょ」

ライナー「おーい!アニにジャーン!!」

アニ「ライナー……ベルトルトとユミルにクリスタも」

ジャン「アニとライナーは知り合いか?たまに話してるけどよ」

アニ「私とライナーとベルトルトは同じ村の出身なの」

ジャン「まーたトリオか」

88 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:32:28.08
クリスタ「二人共帰ってなかったの?」

ジャン「ってことはお前らもか」

ベルトルト「落石に巻き込まれてね」

ユミル「おいおい若い男女二人が一夜過ごすとかこえーわWそれに眠そうな顔」

クリスタ「や、やめなよユミル!」

ユミル「とか言ってクリスタちゃんはそう言うのに興味ある年頃何じゃないんですかね」

ライナー(私は構わない)

ジャン「う、うっせえぞユミル!眠たそうな顔してんのはテメェらだって同じだろ!」

アニ「そうねあんた達も眠そうな顔してるじゃん」

ベルトルト「よく分かんないけど僕たちは合流できて騒いでいたからね」

ライナー「の割りには見つけられなかったけどな」

クリスタ「気づいたら朝になってたの」

ライナー「まぁどっちにしろ……」

ジャン「な、何だよ」

ライナー「なぁ?」ニヤニヤ

ベルトルト「うん……珍しい」ニヤニヤ

アニ「コロス」ボォウ

クリスタ「アニのハイキックがライナーの顔面に!?」

89 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:35:09.17


ユミル「まぁいいや戻るぞ」

ジャン「そうだな……って旗がねえ!?」

ベルトルト「もう旗なんて関係ないと思うけど」

ジャン「いやお前たちが持ってるのにオレとアニだけが持ってないなんて不公平だ!」

アニ「そうじゃん」

ライナー(信頼してんなおい)

ユミル(こりゃ意外だわ)

クリスタ「でも旗なんて都合良くあるかな?」

ユミル「どっちしろ戻るからその道中にあればジャン達の物、無かったらそのままお戻り願う」

アニ「しょうが無いわね……そうしましょうジャン」

ジャン「了解だ」

クリスタ「ニヤニヤ」

90 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:37:10.11
ベルトルト「クシュン!」

ジャン「何だァベルトルトー風か?」

クリスタ「ごめんね私のせいで……」

ベルトルト「いやクリスタのせいじゃないさ」

ユミル「岩に石投げた奴皆で潰さねえか?」

ライナー「そうだな……何にせよ罰は必要だな」

アニ「ジャンは足は大丈夫?」

ジャン「昨日楽できた分今日は大丈夫そうだありがとなアニ」

ライナー「お前らも大変だったんだな」

アニ「ライナーは特に理由もないのかい?」

ユミル「このホモ野郎はずっと煩くてなぁ」

ライナー「人の事言えるのかユミルは?」

ジャン(こいつらもよく話すな)

91 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:39:03.56
アニ「熊だ」

ジャン「(・(ェ)・)かまだいたのか……!」

ユミル「お前ら運いいなーおい」

ベルトルト「熊が旗を献上している!?」

ライナー「何か俺達にすっげービビってるな……ありゃ人間にやられた経験あるな」

ベルトルト(ミカサだね)

クリスタ(ミカサかな?)

ユミル(腹筋バッキン娘)

ジャン(まじで雲の上)

アニ「これで私達も胸を張って戻れるねジャン」

ジャン「まぁ運が良かったって事でいいか」

クリスタ「ありがとーくまさん!」

くま「(・(ェ)・)―ノシ」

92 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:40:55.73


――宿舎――

ライナー「ライナー・ブラウン以下5名無事帰還いたしました!」

キース「無事だったかブラウン訓練兵……む、それは旗か?」

ライナー「ハッ!ここにいる三組の訓練兵は旗を入手し当初の予定通り一夜を山で過ごし帰還しました!」

キース「……そうか落石の件もあって本日の訓練は中止となっている……各自その身を休めろ!」

「「「「「「ハッ!!」」」」」」

93 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:42:32.48


アルミン「皆戻ったんだね!」

エレン「無事で何よりだ!」

ライナー「俺達が簡単にくたばるかって話しだろ?」

ベルトルト「二回目はゴメンだけどね」

マルコ「(・(ェ)・)に合わなかったかい?」

ジャン「俺達の旗はそいつから貰ってよ、何か酷く人間に怯えてんだよ」

ミカサ「ビク」

クリスタ「あはは……」

ユミル(人間かよあいつ)

94 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:44:30.31


サシャ「皆さんのパァンは私が頂きましたので安心してください!!」

アニ「~~!!」

エレン「あ、アニ?どうしたんだ?」

ジャン「なぁ言ったとおりだろ?こいつは絶対謝罪するって!」

アニ「一言一句そのままじゃん――まるでサシャ博士ね」

ジャン「そいつは傑作だ!嬉しくもねえけどな!」

アルミン「嘘だろ」

マルコ「ジャンとアニの仲が良くなってる!?ジャンが誰かと打ち解けてる!?」

ジャン「おぉいマァルコッ!!それはどういう意味だよおい!?」

アニ「ごめんエレン今度からジャンと格闘訓練するから」

ミカサ「キタ━(゚∀゚)━!」

エレン「ならマルコよろしくな!」

マルコ「こっちこそよろしくね」

ミカサ「!?」

95 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:45:21.48


コニー「おお皆無事だったか!!」

ジャン「おうコニー、どうしたそんな顔して心配したか?」

コニー「まだこの歳で人を殺したくないからな!!」

「「「「「「!!!!!!」」」」」」

コニー「いてて!!この頭を持ち上げる感じは教官!?」

ベルトルト「やぁコニー久しぶりだけどどういう事かな?」

マルコ「ベルトルトが切れてる!?」

コニー「悪かった!ベルトルト!だから下ろしてくれよ」

ベルトルト「僕は謝罪だけで十分なんだけど……ねえ?」

ライナー「ベルトルトお前その手を離すなよ」

ユミル「最近殴ってねえから加減できるかわっかんねえや」

ライナー「まぁお前が悪いんだから一発や二発は我慢な」

ユミル「女神を不安にさせた罪は重いぞ坊主」

97 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:48:53.32
ジャン「そう言う事だから俺も乗らせてもらうぜ」

アニ「昨日の訓練の成果を期待してる」

ジャン「まあ見てなって師匠様よ」

アルミン「皆すごく仲良くなって帰ってきてる!?」

マルコ「前にあった亀裂が無くなってる」

アルミン(まさか教官は僕達の仲を取り持とうと……!?)

アニ「代わりに今度……立体機動装置のことは頼むわ」

ジャン「そんぐらいならお安いご用って話だぜ!それなら俺が主導権握れるしな!」

アニ「楽しみにしてるわジャン」

コニー「何〆る空気になってんだよ!?」

ユミル「なってねえから」

クリスタ「みんなこわい」



キース「今しがた大きな音が何度も聞こえたが説明してもらおうか」


96 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:48:07.27


ベルトルト「!?」

キース「フーバー訓練兵……貴様は何故頭を持ち上げている?」

アルミン(この状況は……明らかに主犯はベルトルト達だとバレているしサシャの放屁も通用しない!)

ライナー「教官……これは」

クリスタ(いつも皆に迷惑かけてばかり……そんなのはイヤ!!)

キース「何だ?言ってみろブラウン訓練兵まさか貴様か?」

クリスタ「私が放屁した音です!!」

「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」

アルミン(女神の吐息だって!?)

ベルトルト(まさか僕達を庇って?)

ユミル(おいおいクリスタ一人に罪を擦り付けるんのか?)

ライナー(本当に可愛くて良いやつだな……!)

98 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:49:45.90


ベルトルト「!?」

キース「フーバー訓練兵……貴様は何故頭を持ち上げている?」

アルミン(この状況は……明らかに主犯はベルトルト達だとバレているしサシャの放屁も通用しない!)

ライナー「教官……これは」

クリスタ(いつも皆に迷惑かけてばかり……そんなのはイヤ!!)

キース「何だ?言ってみろブラウン訓練兵まさか貴様か?」

クリスタ「私が放屁した音です!!」

「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」

アルミン(女神の吐息だって!?)

ベルトルト(まさか僕達を庇って?)

ユミル(おいおいクリスタ一人に罪を擦り付けるんのか?)

ライナー(本当に可愛くて良いやつだな……!)

99 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:51:35.30

ライナー「私も放屁しました!」

クリスタ「え!?」

コニー「そ、その音に驚き転倒してしまいましたぁ!!」

ベルトルト「倒れるコニーを支えようとした結果頭を掴んでしまいました!」

ユミル「勢い余って殴る形になりました」

アルミン「こちらのテーブルでは少々談笑の音が大きすぎました!」

エレン「ハッ!巨人に対する談話で盛り上がってしまいました!」

ミカサ「それを静止することが出来ませんでした」

マルコ「同じく共に盛り上がってしまいました」

ジャン「そして私はそれを見て笑っていました!」

アニ「同じく」

キース「……」

サシャ「そして何よりもそれらを凌駕する私の放屁です!!!!」

キース「なら仕方あるまい……品格を持て」ガチャ

サシャ「!?」

100 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:52:48.59
ミカサ「さすがサシャね」

サシャ「何でですか!?私の放屁なら納得出来るんですか!?世界はこんなにも残酷何ですか!?」

クリスタ「よかった……」

アルミン「今回はお咎めなしだし結果オーライって所かな」

ユミル「女神様私は感動したぜぇ?よく最初に言った!!」ワシャワシャ

クリスタ「もぅやめてよ……」

ライナー(かわいい)

ベルトルト(かわいい)

アルミン(かわいい)

マルコ(かわいい)

101 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:54:48.37
ジャン「まぁいいじゃねえか特に誰も怪我してねえし?」

アニ「待ってジャンは――」

ジャン(いいんだよきっちり〆ようぜ?)

アニ(ジャンがいいならいいけど……)

ユミル「おいおい仲良く内緒話ですかぁ?ツンツン組さんよぉ」

ライナー「やめろユミル……デレが出ないだろぉ?」

ジャン「駆逐すっぞオラァ!!」

アニ「私の特技は蹴り殺す事……!」

ライナー「助けろユミル様!アニの目がやばいって修羅だぞ!?」

ユミル「あ、ごめん聞いてなかった(笑)」

クリスタ「みんなとっても仲良くなったね!」

ベルトルト「僕たちは仲間だからね……そう『仲間』なんだよ」

102 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:57:18.40


ジャン「おいエレン!」

エレン「な、何だよ急に」

ジャン「テメェの夢は立派なんだから死に急ぐなよ」

アルミン「!」

マルコ「ジャン!?」

エレン「当たり前だ……それは当たり前だ!」

ジャン「ならいいんだよいつかの格闘訓練でお前をぶっ飛ばすから覚悟しろよ!」

エレン「ああいつでも待ってる……待ってるからな!!」

ミカサ「エレンがここ最近で一番の笑顔になっている」

アルミン「元々似たような二人だったからね」

マルコ「これでジャンも友だちが増えるよ」

103 : ◆uBeWzhDvqI :2013/06/16(日) 11:59:38.82


アニ「もっと支える足に重心を乗せて」

ジャン「こうか?」

ライナー「痛いって!俺を実験台にすんなよ!?」

ユミル「おーやれやれー」

クリスタ「ユミルもライナーを助けなよ!?」

エレン「俺も交るぜ!覚悟しろよライナー!」

サシャ「特に理由のないエレンがライナーを襲います!!」

マルコ「今日も平和で何よりだよ」

アルミン「まぁまだまだ期間もあるし仲がもっと深まればきっと最高の友達になれるよ!」

ベルトルト(そうだね――今だけは仲間を感じていたい)

――終わり――

コニー「腑に落ちねええええええええええええええ!!!!」







ジャン「この死に急ぎ野郎!!」
元スレ

テーマ : 進撃の巨人
ジャンル : アニメ・コミック

アニ「どちらにもなれなかった私の話」【アルアニss】

1: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 20:59:31 ID:wKsy7YP6

ガサガサ

ザザッ

アニ「……ここだけ草が倒れて人が通った跡がある」

アニ「この先に何か……?」

ガサガサ…バッ


アニ(休日がやってきた)

アニ(日々の過酷な訓練で疲れた身体を癒す、安息の日)

アニ(とてもいい天気で、寮に籠もってるのももったいないから散歩に出かけたら)



アニ(見慣れない場所を見つけた)

2: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:01:31 ID:wKsy7YP6


アニ「こんな所が、……訓練所に…?」

アニ(綺麗な場所だった)

アニ(一見すると木々に囲まれていてそこがあることすらわからない)

アニ(辺りから隔絶された秘密の花園)

アニ(まるでここだけどこか別の世界にきてしまったみたい)




アニ「……きれい…」キラキラ


アニ(ふ、と顔をあげると、鮮やかな花を咲かせている大木の枝に)

アニ(見覚えのある人がいる)

アニ「あれって……」




ドサッ


3: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:03:13 ID:wKsy7YP6






アルミン「あ、本が」グラッ

アニ(あいつは落ちた本に気を取られてるみたいだけど)

アニ(そんなに身を乗り出したら落ちるんじゃ?)

アニ「危な……」

アルミン「うわああああっ!?」ドサドサ




アニ(あれは痛そう)


4: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:04:53 ID:wKsy7YP6


アルミン「いたたた……」ヨロヨロ

アニ(見覚えがあると思ったらやっぱりそうだ)

アニ(きらきら輝く金糸に碧眼、女みたいな顔)

アニ(いつも目立つ二人と一緒にいる、貧弱そうな男だ)

アニ(名前は……アルミン、だっけ?)

アニ「……大丈夫?」

アルミン「わ!!」ビクッ

アニ「」ビクッ

アルミン「え、あ、あれ……君いつからそこに…!?」

アニ「今さっき。そしたらあんたが木から落ちてきた」

アルミン「あ、あはは……。恥ずかしいとこ見られちゃったな」ハァ

アニ「……何でそんなとこに?」



アルミン「うーん、……たまには別の視点で物事を考えてみたいなあと思って」


6: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:06:52 ID:wKsy7YP6


アニ「それで、よりにもよって木に登ったの?」

アルミン「うん……」


アニ「あんた、バカでしょ」

アルミン「……そうはっきりと言われると傷つくなあ」アハハ

アルミン「まあ、結局いつも通り読書するだけになっちゃったし」

アルミン「落ちるし、見られるし」

アルミン「その通りなんだけどね」ズーン

アルミン「あーあ、本も汚れちゃった」パンパン


7: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:09:25 ID:wKsy7YP6



アニ(アルミンが拾い上げた本の表紙には、いばらに巻きつかれて苦しそうな表情をした少女の画が描かれていて)

アニ(なぜかわからないけれど惹かれるものがあった)

アニ「……いばら姫?」

アルミン「……あ、ああこれ」

アニ「どんな本なの?」

アルミン「んー、童話だよ」

アニ「童話……」

アルミン「簡略的に言ってしまえば、悪い魔法使いによって100年の眠りについたお姫様が、」

アルミン「王子様のキスで目覚めるっていうよくある話さ」

アニ「ふーん。……あんたって見かけ通り少女趣味な奴だね」

アニ「この年でそんな乙女な童話を読んでるなんて」


8: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:10:56 ID:wKsy7YP6


アルミン「そうかな……?童話に限ったことではないけど物語ってただ読むんじゃなくて、」

アルミン「書かれた背景や表現の意味を考察して、現実の事象に当てはめたり、」

アルミン「自分なりの解釈をまとめた話として改めて読むと違う世界が見えたりして」

アルミン「色々楽しいよ。まあ、本来の読み方からは大きく外れてるんだけど……」ハハハ

アニ「楽しいの?」

アルミン「すっごく」キラキラ

アニ「ふーん」

アニ(眩しい瞳。きっと心のそこから楽しんでいるんだ)

アニ(私とは大違いで、羨ましい)


9: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:11:57 ID:wKsy7YP6

アニ「……ねえ、」

アルミン「ん?」

アニ「……ちょっと聞かせてみてよ」

アニ(最初はほんのちょっとの羨望が混じった、気まぐれな好奇心だった)

アニ(暇つぶしぐらいになればいいや、つまらなかったら鼻で笑ってやろうって)



アニ(けど、すぐに覆されて話に惹き込まれた)

アニ(私にはどうやったって思いつかないような奇抜、独創的、かつ筋が通った発想)

アニ(頭が良い、ってのは本来こういうやつのことを言うんだろうね)

アニ(壁の中の人類なんて皆馬鹿ばかりだと思っていたから)

アニ(心底驚いて、少し嬉しかった)


10: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:14:24 ID:wKsy7YP6


アルミン「―――……、こんな感じ」

アニ「……」

アルミン「……ごめんね、つまらない話を長々と聞かせてしまって」

アルミン「いつも話が長いって言われるんだ。でも話し出すと止まらなくて…」シュン

アニ「……す」

アルミン「す?」

アニ「すごい」

アルミン「え」


11: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:15:13 ID:wKsy7YP6


アニ「すごい、面白かった」キラキラ

アルミン「!」

アルミン「あ、ありがとう」テレテレ

アニ「もっと……あるの?」

アニ「面白い、話」

アルミン「……っ、あ、あるよ!」

アニ「聞きたい」

アルミン「もちろんさ!」


12: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:17:46 ID:wKsy7YP6



アニ(こうして、私とアルミンの不思議な時間は始まった)

アニ(休日や、訓練の合間に落ち合わせてここに来て、私は彼から様々な話を聞いた)

アニ(波長があってたのか、ただ単に話し上手なのか)

アニ(私にはわからなかったけれど)

アニ(アルミンの話は私を夢中にさせた)

アニ(訓練の疲れや、自分の置かれた立場、…何もかも忘れそうになるくらいに)


14: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:18:52 ID:wKsy7YP6


~~~~~~~~~~~~~~~~


アニ「今日も楽しかった」

アルミン「僕も。……でもいつも一方的に話してしまって」

アニ「それでいいんだよ。私はあんまり話が得意じゃないから聞いてるほうが楽しい」

アルミン「そうかな……。でもよかった。アニがいてくれて」

アルミン「ここに来てからエレンもミカサも手一杯って感じで」

アルミン「なかなか楽しく話すって雰囲気じゃなかったからさ」


アニ「……アルミンはあの二人とは幼馴染なんだっけ」

アルミン「うん。シガンシナにいるときからずっと一緒だ」



アニ「へえ」


15: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:22:35 ID:wKsy7YP6



アニ「……、いいな」

アルミン「?どうして」

アニ「だって二人は今までずっとアルミンの話を独占してきたわけでしょ」

アニ「ずるい」


アルミン「……、アニって案外子供っぽいこと言うんだね」クスクス

アルミン「お気に入りのおもちゃ取られたみたいな顔してたよ」フフ

アニ「私だってまだ子供だよ」ムッ

アルミン「あはは、そうだったね。普段が大人びてるから忘れてた」

アルミン「でもほら、今はアニが独占してるから。安心して」

アニ「……、そ」


17: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:23:41 ID:wKsy7YP6






アニ(アルミンがお気に入りのおもちゃ、か)

アニ(あながち間違っちゃいないと思うんだけど)

アニ(なんかしっくりこない)

アニ(なんだろうねこれは)

アニ(アルミンが……、ぬいぐるみ…)

アルミン「アニ、どうかした?」



アニ「アルミンは……、リスっぽいかな」

アルミン「ごめん何の話?」


18: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:26:40 ID:wKsy7YP6



~~~~~~~~~~~~~~~~



メガネ教官「本日はここまで。解散」

ワイワイガヤガヤ


モブ子A「ねえアルミン!ここを教えて!」

アルミン「僕なんかに聞くより教官に聞いた方がいいよ」

モブ子B「えー、アルミンがいいなあ」

アルミン「ご、ごめんね」アセアセ

モブA「いいじゃんー」

アルミン「ええと……」


19: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:27:54 ID:wKsy7YP6


ミカサ「見てエレン」

ミカサ「女子に囲まれててんてこまいるミン可愛い」

エレン「お前は何を言ってるんだ?助けてやらなくていいのか」

ミカサ「大丈夫、アルミンには私がエールを送るッ!」ギン

エレン「おいこらやめなさい!人を殺しそうな目でエール送るのは」

トーマス「あぶぶぶぶb」ブクブク

エレン「ほら見ろ、直視したトーマスが泡吹いてたおれたぞ!」

ワーワー



アニ「……」


20: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:29:34 ID:wKsy7YP6




アニ「ねえ」クイクイ

アルミン「ん?あ、アニ。どうしたの?」

アニ「ちょっと用事あるから」

モブ「は?まだ私たちが…」

アニ「…何」ジッ

モブ「あ、…こ、今度にしよっかなあ」ソソクサ


21: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:30:52 ID:wKsy7YP6



アニ「はあ」

アルミン「……た、助かったよアニ」

アニ「あんた対処ヘタすぎ」

アルミン「いやあ、碌に話したことない女の子たちってどうも苦手で……」

アニ「今度から座学の時間はさ、一緒に座ってあげるよ」

アニ「そうすれば今みたいに助け舟だせるし」

アルミン「でも、アニに悪いよ」

アニ「いいよ。その代わりあんたに分かんないとこ教えてもらえばチャラになるでしょ」

アルミン「でも僕なんかが教えてもチャラにはならないよ……」

アニ(あ、……また言ってる)

アニ「私がなるって言ってるんだからいいのさ」

アニ「それともそんなに私の隣がいやなの?」

アルミン「ちがうよ!寧ろ嬉しいけど……」


22: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:32:03 ID:wKsy7YP6




アニ(最近気づいたことがある)

アニ(アルミンは良いところも沢山あるのに)

アニ(兵士としては運動能力が低いせいか、生まれ持った性格なのか)

アニ(自信が果てしなくない)

アニ(アルミン自身よりその辺のミーハー女のがよっぽどアルミンの長所わかってるレベル)ムス

アニ(なんとか……してあげたいね)


23: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:34:25 ID:wKsy7YP6


アニ(でも、どう言えばいいんだか……)



アニ「あのさあ、」

アルミン「うん……」

アニ「……アルミンは脳みそどうなってるの?」

アルミン「は?」

アニ「……あ」

アルミン「……えっと…」シュン

アニ(しまった。直接的に褒めるのが恥ずかしくてつい回りくどくなってしまった)

アニ(いや、回りくどいどころか完全にバカにしたと思われてる)


24: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:35:58 ID:wKsy7YP6

アニ「…ごめん、今のは褒めたつもりなんだけど…」ハァ

アルミン「今のが!?わかりづらいよ…」

アニ「取りあえずありがとう?」

アニ「うん。今の時間も突拍子もないこと言ったかと思ったら教官にすごく褒められてたし」

アルミン「え、あれ突拍子なかった?」

アニ「はあ?もしかして自覚なかったの?」

アルミン「みんな思ってても言わないだけなのかと」

アニ「……」


25: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:37:01 ID:wKsy7YP6


アルミン「確かに昔から人とずれてるって言われることもあったけど……」

アニ「ていうかずれてるんだよ」

アルミン「……そっかあ」ズーン


アニ(あ、あれ。うまくいかない)

アニ(褒めたいのに、落ち込ませてしまった)




アニ「あ、だ、だから貶してるんじゃなくて」

アニ「ずれてるって言うと悪い方へ取っちゃうかもしれないけどアルミンのは寧ろ誇れることだから……」

アニ「だから僕なんかとか言わないでほしいっていうか……」


26: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:37:38 ID:wKsy7YP6


アルミン「……」

アニ「……~~ッ、要するにもっと自信持てってこと!」

アルミン「……ああ、なるほど!

アニ「わかってくれた?」

アルミン「励ましてくれてありがとう」

アニ「ちがう!」

アルミン「?」

アニ「だから……っ」





アニ(思ったよりアルミンの卑屈さは強敵だった)


28: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 21:53:18 ID:wKsy7YP6

~~~~~~~~~~~~~~~~

アルミン側のおまけ


アルミン「ふんふんふ~ん」ルンルン

エレミカ「<●><●>」

アルミン「う、わあああああ!」

アルミン「二人して何!?いつから見てたの!?」

ミカサ「アルミンがぐれんの~~を鼻歌しだしたあたりから」

アルミン「随分前だね!声かけろよ!!」

ミカサ「アルミン最近楽しそう。何か私たちに隠してる」ジッ

エレン「ミカサ。男にはなあ、人には言えない娯楽があるんだ」

エレン「だが俺は男だし、隠さなくってもいいんだぞ」ポンポン

アルミン「は?エレンなんか勘違いして……」

ミカサ「なるほど。けどアルミン大丈夫、私はアルミンが自慰行i「ミカサああああ!!」」

アルミン「違うから!そういうんじゃない!!エレンも適当にいわないでよおお!!」


29: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:00:46 ID:wKsy7YP6



エレン「何だよせっかく持ってきてやったのに」

アルミン「何をとは聞かないからね」

ミカサ「アルミン、恥ずかしがらなくてもいい。エレンだって私にどうどうと言ってくれた」

アルミン「君は僕の大切な幼馴染に何を言ってるのかなあエレン」

エレン「ああ、家族だからな」

ミカサ「冗談はここまでにして。本当にどうかしたの?アルミン」

アルミン「ええー今の冗談だったの」

アルミン「……どうかしたっていうかね」

アルミン「なんてことない。ただようやく君たち以外の友達が増えたってだけだよ」

ミカサ「!」ピコン

エレン「!」キュイーン

アルミン「顔怖いよ」


30: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:04:52 ID:wKsy7YP6

ミカサ「どこのどいつ?」ギン

アルミン「そんな戦闘民族みたいな顔してる子には教えられないよ」

エレン「アルミンにも春が……」

アルミン「よからぬ詮索するやつにもね」

エレミカ「ごめんなさい」

アルミン「まったく。悪乗りしすぎなんだよ君らは」

アルミン「……、アニだよ」

ミカサ「……アニ?」

エレン「あーあの怖い顔の女か」

ミカサ「……」

アルミン「ミカサ?」

ミカサ「あの女は、駄目」


31: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:06:29 ID:wKsy7YP6


アルミン「どうして?」

ミカサ「……何となく」

アルミン「ミカサってアニと仲悪かったっけ?」

ミカサ「時々話す程度だけど……」

アルミン「よく知りもしない人のことを悪く言うなんて、らしくないね」

ミカサ「……ごめんなさい。ただ今、なんとなく反射的に出てしまった」

エレン「落ちつけよミカサ。オレはいいと思うぜアルミン」

エレン「オレら以外にも仲良しが出来るってのは良い傾向だ」

アルミン「エレン……」

エレン「まああれだ、(本番に辿りつけるように)がんばれよッ」パチコーン

ミカサ「エレン、ウインクがとても上手」パチパチ

アルミン「眼つぶしされたいの?」イラッ


32: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:18:47 ID:wKsy7YP6


アルミン(楽しそう、か……)

アルミン(言われてみればアニと仲良くなってから機嫌がいい)

アルミン(浮かれ気味だけど、訓練の調子も良い……気がする)

アルミン(良いことづくめだね)

アルミン(なぜかアニは執拗に僕のことを褒めて自信を持たせたいきらいがあるみたいだけど)

アルミン(おかげで自分の短所ばかりに目がいかなくなった)



アルミン(僕はアニのこと)

アルミン(思ってたよりもお気にいってるみたいだなあ)

アルミン「……」フフ

エレン「お」

アルミン「……」

エレン「人差し指構えるのやめろよ」ゾッ


33: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:20:14 ID:wKsy7YP6

~~~~~~~~~~~~~~~~

アニ(あれから一週間ほどの私の渾身の説得の甲斐あって前よりは自信持ってくれたみたいだけど)

アニ(まだまだだ。体力面がどうしてもネックみたいで)ウーム

アニ(でもこればっかりはアルミンの問題だから何とも行かないね)




ミーナ「アニ?」

アニ「ん?」

ミーナ「さっきからやけに深刻そうにしてたから」



アニ「ちょっと、…行き詰ってて」ムウウ

ミーナ「行き詰る?」


34: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:21:09 ID:wKsy7YP6



ミーナ「ああ、もしかしてあの課題のこと?あれは私も相当苦労したわ……」

アニ「課題?」

ミーナ「あれ、違った?」

アニ「課題…カダイ……かだい…、っっ!」ハッ



アニ(すっかり忘れてた!)ガーーーン


35: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:21:47 ID:wKsy7YP6






カリカリカリ……ピタッ

ウーンウーン…

アニ(忘れてた課題が全然進まない。レポート用紙三枚分ほどしか埋まらないよ)

アニ(提出期限が近いのに、困ったね)モンモン

アニ(今回は自分が悪いんだけど、これはもっと時間があったとして出来てたか疑わしいかもしれない)

アニ(ミーナも苦戦して最終的にはアルミンに助言をしてもらったらしい)

アニ(人にアドバイスするようになったのはきっと私のおかげだね)フフン


36: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:22:42 ID:wKsy7YP6


アニ(アルミンをあんまり頼ったりしたくはないんだけど、仕方ないから夕食後に頼んでみようかな)

アニ(……仕方ないからね、うん)



アニ「……、ふふ」

ミーナ「どうしたの?嬉しそうに」

アニ「!な、ん、で、もない…よ」

ミーナ「?」


37: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:23:16 ID:wKsy7YP6


……





ポンポン



アルミン「…?」

アニ「こっち」

アルミン「アニ!」

アニ「実は、課題が煮詰まっててさ」

アニ「時間があったらでいいんだけど、少し添削とかアドバイスしてくれない?」

アルミン「珍しいね?」

アニ「今回は苦手なとこだったから」


38: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:24:17 ID:wKsy7YP6


アルミン「ふふ、大丈夫だよ。今からでいい?」

アニ「うん。ここだとあれだから資料室に」

アルミン「わかった。移動しようか」








ミーナ「ははーん」ニヤリ

エレン「ははーん」ニヤリ


39: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:25:05 ID:wKsy7YP6






スタスタ

ペチャクチャ…

アルミン「それでさ、ついでに寄ってみた古い本屋ですごい本を見つけたんだ」

アニ「すごい本?」

アルミン「そう!」

アニ「アルミン、楽しそうだね」クス

アルミン「だって楽しいよ」

アニ「どんな本なの?」

アルミン「……」キョロキョロ

アニ「……?」


40: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:26:25 ID:wKsy7YP6




アルミン「きっとアニは誰にも言わないだろうから、話すけど……絶対内緒だよ」ボソッ

アニ「……わかったよ」

アルミン「…あのね、その本って実は禁書なんだ」

アニ「禁書?」

アルミン「うん。政府から読むのを禁止されてる」

アルミン「外の世界のことが書かれてるから」




アニ「外の……?」


41: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:27:18 ID:wKsy7YP6


アルミン「そうなんだ!」

アルミン「シガンシナの家でも祖父が外の世界の本をもっていたんだけど」

アルミン「持って来れなかったから、ずっと探してたんだ」

アルミン「で、やっと見つけた!」

アルミン「それも祖父の持ってたものよりずっと詳しいやつだ!」

アルミン「今は寝台に隠してあるから見せられないけど、今度アニにも見せてあげるよ!」キラキラ



アニ「……、うん」


アルミン「あ、……、ご、ごめん。勝手に盛り上がっちゃって。そんなの興味ないよね……」シュン

アニ「違うよ。ただ、少し……」

アニ「…、なんでもない。楽しみにしてるから」




アニ(少し、怖くなっただけ)


42: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:28:18 ID:wKsy7YP6



ガラガラ

アルミン「結構遠かった」

アニ「うん。……相変わらず大きいね、ここは」

アルミン「ね。訓練兵のために沢山の蔵書って必要なのかな」

アニ「ないね。……でもこれだけあれば、あんたの好きな外の世界の本も、置いてあるんじゃない?」

アルミン「……残念。それが置いてないんだよ」

アニ「どうしてわかるの?」



アルミン「……、それは僕がここに来て最初の一か月で蔵書を全部調べちゃったからさ」



アニ「…」


43: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:29:06 ID:wKsy7YP6



アルミン「あー、何て言うか、言わんとすることはわかるよ。でも……」

アニ「呆れた。兵士になって初めの一か月であんたそんなことしてたの?」

アルミン「あはは」

アニ「笑い事じゃないよ」ペチ

アルミン「あたっ!でも訓練に支障が出るほどではなかったし…」

アニ「まったく。その熱意をもう少し他のことの回せないの」

アルミン「は、はは。さ、アニあんまりおしゃべりしてると時間なくなるよ」

アニ(逃げた)ジッ


44: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:29:46 ID:wKsy7YP6




アルミン「で、ここの表現を変えればもう少し掘り下げれるだろ?」

アニ「なるほどね」

アルミン「あとは……、……あ」カタン

アニ「何?」チラ

アルミン「……いつも思ってたんだけどさ」ジッ

アニ「な、何さ」フィ

アルミン「アニの目って僕と同じ色してるよね」ジー

アニ「は?……た、確かにそうだけど…それがなんなの?」マゴマゴ

アルミン「特に、意味はないんだけど……、ほら僕らって髪も似たような金髪だし」

アルミン「話も合うし、…結構似てるんじゃないかなと思ってさ」

アニ「!」


45: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:30:38 ID:wKsy7YP6


アニ「……、性格は全然違うけど」

アルミン「ああ、そうだった。僕は臆病者だし…」

アニ(そうじゃない。寧ろ逆だよ)





アニ「でも、あんたと話が合うってのは…その通りかもね」

アルミン「ふふ」



アルミン「……ってしまった、また話が脱線しちゃった!」ハッ

アルミン「くっそぉ、アニとだと何でか話がそれるなぁ」ガシガシ

アニ「大方アルミンのせいじゃない?」

アルミン「うぐ。よし、もう脱線しないでさっさと終わらせよう!」

アニ(この調子だと後三回は脱線するかな)クス


46: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:31:17 ID:wKsy7YP6



アルミン「ずいぶん遅くなってしまった」

アニ「誰かさんが寄り道ばっかりするから」

アルミン「うぐ」

アニ「……何てね。助けてもらったし、楽しかったし、本当にありがとう」

アルミン「こちらこそ。女子寮までは外歩かなくても行けるけど、遠いし気をつけてね」

アニ「……、うん。じゃあ、おやすみ」フリフリ

アルミン「おやすみ」フリフリ

アニ「……」

アルミン「……」

アニ「……」

アルミン「……」




アニ「ねえ、早く行けば?」


47: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:32:24 ID:wKsy7YP6


アルミン「いや……僕はアニが行ってから行こうと」

アニ「私もそのつもりなんだけど」

アルミン「え」

アニ「……」

アルミン「……僕は大丈夫だから早く行きなよ」

アニ「そっちこそ」

アルミン「アニからどうぞ」ジッ

アニ「アルミンから行って」ジッ



アルアニ「……」


アニガーアルミンガー
ワイワイワーワー


48: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:33:27 ID:wKsy7YP6


~10分後~

アルミン「はあ……はあ……」ゼーハー

アニ「この、……頑固っ……」ゼーハー

アルミン「それはお互い様だろ?」

アニ「……アルミンがさっさと行けば済む話だよ」プン

アルミン「……」

アルミン「あーもーこのままじゃ埒が明かない!」


49: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:34:09 ID:wKsy7YP6



アルミン「よしわかったこうしよう。僕がアニを女子寮まで送る!」

アルミン「そしたら僕はさっさと立ち去るからお互いに変な意地をはらなくていい」

アルミン「これでいいね!」

アニ「は?いいわけ…」

アルミン「い い ね!」ガンリキ

アニ「……はい」


50: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/03(土) 22:35:41 ID:wKsy7YP6





アニ(女子寮までは遠いし、……これでもうちょっと一緒に)ヨシ

アニ(って、何喜んでるのさ私は)モンモン

アニ(寧ろ付いてこられて面倒だと思うのが普通でしょ)

アニ(でもアルミンと一緒だと楽しいし喜ぶのが普通なの?)ウーン

アニ(ここで喜ぶとまるで……)

アニ(ちがう!そんなんじゃない、そんな……)

アルミン「行くよ、アニ」

アルミン「あれ?おーい、アニ。聞いてる?」ヒョイ

アニ「」ビクッ…ガン

アルミン「痛い!何で蹴られ、いたたたッ痛いアニ痛い!」


53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/03(土) 22:39:35 ID:fptC.0zQ

乙です
みんなかわいい


57: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 19:22:35 ID:8yoGoWik


~~~~~~~~~~~~~~~

モブ男A「うわっ。こっわー」

モブ男B「さすが氷の女……」

モブ男C「なんでいつも怒ってんだよ、あの男女は」

ヒソヒソ

アニ「……」

アニ(別に、これぐらいなんてことないけど)

アニ(言ってることに間違いはないし)

アニ(バカどもにどう思われようが関係ない)

アニ(毎回通るたびに言われるのは鬱陶しいけどね)

『アニ!』

アニ(……あいつは、…なんで…こんな私を…)



アニ「あ、そうだ。今日は午後から約束してたんだった」

テテテテ…


58: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 19:26:44 ID:8yoGoWik


……




アニ「今日はぽかぽかするね」

アルミン「うん、気持ちいい」

アニ「……気持…いい…」ウトウト

アルミン「……このままお昼寝するのもいいかもね」

アニ「うん……」ウトウト

アルミン「……」フフ


59: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 19:29:23 ID:8yoGoWik

アルミン「あ!!」

アニ「」ビックゥ

アルミン「忘れてた……っ」

アニ「な、何??」

アルミン「あああ、……ご、ごめん。いきなり大声だして」

アニ「どうかしたの?」

アルミン「いや、何でもないよ……寝て?」

アニ「正直今ので眠気飛んだ」

アルミン「本当にごめん」

アニ「いいから。どうしたの?」

アルミン「大したことじゃないんだけど……」


61: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 19:39:57 ID:8yoGoWik


アルミン「これ」ズイ

アニ「?」

アニ「なにこれ、……布?」

アルミン「うん。僕らってさ、いつも座って話すだろ?」

アルミン「さすがに女の子にいつまでも地べたに座らせちゃだめだと思って」

アルミン「今日からこれ使って?」


アニ「……ずいぶん可愛らしい柄の布だね」

アルミン「アニは、そっちのが好きでしょ」

アニ「もしかして買ったの?」

アルミン「あーまあ」


62: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 19:41:13 ID:8yoGoWik


アニ「今日午前中出かけてたのも……」

アルミン「そんなとこかな」

アニ(私も連れてってくれれば一緒に選べたのに)

アニ(……でも嬉しい)キュ

アルミン「!」

アルミン「……買ってきた甲斐があった、かな」ボソ

アニ「え?」

アルミン「なんでもないさ。ほら敷いてみてよ」


63: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 19:47:06 ID:8yoGoWik


バサッ

アルミン「……」

アニ「……この布さ、どう見ても一人で座るんじゃ大きいんだけど」

アルミン「みたいだね」ハハハ

アニ「アルミンも座れば?」

アルミン「ええ!?い、いやでも二人で一つの布に座るとかちょっと緊ちょ」

アニ「いやなの?」

アルミン「……いいえ」

アニ「なら座る」

アルミン「はい……」


64: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 19:50:20 ID:8yoGoWik


ストン

アルミン「……」ドキドキ

アニ「……」ススス

アルミン「……さ、すがに近くないかなあ、あはは…は」ドキドキ

アニ「……」ジー

アルミン「うぅ……」ドキドキ


アニ「ずっと疑問だったんだけど」

アニ「あんたは、何で私のこと“女の子”扱いするわけ?」

アルミン「え?」


65: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 19:55:24 ID:8yoGoWik


アニ「この訓練所で私のこと“女の子”何て言う男あんたぐらいだよ」

アニ「ほとんどの奴は氷の女とか、男みたいとか暴力女とか言うのに」

アルミン「何でって…言われてもなあ……」ポリポリ

アルミン「そんなもんはアニが僕の目には“女の子”にしか見えないから、としか言いようがないよ」

アニ「……」

アルミン「アニは確かに強いね。僕なんかよりもずっと」

アルミン「でもその強さに反して、ずっと女の子らしい一面をもってる」

アルミン「例えば、可愛いものが好きだったり、私服に気を使ってたり、……優しかったり」


66: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 19:59:58 ID:8yoGoWik

アルミン「気をつけて見てないとわからないものかもしれないけど」

アルミン「やっぱり僕にはアニが女の子にしか見えないよ」

アルミン「だから君を“女の子”扱いするのは当たり前じゃないかな」

アニ「……」

アルミン「ごめん、気に障った?」

アニ「……」フルフル

アルミン「そう」ホッ

アニ「アルミンはやっぱり変な奴、だね」

アルミン「その変な奴の話を聞きたがるアニも大概さ」

アニ「……それもそうだね」クスクス


67: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 20:00:55 ID:8yoGoWik


アルミン「じゃあ、今日は何の話をしようか」

アニ「いばら姫のお話聞きたい」

アルミン「え、また?いつもただストーリー話すだけだけど……」

アニ「あんたがこの話してるの聞くと落ち着く」

アルミン「……よくわからないなあ」ハハハ


68: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 20:02:46 ID:8yoGoWik


アニ(アルミンは周りのバカな男たちと違って私を“女の子”として扱ってくれた)

アニ(それは幼いころから殺戮兵器として育てられた私にはとても新鮮だった)

アニ(だから、アルミンといるときは、……この時だけは)

アニ(まるで自分が普通の“女の子”なのではないかと)

アニ(錯覚してしまいそうになった)

アニ(これ以上仲良くなったらダメ)

アニ(私の中の戦士が警告している)

アニ(後で辛い思いをするのは他ならぬ自分なんだと)

アニ(私は決して“女の子”なんかにはなれないんだと)

アニ(でもその度に、わかってる、…大丈夫だと言い聞かせて)

アニ(目を背けた)



アニ(まだ……きっと大丈夫…だから)


69: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 20:16:09 ID:8yoGoWik

~~~~~~~~~~~~~~~

おまけ

アルミン(今日はアニのために下に敷く布的なものを買いに来たんだけど……)

アルミン「入りづらい……」

アルミン(アニはああ見えて可愛らしいものが好きだから)

アルミン(可愛い布を買いたい)

アルミン(そうすると必然的に女の子用の店に入らなきゃいけないわけで)

アルミン(いくら外見が女っぽいとはいえ)

アルミン(思春期の男にこれはきつい)


70: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 20:28:44 ID:8yoGoWik


アルミン「うー、どうしよう…」ウロウロ

アルミン「……」

アルミン「いけ、アルレルト!男だろ!」

アルミン(アニのためアニのためアニのため…)ブツブツ

カランカラン

『いらっしゃいませー』

アルミン(うっわあ、思ったよりメルヘンだあ)

アルミン(……帰りたい)

アルミン(布ってどこだろう)キョロキョロ


71: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 20:30:59 ID:8yoGoWik



店員「何かお探しですか?」

アルミン「うわ!!」

アルミン「あ、すすすいません」

アルミン「あの…布ってどこにありますか?」

店員「こちらにありますよ」

アルミン「ありがとうございます」

アルミン(びっくりした…。でも思ったより変な目で見られなかった)

アルミン(……やっぱり僕って女みたいなのかな)ズーン


72: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 20:32:17 ID:8yoGoWik



アルミン「……アニは…どれがいいだろう」ウーン

店員「もしかして、彼女さんにプレゼントですか?」

アルミン「ええ!?そ、そんなんじゃないです!」

アルミン「か、彼女ではないんですけど……大切な友達、に」カアァ

店員「そうなんですかあ。でしたらこの辺の柄とかお勧めですよ」

アルミン「かさねがさねすみません…」

店員「なんなら選びましょうか?」

アルミン「……いや、大丈夫です。後は自分で選びます」

店員「……」

店員「がんばってくださいね」ホッコリ

アルミン「……?」


73: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 20:35:45 ID:8yoGoWik


『ありがとうございましたあ』

カランカラン

アルミン(なんとか買えてよかった)

アルミン(後はアニに渡すだけだ)

アルミン(……それにしても驚いたな)

アルミン(彼女、か。そうだよね、普通に考えたら男がこういう店に入るのって)

アルミン(彼女のプレゼントとか、…だもんね)

アルミン(アニが僕の彼女だったら……)モワモワーン



アルミン(いい……な)


74: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 20:36:51 ID:8yoGoWik


アルミン「え、…あれ?僕今…」



アルミン「ッッ!!」カアアア

アルミン(あ、……やばい。自覚なかったけど……これは誤魔化しきれない…)ドキドキ

アルミン(…いつからだ?わからない程前?)

アルミン(うわあああ、エレンには散々否定してたのに…)

アルミン(最悪だ…。どうしよう)

アルミン「この後会うのになあ…」ドキドキ


76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/04(日) 20:42:54 ID:gI4fDzvs

良い。すごく良い。


77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/04(日) 20:55:47 ID:5IXUW3/s

キュンキュンさせるなあもう


78: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 21:25:19 ID:8yoGoWik



~~~~~~~~~~~~~~~

アニミナ「いただきます」

モグモグ

ミーナ「昨日ナック達が言ってたんだけどさ」

ミーナ「男って普段髪あげてる子が下すと、キュンとするらしいよ」

アニ「へー」

アニ(興味な…)

ミーナ「……」ニヤ


79: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 21:33:50 ID:8yoGoWik


ミーナ「アルミンもそうだねって言ってた」

アニ「!」

アニ「へ、へえ…そうなの」ソワソワ

アニ「あいつが…意外だね。どうでもいいけど」ソワソワ

ミーナ「……」クスクス


80: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 21:34:45 ID:8yoGoWik




アニ「……」モグモグ…カチャン

ミーナ「ねえ、アニってさ」

アニ(なんかミーナがいつもよりニヤニヤしてる)ゴクゴク…

ミーナ「アルミンに恋してるでしょ」

アニ「」ブブーッ

ミーナ「……」ポタポタ

アニ「あ…ごめん」フキフキ


81: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 21:35:52 ID:8yoGoWik


アニ「でも、…それは違う、と思うよ」フキフキ

ミーナ「どうして?」

アニ「だって、私は周りから氷の女なんて呼ばれてるし」

アニ「恋なんて…」

ミーナ「それって何の関係もないじゃん」

アニ「あるよ」

ミーナ「ないよ。だってアニがアルミンをどう思ってるかと」

ミーナ「周りがアニをどう評価するかは全く無関係だよ」

アニ「……それでも」

アニ「私はミーナみたいな普通の…女の子には…」

ミーナ「……ふふ、そんな顔して言われてもねえ」ニヤ


82: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 21:36:47 ID:8yoGoWik


ミーナ「大体アニ、この前アルミンがアニのこと女の子にしか見えないって言ってくれたって話してたじゃない」

アニ「あれは…確かにそう言ってたけど」

ミーナ「うん、ならいいよね。そこにこだわらなくても」

アニ「……とにかく、私はアルミンに恋なんてしてないよ」

ミーナ「はいはい、そういうことにしといてあげる」

アニ「ミーナ」ギロ

ミーナ「あ、噂をすればアルミン」

アニ「っ」カチ

ミーナ「もうご飯食べ終えたみたいねー」


83: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 21:37:38 ID:8yoGoWik


アニ「……」ジ…

アルミン「……?」チラ

アニ「!」

アルミン「…」ニコニコフリフリ

アニ「…」フリフリ

ミーナ「あ、行っちゃった」

アニ「……」カアア

ミーナ「仲いいね」ニヤニヤ

アニ「その顔やめてよ」ペチ

ミーナ「あいた」


85: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:19:00 ID:8yoGoWik



アニ「……」ムスッ

アルミン「今日はまた随分とふくれてるね?」

アルミン「さっきはミーナと楽しそうに話してたのに」

アニ「別に、楽しくなんか……ないよ」ムス

アルミン「喧嘩でもしたの?」

アニ「違うけど…」

アルミン「ならそんなふうに言わない」

アニ「…うん」

アルミン「素直でよろしい」ニコニコ


86: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:20:51 ID:8yoGoWik



アルミン「そう言えば…髪、珍しく下してるね」

アニ「っ、……」

アニ(違う別にさっきのミーナの話は全然関係なくて)

アニ(たまたまゴムが切れて、そのまま来ただけだから)

アニ「おかしい?」

アルミン「ううん」ニコニコ

アルミン「下してると印象違うねえ」ジー

アルミン「こう……なんか付けたくな……あ!」ピコン


87: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:21:58 ID:8yoGoWik


アルミン「そうだ」スクッ

アニ「いきなり何?」

アルミン「アニはここの木の花好きって言ってたね」

アニ「……?うん、だけどそれが?」

アルミン「アニは花にアレルギーはない?」

アニ「ないけどそれが何なの?」

アルミン「きっと似合うな…」ブツブツ

アニ(駄目だ完全に自分の世界に入ってる)

アルミン「ちょっと待っててね」


88: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:23:38 ID:8yoGoWik


アニ(嬉しそうに木の方に行って)

プチ

アニ(あ、花を取って帰ってきた)

アニ「??」

アルミン「この花の名前、アニは知ってる?」

アニ「…知らない」

アルミン「***っていうんだ」

アニ「へえ。可愛らしい名前だね」

アルミン「…君みたいだよね」ボソ

アニ「?」


89: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:24:33 ID:8yoGoWik


アルミン「ちょっとごめんね」ス

アニ「え」

アニ(アルミンの手が…髪に)

アニ(ていうか近い!)カアアア

ゴソゴソ

アルミン「僕の思った通りだ」ポリポリ

アルミン「アニは…その、きれいだから、花がよく似合う」ナデナデ

アニ「…」ソ…カサ

アニ(ああ、髪に花を…)


90: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:25:33 ID:8yoGoWik


アルミン「***の花言葉に、『はにかむ乙女』ってのがあるんだ」

アルミン「それを知ったとき一番にアニの顔が浮かんだよ」テレテレ

アニ「……っ」ドキ

アニ(目を背けていた。自分の気持ちにふたをしていた)

アニ(否定して、嘘をついて、知らんぷりして)

アニ(だけど気づいてしまった)

アニ(取り返しのつかない所まできてしまっていたことに)

アニ「…ぁ…」プイ

アニ(顔が熱くて上げられない)

アニ(今アルミンを見たら…きっと気づかれる)


91: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:27:24 ID:8yoGoWik


アルミン「笑って、アニ」

アルミン「アニの笑顔は君が思ってるよりずっと素敵だよ」

アニ「……」キュン

アルミン「もちろんふくれてても可愛らしいと思うけど僕は笑顔のが好きだな」

アニ「……ぁ、ありが…と」ニコ

アルミン「……」キュウン


ドキドキ


93: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:29:51 ID:8yoGoWik



……


スタスタスタ


アニ(また遅くなっちゃった)

アニ(あんまり遅いとまたミーナにからかわれる)

『アニはきれいだから……』

『…ずっと素敵だよ』

アニ「……」ボン

アニ(思い出してないで早くかえろ)ワタワタ

アニ(誰かに見られたらはずか死ぬよ今の顔…)カアアア

ドンッ


94: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:31:18 ID:8yoGoWik


アニ「っ」ヨロ

アニ「ごめんなさ……、あ」

ベルトルト「何してたの?アニ」

アニ「……ベルトルト…、ライナーも」

ライナー「おう」

ベルトルト「何、その花」

アニ「…」ササ

ベルトルト「髪に花なんかつけて、前も見ずに浮かれて歩いて…誰と何してたの?」

アニ「あんたらには…関係ないから」

ライナー「いや、関係なくはないだろう…」


95: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:32:35 ID:8yoGoWik


ベルトルト「アニさ、……何を勘違いしてるの?」

アニ「…は?」

ベルトルト「君は…女の子になんてなれないよ?」

ライナー「おいベルトルト」

ベルトルト「ライナーは少し黙ってて」

アニ「わかってるよ…」

ベルトルト「わかってないから人に見られるリスクを冒してまで言いに来たんだよ」

アニ「……」ギリ


96: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:34:29 ID:8yoGoWik


ベルトルト「アルミン、が君をそう扱ってくれるのはね」

ベルトルト「何も知らないからだよ」

ベルトルト「彼らにとって僕らは殺戮者で」

ベルトルト「ただの倒すべき敵だ」

アニ「そ…んなの…」

ベルトルト「もし君が“受け入れられるかも”何て幻想じみたことを思ってるなら…」

アニ「…わかってる…」

ベルトルト「アルミンにはもう近づかない方がいい」

アニ「……っ!」

アニ「だから!」

アニ「あんたに!……あんたにご親切に言われなくても」

アニ「ちゃんとわかってるよ!」ドン

タタタタタ…


97: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 22:36:48 ID:8yoGoWik


ベルトルト「……」ハァ

ライナー「お前な、落ち込むんなら初めからあんなきつい言い方するな」

ベルトルト「…良いんだ」ズーン

ライナー「とても良いようには見えんがな」

ベルトルト「僕がアニに嫌われるぐらいでアニを救ってあげれるなら」

ベルトルト「なんてことはない」

ライナー「……お前も大概不器用な奴だな」

ライナー「だが安心しろ」

ライナー「アニの奴はぶっきらぼうだが」

ライナー「そう簡単にお前のことを嫌ったりはしない」

ベルトルト「……」

ベルトルト「嫌われてもいいんだ。でもアニが泣く所は、……見たくないよ」

ライナー「……俺も、だな」


101: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 23:08:44 ID:8yoGoWik

~~~~~~~~~~~~~~~

忘れてたので最後におまけ投下


ミーナ(最近アニがよくアルミンの話をする)

ミーナ(最初は普通に仲の良い友達なのかなって思ってたんだけど)

ミーナ(どうも違うらしい)

ミーナ(自称アニの親友として、恋を応援してあげたい所なんだけど)

ミーナ(どうしようかなあ)

ナック「おいミーナ聞いてんのか」

ミーナ「え、何だっけ」

ミリウス「だから、キュンとするのはどんな時って話だよ」

ミーナ「ああ、それで?」


102: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 23:09:51 ID:8yoGoWik


ナック「俺はやっぱり、…普段髪をしばってる子が下すとぐっとくるな」

ミーナ「やだ私のこと?」

ナック「ちげーよ」

ミリウス「それ俺もわかるなあ」

ミーナ「へえー私にはよくわかんない」

ナック「お前もそう思うだろ?アルミン!」

アルミン「え、何?」

ミーナ(!)

ミリウス「普段髪結んでる子が下してるとキュンとくるよねって話」

アルミン「……ああ……」

アルミン「……」

アルミン「……確かに、…良いかもね」


103: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 23:10:30 ID:8yoGoWik


ミーナ「アルミン今誰か思い浮かべたでしょ」

アルミン「え!?」

ミーナ「言いなさいよー」

アルミン「い、いや僕は…」

一同「はやくう」ニヤニヤ

アルミン「あ、……アニとか…」ボソボソ

ミーナ(ビンゴ!)

ミーナ「……」

アルミン「あ、アニには言わないでよ?」

ミーナ「言わないよー」

ミーナ(半分はね)


104: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 23:11:24 ID:8yoGoWik


ミーナ(両想いだったかー。おめでとうアニ)

ミーナ(そりゃ若い男女が毎日のように一緒にきゃっきゃうふふしてれば)

ミーナ(恋に落ちないのがおかしいってもんよね)

ミーナ(でもきっとアニはリードどころか奥手も奥手だろうし…)

ミーナ「アルミンに良いこと教えてあげる」ボソ

アルミン「ん?」

ミーナ「女の子はね、男の子がリードしてくれるのを待ってるものだから」

ミーナ「ちゃんと引っ張ってあげないと駄目よ」

アルミン「……今のはどういう…」

ミーナ「賢いアルミンならすぐわかるんじゃない?」クスクス


105: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/04(日) 23:12:02 ID:8yoGoWik


アルミン「…君はなんだか僕のおせっかいな親友に似てるよ」

ミーナ「ふふ、がんばってね」

アルミン「ああ、もうありがとう!」

アルミン「それじゃあね!」タタタ

ミーナ「……青春だなあ」




エレン「はっ」

ミカサ「どうしたの?」

エレン「今呼ばれた気がした」

ミカサ「きっと呼んだのは私」

エレン「なるほど」


112: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:12:03 ID:kFZkCXzY

~~~~~~~~~~~~~~~

アニ(考え込んでしまって寝れなかった)

アニ(今日の訓練がハードなものじゃないのがせめてもの救いだね)ハァ



アニ(……ベルトルトが私のためを思って言ってくれたのはわかってる)コト

アニ(やっぱりもうアルミンと関わらない方がいいのかな)チャプン

ミーナ「に……アニ…アニ!」ガシ

アニ「!」


113: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:13:21 ID:kFZkCXzY


アニ「ミーナ…何?」

ミーナ「何じゃないよ。どうしたの?」

ミーナ「呼んでも全然反応しないし」

ミーナ「さっきからずっと固まって一体何を見て……」



ミーナ「…花?」

アニ「これは…」

ミーナ「取ってきたの?」

アニ「そう…。えっと、この花好きだからね」

ミーナ「ふうん…」



ミーナ「でもそんな風にコップの水に浮かべてるだけじゃすぐ枯れちゃうよ」

アニ「!?」


114: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:14:05 ID:kFZkCXzY


アニ「うそ…」

ミーナ「本当だよ」

アニ「……どうしよう」

ミーナ「まあ枯れたら別のを取ってくれば「駄目!」」



アニ「これは…この花じゃなきゃ……」シュン

ミーナ「……」

アニ「……」

ミーナ「しょうがないなあ」

ミーナ「そんなに枯らしたくないんなら、私がアニに良い方法を教えてあげる」


115: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:15:16 ID:kFZkCXzY






アニ「ありがとう、ミーナ」

ミーナ「ううん、それじゃあ私先行ってるね」

アニ「わかった。支度してすぐ行くよ」

ミーナ「うん!早く来ないとサシャに朝ごはん取られちゃうからね」

バタン…


116: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:16:15 ID:kFZkCXzY



アニ(珍しくからかわれなかった)

アニ(気を使わせちゃったね)

アニ(でも良かった。せっかくの花が枯れずに済む)




アニ「…」ハッ


117: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:17:16 ID:kFZkCXzY


アニ「……私は…」

アニ「何をしてるんだろう…ね」



アニ(アルミンとこれ以上関わらない方が良いとわかってながら)

アニ(もらった花一つで取り乱して…)


アニ「周りを散々バカだと思ってきたけど」

アニ「結局一番バカだったのは私だったってこと…」フッ


118: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:18:23 ID:kFZkCXzY





アニ(それでも、もう少し…)

アニ(あと少しだけ…)

アニ(せめて、アルミンが私の気持ちに気付くまでは)

アニ(……今のままでいたい)


119: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:20:33 ID:kFZkCXzY



……





スタスタ


アニ「ごめん遅くなったね」

アルミン「いいよ。でも夕飯でも見かけなかったから」

アルミン「今日は来ないのかと思った」

アニ「…ちょっと考え事してて…」


120: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:22:55 ID:kFZkCXzY



『君は女の子にはなれないよ』

アニ「!」

『アルミンが君をそういう風に扱うのは……』

『もう近づかない方がいい』



アニ「……」



アルミン「…」フム…


121: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:23:46 ID:kFZkCXzY




アルミン「アニ、もう少し近くにおいで」クイクイ

アニ「…?」トト

アルミン「えっとね、僕はアニが話したくないことは無理に聞くつもりはないから」ポン

アルミン「これくらいしかできないけど」ポンポン



アルミン「あんまり溜めこんじゃ駄目だよ」ナデナデ


アニ「……!」




アニ(あ、やばい……)ジワ


122: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:25:25 ID:kFZkCXzY




アニ「アルミン…」

アルミン「ん?」


アニ「肩、貸して」ボソ



アルミン「どうぞ」ス


アニ「…」ポス


123: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:27:11 ID:kFZkCXzY



アルミン「……」ナデナデ

アニ「……ぅ…」ジワァ

アルミン「……」ヨシヨシ

アニ「…っ、…ふ…」グス

アルミン「……アニ、」


アルミン「今だけ抱きしめてもいい?」


アニ「……」コク

アルミン「……」ギュ






124: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:28:18 ID:kFZkCXzY




アニ「……ミーナがね」

アルミン「うん」

アニ「昨日アルミンにもらった花を枯らさないようにって」

アニ「押し花ってのを教えてくれた」

アルミン「うん」

アニ「嬉しかった…」キュ

アルミン「……そっか」ギュウ


125: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 21:29:19 ID:kFZkCXzY



アルミン「アニ、今度僕にも教えてよ。押し花をさ」

アニ「アルミンに?」

アルミン「そう。僕も……ここの花を取っておきたいから」

アニ「……いいよ」


アニ「私よりあんたのが似合いそうだしね、押し花」


アルミン「こら」ペチ


アニ「……」クス

アルミン「……」フフ


129: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:00:59 ID:kFZkCXzY


おまけ
~~~~~~~~~~~~~~~


アルミン「これでよし」ニコニコ

ジャン「おーいアルミン」

アルミン「うわっ!!??」ササ

アルミン「な、な、に、ジャン!」

ジャン「…いや、お前本好きだったろ」

ジャン「この本前街で間違って買っちゃったんだけどお前読むかなって」

アルミン「え?あ、読む…」

ジャン「おう」ヒョイ

ジャン「つーか、んなあせって隠さなくても俺ぁエロ本ぐらいで「ちがうよ!」」


130: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:04:43 ID:kFZkCXzY


アルミン「もう!エレンと言いミカサと言い」

アルミン「なんで最近の子はすぐにそっちに持っていきたがるんだよ」ブツブツ

ジャン「あぁ?ちげえのか。尚更何だよ」

アルミン「君には教えない。絶対バカにするし」

ジャン「しねえよ」


アルミン「するだ…うわ、ちょっと!無理やり…もう!!」アワアワ


バッ


131: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:05:28 ID:kFZkCXzY



ジャン「こりゃ押し花か?」

アルミン「あーそうだよ」

ジャン「……っく」ブルブル

アルミン「…ほらやっぱりバカにするじゃないか!」

アルミン「だから嫌だったんだ」プンプン

ジャン「い、いや…バカにしたかったわけじゃねえけどよ」ブルブル

ジャン「あんまりにもイメージにピッタリで……っく、ふふ…ははははっ」バンバン

アルミン「…ジャン。怒るよ」イラァ


132: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:07:16 ID:kFZkCXzY


ジャン「ふ、ふ…わ、わるかった…だから睨むなよ」

アルミン「ふん」プイ


ジャン「だぁ、わかってるって」

ジャン「どうせあれだろ?お前の彼女が関係してんだろ」

アルミン「かっ!?……違うよ、アニは…そんなんじゃ」


ジャン「誰もアニなんて言ってねえけどな」



アルミン「……」ス

ジャン「お、おいその据わった目で人指し指構えんな」


133: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:11:18 ID:kFZkCXzY


アルミン「さっきから全面的にジャンが悪いんだからしょうがないよね」ジリジリ

ジャン「そのまま近づいてくるんじゃねえ!!」

ギャー


アルミン「ジャン」

アルミン「僕は女じゃないし、それらしく見せてるつもりもないよ」ムス

ジャン「誰もそんなこと言ってねえだろ」ボロッ

アルミン「……ぴったりとか言ったじゃないか」ムス

ジャン「…あー、……悪かったって」


134: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:12:23 ID:kFZkCXzY

アルミン「ふん。もういいよ」



ジャン「でも意外だな。お前らまだ付き合ってなかったのか」

アルミン「まあ……」

ジャン「告らねえの?」

アルミン「……」


135: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:13:17 ID:kFZkCXzY


アルミン「勇気が出ないってのもあるかもしれない」

アルミン「僕は弱虫で、とても彼氏にするにはお勧めできない男だしね」

アルミン「でもそれ以上に」


アルミン「今は、言うべきじゃないと思うんだ」


ジャン「?」

アルミン「彼女にも、色々抱えてるものがあるみたいだから」

アルミン「僕が今言葉に出して気持ちを伝えてしまったら」

アルミン「ますます彼女を苦しめる気がする」


ジャン「いや、そんなことは…ねえだろ」


136: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:14:25 ID:kFZkCXzY




ジャン「第一、アニはお前のこと…」

アルミン「ジャン、この話はもう終わりだ」

アルミン「僕は行くから」

アルミン「じゃあね」



バタン



ジャン「……さすが座学一位様は、恋愛にも小難しいこと考えてんのな」ハァ


137: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:49:04 ID:kFZkCXzY


~~~~~~~~~~~~~~~


ミーナ「あれ、休日にアニが部屋にいるなんて珍しいね」

ミーナ「アルミンと約束しなかったの?」

アニ「あいつは今日なんか用事があるんだってさ」

アニ「最近朝は忙しいみたいだよ」

アニ「……聞いても内緒って言われるけど」フン

ミーナ「へえええ」ニヤニヤ


138: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:52:05 ID:kFZkCXzY


ミーナ「さみしいねアニ」ニマニマ



アニ「……」ス

ミーナ「何で人差し指を構えるの!?」


バンッ

アニミナ「」ビクッ

ミカサ「アニ……いる?」キョロ


139: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 22:53:00 ID:kFZkCXzY


アニ「ミカサ?」

ミカサ「ここにいた…良かった」ホッ

ミカサ「一緒に来て」

アニ「?」





ミカサ「アルミンが倒れた」


アニ「!?」ガタッ


141: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:14:50 ID:kFZkCXzY





アニ「脳震盪?」

ミカサ「そう」

アニ「なんでそんなことになったのさ」

ミカサ「……」

ミカサ「アルミンにはアニに言わないように口止めされてたのだけれど」

ミカサ「ここ数週間アルミンに頼まれて私とエレンは毎朝自主練に付き合っていた」

アニ「自主練?」

ミカサ「そう」

アニ「だからあいつは最近忙しそうにしてたんだね」

ミカサ「その通り」


142: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:16:59 ID:kFZkCXzY


ミカサ「で今日は格闘訓練をしていた」

ミカサ「アルミンの相手をエレンがして、私が傍で見て改善点を指摘する」

ミカサ「それがいつもの流れ」

ミカサ「ただ、いつもと違ったのは…アルミンの調子がとてもよかったこと」

ミカサ「そのせいで、驚いて勢いづいたエレンが思い切りアルミンをふっ飛ばして」

ミカサ「遠くに飛ばされたアルミンは運悪く鉄に頭を強打して…」


アニ「なるほどね」

アニ「……脳震盪だけで済んでよかったよ」

ミカサ「本当に」


ミカサ「幸い今日安静にしてれば明日からの訓練に支障はないそうだから」


143: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:17:32 ID:kFZkCXzY


アニ「アルミンは今どこに?」

ミカサ「自室のベッドで眠ってる」

ミカサ「本当は目が覚めるまで見ててあげたい」

ミカサ「けれど私とエレンはこれから始末書を書かされるので」

ミカサ「アニにアルミンを頼みに来た」

アニ「意外だね。あんたは…アルミンに私が近づくのを」

アニ「良しとしてなかったように見えたけど」

ミカサ「……私たち以外でアルミンが一番心を許してるのは」

ミカサ「きっとあなただと思ったから」

アニ「……」


144: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:19:03 ID:kFZkCXzY


ミカサ「これ、男子寮の見取り図」ヒラ

アニ「どうも」ヒョイ

ミカサ「昼間は見張りはいない」

ミカサ「でもあまり人に見られないように」

ミカサ「変なうわさがたっては大変」

アニ「わかってる」


145: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:19:35 ID:kFZkCXzY


アニ「ねえ、アルミンはなんで自主練のこと私に内緒にしてたの?」

ミカサ「……それは…」

ミカサ「あとで本人に聞けばいい」

アニ「…あいつ、素直に教えてくれる?」

ミカサ「さあ」

ミカサ「どうしても知りたければ」

ミカサ「看病したことを引き合いに出せばきっと教えてくれる」

アニ「……あんた…」

ミカサ「じゃあ、よろしくアニ」タタタ

アニ「…」


146: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:22:40 ID:kFZkCXzY


……




アルミン「ん…んぅ?」

アルミン「あれ…僕……」ゴシゴシ

アニ「……目が覚めた?」

アルミン「あ……に…?」

アルミン「どうして…、そもそもここは…」

アニ「あんたの部屋だよ」

アルミン「え!?」ガバッ


147: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:29:29 ID:kFZkCXzY


アニ「ちょっと、急に起き上がったら!」

アルミン「…っい、」クラ

アニ「もう」ソ

アルミン「…ぅ…」ポフン

アニ「…頭打って脳震盪起こして倒れたんだって」

アルミン「あ…あ、なるほどね」

アルミン「でもなんでアニがここに…」

アニ「ミカサが私に教えてくれたから」

アニ「あと、看病してほしいとも」

アルミン「……そっか」


148: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:30:20 ID:kFZkCXzY


アルミン「見ててくれたんだね、ありがとう」

アルミン「いつごろから?」

アニ「昼ごろから」

アルミン「今は…」

アニ「四時くらいじゃない?」

アルミン「そんなに長く…。ごめんね」シュン

アニ「別に。頼まれなくてもやってただろうし」


149: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:31:24 ID:kFZkCXzY




アニ「そんなことより」


アニ「なんで、教えてくれなかったの?」



アルミン「……何が?」


アニ「自主練のこと」

アルミン「……それもミカサから?」

アニ「うん」


アルミン「あー……」

アニ「言ってくれたら…、私だって手伝ったのに」

アルミン「……」


150: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/05(月) 23:32:33 ID:kFZkCXzY



アルミン「君は、その…ほら、エレンにも教えてるだろ?」

アルミン「その上僕に教えるなんて、大変だし…」シドロモドロ


アニ「…」

アニ(冷や汗掻いてるし、目も泳いでる)

アニ(いやならいやってはっきり言えばいいのにね…)

アニ「…」シュン


156: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:09:27 ID:hbPIfgUw

アルミン「あ…」

アルミン「違うんだ、アニ…」

アルミン「僕は……」

アルミン「僕は…ただ君に迷惑を掛けたくなくて」

アニ「…そんなに必死に弁明しなくても…アルミンが本当は何が言いたいのかはよくわかったから…」フイ

アルミン「っ」

アニ「……」


157: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:13:28 ID:hbPIfgUw

アルミン「聞いてくれ」

アルミン「……確かに今のは建前だ」

アルミン「ごめん…」

アニ「……」

アルミン「……」


アルミン「僕が君に言いたくなかったのは」


アニ「いいよ、わざわざ言わなくても」


アルミン「アニ、君は誤解してる」


158: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:14:51 ID:hbPIfgUw

アニ「誤解なんかじゃないでしょ」

アニ「アルミンは私と訓練するのが嫌だった」

アルミン「そうだけど、そうじゃないんだ!」

アニ「意味がわからない」

アルミン「だから!」






アルミン「僕はただアニに、格好悪いところ見られたくなかっただけだよ!」

アニ「………は?」


159: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:16:26 ID:hbPIfgUw


アルミン「……ただでさえ弱くて嫌になるのに、好…じゃなくて、アニに教えを乞うなんて…男としてこの上なく格好悪いじゃないか」

アニ「えっと…」


アルミン「うわぁ……もう、最悪だ…」ズーン

アルミン「だから内緒にしてたのに……」ズーン

アルミン「結果的に一番情けないばれ方をするし」ズーン


アニ「…それだけ?」

アルミン「それだけって言わないでよ」

アルミン「僕にとっては…それだけのことじゃないんだ」

アニ「……ごめんなさい」


160: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:18:53 ID:hbPIfgUw


アニ「でも、私はアルミンが体力面で劣るから格好悪いなんて思っちゃいないよ」

アルミン「フォローなんてしなくていいから」

アニ「私がお世辞を言ってるとでもいいたいの?」


アルミン「……だって」

アニ「言うわけないってアルミンならよくわかってるでしょ」

アニ「男にも色々あるのかもしれないけどさ」

アニ「私は頑張ってるアルミンのことを格好悪いなんて言わないよ」

アルミン「…」


161: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:21:28 ID:hbPIfgUw

アニ「言いたくなかったことを聞いちゃったのは悪かったね」

アニ「アルミンがコンプレックスに思ってるのはわかったから、無理に自主錬に付き合おうとかはしないさ」


アニ「でも……これだけは知っといて」




アニ「あんたが私のこと女の子って言ってくれた時から」

アニ「私にとってアルミンは…一番格好いい男の子だよ」

アルミン「!」


162: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:23:40 ID:hbPIfgUw


アルミン「!」

アルミン「あ、え……」カァア

アニ「……」カァア

アルミン「………そ、そっかあ…嬉しい…な」ソワソワ

アニ「……」ソワソワ

アルミン「アニが……そう言ってくれると、やる気が出るね…。うん、僕頑張るよ…」ヘヘ

アニ「その調子で、頑張って…」

アルミン「う、ん……」テレテレ

アニ「……」モジモジ


163: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:25:02 ID:hbPIfgUw


アニ(どうしよう)

アニ(最近すぐ変な空気になる)

アニ(私が照れてしまうせいでアルミンも返しに困ってるみたいだね)

アニ(視線の置き場がわからなくて散々きょろきょろして終いにちらっとアルミンを見るとあっちも同じ行動してるみたいで目が合ってしまう)

アニ(そうすると言葉に詰まって余計に話せなくなって……)

アニ(嫌ってわけじゃないんだけど、何となく恥ずかしい)



アニ(何か別の話題を…)


164: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:28:16 ID:hbPIfgUw


アニ「そ、う言えば、押し花ちゃんと出来た?」

アルミン「え?あ、ああ…うん」


アニ(ちょっと話題転換が露骨すぎたかな…)



アルミン「待ってね、確かあの本に挟んで」ゴソゴソ

アニ(ベッドの上に本を山積み…アルミンらしいっちゃらしいけどさ…)

アルミン「あ、あった!これだ」バッ

アルミン「ほら、綺麗に出来ただろ」

アニ「私より上手いんじゃない?」

アルミン「あはは、手先は僕のが良いからね」

アニ「…ふん」ゴッ

アルミン「ぐふっ」


165: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:30:07 ID:hbPIfgUw


アニ「……それよりアルミン、そんな本持ってたっけ?」

アニ「私、見たことないけど」

アルミン「そりゃそうだよ」

アルミン「ついこの間ジャンにもらったばかりだからね」

アルミン「そこまで有名ってわけではないんだけどマルコやミリウスは読んだことあるらしくって、昨日は夜に討論したよ」



アニ「ふうん」

アニ(私より先に?ずるい…)ムッスウ


166: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 21:32:58 ID:hbPIfgUw


アルミン「またそんな顔して」


アルミン「アニには向いてないと思ったから話さないでおくつもりだったんだけど…」

アニ「向いてない?」

アルミン「うん。暗い話なんだよ」


アニ「……いいよ。話して」


170: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/06(火) 22:01:43 ID:jeL8cJqY

戦士にも兵士にもになれないなら、お嫁さんになればいいじゃない


172: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:19:08 ID:lcNABajg


あるところに一匹の狼男がいました

彼は人間に散々迫害された復讐として

人間に化け、人間を騙して襲うことを生きがいにしていました

ある日、いつものように人間に化けて人間の村近くに表れた狼男は一人の少女に出会いました

その少女は狼男が今まで出会ったどんな人間よりも優しく笑いかけてくれる、素敵なひとでした

狼男は少女に恋をしました

そして毎日のように少女のもとを訪れ、幸せな時を過ごし

二人は愛し合うようになりました

すっかり人を襲うこともなくなった狼男は、このまま人間として少女と一緒に生きることを決めました


173: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:20:00 ID:lcNABajg


そんなある日、少女は気づいてしまいました

彼が眠っている顔、その顔が狼にそっくりだということに

そしてあんなに頻繁だった狼男による被害が、自分が彼と出会って以来ぴたりとやんだことに

少女は苦しみました

いっそこのまま気付かなかったことにしようかとも思いました



次の日の朝、少女は狼男に言いました

今日は私の友人にあなたを紹介したいと

狼男は喜び、少女とともに友人のもとへ向かいました


174: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:20:44 ID:lcNABajg




気付けば、狼男は沢山の人間に囲まれていました

君の友人はずいぶんいっぱいいるんだね

狼男は少女に問いかけましたが、もう少女は自分に笑いかけてはくれませんでした



そう、少女は狼男のことを村のみんなに話してしまったのです


狼男はついに捕えられ、その場で処刑されました

大勢の人が喜びました

こうして人間の里には平和が訪れましたとさ


175: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:23:44 ID:lcNABajg


アニ「……」

アルミン「暗い、でしょ」

アニ「そうだね」

アニ「でも一応ハッピーエンドなんじゃない?平和が訪れたんだしさ」

アルミン「少なくとも狼男や少女にとっては違うと思うよ」

アニ「……」

アルミン「ごめんね。暗くなっちゃって」

アルミン「この話はもう…」

アニ「ねえ、」

アニ「もし……さ」

アルミン「ん?」



アニ「アルミンが、この少女だったら……」


アニ「どうしてた?」


176: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:24:49 ID:lcNABajg




アルミン「僕が……?」

アルミン「うーん、そうだなあ」

アルミン「…僕だったら…」

アルミン「苦しくて、悲しくて、迷って」

アルミン「気付いてしまった自分を呪いたくなって」

アルミン「信じたくなくて……」




アルミン「でもきっと、最後には」


アルミン「少女と同じ行動をとるだろうね」


177: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:27:22 ID:lcNABajg





アニ「そ…っか」ズキ


アニ「アルミン、らしいね」


アニ(ベルトルトに言われた通りだ)

アニ(私は無意識のうちに、アルミンに期待していた)

アニ(彼ならもしかしたら、私のことを受け入れてくれるんじゃないかって)



アニ(アルミンはそういう人間ではないって知ってた、はずなのにね)


178: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:29:12 ID:lcNABajg



アニ(私は思ったよりもずっとアルミンに……)


アニ(もう、これ以上一緒にはいられないね)

アニ(ここは私の本当の居場所じゃない)

アニ(どんなに取り繕っても、いつか崩れてしまう)

アニ(私は戦士だから)


アニ(きっと……いつかは、あんたを…)





アニ「暗いっていうよりは、悲しい話だね」

アルミン「うん。……ああ、でも…」






179: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:30:21 ID:lcNABajg

~~~~~~~~~~~~~~~~

アニ「……今まで心配かけてごめん」

ベルトルト「…いや」

ライナー「これから行ってくるのか?アルミンの所」

アニ「そう。それで、終わり。……もう関わらない」

ライナー「ここまで続いたんだ」

ライナー「どうせ残り少ないわけだし最後まで一緒にいてもいいんじゃないか?」

アニ「だめだよ。…自分が思ってるより私はアルミンに傾いてた」

アニ「このままじゃ本当に戦士に戻れなくなる」

アニ「……だから、今日で終わらせるよ」

ベルトルト「……アニ…」

アニ「大丈夫。ちゃんと、出来るから」


180: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:31:01 ID:lcNABajg

……


アニ(アルミンは……)キョロキョロ



エレン「でよ、そんときミカサがさぁ…」ハハハ

ミカサ「エレン。唾が飛んできたない」

ミカサ「もっとお上品に笑いなさい」

アルミン「ミカサ、それはちょっと…」

エレン「うふふふ、ミカサさんたらね」

アルミン「エレンもいちいちしなくていいから」


アニ(いた)


181: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:31:53 ID:lcNABajg


アニ「……アルミン」

アルミン「アニ?あれ…ごめん、今日って夜約束してたっけ」

アニ「違うけど…ちょっと話がある」

アルミン「話?」

アニ「アルミン借りていい?」

エレン「あんまり遅くなるなよ」ニヤニヤ

ミカサ「どうぞ」

アニ「どーも。来て」ギュ

アルミン「ちょ、そんなにひっぱらなくてもちゃんと歩けるって!」ヨロ

エレミカ「いってらっしゃーい」


182: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:33:04 ID:lcNABajg




アルミン「アニ、手握りしめすぎて痛いよ」

アルミン「そんな勢いよく歩かなくてもまだ時間は…」

アルミン「ねえアニ聞いてる?」

アニ「……」

スタスタ

アルミン「アニったら」

アニ「……」

スタスタ

アルミン「また何かあったの?」

アニ「……」

スタスタ

アルミン「アニ!」グイ

ピタ


183: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/06(火) 23:34:08 ID:lcNABajg


アニ「……」

アルミン「どうしたの。話ってなに」

アルミン「黙ってちゃわからないよ」

アニ「……アルミンに…」

アルミン「ん?」




アニ「お別れを言いに来た」

アルミン「……は?」


187: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:08:47 ID:UJ6wynGE




アルミン「え、……は……?」

アニ「……」

アルミン「どういう…こと?」


アルミン「まさかアニ開拓地にっ!?」ハッ

アニ「違うよ」

アニ「そういうお別れじゃない」

アルミン「…!」


188: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:10:03 ID:UJ6wynGE


アルミン「じゃあ……」


アニ「……もう、こうやって会ったり話したりするの、やめよう…ってこと」

アニ「普通の、ただの同期に、戻ろう」


アルミン「……な、んで」

アニ「…」

アニ「……それは……」

アルミン「また、言えないの?」

アニ「……」

アルミン「僕のこと、顔も見たくないぐらい嫌いになったとか?」

アニ「!」


189: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:11:15 ID:UJ6wynGE



アルミン「はは、もしかして図星?」

アルミン「……嫌われてたとは気付かなかったね。いつから演技派になったんだい、アニ」

アニ「あ……ち、ちがっ」

アルミン「ごめんね、君の気持ちを察してあげられなくて…」

アルミン「用事は済んだだろ?僕行くね。正直これでもダメージ大きいんだ。少し一人になりたい」

アニ「待っ…」

アルミン「ああ、大丈夫。心配しなくても明日からもう話しかけたりしないから」スッ

アニ「アルミン!」




ドン


190: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:16:18 ID:UJ6wynGE


アルミン「わっ」ヨロ

アニ「……」ギュー

アルミン「アニ?嫌いな男に抱きついたりしたら勘違いされちゃうよ」

アニ「ちがうよ…!」

アニ「違う……私は…アルミンのこと、嫌いになんかなってない…」ギュウウッ

アルミン「……」

アルミン「無理しなくても…」

アニ「無理じゃない!」

アニ「無理じゃないよ……嫌いになるわけないでしょ」

アルミン「なら、どうして何も言ってくれないんだ」


191: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:17:22 ID:UJ6wynGE


アニ「…」

アルミン「……アニ、泣いてるの?」



アニ「泣いてないよ」

アルミン「嘘つけ。また泣いてるじゃないか」

アニ「泣いてない」

アルミン「……」ハァ



アニ「……私は…」


192: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:18:21 ID:UJ6wynGE




アニ「……私は、…アルミンとは違うから」

アニ「アルミンといると…楽しくて、嬉しくて、…でも辛い」

アニ「だからもう一緒にはいられない」


アルミン「……」

アニ「自分勝手でごめんなさい」


193: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:20:20 ID:UJ6wynGE




アルミン「納得はいかない」

アルミン「でも、アニが辛いって言うなら、一緒にいてと無理強いすることもできない」

アルミン「ずるいよ」


アニ「ごめん…なさい」




アルミン「もう、こうして会うのも最後ってことだよね」

アニ「……」コクッ


アルミン「ねえ。こんなに困らせるんだ、仕返しぐらいしてもいいよね」

アニ「仕返し?」

アルミン「うん」


194: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:22:04 ID:UJ6wynGE




アニ(何か嫌がらせでもする気?)

アニ(笑ってるけど恐い顔してる。これは、怒ってる)

アニ(仕方ないね。何も悪くないアルミンを傷つけて振り回したんだから…何されても文句は言えない)


アニ「それでアルミンの気が済むなら…構わないよ」

アルミン「ありがとう」

アルミン「それじゃあ、よく聞いててね」






アルミン「僕はアニが好きだよ」


195: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:22:52 ID:UJ6wynGE





アニ「……」

アニ「……は、ぁ!!??」バッ

アルミン「あ、やっぱり涙目になってる。隠さなくてもよかったのにアニは強がりだね」ハハハ

アニ「……え、え、ちょ、い、今……な、ななななにを」ワタワタ

アルミン「何、聞こえなかったの?しょうがないなぁ」


アルミン「アニが、好きだよ」

アニ「~~~ッッ!?!?」カァアアア


196: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 21:23:59 ID:MLdHfOk.

何このイケミン


197: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:24:24 ID:UJ6wynGE




アルミン「アニが…大好きだ」

アニ「も、もういい!聞こえたよ!!」

アルミン「アニ、す「もういいって!!!」」


アルミン「あれ、もういいの?理解してもらえるまで言うつもりだったけど…」


アニ「う、るさい!」


アニ「どうせ…どうせ嘘でしょ…」

アルミン「嘘じゃないよ。もしかして気付いてなかったの?」

アルミン「鈍感だね。そういう所も好きだよ」

アニ「だ、だからもういいってば!!!」カァアアッ


198: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:25:33 ID:UJ6wynGE



アルミン「残念、……いったい!地味に足踏むのやめてよアニ」

アニ「……騙されないよ。今の流れで言ったってことは、これは仕返し。私を上げて落とすための作戦でしょ」

アルミン「どうしてそう思うの?僕がアニに告白して、それが嘘だったとして何でアニが上げて落とされるの?」

アニ「そ、それは……」

アニ「あんたわかって言ってるでしょ」

アルミン「全く見当もつかないね」

アニ「ぐぅ……」ギロ

アルミン「睨まれても伝わらないけど」


199: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:26:48 ID:UJ6wynGE



アニ「私が……」

アルミン「うん」

アニ「私が、アルミンのこと、……」



アニ「…………好きだからだよ!!」カアアア




アルミン「……うん」ニコニコ

アニ「………」ソッ

アルミン「逃げないで」ギュウ


200: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:28:14 ID:UJ6wynGE



アニ「あんたやっぱり知ってたでしょ」

アルミン「いや、確信してたわけじゃないよ。僕の勘違いかもしれないって思ってた」

アルミン「実際、嫌われてるかもって時は本気で落ち込んだしね」

アルミン「だから聞きたかった。直接、アニの気持ちを」

アルミン「最後の可能性に掛けたんだ」


アルミン「あとは本当に意地悪い気持ち」

アルミン「好きにさせておいてここでお終い。もう忘れますさよなら、なんて一方的すぎる」

アルミン「散々僕を悩ませておいてあんまりだ」

アルミン「こうなったらアニが苦しもう何だろうが忘れないようにしてやるってさ」

アルミン「僕が告白すれば嫌でも数日はアニは僕のことで頭いっぱいになるだろ?」


201: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:32:51 ID:UJ6wynGE


アニ「それが仕返し?」

アルミン「そうだよ」

アニ「あんたって…怒らせるとこわい」

アルミン「別に怒ってないよ」

アニ「怒ってるよ」

アルミン「どうして?」

アニ「だって普段はもっと優しい顔してる」

アルミン「今はアニを手放したくなくていっぱいいっぱいなんだよ」

アニ「………」カァア


202: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:34:58 ID:UJ6wynGE



アルミン「真赤だね。林檎みたいで可愛い」ソッ

アニ「触ん…ない…で」

アルミン「嫌だったら振りほどけばいいさ。軟弱男の手くらい簡単に払えるよね」

アニ「……ずるい」

アルミン「どっちが」

アニ「今日のアルミンは変だよ」

アルミン「だから、余裕がないんだって」

アニ「うそ。だったらもっと動揺して…」

アルミン「精一杯取り繕ってるだけだよ。格好つけてるけど心の中じゃ動揺してる」


203: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:36:32 ID:UJ6wynGE


アルミン「密着してるんだからアニにも聞こえてるんでしょ、僕の心臓の音」

アルミン「壊れてしまいそうなくらい音立ててる。アニが近くにいるといつもそうだ」

アルミン「……好きだから」ギュウウッ



アニ「痛いよ…」


アニ(心が痛い。離れたくない。一緒にいたい。このままずっと…)

アニ(でも…)


205: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:41:18 ID:UJ6wynGE



アニ「何を言われても、もう…一緒にはいられない」フイ

アルミン「……わかってる。無理強いはしないって言ったろ」

アルミン「ただ、これだけは覚えておいて」

アルミン「僕はアニを待ってる」

アルミン「君が僕と一緒にいられるようになるまで、ずっと想い続ける」

アニ(そんな…)

アルミン「僕って結構強情で頑固で諦め悪いんだ」

アニ(そんな夢みたいな日は…来ない)ウル


206: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:42:13 ID:UJ6wynGE



アニ「あんたバカでしょ。私を想い続けてもメリットないよ」

アニ「……アルミンはもっと賢いと思ってた」

アルミン「知らなかった?」ニコニコ

アニ「バカ…でしょ」グス

アルミン「アニは泣き虫だね。強がってるくせにすぐ泣くんだから」

アニ「うるさい」プイ

アルミン「アニ……こっち向いて」ジッ

アニ「……」


207: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:52:06 ID:UJ6wynGE




アルミン「時間の限り、近くでアニの顔を見ていたいんだ」

アニ「顔なら明日からも見れるけど」

アルミン「今みたいな表情は見れない」

アルミン「ほら、恥ずかしいのは僕も一緒だから」

アニ「……」

アニ「…」チラッ


アルミン「……」クィッ



チュッ



アニ「」

アルミン「……」


208: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 21:53:01 ID:UJ6wynGE



アニ「……!?!?」カアアアアア

アニ「……い、ま……く、口に!!」

アルミン「……あ、あはは。今ならいける気がして…ああでもやっぱり恥ずかしいなこれ…」カアア

アニ「も、もう!このバカアルミン!!!」バシバシ

アルミン「いったいなぁ、アニったら」クスクス

アニ「いきなり、乙女の、唇を、奪って!!」バンバン

アルミン「宣言したらよかったの?」

アニ「そういう問題じゃないよ!!」カアアア

アルミン「……もしかして嫌だった?」



アニ「嫌……じゃない、から怒ってるんだよ!」フィ

アルミン「……」キュウウウン


209: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 22:00:06 ID:UJ6wynGE



アルミン「くっそぉ、アニは可愛いなぁこんちくしょう!」グシャグシャ

アニ「ちょっと!思い切り撫でないでよ、髪型崩れるって」

アルミン「どうせ後は寝るだけなんだからいいでしょ」ワシャワシャ

アニ「……そうだけど、…ぐしゃぐしゃなのアルミンに見られたくない」プク


アルミン「…」

アルミン「……気にしないのに」ナデナデ

アニ「……知ってるけど…嫌なもんは嫌なのさ」

アルミン「…そっか」ナデナデ

アニ「…ん…」

アルミン「……」ジッ

アニ「…」チラ


210: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 22:02:33 ID:UJ6wynGE



アルミン「……アニ…」

アニ「……何?」

アルミン「…目…閉じて」ソッ

アニ「アル…ミン…」

アルミン「……」スッ

アニ「……」キュ

アルミン「……好きだよ」








211: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 22:11:01 ID:UJ6wynGE






ギィ…バタン


ズルズル…ドサッ


アニ(結局、夜中になっちゃったね)

アニ(……終わった。夢のような時間が…全部、終わってしまった)

アニ(明日からは私たちはもとに戻る。ただの同期に)

アニ(そして私は、仮初めの女の子じゃなく戦士に戻って…)

アニ(故郷に帰る。私の本当の居場所はそこだけだから)




アニ(約束したんだ、お父さんと…必ず帰るって)


212: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 22:13:03 ID:UJ6wynGE



アニ(最初から決まってたことだよ)

アニ(私たちは何もかもが間違ってたんだ)

アニ(余りにも立場が違いすぎた)

アニ(私は戦士で、必要となればあいつをこの手で掛けることだってする)

アニ(故郷よりもアルミンを選ぶことはできない。だって後戻りするにも道がない)

アニ(共に生きるなんて夢のまた夢だよ)

アニ(私は人類を滅ぼして、……故郷に帰る)


213: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/07(水) 22:13:59 ID:UJ6wynGE





アニ(アルミンに沢山幸せな時間をもらったのに…)

アニ(それを仇で返すんだ)

アニ(アルミンに好きだなんて言ってもらう資格なんかない)

アニ(あんたを裏切り続けている私には)

アニ(最低の女だと罵られても仕方がない)

アニ(ごめんなさい)

アニ(ごめんなさい)

アニ(ごめんなさい)



アニ「私は…アルミンが…」

アニ「……好き……だったよ」ポロポロ




アニ(そして、……さよなら)


215: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/07(水) 22:22:24 ID:EYoild7.

乙だ しかしこのまま原作をなぞるだけじゃ終わらないだろうから楽しみだ


220: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:26:42 ID:0SmTHWO2


~~~~~~~~~~~~~~

……




アルミン(やっと掃討作戦が終了したかと思ったら、今度は巨人殺しの犯人探しか)

アルミン(休まるときがないな)

アルミン(……!あの後ろ姿は…)

ダダダダ

アルミン「アニ!」ガシッ

アニ「……!」

アニ「……声が、大きいよ。あと腕、締め付けないで」クルッ

アルミン「………」フルフル

アニ「アルミン?」


221: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:27:42 ID:0SmTHWO2


アルミン「無事で…良かった」キュ

アニ「……」

アルミン「…」フルフル


アニ「アルミン、ただの同期は…」

アルミン「同期だって心配ぐらいするよ……」



アニ「ふん。私はあんたのが死にそうで心配だったね」

アルミン「あはは、それもそうだ」

アニ「…」


222: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:28:39 ID:0SmTHWO2



ジャン「おい、…お前ら」スタスタ

アルミン「ジャン?」

ジャン「……悪い、…ちょっと聞きたいことがあるんだ」

アルミン「どうしたの?」

ジャン「……マルコの…」



ジャン「マルコの死に際をしらねぇか……?」


アニ「!」

アルミン「…」

アルミン「ごめん、僕は知らないや…」

アニ「、…私も……」


223: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:35:10 ID:0SmTHWO2



ジャン「そうか…悪かったな。もし誰かが知ってるようなこと言ってたら知らせてくれるか?」

アルミン「うん…」

ジャン「…じゃあな」




アニ「私ももう行くよ」

アルミン「ああ…うん…」

アニ「どうせまた後で検査の時に会うでしょ」

アルミン「そうだね、ごめん引き留めて」パッ

アニ「……じゃあね」スタスタスタ

アルミン「……」

アルミン(アニ?)



……


224: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:43:32 ID:0SmTHWO2

……


アルミン(……)

アルミン(どういうことだ)

アルミン(何故、アニがマルコの立体機動装置を?)

アルミン(見間違えるはずがない。あれはマルコのでアニのではない)

アルミン(だって一緒に組み立てたんだ、……アニも、マルコも)

アルミン(マルコの遺体は装置を身につけていなかったと聞いた)

アルミン(マルコの装置を取ったのは…アニ?)

アルミン(どうしてそんなことをする必要があった)

アルミン(自分の装置が壊れたのか?)

アルミン(だとしたら何故掃討作戦の時に申告していないんだ?)


225: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:45:12 ID:0SmTHWO2


アルミン(あの時、ジャンがマルコのことを聞いて来た時)

アルミン(アニは一瞬顔がこわばった)

アルミン(本当に、……何も知らなかったのか?)

アルミン(いや、そのことに関してはただ、たまたま死ぬ前に外れてしまったマルコの装置をアニが拾ったのかもしれない)

アルミン(それに同期が沢山死んだんだ、アニだって動揺するさ)

アルミン(でも……だからといって『他人の装置を自分のもの』と偽って提出したことに変わりはない)


226: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:46:55 ID:0SmTHWO2


アルミン(このタイミングでそんな行動をとる理由は……一つしか考えられない)

アルミン(……アニが、今回の巨人殺しの犯人…なのか?)

アルミン(あの、アニが巨人が憎いという理由で……実行したのか?)

アルミン(ありえない。アニなら殺すことで人類に大きな損害が出ることくらいわかるはず)

アルミン(何か他にわけがあったのか?)

アルミン(もしかしたら……アニが抱えていたらしい何か、に関係があるのかもしれない)

アルミン(何なんだよ……それは)

アルミン(わからない。あんなに一緒にいたのに、…なんでわからないんだ)


227: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:48:37 ID:0SmTHWO2


アルミン(まさかとてつもなく大きなことに巻き込まれて…いるんじゃ……!)

アルミン(だとすればアニの身は安全なのか…?)

アルミン(また辛くて一人で泣いてるんじゃないのか)

アルミン(今すぐに会いたい。会って話したい…)

アルミン(……君は何を抱えてるんだ、アニ…)




ジャン「アルミン、考え事も良いがもうすぐ消灯だ。さっさと寝床につけよ」

アルミン「……ああ、ごめん」


228: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:50:50 ID:0SmTHWO2


ジャン「そう言えば……アルミンさ、」

アルミン「ん?」

ジャン「アニと別れたのか?」

アルミン「は……」

アルミン「…だから、僕はアニと付き合ってなんかないよ」

ジャン「でもよ、明らかにある時期からよそよそしくなったじゃねえかお前ら」

アルミン「……まあ、しいて言えば僕がふられたみたいなもんかな」

ジャン「はあ!?ふられた!?」

アルミン「うん」

ジャン「アニはアルミンのこと好きじゃなかったってか?」

アルミン「いや、両想いだったよ」

ジャン「……はぁ?」

アルミン「恋人らしいことも一通りはした」

ジャン「……どこまで?」

アルミン「ご想像にお任せするよ」


229: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 20:52:34 ID:0SmTHWO2



アルミン「でも、……もう一緒にはいられないからただの同期に戻ろうって」

ジャン「なんだそりゃ。憲兵団に入るから遠距離は無理ってことか?」

アルミン「んー……わからない。詳しくは話してくれなかったから」

アルミン「ただ……彼女が抱えてることに関係はある、と思う」

ジャン「何だよ、抱えてることって」

アルミン(……言うべきか)

アルミン「それは……」

アルミン(……言わざる、べきか)



アルミン「ごめん、僕もよく知らないんだ」


アルミン(アニ、僕は君を信じるよ…)

アルミン(きっと何か理由があるんだろ?)




230: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:00:30 ID:0SmTHWO2

~~~~~~~~~~~~~~~~

ウワータスケテエー
ギャー

ズシンズシンズシンズシン

アニ(巨人を引き連れて、走る)

アニ(目的のために、走る)

アニ(躊躇なんてしない)

アニ(刃向かうものはみな殺す)

アニ(躊躇はできない)

アニ(殺して、殺して、……エレンを目指す)

アニ(成功すれば故郷に帰れる)

アニ(やっと帰れるんだ。やっと終われる)

アニ(お父さんに……)


ズシンズシン


231: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:05:31 ID:0SmTHWO2



パシュッワー

アニ(……また来た)

アニ(殺して、……殺して、……)ガッ

バーン

アニ(躊躇は、しない)

アニ(今は心を無にして何も考えるな)


アニ(!)

アニ(あっちにもう一人いる)

アニ(煙弾を上げて、逃げ出した)

アニ(あいつがエレンかもしれない)


ドドドドドド


アルミン「行け!」

ドオン…


232: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:07:55 ID:0SmTHWO2


ズシン

アニ(……)

アニ(巨人の間は、人でいる間よりは、殺すことに戸惑わなかった)

アニ(きっとどこか離れた目線で巨人の自分を見ていた)

アニ(それが、いっきに現実に引き戻された気がした)

アニ(ああ、想定はしてたつもりだった、…でもまさか本当にこんなことになるなんて……)




アニ(……アルミン)

アニ(なんでここにいるのさ)


233: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:09:43 ID:0SmTHWO2



アニ(恐怖の色に目が染まってる)

アニ(いつもみたいな優しい眼差しじゃなくて、恐れと嫌悪の入った瞳でこっちを見ている)

アニ(殺さなきゃ)

アニ(早く。今ここで見逃したらアルミンならきっと怪しむ)

アニ(そしたら不味いことになるかもしれない)

アニ(早く殺せ、……やれ!!)






アニ(……でも)

アニ(何もアルミンを殺さなくても、作戦が成功すれば問題ないんじゃないの?)


234: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:12:13 ID:0SmTHWO2


アニ(そうだ。アルミンには私に襲いかかってくる様子もない)

アニ(刃向かってきたわけじゃないし)

アニ(要は、成功させればいいんだよ)

アニ(第一アルミンも私だなんて流石にわからないはず)



スッ

ズシンズシン…


アルミン「殺さない……のか?」ドクンドクン…




235: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:14:46 ID:0SmTHWO2

~~~~~~~~~~~~~~~


アルミン(……あの巨人は………)

アルミン(知性を持っていて、おそらくエレンを探しているだろう、“奴”は)

アルミン(エレンでもない僕を殺さず見逃したばかりか)

アルミン(同期でしか知り得ない死に急ぎ野郎というあだ名に反応して動きを止めた)


アルミン(考えたくなかったが)

アルミン(同じ104期生のなかで、怪しい行動をした人間を、僕は一人知っている)

アルミン(そして、……彼女がそうであるなら、今までの言動にも合致がいく)


アルミン(なにより僕が、見間違えるはずがない)

アルミン(あの、僕とよく似た瞳を…)


236: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:18:20 ID:0SmTHWO2


アルミン「『僕とは違う』……か…」

ジャン「ん?何か言ったかアルミン」

アルミン「いや…なんでもないよ」

ジャン「そうか。ぼさっとすんなよ、木の上とはいえここは壁外なんだからな」

アルミン「うん……ごめんねジャン」


『何かを変えることのできる人間がいるとすれば』

『その人はきっと…大事なものを捨てることができる人だ』


アルミン(僕は……どうだ)

アルミン(……決めなければいけない…)




237: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:27:49 ID:0SmTHWO2

~~~~~~~~~~~~~~~



アニ(失敗した)

アニ(あんなに沢山の人を殺して、殺して、……殺したのに)

アニ(失敗、してしまった)



アニ(結局アルミンのことも、殺せなかった)

アニ(あの時、殺すべきだったのにね)

アニ(アルミンの頭脳はあなどれない)

アニ(何か嗅ぎ付けたかもしれない)

アニ(私はよく知ってる)

アニ(三年間見てきたんだから)


238: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:31:10 ID:0SmTHWO2


アニ(私は、……何をしているんだろう)

アニ(こびりついた血が離れない)

アニ(足や手や体中に残ってる感触が離れない)

アニ(洗い流しても、こすっても、まとわりついてくる)

アニ(頭の中で私を非難する声が聞こえる)

『お前が殺した』

『お前が殺した』

『お前が…』

アニ(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい)

アニ(謝ると余計に酷くなる)

アニ(…それでも謝らずにはいられない)

アニ「ごめんなさい……」


239: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 21:32:51 ID:0SmTHWO2


アニ(怖い)

アニ(ごめんなさい)

アニ(私のせいだ)

アニ(また同じことをしなければいけないの?)

アニ(また人を殺すの?)

アニ(故郷に帰りたい)

アニ(でも……嫌だ。もうこんなことしたくない)

アニ(これ以上人を殺したくない)

アニ(……殺さなきゃいけない)

アニ(…)

アニ(助けて)

アニ(誰か助けて)



アニ(……アルミン……)


241: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:10:29 ID:0SmTHWO2


~~~~~~~~~~~~~~~

アルミン「……」ボフン

アルミン(自分でもよく帰ってきたなと思う)

アルミン(この布団の感触を味わっているのが嘘みたいだ)

アルミン(沢山の人が死んだ、今回の壁外調査で)

アルミン(多くの犠牲を払って得たものはなし)

アルミン(いや……僕にはわかったことがある、か)


アルミン「……アニ…」


242: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:14:48 ID:0SmTHWO2


アルミン(このままではエレンは殺される)

アルミン(大切な親友が死んでしまう)

アルミン(それだけじゃない)

アルミン(女型を野放しにすれば人類の存亡すら危うい)

アルミン(恐い。女型を目の前にした時の恐怖は忘れられない)

アルミン(巨人は恐ろしくて、憎むべき敵だ)

アルミン(例外はない)

アルミン(奴等は僕らを滅ぼす存在だ)



アルミン(他の人ならきっと今の時点で迷いはしなかった…)


243: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:19:58 ID:0SmTHWO2



アルミン(けど……アニは僕にとって、大切な人だ)

アルミン(エレンやミカサとはまた違う、)

アルミン(僕が守ると決めた女の子だ)

アルミン(どんなに離れても、好きでいる自信がある)

アルミン(いつか君ともう一度一緒に過ごせるその時まで)

アルミン(想い続けると誓ったから)

アルミン(だから……)

アルミン(信じたくない、信じられない)

アルミン(どうしても)


244: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:22:39 ID:0SmTHWO2


アルミン(働いてしまう自分の頭が憎らしい)

アルミン(確実な証拠はない)

アルミン(でも確信してる。あれはアニだ)

アルミン(僕があの時みたいに黙っていれば、女型の正体に気付くものはいないかもしれない)

アルミン(僕が……黙っていれば……)

アルミン(僕が黙っていたせいで……)



アルミン(そうだ。僕の甘さのせいで一体何人の人間が死んだんだ?)スクッ


アルミン(防げたはずの犠牲が…出た)


アルミン「くっそぉ……」ダンッ

アルミン「僕は……僕は……どうすれば…良いんだよ…!」ギリギリ


245: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:26:11 ID:0SmTHWO2


アルミン(親友か、愛する人か)

アルミン(大義かエゴか)

アルミン(どちらかを選べっていうのか)

アルミン(切り捨てることを)

アルミン(僕に選択させるのか)

アルミン(なんて、なんて残酷なんだ)







『 私はとうに 人類復興の為なら 心臓を捧げると誓った兵士』



アルミン「……」ハッ


246: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:27:30 ID:0SmTHWO2


アルミン(………いや、違った)

アルミン(そもそも僕に選択肢なんかなかったんだ)

アルミン(持ち合わせていなかった)

アルミン(僕の答えは三年前のあの日から決められている)

アルミン(たった、ひとつに)


247: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:29:03 ID:0SmTHWO2



アルミン(……僕はアニが好きだ)

アルミン(彼女が僕らの敵かもしれないとしても、まだ好きだ)

アルミン(あんなにも苦しんでいたアニを、救ってあげたい)

アルミン(僕だけは味方だと、言ってあげたい)

アルミン(……きっと、この想いは変わらない)

アルミン(この命尽きるまで…いや、尽きたって変わらない)




アルミン(だが僕は兵士だ)

アルミン(アルミン・アルレルトという一人の人間である前に)

アルミン(人類のために心臓をささげた一介の兵士だ)


248: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:31:35 ID:0SmTHWO2


アルミン(この結論に至った自分が憎くてたまらない)

アルミン(愛する人をこの手に掛けようとしている自分が嫌で、嫌でたまらない)ギリリ

アルミン(現実を信じたくない。信じられない)ポタッ

アルミン(それでも、僕はやらなければいけないんだ)ポタポタ

アルミン(捧げてしまった心臓は、もう僕のもとにはないのだから)ポロポロ




アルミン「……う、……くぅ……」ボロボロ

アルミン「……アニ……あ、にぃッ…」ボロボロ

アルミン「……ご、……め…ん…っ」グッ


ゴシゴシ

フラフラ


ギィ…バタン


249: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:33:00 ID:0SmTHWO2


コンコン

アルミン「アルミン・アルレルトです。エルヴィン団長にお話があって参りました」

エルヴィン「はいりたまえ」

アルミン「ハッ!失礼いたします」ガチャッ


……




250: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:35:28 ID:0SmTHWO2


~~~~~~~~~~~~~~~


アニ(久しぶりに会ったアルミンはあのころと変わらない振りをした瞳の奥に)

アニ(壁外で見たような恐怖の色を宿していた)

アニ(変わってしまったんだね)

アニ(ばればれだよ、……ばか)

アニ(無謀な賭けだ)

アニ(それでも私は最後まで、あんたに悪く思われたくなかった)

アニ(本当にバカな女)

アニ(でもこれがエレンを奪う最後のチャンス)

アニ(故郷に帰る…これは私にとっても賭けだ)





251: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:39:30 ID:0SmTHWO2





アニ「そっちには行けない」

アニ「私は…戦士になりそこねた」

エレン「だから…!つまんねぇって言ってるだろうが!!」

アルミン「話してよアニ!僕達はまだ話し合うことが出来る!」

アニ(無理だよ。わかってるんでしょ)

アニ(あんたが私にそんな目を向けてることが何よりの証拠だ)


アニ「ねえアルミン、***の花言葉にさ、…『疑い』ってのがあるんだよ」

アルミン「!」

アニ「知らなかったでしょ?」


252: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:42:58 ID:0SmTHWO2


アニ「私は、あんたにもらったこの想いのせいで、あんたに疑われて、摘み取られそうになってる」

アルミン「……アニ、…僕は………!」

アニ「……滑稽だね」

アニ(アルミン、私があんたの良い人でよかったね)

ミカサ「もういい」

ミカサ「これ以上聞いてられない」

アニ(ひとまずあんたは賭けに勝った)

ミカサ「不毛……」

ミカサ「もう一度ズタズタに削いでやる、女型の巨人」




アニ(…でも私が賭けたのはここからだから)


アニ(故郷に……帰る)


253: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:45:46 ID:0SmTHWO2

……



ヒュンッ


ミカサ「アニ…落ちて」トンッ

アニ(落ちる。落ちていく)


アニ(負けたんだね)


アニ(私は、戦士にもなれず)

アニ(女の子にもなれず)

アニ(故郷に帰ることも)

アニ(幸せな夢の続きを見ることも叶わず)

アニ(初めて心から好きになった人に利用されて)

アニ(ここで、消える)

アニ(私にふさわしい、みじめな最後)


254: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:47:40 ID:0SmTHWO2



アニ(お父さん、約束守れなくてごめんなさい)

アニ(故郷に帰りたい)

アニ(アルミン、裏切ってごめんなさい)

アニ(あんなにも想ってくれたのに)

アニ(あんたはもう私のことを二度と想ってなんかくれないだろうね)

アニ(それでいい。この世界で私たちが結ばれることはないんだから)



アニ(ねえ、…いつか話してくれた話の続き…)


アニ(もしこんな私にも次があるのなら…)

アニ(今度は、……今度こそは…)






255: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:51:12 ID:0SmTHWO2



『でもこの話には続きがあるんだ』

『続き?』

『マルコが教えてくれたんだけどね』

『どんな?』

『きっと聞いたらアニはがっかりするよ』

『教えてよ。気になる』

『えっとね、』


『数百年の時が流れて、普通の人間に生まれかわった狼男は再び少女と出会い恋に落ち』

『今度こそ何にも邪魔されることなく、二人は末永く幸せに暮らしましたとさ』


『……だって』


256: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:53:38 ID:0SmTHWO2


『……』

『ほら、やっぱりがっかりしたでしょ』

『だって完全に蛇足だよ。つまらない。無理やり』

『あはは、手厳しいなアニは』

『あんただってそう思わないの?』

『そうだね。確かに初めは思ったよ』

『……』

『でも、今が残酷な世界だからこそ、ご都合主義でも何でもいい、次は絶対……幸せなハッピーエンドが待ってる』

『そういう希望みたいなものを持っても、いいんじゃないかな』


257: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:54:28 ID:0SmTHWO2



『……中途半端で情けない希望だね』

『そうだね』

『救いがあるんだかないんだか』

『うん』

『でも……嫌いじゃないよ』

『……僕もだよ』








アニ(あんたの隣で、普通の女の子として………………生きたい)



シュウウウ…カキン


258: ◆dGOrvBd2ic 2013/08/08(木) 22:55:23 ID:0SmTHWO2













アニ「どちらにもなれなかった私の話」
http://.2ch.net/test/read.cgi/14562/1375531171/">元スレ

テーマ : 進撃の巨人
ジャンル : アニメ・コミック

オティヌス「おーい。遊びに来たぞー」上条「はいはーい」【禁書ss】

1 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 01:33:04.11 ID:picTIsit0

上条「ようオティヌス。よく来たな」

オティヌス「お前がいつでも遊びに来てもいいって言ったからな。こうして来てやったんだぞ?」

上条「おう、大歓迎だ。入れよ」

オティヌス「………」

上条「ん?どうした、入らないのか?」

オティヌス「ひ、人の家に遊びに来たのは、あいにくお前が初めてのことでな……」

上条「あはは、何緊張してんだよ。さっさと入らないと身体冷えちまうぞ」

オティヌス「あ、ああ。邪魔するぞ」


5 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 01:59:19.90 ID:picTIsit0

オティヌス「ほ、ほほう……ここがお前の部屋か……」キョロキョロ

上条「お前この部屋知ってるだろ。この世界のことじゃないけどさ」

オティヌス「実際に入ったことはないからな?」

上条「それもそうか」

オティヌス「そういえばあのシスターはどうした?」

上条「あいつなら今は散歩中だ。もうすぐ帰ってくるはずだよ」

オティヌス「帰ってこなくていいのに」ボソッ

上条「はい?」

オティヌス「いや、なんでもない」
6 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 02:01:29.23 ID:picTIsit0

上条「まぁ立ち話も何だし座れよ。お茶くらい出すからさ」

オティヌス「そうさせてもらおう」ポスン

上条「すぐに淹れてくるからちょっと待ってろよー」

オティヌス「ああ」

オティヌス「」ジー

オティヌス(これがあいつのベッドか……)

オティヌス(とりあえず嗅いどこう)スンスン


オティヌス(!?)


オティヌス(あいつの臭いがまったくしない……だと……)
7 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 02:05:05.86 ID:picTIsit0

オティヌス(いや、問題はそこじゃない!)

オティヌス(女の匂いがする……)

上条「おーい出来たぞー…って、なんで枕に顔を……?」

オティヌス「……おい、お前このベッドで寝ていないのか?」

上条「ああ、そうだけど。今やそのベッドはインデックス専用と化したのですよ……」

上条「つっても、俺が好きで風呂場に寝てるだけだからアイツは何にも悪くないんだけどな」

オティヌス「…まぁ……そういうことなら………」

上条「………?」
8 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 02:06:32.73 ID:picTIsit0
短くてすまんがいったん終わり
今回はヤンデレ成分強めで行きたいと思う
12 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/04(火) 08:01:36.84 ID:9CdE31he0
ヤンデレオティヌスきたああああああ
26 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 20:37:52.23 ID:picTIsit0

上条「とりあえず座れって。はいお茶」コトッ


オティヌス「いただこう」ズズッ


オティヌス「……ふぅ」


上条「まだ外は寒いからなぁ。少しはあったまっただろ?」


オティヌス「ああ」


上条「そりゃ良かった」
29 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 20:41:23.83 ID:picTIsit0

上条「……なぁオティヌス」


オティヌス「どうしたんだ?」


上条「あのあと色々あって今に至るけど体はもう大丈夫か?どこか痛んだりとか、気分が悪かったりだとか」


オティヌス「ああ、色々あってもう大丈夫だ。お前のおかげだよ」


上条「いやぁ、そんな大したことはしてないって」


オティヌス「謙遜するな。お前のおかげで色々助かったんだ。感謝している」


上条「う~ん……まぁ、どういたしまして、かな」
30 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 20:43:45.91 ID:picTIsit0

上条「なぁオティヌス。お前ちょっと雰囲気変わったな」

オティヌス「ん?そうか?」

上条「ああ、変わったよ」

オティヌス「実感はないが……理解者であるお前が言うのならばそうなんだろう」

上条「お前の表情や仕草を見ればすぐに分かったよ。理解者舐めんな」ニコッ

オティヌス「……//////」

上条(なんでコイツ赤くなってんだろう?)
31 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 20:58:07.32 ID:picTIsit0

オティヌス(これはかなり良い雰囲気なのでは…////)

オティヌス「……一つお前に確認したいことがあるんだが、いいか?」

上条「おう、何でも言ってみろよ」

オティヌス「お前とあのシスターは……別に付き合ってるとかでは……」

上条「俺とインデックスが?ははっ、ないない。俺とアイツはそういうんじゃないんだよ」

オティヌス「じゃあどういう感じなんだ?」

上条「う~ん…強いて言うなら妹、的な?」

オティヌス「妹か……」





オティヌス「それでも目障りなのは変わりないな」ボソ

32 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 21:07:34.07 ID:picTIsit0

オティヌス「………」


上条「あ、あのーオティヌスさん?急に黙ってどうしたんですか?」

オティヌス「いや、私なりに考えをまとめていたところだ」

上条「はい?」

オティヌス「なぁ」ズイッ

上条「お、おう?なんだ?」

オティヌス「お前は私のこと、どう思ってる?//////」
34 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 21:12:32.31 ID:picTIsit0

上条「ど、どう思ってるって……」


上条(誰よりも長い間一緒にいて……)


上条(誰よりも俺のことを理解してくれてて……)


上条(誰よりも孤独で……)


上条(世界の全てと戦ってでも助けたいと思った女の子……)


上条(そんな、存在……)


上条(……あれ?今初めて整理してみたけど)


上条(もしかして俺―――)



ガチャ


禁書「ただいまー!……あれ、オティヌス?」



オティヌス「……チッ」

35 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 21:13:43.58 ID:picTIsit0

上条「お、おうインデックス。おかえり」

禁書「ただいま!……どうしてオティヌスがいるの?」

上条「遊びに来てくれたんだよ。俺から誘ったんだ」


禁書「………」ジー

オティヌス「」ギロッ


上条(え?何この空気……)

36 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 21:14:11.50 ID:picTIsit0

オティヌス「さて、私はそろそろ帰るとしよう」スクッ

上条「え?もう帰っちゃうのか?」

オティヌス「ああ。また遊びに来てもいいか?」

上条「おう!いつでも来いよ!」

オティヌス「さっきの質問の答え、待っているぞ」

上条「あ、ああ」

オティヌス「それじゃ、また」バタン



禁書「………」ジー

上条「なんだよその目は…」
37 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 21:17:51.00 ID:picTIsit0

――――――――――――

―――――――


オティヌス「今日は久しぶりにあいつに会えたな…」


オティヌス「あんなにアイツに近づけた……アイツの匂いが感じられた……ふふふふふふ」


オティヌス「さて、バレーボールに作らせといた透明な監視カメラも部屋中にばらまいたし、これで24時間ずっとあいつを見

ながら生活できるな」


オティヌス「……」ジュル


オティヌス「よし、さっそくモニターに映してっと」ピッ

38 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/04(火) 21:18:19.51 ID:picTIsit0
今日はここまで
また明日
42 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/04(火) 21:33:26.86 ID:FQ/PvDJc0
イイ感じに病んでるねぇ
これからの展開が楽しみっすわ
83 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/08(土) 20:24:34.64 ID:DNuYPlwC0

ブゥン


上条『………う~ん』


オティヌス「むむ……何か考え事をしているようだな」


上条『あ~……よく分かんねぇ』

上条『俺、こんな気持ちになったのって初めてかもな……』

上条『この時点で、俺はもう陥落しちまってるのかなぁ』


オティヌス「ちっ、声が小さくて聞き取れないな。バレーボールのやつ不良品をよこしたのか?」

84 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/08(土) 20:27:50.92 ID:DNuYPlwC0

禁書『とうまー』

上条『どうしたんだインデックス』

オティヌス「……目障りだな」


禁書『お腹が空いたんだよ』

上条『はいはい分かりましたよ』


オティヌス「…………」


禁書『今日のごはんは?』

上条『今日はもやし炒めともやしスープだ』

禁書『もやしばっかなんだよ!飽きたかも!』

上条『まぁまぁ。いつか埋め合わせしてやるから勘弁してくれ』
86 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/08(土) 20:33:44.72 ID:DNuYPlwC0

オティヌス「………非常に不愉快この上ない。あの女、すべてアイツに任せっきりじゃないか」

オティヌス「今すぐにでもアイツの家からつまみ出してやりたいところだが……」


上条『そうだインデックス。明日はなんか補習入ってるんだ』

禁書『え!そうなの!?せっかく遊べると思ったのに!』

上条『悪い!マジで進学やべぇんだって!!』

禁書『まったく!』


オティヌス「……これがアイツが渇望した日常だから……これを壊すことは、私にはできそうもないな……」

オティヌス「可能性としてはアイツが自主的に禁書目録を追い出すことだが……難しいか」
87 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/08(土) 20:39:53.02 ID:DNuYPlwC0
オティヌス「まぁ一筋縄ではいかないだろうから、じっくりとやる必要があるな…」


上条『う~ん…それにしても……』

禁書『どうしたのとうま』


オティヌス「ん?また何か悩んでいるな。さっきからいったい何を……」


上条『さっきオティヌスに聞かれたことについて考えてたんだ』

禁書『オティヌスに?』


オティヌス「」ガタッ

88 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/08(土) 20:48:23.92 ID:DNuYPlwC0

オティヌス「そ、そうか!アイツが考えていたのは、私のことだったのか!」

オティヌス「さっきから、ずっと、アイツは私のことを……//////」

オティヌス「うふ、ふふふふ……////」ニヤニヤ


禁書『何を聞かれたの?』

上条『え、いや、お前に話すことじゃないぞ』

禁書『………』


オティヌス「ふん、当然だろう」

89 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/08(土) 20:52:28.83 ID:DNuYPlwC0


上条『い、インデックスさん?どうしたんですか…?急に静かになって……』

禁書『……えいっ』ギュッ

上条『!?ど、どうしたインデックス』

禁書『別に!!』プクー


オティヌス「はぁ!?何をしているんだこの女…ッ!!!私の当麻に…!!」


上条『ったく、お前は甘えん坊だなー。そんなんじゃお前の彼氏になる奴は大変だ』

禁書『彼氏なんて必要ないんだよ。私はここにずっと住むんだから』

上条『さらっとニート発言すんな』
90 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/08(土) 21:06:26.09 ID:DNuYPlwC0

オティヌス「……おかしい。こんなのおかしい」

オティヌス「私が、私が一番当麻を愛してるのに……それなのに……」

オティヌス「なぜ私ではなく、あの女が……くそっ!!」ドンッ


バレーボール「」ビクッ


オティヌス「ん?お前ここに居たのか?さっさと出ていけ!!」

バレーボール「」コロコロ・・・
91 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/08(土) 21:14:58.19 ID:DNuYPlwC0

オティヌス「なんとしても、あの女は止める!!どんな手を使っても……」

オティヌス「ふふふ……ふふふふふ……」


上条『さぁ、晩飯の準備すっか』


オティヌス「はっ!当麻の料理シーンだ!キッチンの監視カメラを起動させなければ!!」


上条『さてと…始めますか』


オティヌス「……やはり監視カメラを仕掛けてよかった。私は今確かな充実感を感じている…」

オティヌス「これで明日も頑張れそうだ……ふふ」
96 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/08(土) 22:45:36.88 ID:NlVghUrw0
順調にメンヘラっぽくなってていいねえ
98 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/09(日) 00:17:22.42 ID:P16IBeKSO
ここの1はインデックスにも愛があって好きでふ
115 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/11(火) 22:59:11.95 ID:nk029qNM0
―――――――――――――

――――――


上条『さてと、じゃあインデックスも風呂に入り終わったことだし、俺も入ってくるよ』

禁書『私はここでテレビ見てるんだよ』


オティヌス「き、来た!来たぞ!!この時を待っていた!」ヒャッホウ

オティヌス「モニター切り替え……部屋の全監視カメラを風呂場に集中……あ、脱衣所に4つ残しとくか」ブツブツ

オティヌス「ククク……こんなこともあろうかと飛行機能と防水機能を付けさせておいた…」

オティヌス「さて…一仕事するか……」ニヤッ
117 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/11(火) 23:01:42.74 ID:nk029qNM0

上条『よっと』ヌギヌギ


オティヌス「ちょっ////きゅ、急に脱ぎだすとは……まったく……//////」




上条『はぁ、今日も色々あったなぁ』ガラッ


オティヌス「ぜ、全裸…////結構逞しい体をしているんだな…//////」


上条『ふんふふん~』ジャー


オティヌス「はっ!そうだ!メモ用紙が必要だ!おいバレーボール、紙をもってこい!」

バレーボール「」スッ

オティヌス「よし、これで準備は整った……」
118 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/11(火) 23:08:37.36 ID:nk029qNM0

上条『ふんふんふ~ん』ショコショコ


オティヌス「ほ、ほう……一番初めに洗うのは左腕…と。私も今度からアイツと同じところから洗おう……///」


上条『う~~ん……』ジャコジャコ


オティヌス「身体を洗いながら何か考えているな……」

オティヌス「また私のことを考えているのだろうか……ふふふ」


上条『オティヌス……』ボソッ


オティヌス「私の名前っ!!今お前、私の名前を呼んだのか!?」

オティヌス「な、なんだ当麻!?私はここにいるぞ!お前のことをずっと見ているからな!」


上条『はぁ~~……』


オティヌス「あの物憂げな表情は……?」
120 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/11(火) 23:15:12.26 ID:nk029qNM0

上条『俺は………』


オティヌス「くっ!一体どうしてそんな表情をしている!私の当麻を困らせるやつがいたら全力で潰すぞ!!」ギリッ


上条『まぁ、考えるのはあとにしよう』ジャー

上条『』ワシャワシャ


オティヌス「……どうやら後回しにしたらしいな。頭を洗い始めたか」


上条『』ジャバー


オティヌス「ああ……アイツの体と一緒に私の心も洗われていくようだ……」ウットリ
121 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/11(火) 23:24:36.57 ID:nk029qNM0

上条『』ムギュムギュ


オティヌス「!!!ど、どこを触って……!……ってそうか、洗っているだけか……//////」

オティヌス「そこは入念に洗っておかなくてはな……//////」ジー


上条『さて、出るか』ガラッ


オティヌス「よし、カメラを脱衣所に移動させるか……」

オティヌス「今日は充実した一日だったな」
122 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/11(火) 23:30:28.93 ID:nk029qNM0

――――――――――――――――――

――――――――――


風呂場


上条『』スゥスゥ


オティヌス「……」ジー


上条『』スゥスゥ


オティヌス「………」ジー


上条『むにゃ……』


オティヌス「ふふっ」ホッコリ
156 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/15(土) 20:42:26.55 ID:RMr8aL1t0

翌日



上条『んあ……』パチッ


オティヌス「おはよう当麻……この8時間の間ずっと寝顔を見てたぞ……ふふふ」

オティヌス「あれ?よだれがでているぞ?私に舐めてもらいたいのか?仕方のないやつめ……」


上条『朝か……ふぁぁ……』ググッ


パキーン


上条『あれ?今右手が反応したような……』


オティヌス「な、何!?幻想殺しによって空中の監視カメラの一台が消滅してしまった!」

オティヌス「くっ……ヤツの周りに監視カメラを集中しすぎたか……」
157 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/15(土) 20:54:27.96 ID:RMr8aL1t0

上条『……』


オティヌス「まずい……怪しまれてる…?」


上条『……気のせいか…?風呂場に何もないしな…』


オティヌス「…ふぅっ。何とかやり過ごせたか…」

オティヌス「もう少し配置を考え直さなくてはな……」


上条『おーいインデックスー、朝だぞー』


オティヌス「ちっ、あの女、当麻からモーニングコールとは……」
160 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/15(土) 21:51:34.33 ID:RMr8aL1t0

禁書「う~ん……」ムクッ


上条『朝飯にすんぞー』


オティヌス「さて、そろそろアイツは学校か。私も待機しておこう」


バタン



上条「よし、一晩悩んだけど、答えは決まったぞ!」

上条「この答えを次にオティヌスにあった時にちゃんと伝えよう!」

禁書「とうま、何を伝えるって?」

上条「あ、いや、なんでもねーよ!////」

禁書「ふーん?ならいいんだけれど」
180 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/17(月) 20:38:38.63 ID:zm7UgKJU0

上条「ふんふ~ん」スタスタ


コソッ


オティヌス(今日も元気に学校に通っているな……よしよし)


上条「お?あれは……おーい!御坂妹ー!」


オティヌス(何っ!?)


御坂妹「おはようございます、とミサカは嬉々とした表情で駆け寄ります」


オティヌス(あれは確か御坂美琴とかいう奴のクローンだったな……)

182 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/17(月) 21:09:37.85 ID:zm7UgKJU0

上条「珍しいな、お前がここらへん歩いてるなんて……」

御坂妹「はい、ちょっと気が向いたもので、とミサカは実は期待していたことをひた隠します」

上条「期待?」

御坂妹「い、いえなんでもありませんと、とミサカは俯き加減に呟きます」


オティヌス(ちっ……あの女、要注意だな。ビリビリ女と違っておとなしくて素直なようだし……)


御坂妹「あなたはこれから学校ですか、とミサカは尋ねます」

上条「そうなんだよ」


オティヌス(ちょっと近すぎやしないか?くそっ……もう少し離れろ!!)
183 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/17(月) 21:17:43.76 ID:zm7UgKJU0

御坂妹「そういえば……ひゃうっ!?」グラッ

上条「おっと!大丈夫かよ…足元気を付けろよ?」

御坂妹「は、はい…ありがとうございます、とミサカはあまりの顔の近さに顔を真っ赤にします////」

上条「うおっ、ご、ごめん…」バッ

御坂妹「いえ、決して嫌ではありませんでしたから、どちらかというと……とミサカは含みを持った言い方をします」




オティヌス(…………)

オティヌス(なんだ…今のは……)

オティヌス(あいつが……私以外の女を抱きしめてた……?)
184 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/17(月) 21:34:55.10 ID:zm7UgKJU0

上条「おっと、そろそろ時間がやべえな。じゃあ御坂妹、またな!」

御坂妹「はい、また」


タッタッタッ


オティヌス「……とにかく追わなくてはな」


上条「どわっ!す、すみませんぶつかっちゃって!……ってあれ?雲川先輩じゃないですか!」

雲川「お、おお上条。こちらこそ悪かったけど」

上条「いえ、俺が走ってたせいで。手貸しますよ」スッ

雲川「あ、ありがとう/////」



オティヌス「…………」

186 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/17(月) 22:38:49.79 ID:zm7UgKJU0

オティヌス(どうしてあいつは私以外の女に優しくするんだ?)

オティヌス(どうして私だけを見てくれないんだ?)

オティヌス(私はあいつに必要とされていないのか……?いや、そんなはずは……)

オティヌス(………よく考えても見ろ。アイツが望んでいた日常に……アイツが戻りたかった日常に……)

オティヌス(私の姿なんて無かったんじゃないのか…?)

オティヌス(元々アイツにとって私は倒すべき敵だったんだ……つまり、アイツの中の「日常」というカテゴリーに私のようなのは含まれて
いなかったのか?)

オティヌス「は、ははは……何と愚かなんだ……私は……」

オティヌス「欠落していく魔神の力と、あいつに助けられたことで何か変われたんじゃないかとでも錯覚していたのか?」

オティヌス「私は存在するだけで争いを引き起こす、暴虐の魔神だったんだぞ?ずっと、ずっと前から……」

オティヌス「私の存在価値とも言えるアイツが……当麻が私を必要としていないのなら……」

オティヌス「それは、私にとって生きる意味がないのと同義だ」
187 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/17(月) 22:52:20.23 ID:zm7UgKJU0

オティヌス(私は……たとえ世界中の誰からも必要とされなくても良かったんだ)

オティヌス(ただ一人…アイツだけが私を必要としてくれれば、それで良かった)

オティヌス(でも……)


上条「大丈夫ですか?」

雲川「いや、私も悪かった。良ければ何かおごるけど」

上条「いやいや…遅刻しますから。先輩も遅刻しちゃいますよ」

雲川「そんなの気にしないけど」

上条「俺は気にします!」


オティヌス(アイツはきっと、私なんて必要に思ってないんだろうな)

オティヌス(……帰ろう。私はこれからどうするべきか、考えなくてはな……)
188 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/17(月) 23:05:41.00 ID:zm7UgKJU0

―――――――――――

――――――

バレーボール「」コロコロ


スタスタ


バレーボール「」ビクッ

オティヌス「……おいバレーボール」

バレーボール「?」

オティヌス「……アイツの部屋にある監視カメラを全部消せ。今すぐにだ」

バレーボール「………」

オティヌス「どうした?速く消せ」


バレーボール「……本当にそれでいいのかよ」

オティヌス「お前喋れたのかよ」
190 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/17(月) 23:27:44.67 ID:VFGaoZS80
ていとくんがシャベッタァァアアアア
197 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします :2014/03/18(火) 08:01:13.50 ID:GwpUZioC0
喋った…だと…!?
200 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/18(火) 21:10:31.58 ID:hfu4fVuo0

オティヌス「とにかくそんな意見はいらない。お前の姿も元に戻そう。まぁ今更お前が解放されても、もう一人のお前がどうするかは分から
ないがな」

バレーボール「お前が誰よりもアイツのことが好きだってのは、俺が一番よく知ってる。てか嫌でも見せられた」

オティヌス「その説はどうも」

バレーボール「ここで諦められちゃ、今まで見たくもない映像を見せられ続けた俺の立つ瀬がない」

バレーボール「だから諦めんな。お前がアイツを思う気持ちは誰にも負けてないはずだ」



オティヌス「………ククク。よもやこの私がバレーボールの……いや、『人間』の言葉で励まされるとはな……」

バレーボール「はっ、よく言うぜ。もう魔神としての力もほとんど無いくせに」

オティヌス「とにかくアイツに会ってくる」

バレーボール「ああ、行って来い」


バタン
201 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/18(火) 21:53:46.80 ID:hfu4fVuo0


バレーボール「………」

バレーボール「……やったあああああああああああああああ!!!!」

バレーボール「これで俺は自由の身だ!!ついに終わったんだ、屈辱の時間が!!」

バレーボール「やっとあの女ともおさらばだぜ……」

バレーボール「ま、どうせこれで最後だし見届けてやるか…」チラッ



ブウゥン



上条『……』


バレーボール「あのシスターはいないようだな……上条一人だけか」

バレーボール「あいつにとってはかなり好都合だろう」
202 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/18(火) 23:06:54.96 ID:hfu4fVuo0

上条『……………』


バレーボール「ぼっーっとしてるな……」


上条『う~~ん……』


バレーボール「また悩んでるのか……一体何を…」


上条『よし!決めた!明日オティヌスに会いに行こう!そして俺の想いを伝えよう!』


バレーボール「な、何ィ!?」


上条『そうと決まれば明日に備えて体力温存だ!ベッドもちょうど空いてるし昼寝しよっと』バサッ


バレーボール「……まさかすでに両想いだったとは……ハッピーエンド一直線じゃねーか」
203 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/18(火) 23:11:24.80 ID:hfu4fVuo0

上条『zzzzzz……』


バレーボール「ふぅ、とにかくこれで俺も一安心……」



ガチャ



オティヌス『…………』


バレーボール「うお、オティヌスが着いたのか。そいつはお前のために体力温存してんだから、そっとしとけよ……?」


オティヌス『……上条………寝てるのか』


バレーボール「いやぁ、それにしてもあのシスターがいなくて本当に良かったな。あいつがいたら部屋に入った瞬間に大声出してただろう」


オティヌス『………好都合』ノッシノッシ


バレーボール「ん?なんで上条にまたがって…?」

204 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/18(火) 23:19:31.01 ID:hfu4fVuo0

オティヌス『私は……お前に必要とされたいと……ずっとそう思っていた』

オティヌス『でも、それは間違いだということに気付いたんだ……』


バレーボール「はぁ?何を言ってるんだコイツは……」


オティヌス『私がいつまでも受け身のままでどうする……私がお前に必要と思ってもらえるよう、努力しなければならなかったんだ……』


バレーボール「おい……この流れはまさか……」


オティヌス『これが考えに考え抜いた結果だ。私はお前に必要とされるためならなんだってするぞ……』ヌガシッ


バレーボール「か、上条の服を脱がしにかかっただとぉ!?アイツここから部屋に行くまでにどんだけ飛躍してやがんだ!!」

217 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/19(水) 21:16:36.10 ID:TJhijVtA0

オティヌス『当麻……当麻……』ハァハァ


バレーボール「お前は……こんな歪んだ形でアイツと一緒になって、それで満足なのかよ……」


上条『………んあ?』パチッ

オティヌス『えっ』


バレーボール「あーあ」


上条『えっ!?ちょ、な、なんでオティヌスが俺の上に!?てか何で俺の上半身裸なんだ!?』


バレーボール「そりゃ驚くわ……」


オティヌス『わ、私、私はっ……』オロオロ

オティヌス『う……うう……』ジワッ
218 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/19(水) 21:35:09.63 ID:TJhijVtA0

バレーボール「泣いてどうすんだよ……もうこの状況じゃ、いくら上条でも誤魔化せねーぞ……」


上条『オティヌス……?どうして泣いてんだよ……もしかして、誰かにこうしろって命令されたとか……?』

オティヌス『違う……違うんだ……私が自分で……』グスッ

上条『そんな……どうして、こんなことを……』

オティヌス『私は……ただ、お前に……!』

上条『俺に?』

オティヌス『お前に……必要とされたかったんだ……!!』

オティヌス『お前から必要とされたくて、私は、私はっ!』ポロポロ


バレーボール「……」
219 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/19(水) 21:51:56.90 ID:TJhijVtA0

オティヌス『分かってるんだ……お前が望んだ日常に「私」なんて必要ないことくらい……分かってるんだ……』

オティヌス『だから、私は、それを覆して……どうしようもないこの溝を埋めたくてっ……』グスッ



バレーボール「………」

バレーボール「……馬鹿な奴」

バレーボール「おとなしく明日まで待ってりゃ、お前が何の行動を起こすこともなくハッピーエンドだったってのに」

バレーボール「本当に馬鹿な奴だ」



上条『……馬鹿な奴』

オティヌス『……………え?』

上条『ほんと、どうしようもなく馬鹿な奴だよ、お前』ナデナデ



バレーボール「………ははっ!テメェも大概の馬鹿じゃねえか・・・上条」
220 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/19(水) 22:04:28.77 ID:TJhijVtA0

上条『こんなことしなくても、とっくの前からお前は俺にとって必要な存在だったよ、オティヌス』ニコッ

オティヌス『ひつ………よう……?』

上条『そうさ。俺にとってお前は、いなくちゃならない大切な存在なんだ』

オティヌス『ほんとうに?』

上条『本当だ』

オティヌス『ほんとうのほんとうのほんとうに?』

上条『本当だって』

オティヌス『ほんとうのほんとうのほんとうのほんとうのほんとうのほんとうのほんとうのほんとうに?』

上条『ほ、本当だって。信じてくれよ』
221 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/19(水) 23:00:20.50 ID:TJhijVtA0
ーーーーーーー
上条『それに、まだ俺はお前の質問に答えてねーぞ』

オティヌス『しつもん……?』

上条『おいおい、お前のことをどう思ってるか、だろ?』

オティヌス『!』

上条『ま、もうさっきのでほとんど伝わっちまったかも知れねーが……』

オティヌス『いや、言ってくれ。聞きたいんだ』

上条『俺は、お前が好きだ、オティヌス』

オティヌス『ふふ…//////私もだ、当麻////』






バレーボール「……ここからは二人の時間だ。これ以上俺が覗くのは野暮ってもんだろ」

バレーボール「全カメラ消去っと」


ブツン・・・


バレーボール「じゃ、まぁ幸せにな二人とも」





コロコロコロコロ……


222 : ◆SoZEW6Fbg2 :2014/03/19(水) 23:02:50.90 ID:TJhijVtA0

おしまい






オティヌス「おーい。遊びに来たぞー」上条「はいはーい」
元スレ

クリスタ「まんげつのよるに」【ユミクリss】

2: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:01:31 ID:Swf1rNCs


『そのむかし、まだじんるいが巨人におびやかされていたころ、
 あるところに青いひとみの少女と、くろかみのせんしがいました。

 青いひとみの少女はふしぎな力をもつきぞくの家の生まれでした。
 せんしはそのきぞくの家を守るけんぞくの生まれで、からだを巨人に変える力をもっていました。

 少女はだれよりもせんしをしんらいしていましたし、
 せんしも少女のことを何よりもたいせつにしていました。


3: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:05:49 ID:Swf1rNCs


せんしは少女よりもずっと力がつよく、その力でてきとたたかいました。

あるとき少女は言いました。


「ねえ、わたし、もうすこし力がつよければよかった。
 そうすれば、あなたとかたをならべてたたかえたのに」


するとせんしは言いました。


「お前はそのままでいいんだよ」

4: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:09:11 ID:Swf1rNCs


せんしは少女よりもずっと体が大きく、その体をたてにして少女を守りました。

あるとき少女は言いました。

「ねえ、わたし、もう少し背が高ければよかった。
 そうすれば、あなたをこんなに傷だらけにしなくてすんだのに」


するとせんしは言いました。


「お前はそのままでいいんだよ」

5: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:16:09 ID:Swf1rNCs


せんしは少女よりも年上で、いつも少女をかげにひなたに助けていました。

あるとき少女は言いました。

「ねえ、わたし、もう少し早く生まれていればよかった。
 そうすれば、あなたに守られるばかりじゃなかったのに」

やはりせんしは言いました。

「お前はそのままでいいんだよ」 』

6: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:19:26 ID:Swf1rNCs


「クリ…ヒストリアー、郵便とってきましたよー」

「ありがとう、サシャ」

「さしゃがかえってきたー」

「いものきょじんがきたー」

「だ…誰が芋の巨人ですか」

「いまおはなしちゅうだからじゃましたらだめなの」

「分かりましたよ…。一緒にお話を聞きましょうか」

7: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:22:27 ID:Swf1rNCs


『「このたたかいが終わったら私とけっこんしてくれ!」


たたかいのときはとてもたよりになるせんしでしたが、ふだんはよくふざけていました。

あるとき少女は言いました。


「ねえ、巨人をたおしてこのたたかいが終わったら、本当にわたしとけっこんしてくれる?」


せんしは困ったかおをしました。

せんしは少女のことをとてもたいせつに思っていましたが、
自分は少女にふさわしくないと考えていたのです。


「お前はもっとりっぱなあいてを見つけてけっこんするといい。
そのほうがずっと幸せになれる」

8: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:26:38 ID:Swf1rNCs


少女はがっかりしてかたを落としました。
それから、せんしはふざけてけっこんを申しこむことはなくなりました。

少女はまた言いました。


「ねえ、わたしはあなたといっしょにいる時がいちばん幸せなの。
だから、わたしとけっこんして?」


せんしは言いました。


「じゃあ、力か、背たけか、としか、
どれか一つでも私に追いついたらよめにもらってやってもいいぞ」


少女はがっかりしてかたを落としました。

背たけはもう伸びませんし、としが追いつくわけがありません。
それにきたえてもきんにくが付きにくいたいしつだったのです。 』

9: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:30:15 ID:Swf1rNCs


「…ませーん、すいませーん!」

「あれ?誰か来たみたいですね、私行ってきます」

「待ってサシャ、わたしも行く」

「じゃあ一緒に行きましょうか」

「おはなしー」

「ごめんね、少しだけ待っててね」

10: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:33:14 ID:Swf1rNCs


「…サシャ、ヒストリア久しぶり」

「エレン、ミカサ、久しぶり。アルミンも」

「おお、古着持ってきたぞ」

「こんなにたくさん…ありがとう」

「結構いい物も含まれてますね」

「アニが憲兵団にいた時の知り合いに頼んで、内地で集めてもらったんだよ」

11: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:41:45 ID:Swf1rNCs


「マル…なんだっけ?マルコみたいな奴」

「こっちは古本だよ。僕が全部目を通して、子供が読みやすいものを選んでおいたから」

「ありがとう…三人とも、お茶を出すから飲んで行って。いい紅茶があるの」

「ありがとう。でも私は紅茶は控えている」

「…え?どうして?」

「…」

「ああ、その…うん、まあ」

12: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:43:07 ID:Swf1rNCs


「?」

「二人とも、恥ずかしがりすぎだよ…ミカサはね、お腹に赤ちゃんがいるんだ」

「そうなの!?おめでとう!」

「おめでとうございます!」

「…医者に、あまり無茶をしないように言われている。ので、しばらくはここに来られなくなる」

「それで、挨拶もかねて二人で来たんだ」

13: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:46:50 ID:Swf1rNCs


「そっか…じゃあ、赤ちゃんが生まれたら連絡してね」

「…ええ、そうする」

「何か贈り物をしますね」

「ありがとな。できればベビー服以外にしてくれると助かる」

「どうして?」

「ハンネスさんが張り切ってベビー服買い集めてるんだって。
 『俺にとっても孫ができるようなもんだ!』って」

「あはは…」

14: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:49:54 ID:Swf1rNCs


『「ごめんな」


あるとき、せんしはそれだけ言いのこすと、少女をのこして立ち去ってしまいました。
まんげつのよるのことでした。


ひとりぼっちになってしまった少女は、なん日も泣いてくらしました。

でも、みんなの前ではそんなところをみせません。
少女のなみだを知るものはだれもいませんでした。

15: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:53:37 ID:Swf1rNCs


あるとき、ついにじんるいは巨人をくちくする力をてにいれ、
その力をもって巨人をせいあつしていきました。

少女もへいしの一人として、たたかいにのぞみました。


「もし、あのせんしがこのたたかいにまきこまれたら、ほかの巨人といっしょにくちくされてしまう」


そのことを思うと少女はいてもたってもいられませんでした。

ある日のこと、少女は巨人のすがたをしたせんしを見つけました。


「よかった…ぶじだったんだね?」

16: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/06(木) 00:56:34 ID:Swf1rNCs


せんしは少女を見て悲しそうなかおをするばかりでした。


「どうしたの?にんげんにもどれないの?」


なんども巨人のすがたになってたたかいつづけていたせいで、
にんげんの体と巨人の肉がゆちゃくして、もどれなくなってしまったのです。


「大丈夫、いっしょにかえろう。わたしはこわがったりしないから。あなたはそのままでいいんだよ」 』

19: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 00:40:36 ID:FkTLQ.UI


「ごめんくださーい!!」

「この声はミーナですね!私行きますよ!」

「ミーナがきたー!」

「ちょっと、待ってよサシャ…。みんな、お話はちょっとお休みして、お庭にでようか?」

「はーい」

20: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 00:47:34 ID:FkTLQ.UI


「久しぶりー」

「久しぶり、ミーナ。アニも来てくれてありがとう」

「…私は引っ張られてきただけだよ」

「ミーナきたー!」

「みんな元気にしてたー?」

「私は絶好調ですよ!」

「…ねえ、アニ、なんだか綺麗になったように見えるんだけど?」

21: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 00:54:50 ID:FkTLQ.UI


「別に…あんたの気のせいだよ」

「ね、そう思うでしょ?実はね、この子…」

「ミーナ!おかし!おかし!」

「…ん、この話は後でね。はーい!カロライナ洋菓子店の特製クッキーを持ってきたからね!行儀よく並べるかなー?」

「私が一番です!」

「…大人は遠慮しな」

22: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:08:18 ID:FkTLQ.UI


『「ごめんね、やっぱりそのすがただと、みんながこわがるみたい」


せんしはろうやにとらわれることになりました。


「にんげんにもどる方法を見つけてくるから、それまでここで待っていてね」


巨人と肉がゆちゃくしてしまったにんげんは、いずれひとの心をうしなってしまうのです。


少女はくる日もくる日もおおきなとしょかんにこもり、古い本をしらべました。

ろうやにもまいにちかよいました。

23: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:12:48 ID:FkTLQ.UI


「まちのひろばの近くに、あたらしいパン屋さんができたの。
 にんげんのすがたにもどれたら、いっしょに行こうね」


少女はせんしがひとの心をうしなってしまわないように、まいにちかたりかけました。

ある日のことです。
いつものように少女がろうやにやってくると、せんしはうなり声をあげています。


「どうしたの?わたしがわからないの?」

24: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:19:24 ID:FkTLQ.UI


せんしはてつごうしをつかむとがちゃがちゃとゆらしました。
するどいつめをのばし、いまにもおそいかかってきそうです。


「近よってはいけません!」


やってきたみはりのへいしが言いました。


「さいきん、こうやってあばれることがふえてきたのです。
 かんぜんに心をうしなってしまう日もとおくないでしょう」


てつごうしのむこうで、ふとしょうきをとりもどしたせんしが、
かなしそうなひとみでこちらを見ていました。 』

25: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:24:08 ID:FkTLQ.UI


「…おーい!おーーい!おっかしいな…誰かいないのかー!?」

「この声はコニーですね」

「相変わらず元気そうね」

「こにーとあそぶー」

「うん、みんないっしょにいこうね」

26: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:30:11 ID:FkTLQ.UI


「おー!持ってきたぞ!スプリンガー牧場名物のミルクとバターだ!」

「ありがとう。あれ…いつもより多いよ?これじゃお金が足りないよ…」

「いいんだ。めでたい事があったから、今回は特別サービスだ」

「めでたい事ってなんですか?」

「へへっ…実はな、今度サニーの奴が嫁に行くんだ!」

「そうなんですか!?おめでとうございます!」

「おめでとう」

27: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:37:17 ID:FkTLQ.UI


「へへへ」

「こにー、いもうとにさきをこされたの」

「こにーはへたれー」

「お前らどこでそんな言葉覚えたんだよ…」

「こにーはけっこんしないのー?」

「俺は牧場を大きくする夢があるんだよ!まだ結婚はできねえ」

「さしゃがまちきれないっていってるぞー」

「ちょ、ちょっと…」

「はやくむかえにこいってー」

28: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:42:14 ID:FkTLQ.UI


「だー!おまえらうるせえ!ほら!あっちの木までかけっこするぞ!だれが一番か競争だ!」

「こにーがにげた!」

「おいかけろー」



「はあ…騒がしいですねえ」

「…ふふ」

「な、なんですか」

29: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:47:05 ID:FkTLQ.UI


「ねえ、コニーって、家族思いのいいお父さんになりそうよね?」

「ヒストリアまで…やめて下さいよ」


「こしょこしょこしょこしょ…」

「ぎゃははははは…!お前ら!よってたかってくすぐるなー!」

「おとこをみせろー」

「はらをくくれー」

30: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:54:23 ID:FkTLQ.UI


「ほら、子供と同じ目線で遊んだりできるしね?」

「…というより、遊ばれてるように見えますが」


「こしょこしょこしょこしょ…」

「けじめをつけろー」

「せきにんとれー」

「ぎゃはははははは…!お前らやめろー!」

31: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 01:59:46 ID:FkTLQ.UI


『少女は前にもましてひっしに本をしらべるようになりました。

このままでは、もうにどとせんしとおはなしすることもできなくなってしまいます。


あるものは少女にこう言いました。


「ねっしんなのはいいけれど、このままではきみがからだをこわしてしまうよ。
すこしやすんだほうがいい」

「ありがとう、でもじかんをむだにしたくないの」

32: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 02:04:03 ID:FkTLQ.UI


あるものは少女にこう言いました。


「ざんねんだけど、これはうんめいだったんだ。 あきらめておれとけっこんしよう。
 かなしいことをわすれるくらい、しあわせにしてあげるから」

「ありがとう、でもわたしはあきらめたくないの」

33: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 02:09:23 ID:FkTLQ.UI


あるよるのこと、少女はとしょかんのかたすみに自分の家にまつわる本をみつけました。

本にはこうしるされています。


「こうきなる血には、巨人をすくう力がやどっている」


くにじゅうの本をしらべましたが、その意味はわかりません。
少女には、自分がそんな力をもっているとはとても思えませんでした。

どんなにしらべても、くわしいてがかりがみつからないままじかんだけがすぎていきました。

34: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/08(土) 02:15:42 ID:FkTLQ.UI


ある日、少女がろうやへとやってくると、てつごうしがやぶられていました。
せんしのすがたはありません。

みはりのへいしが言いました。


「さきほど、このろうやをやぶってにげていってしまいました。どこに行ったかもわかりません」


せんしは、自分が心をうしなっていくようすを少女に見られたくなくて、でていってしまったのでした。』

36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/08(土) 02:27:17 ID:4QnGvvJU

絵本みたいでなんかいいね
37: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 21:25:59 ID:TuYwOfbw


「…やっぱり駄目かい?悪い話じゃないと思うけど」

「ありがてえ話だが、ちっと気が進まねえな」

「はあ…?これだけいい条件、断る理由がねえだろ?」

「まあまあ、落ち着いてよジャン…」

「兵士何百人分のパンを準備するなんて私一人じゃ追いつかねえさ」

「だから、君は責任者の立場についてくれればいいんだ。工場と人員はこちらで準備するよ」

「負傷した兵士の再雇用も生み出せるしな」

38: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 21:30:13 ID:TuYwOfbw


「責任者なんざ性に合わねえ。それに兵舎近くに工場作るなら孤児院に顔を出せなくなるだろ」

「もういい、行こうぜマルコ。時間の無駄だ」

「あ…ジャン!」

「まいどー」

「ごめん。ジャンは悪気ないんだ」

「いいさ」

39: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 21:36:32 ID:TuYwOfbw


「元々兵士の士気を上げるために食糧事情を改善しようって言い出したのは僕なんだけど…」

「優等生のお前らしい考えだな」

「その時に、真っ先にこの店の事を言い出したのはジャンなんだよ」

「そうなのか?」

「うん、でも無理強いはしないよ…僕もジャンも、このベーカリーのファンなんだ。また来てもいいかい?」

「それなら、いつでも。とびきり美味い奴を準備して待ってるさ」

40: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 21:52:22 ID:TuYwOfbw


『少女はせんしをさがすたびに出ました。それは、とてもきけんなたびでした。
 巨人はほとんどくちくされましたが、生きのこりがにんげんをおそっていたのです。

ちょうさへいだんはえんせいに出て、生きのこった巨人をくちくしていきました。

はやくせんしを見つけなければ、まちがわれてくちくされてしまうかもしれません。


少女はせかいじゅうをたびしました。

あしのまめがつぶれました。きょじんにであって命からがらにげたこともありました。
ひとりぼっちでねつをだしてしまい、死んでしまうかもしれないと思う日もありました。


ひょっとしたら、せんしはもうちょうさへいだんにくちくされてしまったのかもしれません。
それでも、少女はあきらめませんでした。
41: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 21:56:30 ID:TuYwOfbw


ある日のこと、ついに少女はせんしを見つけました。まんげつのよるのことでした。

少女はせんしにかけよりましたが、せんしはすっかりひとの心をうしなっていました。
するどいつめで少女におそいかかります。

つめをかわした少女は、ころんでじめんの石にあたまをうちつけました。
ひたいから血がながれでます。

せんしはその手で少女をつかみあげ、ひとくちにのみこもうとおおきなくちをあけました。

少女はこう言いました。


「よかった…ぶじだったんだね?」

42: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 22:04:59 ID:TuYwOfbw


そのこえをきいたせんしは、何かをおもいだしたようにはっとしたかおをしました。
少女の目をじっと見ると、ながれる血をなめます。


「ひゃっ」


とつぜんかおをなめられた少女は、びっくりして声をあげます。
せんしの手にこめられていた力がぬけて、少女はじめんにこしをうちつけました。

せんしはあたまをかかえこんで苦しげなうめき声をあげています。
そうしているうちに、ぜんしんからじょうきがあがりはじめました。

巨人は死ぬときにそのからだをじょうきにかえていくのです。


「ああ…まって!まだ、はなしていないことがたくさんあるの!」

43: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 22:10:38 ID:TuYwOfbw


巨人のからだはじょうきになってどんどんきえていきます。
あまりのあつさにちかづくこともできません。

少女はなみだをながしてさけびました。


「まって!おねがい、いかないで!!」


巨人のからだがすっかりきえ、じょうきもなくなったあとに、くろかみのせんしがたおれていました。

せんしは巨人になるちからをうしなっていましたが、にんげんとしていきることができるようになったのです。』

44: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 22:15:54 ID:TuYwOfbw


「こんにちは」

「頼まれてた小麦持ってきたぞ」

「おー、来た来た。お前らのところの小麦と、コニーのとこのバターは質がいいからな」

「…あー、その」

「今日は店に出てねえぞ」

「そ、そうか」

「さっきジャンとマルコとすれ違ったんだけど、彼らもここに来てたんだって?」

45: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 22:41:07 ID:TuYwOfbw


「ああ、店をでかくする話だよ。断ったがな」

「孤児院の経営は大丈夫なのか?」

「元々あれはこの土地の領主の慈善事業で始まったもんだ。
 そっから金は出てるから、差し当たっての心配はねえさ」

「じゃあ、この店は趣味でやってるの?」

「いくら金が出てるって言っても、腐る程って訳にはいかねえし、
 ちょっとでもいい暮らしをさせてやりたいと思ってさ」

46: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 22:45:51 ID:TuYwOfbw


「そうか…」

「…今日はサシャも来てるが、女手ばかりだからでかいのがくるとあいつら喜ぶと思うぞ」

「そ、そうか?…じゃあ俺はあっちの様子でも見てくるかな」

「…あ、ライナー!」

「はっ…相変わらずだな」

「…ごめん、ライナーは変な意味じゃなくて、友達の元気な顔を見たいだけだから」

47: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/09(日) 22:47:43 ID:TuYwOfbw


「知ってるよ。それより、お前らの方はどうなんだよ?ちっとは進展してるのか?」

「進展はしてるよ。僕達のペースでね」

「お前とアニのペースじゃ、気の長い話になりそうだな」

「訓練兵の頃から求婚してた君に比べたら、みんな気の長い話だよ…」

「あれは冗談で言ってたんだよ…。本気で迫って来たのは向こうの方だ」

「そうなの?君が押し倒したんだと思ってた」

「むしろ私が押し倒されそうな勢いだったぞ」

49: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/11(火) 16:50:55 ID:WHWOYuWc


『 すっかりきずがいえ、元気をとりもどしたせんしにむかって、少女は言いました。


「ねえ、やくそくどおり、わたしとけっこんしてくれる?」

「だめだよ。お前は背ものびてないし、力だって私にかなわないじゃないか」


少女はにっこりわらってこたえました。


「わたしね、やっとあなたのとしに、おいついたんだよ」

巨人はとしをとりません。
せんしが巨人になってさまよっているあいだに、ふたりはおないどしになっていたのでした。 』

50: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/11(火) 16:54:18 ID:WHWOYuWc


「こうして、ふたりは一緒に暮らすことになりました-」

「けっこんしたの?」

「そう。それで、たくさんの子供達に恵まれて、ずっと幸せにくらしたの」

「よかったねえ」

「そうね」

「さしゃはこにーとけっこんしないのー?」

「終わった話を蒸し返さんとよっ!!」

「ぱぱせんせーとまませんせーはしてるのにー」

51: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/11(火) 16:58:43 ID:WHWOYuWc


「はー、終わった終わった。お前らめし食ったら風呂入るぞー」

「ぱぱせんせーおしごとおわったー」

「あ、お疲れ様です」

「お疲れ様。今準備してくるから待ってて」

「お前たちはもうすんだのか?」

「うん」

「…ここは私が見てますから、部屋でゆっくり食べてきて下さい」

「おお、じゃーお言葉に甘えるぜ」

52: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/11(火) 17:03:56 ID:WHWOYuWc


「はー。旨かったー。やっぱりお前のメシが一番だな」

「ふふ…ありがと。あれ、その手、どうしたの?」

「これか、ちょっと切っちまってさ。すぐに治るさ」

「…巨人の力があれば、すぐに治ったのね」

「んー、まあなくなっちまったもんは仕方ないさ」

「…でも」

「もっと大事なもん、たくさん手に入ったしな」

「…ユミル」

53: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/11(火) 17:07:40 ID:WHWOYuWc


「少し休んだらあいつら風呂に入れねえとな」

「…」

「…どうした?」

「えへへ…」

「なんだよ。くっついてきて」

「…」

「…わかったよ。ほら…」

54: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/11(火) 17:11:27 ID:WHWOYuWc


(らぶらぶだー)

(これはまさしくラブラブですね)

(いまらぶらぶちゅうだからじゃましたらだめなの)

「お前ら覗くなっ!!」

55: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/11(火) 17:15:02 ID:WHWOYuWc

「おーし、晩飯の片づけするぞー」

「はーい」


ガシャーン!!


「あ…」

「大丈夫!?」

「ご、ごめんなさい…」

「泣かないの。一緒に片付けよう。ね?」

「大丈夫か?」

「怪我はありませんか?」

「大丈夫みたい。ここはわたしがやっておくから、二人ともみんなをお願い」

56: ◆2R/Mc.rK62 2014/02/11(火) 17:19:58 ID:WHWOYuWc


「…これで大丈夫ね」

「…うん。ごめんなさいまませんせい…」

「怪我がなくて良かった」

「まませんせい、わたし、もっと気をつけるから。
 もっと大きくなったら、なきむしもなおすから…」

「ほら、また泣かないの」

「…おとなになったらもっとせんせいのやくにたつから…わたし、ここにいてもいい?」

「ばかねえ…」

「…まませんせい?」

「あなたは、そのままでいいのよ?」








クリスタ「まんげつのよるに」
元スレ

テーマ : 進撃の巨人
ジャンル : アニメ・コミック

ジャン「くだらない日々」【進撃ss】

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 22:23:02 ID:yzdtGI7Y
シャキ、シャキン

ジャン「・・・・・・・」

シャキン、・・・・・・チャキ

ジャン(こんくらいでいいか)カチャ

ガチャ

コニー「お、ジャンじゃん」

ジャン「・・・・・んだよ、おまえまだ風呂入ってなかったのか」バサ

コニー「ああ、走らされちゃってさ。・・・・ジャンおまえ、また前髪切ってたのか? タオル巻いたまんまで」

ジャン「ああ。すぐ目に刺さる・・・・濡れてねーとうまく切れん」

コニー「おまえも坊主にしろよ、楽だぜ」

ジャン「絶っっっ対嫌だね。ダサイ。マルコの一・一分けのがちょっとはマシ」ハッ
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 22:27:41 ID:yzdtGI7Y
コニー「んな否定すんなよ・・・・・。でもおまえホント前髪長いよな? 入団したときからだっけ?」ヌギヌギ

ジャン「ああ。・・・・・・入った頃は、立体機動のとき邪魔だから切れっつわれたけどな。成績で黙らせてやったぜ」バサ

コニー「ん? じゃあ切ったらまだ成績伸びるんじゃねえの?」ヌギヌギ

ジャン「そういうモンじゃねーんだっての。まあ俺も・・・・もう切ってもいいんだけど。しかし、・・・・ハッ、まあおまえでも髪伸ばせばよ多少は・・・・・・すごいなこの感触」ジョリ

コニー「勝手に触んなよ・・・・」

ジャン「イヤ待てよおまえ・・・・・すごいなコレ。この感触・・・・・」ジョリジョリ

コニー「あーよく言われんだよな。女子とかからよ」

ジャン「はあー女子、・・・・・女子」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 22:31:40 ID:yzdtGI7Y
コニー「ああ。さっきも勝手に触りやがってよー」ブツブツ

ジャン「っそ、・・・・・・・ああ、・・・女子。・・・・・髪の色は?」

コニー「は? 俺は伸びたら黒色だけど?」
 
ジャン「おまえじゃねーバカ! もういいよ!」ジョリジョリ

コニー「いてて! なんだよいてーよ頭! そんなに触りたいならお前も坊主にすればいいだろ!?」

ジャン「絶っっっ対嫌だね! でも一一分けよりもいいよな!!」

コニー「おまえさっきからマルコになんの恨みがあるんだよ・・・・・・アイツ、すごい良いヤツじゃねーか」

ジャン「ハッ良い子ちゃんだよな。髪型からもそれが滲んでるんじゃねえか。だからヤダ」

コニー「なんだそれ・・・・・。アイツさ、この間なんて猫に残した自分のパン分けてやってたんだぜ」

ジャン「それは俺も見た・・・・・正直少し引くぜ・・・・・。・・・・・」ペタペタ

コニー「? 良いヤツじゃんか、なんで引くんだよ。・・・・・・あ」

バタン

コニー(アイツら、いっしょにいるから仲良いと思ってたけど・・・・違うのか? 
    よくわかんねーな、ジャンって。マルコはわかりやすいのにな。あー頭いてえ)

・・
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 22:35:52 ID:yzdtGI7Y
食堂

ジャン「くっそー・・・・・・体中いてえ」

マルコ「機能の兵站行進は厳しかったね・・・・・みんなも、さすがに今日は訓練所にいるみたいだ」

ジャン「これで休日出歩こうっつったらバカだぜ。・・・・・・お」

コニー「お、ジャン、マルコ」

サシャ「こんにちは! なにしてるんですか?」

ジャン「来た。バカが」

マルコ「おいジャン・・・・・。やあ二人とも、僕らはこの通り、食堂でのんびりしようと思ってね。
    君たちは出かけるのか? その格好」

コニー「え? イヤ、もう出かけてきたんだよ」

サシャ「朝にだけ咲く花が、裏の森にあったんですよ。そこの蜜が美味しいので二人で吸ってきました!」

ジャン「うわあ・・・・天才的にバカだ。寝とけよこんな日くらい・・・・・」

マルコ「ジャン・・・・」

コニー「あ・・・・朝うるさかったか? 起こしちまった?」

ジャン「イヤ平気だよ」

コニー「そうか、ならよかった」ホッ
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 22:40:36 ID:yzdtGI7Y
マルコ「ジャンは眠りが浅いからな」

サシャ「へーそうなんですか? 生まれつきですか?」

ジャン「さあ・・・・? でも、実家で夜、うるさかったんだよ。隣の親の部屋がさ。そのせいかな・・・・」

コニー「あーそういや俺の家もうるさかったな・・・・・」

サシャ「なにされてたんですか?」

コニー「え。え、えーっと・・・・・・さ、サニーとマーティンの仕込み?」アセアセ

サシャ「仕込み? ・・・・・・仕込みといえば、今日、クッキーを焼こうと思って、生地を仕込んでいるんです!
    みなさんにもあげますから、楽しみにしててくださいね!」

マルコ「へえ」ホッ「クッキーを作れるのか、サシャ。すごいな。ありがとう、楽しみだよ」

ジャン「ほーこりゃ槍が降るな・・・・・芋女が食べ物をわけるなんて・・・・・」

サシャ「わ、わたしだって四六時中お腹すかせてる訳では・・・・・! ありますけど・・・・・」

コニー「ふーん、じゃあサシャこの後はやることあんのか。俺、なにしようかな」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 22:43:59 ID:yzdtGI7Y
マルコ「サシャはもう焼き始めるのか?」

サシャ「いえ? ミカサが起きてからです。いっしょにやるので、食堂で待ち合わせです」

ジャン「! おまえ・・・・・やるじゃねえか」

コニー「? なにニヤニヤしてんだよジャン。・・・・・・ちょっと気持ち悪いぞ・・・・・」

ジャン「うっうるせーな」

マルコ「はは・・・・。ミカサといっしょなんだ、彼女は料理もうまいよね」

サシャ「はい! ミカサ直伝のレシピなんです。ミカサはレシピも詳しくて、本当にどこをとっても完璧ですね。ねえジャン」

ジャン「なんで俺に振るんだ。完璧っつーか・・・・・アイツ、社交性はちょっとアレだろ」

マルコ「おいジャン・・・・・」

コニー「良いヤツなのにな。表情固いんだよなーもったいねえ。美人なのに」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 22:47:23 ID:yzdtGI7Y
ジャン「! おまえ・・・・・・、ミカサを美人だと思ってんのか」

コニー「え? そうなんじゃねえの・・・・・。珍しい顔立ちだけど」

ジャン「美人だって思ってるってことは、・・・・・・コニー、それはつまり・・・・・」

コニー「? なんだよ、いきなりどうしたんだおまえ・・・・・・らしくないな、疲れてんのか?」

ジャン「! ・・・・・・あ、ああ。・・・・・イヤうるせーよ、疲れてなんかいねーよ」

サシャ「疲れてないんですか、すごいです。昨日あれだけハードな訓練だったのに」

ジャン「早起き部隊のセリフじゃねーな・・・・」

マルコ「まあまあ・・・・・。二人とも、座りなよ。サシャも、ミカサが来るまで待つんだろう」

コニー「ああ。・・・・・そうだ、水飲みに来たんだった。とってくるよ」

サシャ「あ、そうでした。行ってきます」

ジャン「ああ・・・・・行ってこいよ」

マルコ「・・・・・ジャン、頬が赤かったぞ」ハハ

ジャン「は、はあ? 気のせいだよ・・・・・。・・・・・おまえに言っても仕方ねーか、知ってるんだったな・・・・」ハア

マルコ「そうそう」(訓練兵の大多数はジャンがミカサを愛してるってことは知ってるし、そのこともジャンは知ってるはずだけど、
    まあ突っ込まないでおこう)「・・・・・でも、おまえの一途さは、見ていて気持ちがいいな」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 22:50:39 ID:yzdtGI7Y
ジャン「うるせーよバカにしてんのか・・・・・お前だって王大好きじゃねーか」

マルコ「ジャンのそれとは種類が違うけど・・・・・・そうだね。王は、僕は唯一ずっと信じているものだからね。
    そうだ、ジャン聞いたかい? この前、王政府が主催する催しがあったんだけど、そこで王が言ったことが・・・・・」

ジャン「おー! おかえりサシャとコニー」ササ

サシャ「ただいまです。・・・・・あの、ジャン。その『サシャとコニー』って呼び方、ひとまとめにされたみたいで・・・・・
    なんか複雑なんですが」

ジャン「ん? 別にそんな変な呼び方じゃねーだろ。・・・・・・語感がいいんだよ。言ってみろ、サシャとコニー」

サシャ・コニー「「サシャとコニー」」

ジャン「サシャとコニー、サシャとコニー、サシャとコニー、サシャとコニー、・・・・」

サシャ・コニー「「サシャとコニー、サシャとコニー、サシャとコニー、サシャとコニー、・・・・」」

マルコ「・・・・・・」

サシャ「サシャトコニー・・・・・おお、・・・・・言われてみれば、確かに一つの名前みたいな感じがしてきました」

コニー「イヤイヤ・・・・・。ジャン、おまえ馬鹿にしてんのか、オイ」

ジャン「本当に馬鹿だろ・・・・・なに正直にやってんだよ・・・・・」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 22:55:29 ID:yzdtGI7Y
マルコ「今のはジャンが悪い」

コニー「そうだ、悪い」

ジャン「イヤ別に名前を馬鹿にしようとかそういうんじゃ・・・・・」

ガチャ
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:02:26 ID:yzdtGI7Y
クリスタ「おはよう! みんな」

サシャ「・・・・あ、クリスタ、ユミル! ライナー、ベルトルトも」

ジャン「よう。なんだ4人で」

ライナー「ちょっと図書館で会ってな」

クリスタ「今日はゆっくり本でも読もうと思って」

マルコ「本か。いいね、僕もそうしようかな」

ジャン「確かに、今日はなんか、だらっとしてー気分だな」

コニー「へー。・・・・・ユミルが本なんて似合わねーな」ハッ

ユミル「ほう。おまえ、「本」なんて単語知ってたのか。偉いじゃねーか」ニヤニヤ

コニー「ば、バカにすんなよ。俺は天才だぞ」
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:05:32 ID:yzdtGI7Y
ベルトルト「やあ、マルコ。ちょうど良かった、これとこれ、この間言ってた本・・・・・・」

マルコ「あ! ありがとう、楽しみにしていたんだ。この作者の小説は本当に面白いよ・・・・・。さすがベルトルトのおすすめだ」

ベルトルト「そうか・・・・・よかった」

クリスタ「・・・・・・あ! その本、おもしろいよね」

ライナー「クリスタも読んだことがあるのか」

クリスタ「ライナーも?」

マルコ「ちょっと話題の作者だもんな。僕も普段読むジャンルの本じゃないんだけど、引き込まれたよ」

コニー「・・・・・・へー、みんな本なんて読んでるのか」

サシャ「わたしたちも読んだほうがいいんですかね。アニもたまに本を読んでるし、借りてみようかな・・・・わ」プニ

ユミル「よーサシャ。今日も健康的な頬っぺしてるな。で、蝶々やった気分はどうだった?」

サシャ「蝶々? あ、花の蜜の話ですか。はい、おいしかったですよ」

コニー「朝だけに咲く花って、不思議だよな~。花とか詳しくないけど、また見てえ」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:08:18 ID:yzdtGI7Y
ジャン「つーかユミル、おまえが持ってるのは雑誌じゃねえか。図書館行ってたんじゃねーのかよ」

ユミル「ああ、こりゃ私物だ。小説なんざ読んでもな~。・・・・・」

クリスタ「・・・・・へえーベルトルト、この人の本全部持ってるんだ。すごいなあ」

ベルトルト「ああ・・・・。この人の話はおもしろいよ」

マルコ「ベルトルトはたくさん本を持ってるし、よく貸してくれるんだよな」

ライナー「一時、貸本屋状態になったことがあったな」ハハ

クリスタ「へえーそうなんだ! やさしいんだね、ベルトルト」

ユミル「・・・・・・」イラッ「ベルトルさんベルトルさん、見ろよ」ペラ

ベルトルト「え? ・・・・・」

ジャン「・・・・なにやってんだユミル。・・・・・・!? おまえ、それ、官能雑誌じゃねーか!」

コニー「ふわー・・・・・なにやってんだよおまえ。ここ食堂だぞ・・・・・」

ユミル「あ? 大した内容じゃねーよ、漫画雑誌なんだし。いいだろ」

ベルトルト「も、もうやめてくれよ・・・・・」
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:10:46 ID:yzdtGI7Y
ジャン「え、で、なにやってんだ」

ユミル「『官能本にでてくる、ベルトルさんによく似た男キャラを探す遊び』」

サシャ「ふわー、たしかにこの『おまえ、誘ってんだろ・・・・』って言ってるキャラはベルトルトに似てます」

コニー「ぶはっ、ベルトルト・・・・に似たヤツ、『抱かれたがってんだろ?』だって、おもしろいな」ハハ

ベルトルト「ちょっ、音読しないでくれ。僕とは一切関わりないんだから・・・・・短髪の男なんていくらでもいるじゃないか・・・・」

ジャン「へえ。短髪の男はウケるのか。俺は前髪の短い髪は嫌いだから、いい気味だ」ハッ

サシャ「短い髪、嫌いなんですか?」

ジャン「あ? まあな・・・・・イヤ別に、ベルトルトは関係ねーけど。つーかユミル、なにしてんだ、コレはよ」

ユミル「無実のベルトルさんに辱めを与える遊びだ。雑誌一冊あたり3人はいる」

ベルトルト「そのマンガの人は190センチもないと思うんだけど・・・・・」

ユミル「ええ、シーンがシーンだからな、横になっててよくわかんねーけど。まあそうだな、身長170センチくらいのベルトルさんかな」

ベルトルト「それはもうただのモブだよ・・・・・」

ジャン「ベルトルト、おまえそこまで自虐的になる必要ねーぞ」
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:32:14 ID:yzdtGI7Y
ユミル「ハハハ。・・・・・・」チラ

クリスタ「へえ~マルコって小説だけじゃなくて、色んなジャンルの本読むんだ」キャッキャ

マルコ「うん。なにか貸そうか?」キャッキャ

クリスタ「え、いいの!? やったあ、じゃあ動物の本とかないかな?」

マルコ「動物? あ、牧場のドキュメントとかどうかな」

クリスタ「わあ! すごく読みたいよ!」

ユミル「・・・・・・」

ベルトルト「・・・・・・ユミル?」

ユミル「あ? うるせーよ、自分は誘って抱かれたがってるみたいな顔してるくせに・・・・・!」

ベルトルト「し、してない!」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:36:29 ID:yzdtGI7Y
ジャン「もうなんでもいいから、その官能雑誌しまえよ・・・・・キースが来たらどうすんだ」(アレ? ユミルってこんな変なことするヤツだっけか・・・・。
    ベルトルトもこんな反応すんのか。知らなかった。みんな疲れてんのかな)

サシャ「・・・・・官能、といえば。ジャンはお母さんに官能本を見てるとこを突撃されたことがあるとか聞いたんですけど・・・・・」

ジャン「はあ?」

コニー「あー、俺が話したんだよ。悪い悪い」

ジャン「ああ、つーかその話は、・・・・・・。まあ俺も、男子の大部屋で話したから、筒抜けになるのはわかってたよ。
    で? 笑えましたってか」

サシャ「い、いえ。そういうふうに、構ってくれるお母さんって、なんだかいいなーって思って」

コニー「? おまえの母ちゃんは違ったのかよ」

サシャ「はい。うちは、狩猟民族だからでしょうか、働き頭のお父さんを立てるっていう風習があって・・・・・。
    お母さんはわたしたちに対しても、どこか遠慮がちだったんですよね」

コニー「ふーん。地域柄ってヤツか。ジャンの母ちゃんとは逆なのかもな」ハハ

ジャン「へえ。・・・・・アレは嘘なんだ」
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:40:40 ID:yzdtGI7Y
サシャ「えっ?」

コニー「え」

ジャン「・・・・・コニー、おまえ理解してなかったな? あの話は、嘘ってのが前提だったんだよ。
    嘘だけど、本当っぽくて、驚けておもしろい話。そういうテーマだったんだ。
    俺の後には、アルミンが今度の論文は向こう脛の痛みについて書くって話を大真面目にしてた。そういう馬鹿話、いわゆる嘘予告さ」

コニー「うそよこく・・・・・。そ、そうだったのか。悪い」

サシャ「わ、わたしは他の人に話してませんから! 大丈夫です」

ジャン「イヤいいけどよ別に・・・・・笑い話なんだからよ」ハア
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:46:27 ID:yzdtGI7Y
ライナー「おいベルトルト、そう気にするなよ・・・・・向こうが空いてるぜ、座るぞ」グイッ

ベルトルト「あ・・・・・ああ」

ユミル「そうだな。本を読むつもりだったんだ・・・・座ろうぜ、クリスタ」

マルコ「あ、ここの席、4人なら座れるけど、どうだい?」

クリスタ「ここに座ろうよ、ユミル。ちょっとマルコと話したいんだ」

ユミル「・・・・・・。いーよ、窮屈だろ。わたしらはこのデカブツ連れて、向こうに座ってるよ。つーか、食堂には水飲みに来ただけだし」スタスタ

クリスタ「あ、ユミル。・・・・・?」

マルコ「・・・・・・あ、僕、なにか嫌われるようなことをしたかな・・・・・?」ハハ

クリスタ「そ、そんなことないよ。だって、マルコはみんなから愛されてるってくらいだし・・・・・」

サシャ「マルコは、いかにもな優等生ですからね。男女構わず、みんな慕ってます」ハイ
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:52:35 ID:p8PxpeUI
このジャンは面倒臭いやつだなwww
良い雰囲気だ、期待
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:53:18 ID:yzdtGI7Y
クリスタ「そうそう、サシャも言っているとおりだよ・・・・! 彼女、気まぐれだから」

コニー(うーん、慕われてるマルコが、側にわざわざ正直者すぎのジャンを置くって・・・・ヤッパリよくわかんねーな)

サシャ「そういえば・・・・・なんか、子供と大人でわかれたって感じですね」

ジャン「年の話か? こいつ、これでも俺たちより年上なんだよ」グイ

マルコ「い、イヤ、ユミルとライナーは僕より年上だし・・・・・。
    でも、わかるよ。年だけじゃなくて、彼らはなんとなく大人びてるよな」

クリスタ「・・・・そういえば、あの3人は入団式で恫喝を受けてなかった子たちだね

コニー「あー、確かに。ってことは、経験値の違いってやつかな?」

マルコ「・・・・・・それは、そうかもね。彼らと僕らは、その点で決定的に違うよ」
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/10(土) 23:57:27 ID:yzdtGI7Y
ジャン「まあ、あの状況で生き残ったって時点で、運か能力があるって証みたいなもんだからな。
    そういう意味ではうらやましいかもしれねーな」

サシャ「わたしたちは、上位とは言っても平凡な一般人ですからね・・・・・。特別ななにかがある、っていうのは、
    羨ましくなっちゃいますね。あ、その、不謹慎ですけど。・・・・・」

クリスタ「・・・・・彼らは、わたしたちと違うのかな」

ジャン「あ? まあ恫喝の有無だけを見ればな」

クリスタ「そっか・・・・・。・・・・・」

サシャ「クリスタ?」

クリスタ「あ、ごめん。なんでもないよ」

マルコ「けど・・・・・・、それはあくまで1年目の現時点のことだよね。4年前の経験が全てではないよ。
    僕らは若いんだから、訓練時代だけをとっても、これからの2年でいくらでも変わるさ。
    ・・・・・・人は心変わりするものだし」
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 00:05:55 ID:Kkw/eI1A
コニー「『心変わり』か。・・・・オトコゴコロと秋の空ってヤツだな」

サシャ「コニー、それは女心じゃないんですか?」

コニー「そうだっけ?」

ジャン「どっちでもいいだろ。早起き部隊には、まだ関係ない話だよ。蜜でも吸ってろってな」ハッ

クリスタ「蜜・・・・・? 蜜って、サシャの・・・・・?」ドキドキ

マルコ「クリスタ。クリスタ、違う」ガシ

クリスタ「さ、サシャのじゃないってことは、コニー・・・・・?」

マルコ「え、ええ・・・・・」

ジャン「・・・・・! まずい、このメンツ、絶対的にツッコミが足りねえ・・・・・!」

ガチャ
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:35:19 ID:Kkw/eI1A
アルミン「やあ、みんな。ここにいたのか」

アニ「・・・・・」

マルコ「アルミン、アニ。おはよう」

コニー「なんか、珍しい組み合わせだな?」

アルミン「そこで教官に捕まっちゃってさ・・・・・。アニと二人で、君たちを探してたんだ。
     これ、今度の遠征の資料」

クリスタ「ありがとう、アルミン、アニ。わざわざごめんね」

ジャン「悪いな」
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:38:24 ID:Kkw/eI1A
サシャ「この日の天気はどうなんでしょうね」

アニ「晴れるんじゃない。今日だって天気がよくて・・・・・この食堂は眩しいくらいだ」

マルコ「ここは日当たりがいいからね」

コニー「あったかくって気持ちいいから、つい集まっちまうんだよな」

サシャ「夏になると辛いですけどね・・・・・・人口密度の点からも・・・・・」

ジャン「今が一番いい時期かもな。・・・・・・なるほど、さっきからやたら食堂に人が集まってくるのは、
    ランプの明かりに夜光虫が惹かれるみてーなモンだった訳か」

クリスタ「明るい場所でないと、読書もしにくいしね。暗いところは嫌」

アニ「そうだね。暗いところは嫌だよ」

サシャ「アニは、特に暗いところが苦手なんですよね」

マルコ「そうなのか?」

コニー「意外だな。アニにも怖いものがあったなんて・・・・・」
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:41:08 ID:Kkw/eI1A
アニ「そりゃあ、これでも女だからね・・・・・。苦手なものの一つや二つあるさ」

マルコ「とにかく、資料をありがとう、二人とも。もし予定がないなら、ここに座って水でも飲んでいきなよ」

コニー「俺の隣空いてるぜ!」

アルミン「ありがとう。じゃあせっかくだし、同席させてもらうよ」

アニ「わたしはいい・・・・・。ちょっと水を飲んだら自主訓練にいかなきゃいけないし。立ってるよ」

サシャ「? お水を飲む間だけでも座ったらいいじゃないですか」

アニ「いいよ、平気」

コニー「! なるほど、それも訓練って訳か・・・・・!」

ジャン「休みの日でも、極力座らず脚力を鍛えるってか? ストレス指数高そうだな・・・・・」
26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:43:38 ID:Kkw/eI1A
マルコ「まあまあ・・・・・。生活習慣やこだわりは、色々あるよね。僕らは出身が様々だから」

アルミン「特に君ら上位は個性が強いとよく言われるよね・・・・・」

ジャン「アルミン、おまえ自分の性格が一般的とでも思ってんじゃねーだろうな」

アルミン「え・・・・・、まあ比較的変わった性格はしてると自覚はしてるよ。君もなんていうか大概だけど・・・・・。
     ここまで個性が豊かな面々が揃うのは、当然、広い範囲から集まってるからだろうな」

コニー「そうだな。この7人だけ見ても、村育ちと街育ちで半々くらいだ」

アルミン「僕のシガンシナ区は街なのかな・・・・?」

サシャ「街でしょう、全然。川沿いは栄えてますから。村舐めないでくださいよ」

コニー「そうだぜ。別世界に思えたぞ、訓練所なんか。なあ、アニ」

アニ「確かにそうだね。違う世界に放り込まれた・・・・って感覚はあるね」
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:45:03 ID:Kkw/eI1A
マルコ「そういうものなのか・・・・・」

クリスタ「ジャンはトロスト区出身だよね。この中では、一番街らしい街で育ったといえるんじゃないかな」

ジャン「どうなんだろうな、他の町にあまり行ったことないから、比べようがないが」

サシャ「トロスト区といえば・・・・・今度の遠征はトロスト区が行き先じゃありませんでしたか?」

コニー「おっ、本当だ。実家に顔だせよ、ジャン」

ジャン「いいよ別に・・・・・、つーか昨日訓練所に来たばっかなんだよ。親父が」
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:46:13 ID:Kkw/eI1A
アルミン「えっ、そうだったの?」

マルコ「知らなかった・・・・・・。就寝前に教官に呼び出されてたのはそういうことだったのか」

コニー「俺はてっきり、前髪のことで注意されてんのかと・・・・。キース教官だったし」

マルコ「僕もそう思った・・・・・」ハハ

クリスタ「キース教官は、髪型に特に厳しいよね・・・・・。わたしも前髪の長さを注意されたことがあるわ。
     髪を結ったら許してくれたけど」

サシャ「男子訓練兵は、髪留めを使いませんから、特に厳しいですよね。厳格なお父さんって感じです。
    ジャンは、お父さんに前髪注意されたりしなかったんですか?」

ジャン「された。あの人前髪短くてよ。でも素直に従うってのがしゃくだったな。母さんは認めてたし」
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:48:50 ID:Kkw/eI1A
アニ「・・・・そういえば、昨日、お母さんとは会ってないんだろ? やっぱり作戦のときに会いにいったら」

ジャン「えーいいよ・・・・・。そういうの、なんか苦手なんだよ。正直、遠征先がトロスト区って時点で少し嫌だ」

サシャ「相変わらずジャンの愛情表現はわかりにくいですねえ・・・・・」

ジャン「俺はもし本当にトロスト区が襲われても、家族より自分の身を案じてる気すらしてる。内地に行く前に襲わるなんてってな」ハッ

マルコ「まあまあ・・・・。この話題はもうよそう」

マルコ(なるほど、ジャン、今日はいつもに増して刺々しいのは、昨日家族に会ってたからなのか。
    口ではああ言っていても、色々思うところがあるんだろうな)
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:49:51 ID:Kkw/eI1A
アニ「しかし、本当に明るいな・・・・・・。眩しくなってきた。そろそろ行かなくちゃ」スタスタ

クリスタ「わたしも、この席は少し眩しいな。ユミルたちのところに行くよ。楽しかった、またね」カタ

サシャ「わかりました、クリスタ。自主訓練がんばってきてくださいね、アニ!」

コニー「アニ、本当、真面目だな。昨日アレだけ走ったのに・・・・・」

マルコ「彼女は本当に格闘技が好きみたいだからね。趣味でもあるのかも」

ジャン「あんな小さい身体で、よくやるよな・・・・・」

サシャ「小柄さは、立体機動では有利なんですけどね。もちろんアニの立体機動の成績がいいのは、ただ小柄だからってだけじゃないですけど」

アルミン「彼女は本当にすごいよ・・・・・昨日の兵站行進でも、先頭集団で頭一つ小さかった」

ジャン「冗談抜きで、よく荷物に潰されねーなと思うよな。まあ最たるところはクリスタだけどよ」

マルコ「ああ・・・・・、クリスタにとっては、荷物の重みは自分の体重の半分くらいだものね」

アルミン「そう考えると、僕らにとって体重は一長一短だよね。成績を上げようと思ったら体格を変えるより、それぞれの戦闘スタイルを確立できるかが大切だ」

サシャ「わたしたちが体型で悩まないのって、それのせいもあるんですかね」
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:51:03 ID:Kkw/eI1A
コニー「そうだなあ。俺は立体機動のときは小さい身体につくった母ちゃんに感謝しちまうよ」

ジャン「普通、俺たちくらいの年だと、体型の悩みがあるもんらしいけどな。まあ全員、兵士体型という意味では一律なんだけど」

アルミン「・・・・・・僕は正直ライナーがうらやましい・・・・・。僕の華奢な身体も、使いようがあるとは思うけどさ」

コニー「使いようって?」

アルミン「例えば、潜入作戦で女装するとか・・・・・。女性がやるよりも危険は少ないよ」

サシャ「アルミン、そんなことまで考えてるんですか・・・・・」

ジャン「女装って・・・・・。おまえやっぱ変わってるよ。うん」

アルミン「べ、別に僕が女装を進んでしたいとかいう訳ではないよ。そこは誤解しないでくれ」

マルコ「大丈夫、わかってるよ。ライナーに憧れてるんだもんな」
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:52:19 ID:Kkw/eI1A
ジャン「まあライナーはわかるな、見た目の意味では。後、長身のベルトルト」

サシャ「女子の長身ならユミルやミカサですかね。・・・・・見た目の意味でも、あの席の3人は大人っぽいってことかもしれませんね」

コニー「そういやアルミン。エレンとミカサは?」

アルミン「二人は自主訓練をしてくるって。そろそろ来ると思うよ。・・・・・あ」

ガチャ
33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:53:42 ID:Kkw/eI1A
ミカサ「アルミン。ここにいたの」

エレン「探したぜ。・・・・・あー、なんか食堂は明るくて落ち着くな。ちょっと休憩しよう」

サシャ「今日は食堂に大集合ですね」

マルコ「二人とも、自主訓練なんて、根性があるね。僕は今日はもう身体が痛くて・・・・・」ハハ

ミカサ「マルコ、無理は禁物。休養も、筋肉を育てる上では重要だから」

コニー「へー。休憩してても鍛えられるのか?」

ミカサ「鍛錬と休養のバランスが大切」

コニー「へえ・・・・なるほどなあ」

アルミン「ミカサはさすが、詳しいね」
34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:55:06 ID:Kkw/eI1A
ミカサ「この知識は経験則だけど、正しいと思う。・・・・・筋肉痛のエレンはやるべきではなかった」

エレン「う、うるせーよ。俺は成績あげるために、無理してでもやらなきゃいけねーんだから」

ジャン「ハッ、空回りしてやがるな。俺もミカサの言い分が正しいと思うぜ」

エレン「クソ、なんだよ。見ろよミカサ、俺も大分腹筋割れてきたろ?」グイ

ミカサ「・・・・・・質はいいけど、まだまだ。やはり休養をとらないと、筋肉も効率よくつかないということ」ペタペタ

エレン「くそ、うるせーな・・・・」

ジャン「・・・・・・・チッ」ギリ

エレン「なあミカサの腹筋も見せてくれよ」

ジャン「!?」
35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:57:08 ID:Kkw/eI1A
アルミン「ちょっと、エレン・・・・・・」

ミカサ「エレン。食堂はさすがに駄目。恥ずかしい」

エレン「え、ああ。そうか。そうだな、悪い。・・・・・・ミカサの10個に割れた腹筋見ると、俺もがんばろうって気分になるんだよな」

ミカサ「エレン・・・・・。次までに12個にしてみせる。楽しみにしていて」

アルミン「ミカサ、色々おかしい」

マルコ「みんな、すごいな・・・・・。僕なんてまだまだだ」ハア

コニー「ミカサと比べたら、誰でも凡人だろ」

ジャン「やってられねーな」ガタ

サシャ「ジャン、どこいくんですか?」

ジャン「水、なくなったからとってくるだけだよ」スタスタ
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 14:58:57 ID:Kkw/eI1A
マルコ(エレンとミカサのやり取りで、掴み合いになるかと思ったけど、・・・・・やっぱりジャンも疲れてるのかな・・・・・)チラ

ジャン(クソ・・・・・・・、なんだよ、女の身体をそんな簡単に見てるんじゃねーよ。触ってるんじゃねーよ。自慢かよ。あー憎たらしい)イライラ

ライナー・ベルトルト・ユミル「「・・・・・・」」チラ

ジャン(駄目だ駄目だ、考えれば考えるほど、頭に血がのぼる。これじゃあ同じじゃねえか、そんなの冗談じゃ・・・・・・)スタスタスタ・・・・・

ライナー「・・・・・・。! ジャン、気をつけろ!」

ジャン「は?」

バキッ!!!

ジャン「えっ」グラッ(床板が抜けて、・・・・・!)
37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 15:00:01 ID:Kkw/eI1A
ダンッ

ライナー・ベルトルト・ユミル「「・・・・・・・」」ホッ

ジャン「・・・・・っ」(あ、危ねえ。転んで、机の角に頭打ち付けるところだったぜ。バランスとれてよかった)フラ

ライナー「・・・・ジャン、怪我はないか」

ジャン「ああ、おまえの警告のおかげで、なんとかな・・・・・ありがとよ」

ベルトルト「この床板、そういえば腐ってたんだったね。忘れてたよ」

ユミル「そうだな。直しとかねーと」

ライナー「とにかく大怪我してねーなら、よかったぜ・・・・・本当に」

ジャン「・・・・・・? あ、ああ」

ミカサ「ジャン、大丈夫」タタッ

エレン「怪我ねーか、ジャン」

ジャン「あ、ああ。なんだよ死に急ぎまで、気持ち悪ぃな・・・・・・。変なものでも食ったのか?」

エレン「あ? ちげーよ。でもなんだろうな。お前が死んだらどうしようと思っちまった」

ジャン「ほ、本当にどうしたんだよ・・・・・エレン。だいたい死ぬって縁起でもねえ。
    とにかく転んでもねーんだからそんなに騒ぐなよ」
38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 15:00:43 ID:Kkw/eI1A
ミカサ「そうね。戻りましょう、エレン」

エレン「ああ」

ライナー「そうだな」

ジャン「・・・・・・?」スタスタ

サシャ「ジャン、どうしたんですか?」

ジャン「板踏み抜いただけだよ。大したことねー、大げさだ」

マルコ「しかし、ライナーの反応は早かったな・・・・・。注意力があるよ」

コニー「ああ、さすが兄貴は、俺たちのことよく見てくれてるってことだよな」

アルミン「そうだね・・・・・」
39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 15:03:00 ID:Kkw/eI1A
ユミル「よう。今日はあんたら、ずっとここにいるつもりか?」スタスタ

ライナー「ゆっくりする、と言っていたよな。食堂は気持ちがいいから、それもいいかもな」

マルコ「やあ、さっきはジャンをどうも。そうだね、そうしようかな」

アルミン「君たちは寮に戻るの?」

ベルトルト「うん。できればここにいたいんだけどね」

ジャン「やることがあるのか。まあ俺たちも適当にもどるよ」

マルコ「・・・・・ねえ、おかしなことを聞くけど・・・・・・。君たち、最近、特に落ち着いているよね」

コニー「?」

ライナー「落ち着いている?」

マルコ「うん。より大人びたというか・・・・・。僕の気のせいかもしれないんだけど。
    僕らと全く違うと思ってしまうんだ」
40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 15:05:10 ID:Kkw/eI1A
ユミル「なんだそりゃ。気のせいだろ。なあ」

ライナー「ああ気のせいだ」

ベルトルト「うん気のせいだ」

エレン「そうだよ、気のせいだぜマルコ」

ミカサ「ええ。気のせい」

アルミン「どうしたの・・・・・みんなで声を合わせて」

マルコ「き、気を悪くしたかい? ごめんね」

ライナー「? 別に気を悪くなんてしてないぜ」

エレン「ああ・・・・・。でも、なんだろうな。全然、そんなことはないって強く思っただけだ」

ジャン「どういう意味だよ・・・・・。さっきからおまえら、大丈夫か?」

ミカサ「どういう意味なのだろう・・・・・」ズキズキ
41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 15:07:46 ID:Kkw/eI1A
ユミル「・・・・・。まあ一つ、あんたらとわたしらの違いの原因をあげるとすれば。ヤったことがあるかどうかってことだな」

ジャン「・・・・・・・は?」

マルコ「えっ?」

アルミン「え」

サシャ・コニー「え?」

ライナー「・・・・・・オイオイ、ユミル。ヤったことがあるって・・・・・」

ユミル「なんだよ。あるんだろ?」

ライナー「・・・・・・まあ、あるっちゃあるな」

ベルトルト「そうだね・・・・君とアニといっしょにヤったね。正直、最中は気持ちよかった。なつかしいな」
42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 15:09:19 ID:Kkw/eI1A
ユミル「エレンとミカサもあるんだろ?」

エレン「まあ・・・・・・あのときはそういう流れだったからな。二人でヤったな」

ミカサ「アレは仕方がなかった。勢いだった・・・・・あのときのエレンは怖かった」

ユミル「へえ」ハハ

ジャン「・・・・・・ふ、ふざけ・・・・・・・」

マルコ「ゆ、ユミル! 君たちも・・・・・冗談だろう? からかわないでくれよ」ハラハラ

エレン「なんだよ、・・・・・・なに怒ってんだジャン。おまえには関係ないだろ?」

アルミン「え、エレン!」

ジャン「ふざけんな!!」ガタッ

ミカサ「! ジャン、やめて、・・・・・・!」バッ

バキッ!!

―――――
43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 18:05:47 ID:Kkw/eI1A
捏造・欝注意

ジャン(・・・・・・? アレ、俺・・・・・・)パチ

カーカー 

マルコ「・・・・・・ああ、ジャン。おはよう」

ジャン「マルコ・・・・・・。・・・・・・今、何時だ?」

マルコ「午後4時だ。よく寝ていたね」

ジャン「ああ。・・・・・・ああ、そうか、食堂でおまえと本読んでて・・・・・寝ちまったんだっけ」

マルコ「そうだよ。なにか夢でも見てたのか?」

ジャン「ああ。・・・・・・なんか変な夢だったな。よく覚えてねえけど」

マルコ「僕はでてきた?」ハハ

ジャン「ああ、でてた。たぶん」
44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 18:10:43 ID:Kkw/eI1A
カーカー

ジャン「・・・・・・おまえ、本読み終わってたのか?」

マルコ「まあね」

ジャン「起こせばよかったのに」

マルコ「別に。待っててもちっとも苦痛じゃなかったよ。食堂は気持ちがいいし」

ジャン「そうか」

マルコ「うん」

ジャン「・・・・・・・おまえ、本当に良いヤツだな」ハア

マルコ「はは・・・・・・そうかな」

ジャン「ちょっと皮肉ってんだよ。気づけよ。昨日の兵站行進でも、俺に肩貸して、タイムが落ちただろ」

マルコ「手負いの仲間に力を貸すのは、兵士として適当だと思っただけだよ」
45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 18:12:22 ID:Kkw/eI1A
ジャン「これは訓練だっつーの・・・・・」

マルコ「そうだったね・・・・・・」

ジャン「そうだよ・・・・・」

マルコ「・・・・・ジャンも、最初はハッキリやめろって言ってたけど。最後には素直に貸させてくれたじゃないか」

ジャン「押し強すぎるんだよ、おまえ」

マルコ「そうかな・・・・・」

ジャン「そうだよ・・・・・・自分を犠牲にして人助けたり、貴重な休日に起きるのを待ったり。変なヤツだな」

マルコ「おまえだって、困ってたら助けてくれるじゃないか」

ジャン「俺は正直者だからな。悪いけど、自分に不利益があるなら、手を貸したりしないぜ」ハッ

マルコ「そうだな。・・・・・・ジャンらしくって、いいと思うよ」

・・・
46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 18:16:01 ID:Kkw/eI1A
シャキン、シャキン

ジャン「・・・・・・・」

シャキンッ

ジャン「・・・・・・」

シャキン シャキン パラパラパラ

ジャン(前髪を短くしたのは初めてだ。確かに楽だな。立体機動の成績も伸びるかもな)

ジャン(本当に、母さんの言うとおり、嫌ってくらい似てる。俺の親父に)

ジャン(悪人面で、その通り頭に血が昇りやすくて、暴力的で・・・・・・俺によく似たクソみてえな親父だ)

ジャン(母さんは母さんでビビって自分を守るだけ。そして俺は俺で小さいときは泣いてばっか)

ジャン(クソみてーな家庭だと思って、逃げるみたいに訓練所に来て、誰も信じれないし、自分さえ内地に行ければいいと思っていたけど。
    でもアイツは、なんか・・・・・・)

ジャン(・・・・・)

ハヤクフロハイローゼー アッチー ギャハハ

ジャン「・・・・・・ハア。なにやってんだ、・・・・・くだらねー」 カチャ スタスタ バタン

・・・
48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 18:40:27 ID:Kkw/eI1A
ニャーニャー

マルコ「よしよし。・・・・・・悪いね、もうパンは持ってこないことにしたんだ」

ニャー? 

マルコ「これからは、自分でご飯をとるんだよ」

ゴロゴロ

マルコ「・・・・・・ごめんね、子猫の君たちに僕のパンをあげていたのは、実はやさしさからなんかじゃないんだ」

マルコ「君らに餌を与えて・・・・・本能を奪ってやろうって・・・・・・。そういう支配欲とか、命を弄んでやろうという気持ちからなんだ」

ニャー ミャーミャー

マルコ「ここに来た頃、僕は人間不信でね・・・・・。数年前に、経済的理由で、親に突然捨てられて・・・・・。勿論、親を理解しているし、
    恨んではないんだけど・・・・・・。より王のすばらしさに気がつくことができたのは、王の作った孤児院に入ったおかげだし」

マルコ「それでも、人に嫌われるのがすごく怖くなって・・・・・・。誰にも良い顔をせずには
    いられなくなったし、そうすることで安心していたんだ。それで疲れて、君らをこうして間接的に虐待していたんだ」

マルコ「みんな嘘つきだ・・・・・・。人間らしい気持ちなんか、本当は誰も持ってない・・・・・。
    そう思って、誰も信じられなくて、王の盾になれさえすればいいと思ってたんだけど・・・・・・」
49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 18:44:43 ID:Kkw/eI1A
ニャーゴロゴロ

マルコ「ジャンは違ったんだ」

マルコ「人間とは命をかけて愛しうる価値のあるものかもしれない」

ニャーニャー ミャー?

マルコ「・・・・・・はは、ハア。なにやってんだろ、俺。くだらない・・・・・・」カー ギュウ

・・・
50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 18:47:33 ID:Kkw/eI1A
コニー「アレ? ジャン、おまえ前髪切ったのか」

ジャン「ああ・・・・・まあな」

コニー「やっぱ楽だろ?」

ジャン「そうだな。・・・・・そうだ、ちょっと坊主頭触らせろ」ジョリジョリ

コニー「お、オイオイ・・・・まーいいけどよー」ハハ

サシャ「あ! コニー、ちょっと触らせてくださいっ」

コニー「えー? あ、ミカサ」

ジャン「!」

ミカサ「コニー。できれば、その、触らせて欲しい。サシャに聞いて・・・・」

コニー「あ、ああ。そりゃいいけどよ」

ミカサ「ありがとう」ジョリジョリ ・・・・・ピト

ジャン「!!」ドキ(み、ミカサと手が当たっちまった・・・・・ッ)

サシャ「あれー、ジャン。前髪切ったんですね。・・・・・似合ってますよ、変じゃないです。そんなに恥ずかしがらなくていいですよ。?」

・・・
51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 18:52:33 ID:Kkw/eI1A
アルミン「あ。マルコ、パンを残すのやめたんだ」

マルコ「うん。どうしても、お腹すいちゃうしね」ハハ

クリスタ「じゃあ、あの猫たちには、もうご飯をあげていないのね」

マルコ「そうだね。野生に返すことにしたんだ。もう大きくなったし」

ユミル「それがいいぜ。マルコ、ここでも母親やってんのに、猫の母親もしてたら、身体がたりねーよ」

ライナー「ユミル、母親だなんてからかい方はよせ」

ユミル「いいじゃねーか別に。ああ、アンタは父親だな」

ライナー「あのな・・・・・」

アニ「お父さん。これ、次の資料ね」ヒョイ

ライナー「アニ・・・・・」ハア
52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 18:56:07 ID:Kkw/eI1A
ベルトルト「あ、アニ。ライナーがお父さんなら、その、僕は・・・・・?」

アニ「弟?」

ベルトルト「・・・・・・」

マルコ「はは・・・・・・。さあ、みんな移動しようか。次は座学だね」

ユミル「座学ね。かったりーなあ」

クリスタ「もうユミル、いつでもそう言ってるじゃない」

ワイワイ ハハハハハ・・・・・

―――――――
53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 19:01:24 ID:Kkw/eI1A

バキッ!!

ジャン「・・・・・ッ! ミカ、」

ミカサ「・・・・・・・。ああ・・・・・」

ジャン「・・・・・っす、すまない、おまえの頬を、・・・・・・・え?」

パンッ

ビチャ、ビチャ

ジャン「え。・・・・・・え?」(ど・・・・泥?)

マルコ「・・・・・・・な、」

ジャン(ミカサが、・・・・・ミカサが弾けちまった。泥の塊みたいなのが、飛び散って。・・・・・・な、なんだこれ)

マルコ「ど、どういうことなんだ・・・・・ミカサ、ミカサ! ジャンも、しっかりしろ。・・・・・・!?」

マルコ(どんどん、食堂が暗くなっていく。どうして。まだ午前中だぞ。なにが・・・・・なにが起こっているんだ)
54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 19:05:21 ID:Kkw/eI1A
ジャン「ら・・・・・、ライ、・・・・・・ど、どうした。おまえまで。頭が痛いのか!?」

ライナー「・・・・・・・ぐ・・・・・」ググ

エレン「・・・・・・いってえ・・・・・・ッ」

アルミン「う・・・・・・・」

サシャ「い、・・・・・・痛い・・・・・」

クリスタ「くう・・・・・・っ」

ベルトルト「・・・・・う・・・」

コニー「いって、・・・・・・・。ああ・・・・・・・」

マルコ「みんな、しっかり! い、一体なにが・・・・・」

ユミル「・・・・・あんたがわたしたちに触ったからさ」ズキズキ
55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 19:11:44 ID:Kkw/eI1A
ジャン「触った? 俺がミカサに・・・・触ったせいで、ミカサは死んじまったとでも言うのか・・・・・」

ユミル「違うね。ミカサはもう死んでいた」

マルコ「死んでいた?」

ユミル「わたしも。おまえらも。こいつら全員もう死んでる」

ジャン「死んでるって・・・・・」

ユミル「ここは、わたしたちの『楽しかった子供時代』なんだ。死んだわたしたちが、その時代に
    焦がれてたせいで・・・・つくっちまった世界だ。
 
    しかし、わたしたちはその時代、本当に楽しんでいた訳じゃない。わたしたちはその時点で
    すでに人を殺っちまってたからな。罪人であって、無垢の象徴である子供じゃなかった。

    いわば、わたしたちが人を殺したことのない、無垢なアンタらに惹かれて、そのせいでこんな世界まで作っちまったって訳だ・・・・・。
    そうだ、惹かれるのは、」

ユミル「ジャン」

ユミル「マルコ」

ユミル「サシャ」

ユミル「コニー」
56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 19:14:35 ID:Kkw/eI1A
ユミル「アルミンとクリスタは中間だな。間接的に人を殺している。それが事実であれどうであれ、彼らはそう思っている。
    クリスタは母親、アルミンは祖父かな? このあたりはふわっと聞いたことあるだけだから、わからねーけど。
    
    それで、わたしだけは、あの世界であっても記憶が「兵士」に書き換えられない。それで、もう疲れてな。
    何度、この暗い世界に来たのかもわかりゃしねえ。おかしなこと、口走っちまって悪かったよ」ハア、ハア

ジャン「待てよ。意味がわからねえ」

マルコ「それで・・・・・訓練兵時代への思いで、この世界ができたとして・・・・・・? なんで、触られただけで
    ミカサは弾けてしまったんだ。それに、なぜ今こんなに世界が暗くなっている」

エレン「それは、言い換えると、お前たちがランプの光で、俺たちは夜光虫だからだよ」ズキズキ

ジャン「夜光虫?」

エレン「この世界の中で、人を殺した俺たちは、いわば闇だ。人を殺してないお前たちは光。
    闇の俺たちは、夜光虫みたいに、お前らのもとに集まっちまう。でも反対の存在だからな。
    触れることはできないし、『強く』触れると熱に耐え切れずに消えちまう」
57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 19:17:53 ID:Kkw/eI1A
ユミル「光と闇で恋し合って、強く抱き合った瞬間身体が弾けて、こうして終わったこともあったな。
    闇が光に惹かれるのは本能みたいなものだからな」

サシャ「そして光の役割の、主たるところはジャンとマルコでした。わたしたちは解散後、
    それはもう残酷な目に遭って死にましたから。
    人類を救うため、104期の兵士として・・・・命を全うできたのは、お二方だけなんですよ」

アルミン「君らの友情は、唯一、外の残酷な世界で汚されてない、きれいな訓練兵時代の
     象徴みたいなものなんだ。君たちは、くだらない日々と思っているかもしれないけどね」

クリスタ「だからあなたたちが、こうして絶望してしまうと、この世界は光をなくして、消えていってしまうの・・・・・。
     この世界は都合がいいから、光があるうちは、わたしたちも解散後の自分の罪を忘れて兵士をしているんだけど、
     世界が終われば自分の運命を思い出して、何度でも絶望するの」

ライナー「自分で首を絞めているが、それでも、訓練時代への依存心はなくならない。その依存心から、また世界ができる。
     俺たちの人格は、訓練時代に作り上げられたと言ってもいいくらいだからな。その根源を忘れるなんて不可能だ」

ベルトルト「そうさ。安心してくれ・・・・・。君たちが目を覚ますと、また新しい世界できれいな訓練時代が続いているから」
58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 19:20:03 ID:Kkw/eI1A
ジャン「意味がわからねえ・・・・・が、ならなぜ・・・・俺たちだけが自分の最期を思い出さないんだ。俺たちとサシャやコニーはなにが違う」

アニ「いてて・・・・・。神の慈悲じゃない」

マルコ「アニ」

アニ「あんたたちは綺麗なままで逝ったからね。罰される意味もない」

マルコ「・・・・・・! 僕が罰されてないというなら、僕の言い分が聞き入れられてもいいはずだ。

    僕は、仲間が罰されるのなんて望んでない! そんなふうに苦しめるのなら、この世界なんて消えたほうがいいに決まってるよ!!」

ジャン「だいたい罪ってなんだよ、普通の同期だったじゃねーか。こんな地獄みてーな訓練時代に焦がれるって、一体どんな・・・・・」

エレン「知らないほうがいい」

ジャン「んだよそれ、こんなの、・・・・・・俺たちだって罰されてんじゃねーか」

ジャン(暗い世界の中で、仲間が苦しんでいるのに、なにもできない・・・・・)
59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 19:22:30 ID:Kkw/eI1A
アニ「・・・・・!」フラ、バタン

マルコ「アニ! どうした・・・・」

アニ「・・・・・・罪に比例するみたいに、身体も死ぬほど痛いんだ・・・・。良心の呵責が、物理的な痛みになるとこんな感じなのかな」

マルコ「しっかりするんだ、アニ!」ガシ

アニ「あ」

パンッ

ビチャビチャビチャ

マルコ「う、・・・・・・うわあああ、」

ジャン「クソ、どうしたらいいんだ、こんな・・・・」
60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 19:25:06 ID:Kkw/eI1A
マルコ「ああ・・・・・、もう彼らには十分です、こんなことやめてください。・・・・・それとも、見てることしかできない今、僕を無知の罪で
    罰しているんですか?」

ジャン「無知の罪って、・・・・・・・それならもう、誰でも罪人になっちまうじゃねーか。

    本当は、こいつらだって、罪人じゃないんじゃないか?
    だれが罪だなんて決めて、だれが罰を与えているんだ?

    というか・・・・・・この世界はこいつらが望んで作って・・・・・そのせいでこいつらは苦しんでいて・・・・・?
    この状況を恨むべき相手はなんだ? 自分たち104期なのか? もう訳が分からねえ・・・・・。

    こんな苦しいだけの世界のループに、一体なんの意味が、


―――――ブチッ
61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/11(日) 19:26:10 ID:Kkw/eI1A




カーカー、カーカー

ムクッ

マルコ「・・・・・・ああ、ジャン、おはよう」

ジャン「マルコ・・・・・・。・・・・・・今、何時だ?」




終わり





ジャン「くだらない日々」
元スレ

テーマ : 進撃の巨人
ジャンル : アニメ・コミック

エレン「面接力」【進撃ss】

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 12:53:33 ID:TsRoMgQI

エレン達が訓練兵を受ける時のパロです。


エレン(今日は訓練兵試験の集団面接の日だ。)

エレン(一次の筆記試験はアルミンに教わったおかげで合格できたが、ギリギリだった。)

エレン(二次の集団面接の結果は筆記試験と合計した点数で評価されるから、この面接で高得点をださなければな…)

エレン(面接練習はほとんどできなかったが、俺には巨人を全て駆逐するという確固たる目的意識がある!他のただ楽したいだけのやつらより、かなり評価は高いはずだし大丈夫だろう。)

面接官「では次のグループの方々どうぞ。」


2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 13:05:53 ID:TsRoMgQI

ガチャ
エレン、○○、○○「失礼します!」

スタスタ(それぞれイスの横に立つ)

面接官「どうぞ、お座りください。」

エレン、○○、○○「はい、失礼します。」


4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 13:35:03 ID:TsRoMgQI

面接官「それでは右の方から簡単に自己紹介をしてくだい。」

○○「はい!トロスト区出身、ジャン*キルシュタインです。本日はよろしくお願いします。」

面接官「よろしくお願いします。キルシュタインさんは筆記試験のできはどうでしたか?」

ジャン「難しかったですが、自分の全てを出しきれました。間違えた箇所は復習して、二度と間違えないようにします。」

面接官「いい心がけですね。それでは、次の方、お願いします。


6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 14:01:32 ID:TsRoMgQI

○○「はい!!!ウォールマリア南東の○○村出身、ライナー・ブラウンです!!!本日はご面接いただきありがとうございます!!!よろしくお願いします!!!!!」

面接官「よろしくお願いします。大変元気ですね(笑)ブラウンさんは体格がいいですね。何かされていたのですか?実は鎧の巨人だったり(笑)」

ライナー「い…いえ!その…私は他の訓練兵と比べて二年のブランクがあるので、他の同世代の誰にも負けないようにと、開拓地で体を鍛えてきました。」ドキドキ


9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 17:50:55 ID:TsRoMgQI

面接官「なるほど。わかりました。」(圧迫したつもりはないのに、何で緊張してるんだろう?)

面接官「では、次の方、お願いします。」


エレン(いよいよ俺の番だな。大丈夫だ、面接なんて巨人に比べたら屁でもねえ。)

エレン「はい!シガンシナ区出身、エレン・イェーガーです!本日はよろしくお願いします!」(最初のやつのパクったけど、自己紹介はこんなもんだろう。)


11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 17:56:39 ID:TsRoMgQI

面接官「よろしくお願いします。イェーガーさんは筆記試験もギリギリで、体格も他のお二人と比べても小さめですが、何か特技などはありますか?」

エレン「特技ですか…」(いきなりやべぇ…巨人駆逐のことしか考えてなかったから、秀でた特技なんてねえよ…)

エレン「えっと…努力……をすること…です。」

面接官「ほう、どのような努力ですか?」


12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 18:05:18 ID:TsRoMgQI

エレン「えぇっ…と……」(そんなの兵士になるのと関係ねえじゃねえか)

エレン「その…アルミンに教えてもらって…教養試験を…」

面接官「アルミン?」

エレン「あ!その…友人に教えてもらって、この試験のために努力を…」

面接官「何か自分1人でやりとげた努力はないですか?」


13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 18:11:12 ID:TsRoMgQI

エレン「えぇっ…あの…その……」(何で俺の時はこんなしつこいんだよ!)アセアセ

面接官「……」

エレン「あー…と、何か……」

面接官「…そんな緊張しなくてもいいですよ。それでは、次の質問してもいいですか?」

エレン「…申し訳ありません。お願いします。」

ジャン(こんぐらいの質問も答えられないやつがいるなんてな。こりゃ楽勝だな。)フッ


14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 18:23:08 ID:TsRoMgQI

面接官「それでは、次の質問をします。訓練兵を志望した動機と現時点での将来の希望配属兵科を教えてください。」

エレン(よし!これなら他のやつらと俺が違うことをアピールできるはず!さっきのを取り返してやる!)

面接官「では、キルシュタインさんからお願いします。」


15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 18:36:57 ID:TsRoMgQI

ジャン「はい。私は内地で働く父の姿を見て、とてもかっこいいと思い、自分もそんな父の近くで働きたいと思いました。そのために、自分の特性である認識力と立体機動術を生かして働ける、内地勤務の兵士である憲兵団を志望しています。」

ジャン(嘘は苦手だが、内地で暮らすためなら何てことないぜ。親父もたまにしか内地に仕事なんていかねえけどな。)

面接官「ほう、あなたの特性である認識力と立体機動術を生かすなら調査兵団の方があってると思うのですが、どうお考えですか?」


18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 19:01:31 ID:TsRoMgQI

ジャン「はい。確かに調査兵団でも私の特性を生かせると思います。しかし、今後も内地で立体機動術が必要ないとは思いません。なぜならば、また超大型巨人が現れて、ウォールシーナを破壊しない保証はありません。その時に立体機動術をあまり使わない兵士だけでは民を守ることができません。そのためにも、私が内地での立体機動術の衰退を防ぎたいと考えています。」

ジャン(我ながら俺も嘘がうまいな。正直者だと損するならいくらでも嘘ついてやるよ。)

面接官「なるほど、わかりました。では次、ブラウンさん、お願いします。」


19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 19:22:30 ID:TsRoMgQI

ライナー「はい!私は二年前のベr超大型巨人!が壁を破壊したため故郷を失いました。この経験から、私のような悲しみをする人々をもう出さないようにしたいと考えました。そのために、自分の屈強な体格を生かして、民を守れる調査兵団を志望しています。」

エレン「おお!!お前も調査兵団か!俺以外にも変わり者がいて嬉しいぜ!」

面接官「…イェーガーさん、今はブラウンさんの発言を静かに聞いていてください。」

エレン「あっ…申し訳ありません。」(やべえ。つい自分と同じ目標がある人を初めてみたせいで声だしてしまった…。)


20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 19:34:07 ID:TsRoMgQI

面接官(イェーガーは感情的に発言してしまう所ありっと)カキカキ

エレン(何書いてんだろ…気になるな…)

面接官「ではブラウンさん、調査兵団志望ということですが、調査兵団も体力だけではなく、壁外調査ごとの作戦の理解や仲間との連携といった、頭を使うこともありますし、協調性も大事です。その点は大丈夫なのでしょうか?」


21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 19:52:15 ID:TsRoMgQI

ライナー「はい。その点も問題はありません。本当の所、私は頭の回転がいい方ではありませんが、自分が空白の二年間で体を鍛えあげたように、座学や技巧術も克服し、故郷の友人以外にも多くの人とコミュニケーションをとり、その点を達成することが兵士としての責任であると考えています。」

面接官「なるほど、わかりました。それでは次、イェーガーさんお願いします。緊張しなくていいですよ。」


22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 20:05:34 ID:TsRoMgQI

エレン(さあ俺のターンがきたぜ。他のやつらは長々しすぎだろ。俺は短く、そしてわかりやすく言おう。カッコ良く言いたいから、一人称も「俺」でここはいこう。俺の目的は面接官もかなり高評価で、即採用とかなったりしてな。)エヘヘ

エレン「はい!俺は巨人を全て駆逐する!そのために調査兵団以外興味ないです!!」

面接官「…」

ライナー「…」

ジャン(プックク、笑いてえwww)

エレン(俺の目的意識の高さに言葉もでないみたいだな。これは即採用だな。)


23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 20:22:27 ID:TsRoMgQI

面接官「えっと…以上ですか?」

エレン「えっ…はい。」(それ以上に何があるんだ?巨人を駆逐なんて兵士として最高の志望動機だろ。)

面接官「ええーっと、なぜ巨人を全て駆逐したいのですか?」

エレン「…はっ?」

面接官(イェーガーは想定外のことが起こると敬語すら使えなくなるっと)カキカキ

面接官「ですから、なぜ巨人を駆逐したいのですか?」イライラ


27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 20:44:40 ID:TsRoMgQI

エレン(何でイライラしてるんだよ…兵士なら巨人を殺したいと考えるのが普通だろ。)

エレン「えっと…アルミンから壁外の世界のことを聞いて、自分の目でその世界を見たいからです。あとは、二年前に巨人に母さんを殺されたからです。」

面接官(だからアルミンって誰だよ。母さんじゃなくて、母だろ。)カキカキ

エレン「…さっきから何を書いてるんですか?母さんから人の話は目を見て聞きなさいって教わりませんでしたか?」

面接官「…」


28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 22:09:55 ID:TsRoMgQI

その頃他の部屋では

~~~~~~~~~~~~~~~

ミカサ「シガンシナ区出身、ミカサ・アッカーマンです。長所はやると決めたらまっすぐ。短所は嫌いなひとをすぐ切ろうとするなど、以外とおっちょこちょいな所。趣味はエレン。特技は肉を削ぐこと。特にエレンに近づく巨人はもちろん、害虫、女狐など。必要に迫られればいつでも披露します。エレンに近づきそうな女狐がちょうど二匹いるので披露しましょう。」スチャ

アニ「…」(何こいつ)

ミーナ「ひぃっ!」ビクビク

ミカサ(少しでもライバルを減らせばエレンも合格しやすいだろう)

面接官「えっ!あの、君!」

アルミン「ミカサ!あの…、私は彼女と同じ出身なのですが、彼女は私が二年前にいじめっ子からいじめられていた時に助けてくれましてウンヌン…」

アルミン(エレンは嘘が下手だから大丈夫かな…。ミカサもこんな感じだし…)オロオロ


29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 22:25:30 ID:TsRoMgQI

~~~~~~~~~~~~~~~

サシャ「ウォールローゼ南区ダウパー村出身、サシャ・ブラウスです!本日はよろしくお願いします!」ニコニコ

面接官(明るくて元気な子だ。第一印象は◎っと。まずは簡単な質問からしてみるか。)カキカキ

面接官「よろしくお願いします。ブラウスさん、好きな食べ物は何ですか?」

サシャ「食べ物ですか!えっとですね…肉とパンと蒸かし芋とスープとお魚も好きですし、あと甘い物だとケーキもチョコもフルーツも好きです!あっ、でもまだあれもこれも…」

面接官(…ただし、食料危機になる恐れ有りっと)カキカキ

面接官「わかりました。もう結構ですよ。では、次の方お願いします。」


30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 22:36:40 ID:TsRoMgQI

コニー「はい!ウォールローゼ南区ラガコ村出身、コニー・スプリンガーです!よろしくお願いします!」

面接官(体は小さいが、坊主頭が清潔感もあり、真面目そうだな。ちょっと時事的なことを聞いてみたらおもしろいかも。)カキカキ

面接官「よろしくお願いします。では今日の新聞に憲兵団の脱税問題についての記事がありましたが、このことに関してどう思いますか?」

コニー「………」

(サシャの方を向いて)
コニー「なあ…だつぜーってなんだ?」

面接官(ただし、馬鹿っと)カキカキ

面接官「あ~…、もう結構ですよ。では次の方いきましょうか。お願いします。」


31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 22:47:12 ID:TsRoMgQI

ベルトルト(こんな馬鹿なやつらならすぐに消せるな。僕は戦士だ。こんなくだらない面接すぐにパスできる。)

ベルトルト「はい!ウォールマリア南東の○○村出身、ベルトルト・フーバーです!本日はよろしくお願いします!」

面接官「えっ?すいません、もう一度、お名前をお願いします。」

ベルトルト「ベルトルト・フーバーです。」

面接官「ベラベっ……ベルベルっ…べべベル…」

面接官「…」(名前が覚えられないっと)カキカキ

面接官「受験番号○○番さん、よろしくお願いします。」

ベルトルト「…」


34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 23:18:04 ID:TsRoMgQI

~~~~~~~~~~~~~~~

面接官(キース)「では、まず自己紹介からしてもらう。右の者から始めろ。」ギロッ

クリスタ「はっ!ひゃい!」

クリスタ(うわぁ、圧迫タイプの面接官に当たっちゃった。ついてないなあ…)グス

クリスタ(でも負けちゃだめ!あれは私たちが兵士としてやれるか見てくれているから、面接官もやりたくてやってるわけじゃないはず。)

クリスタ(採用された後、実は気さくな上司だったってことがほとんどだと聞いたし、笑顔を忘れずにがんばる!)グッ

クリスタ「○○出身、ヒsクリスタタ・レンズです。えーと…好きな食べ物だけ言っておきますね!アイスクリームといちごが好きです!本日はよろしくお願いします!」ニコ


35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/15(月) 23:50:40 ID:TsRoMgQI

面接官(キース)「…もういい。次。」ギロッ

クリスタ(うぅ…噛んじゃった…反応もない。今期はもうだめかな…)ハア

面接官(キース)(レンズ、あざといが天使っと。今期訓練兵指導責任者の権限で採用っと。あと女神っと。)カキカキ

ユミル(天使…)

マルコ(うっはぁぁぁ~~!セクロスしてええええぇぇぇぇ」

面接官(キース)「貴様、何か言ったか?」ギロッ

マルコ「いっ…いえ!何も言っていません!申し訳ございませんでした!」


36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/16(火) 00:02:11 ID:M8WXiumY

何となくみんな書きたかったので書きました。
ではエレンたちに戻ります。

~~~~~~~~~~~~~~~

面接官(まあ、まだ12歳のガキだ。これから躾ればいいこともある。人員不足の調査兵団志望も珍しいし、もうちょっとイェーガーのことを見てみるか。)

面接官「すいません。皆さんの大切な評価を書きとめておかなければいけないので、このような形になってしまいます。ご理解ください。」

ライナー(こいつ正気か。これだから最近のゆとりは…)

ジャン(ゆとりと言われる俺でも、こんな馬鹿みたことねえよ)


49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/17(水) 22:40:07 ID:aN3eF6ak

エレン「はい…わかりました。」

面接官「では、もう少しイェーガーさんのことをお聞きします。外の世界を見たいということですが、見てどうしたいのですか?」

エレン「私はこんな壁の中で食って寝てるだけの家畜みたいな生活で人生を終えるのが嫌なんです!」


50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/17(水) 22:46:51 ID:aN3eF6ak

面接官「壁の中で食って寝てるだけの家畜?では、あなたが食べている食事は誰が作ったか知ってますか?」

エレン「え…そりゃあもちろん生s」

面接官「あなたの着ている服は誰が作ったんですか?あなたが住んでる家は誰が作ったんですか?あなたを産んだのは誰ですか?」

エレン「…」


51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/17(水) 22:57:26 ID:aN3eF6ak

面接官「あなたの考えでは食って寝ているだけに見えている家畜ですよね?あなたはそんな家畜の助けもなければ生きることができない家畜以下ということですね。」

エレン「…」

面接官「質問を変えましょう。もし、あなたが調査兵団以外に興味ないのはなぜですか?」

エレン「…それは…駐屯兵団なんて酒飲んでさぼってるだけだし…憲兵団なんて偉そうなだけで何の役にもかたってなi」


54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/17(水) 23:08:54 ID:aN3eF6ak

面接官「駐屯兵団にも、固定砲の強化のために毎日研究開発を頑張ってくれている人もいますよ?憲兵団にも、民が安心安全な暮らしができるように治安維持のために日々努力している人もいますよ?」

エレン「…」

面接官「それにあなたは根本的な勘違いをしています。調査兵団は巨人を殺す兵団ではありません。」


55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/17(水) 23:11:03 ID:22n.uzAg

ナ、ナンダッテー


57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/17(水) 23:22:19 ID:aN3eF6ak

面接官「壁外調査であり、巨人を殺しに行っているわけではありません。もちろん結果的に巨人と交戦することは避けられませんが、壁外調査はいかに巨人と戦わないかに懸かってます。」

面接官「団長ともなるといかに被害を最小限に抑え、壁の中の人類のために、壁外についての情報や結果を得るか問われます。」

面接官「もしあなたのような家畜以下の人間が調査兵団に入団し、運良く団長に昇進しても、無駄に兵士を死なせるようにしか思えません。リヴァイ兵長のようなずば抜けた才能がない限り。」


56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/17(水) 23:18:25 ID:WrYZEnUs

これは正論


61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/18(木) 20:01:34 ID:Sd3RFS7Y

エレン「…申し訳ありません。」

面接官「他にも言いたいことはありますが、時間もないので、このくらいにしておきます。最後にお聞きします。あなたの母が巨人に殺されたのはなぜだと思いますか?」

エレン「(確か、ハンネスさんが…)…俺が弱かったからです。…俺に力がなかったから…だと思います…。」

面接官「…わかりました。面接が終わったら、あなたが信頼しているであろうアルミンという友人に、今日の面接のことを聞いてもらうといい。。あなたにとって有益なことがあるかもしれませんよ。」


62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/18(木) 20:07:17 ID:Sd3RFS7Y

エレン「…わかりました。…ありがとうございました。」

ジャン(あいつは落ちるなww俺も正直者だが、世の中には、嘘ついてでも生き残らないといけねえ時もあんのによwww)

ライナー(…エレン・イェーガーか……ただのゆとりのガキのまま終わるか、もしくは……)

面接官「それでは、本日の面接は終わります。来週までには合格者のみに通知をします。」


63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/18(木) 20:30:09 ID:Sd3RFS7Y

~~~~~~~~~~~~~~
帰り道

アルミン「…エレン?元気ないね。そんなに面接悪かったの?」

エレン「…アルミン、面接の復習をしたいから、付き合ってくれないか?ミカサも。」

ミカサ「もちろん」

アルミン「うん、いいよ。じゃあ適当にどこかに座ろうか。」

ストッ

アルミン「それで、どんなことを聞かれたの?」


64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 20:59:19 ID:X9I9breI

エレン「えっと…まず自己紹介をしてから、特技は何かを聞かれたな。」

ミカサ「基本中の基本。私はそこで面接官に良いアピールができたと思う。」

アルミン(僕がいなかったら、即犯罪者だったけどね)

アルミン「確かに、まずほ受験者の緊張をほぐす意味でも基本的な質問だね。」


65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 21:08:28 ID:X9I9breI

エレン「えっ?!そうなのか?!!特技なんて、巨人を殺すのと何も関係ないだろ??」

アルミン「……じゃあ、エレンはなんて答えたの?…」

エレン「俺も予想外でさぁ、あわてちゃって、結局答えられなかったんだよな。」

アルミン「…はぁ、筆記試験のことしか聞いてこなかったから心配してたけど案の定だよ。たぶん、最初からエレンが面接対策をしてないことを見抜かれていただろうね。」


66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 21:12:47 ID:X9I9breI

エレン「ええっ?!面接に対策なんて必要なのか?!聞かれたことに答えるだけだろ?」

アルミン「エレンは答えられてないじゃないか…。」

エレン ギクッ

アルミン「エレンは本気で兵士になりたいの?!調査兵団に入りたいの?!兵士は想定内のことしか対処できないと思ってるのか?!」

ミカサ「アルミン、エレンをあまり責めないで。」


67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 21:20:15 ID:X9I9breI

アルミン「ミカサもだよ!僕がいたから良かったけど、君一人だったら今頃牢屋行きだったろ!!」

ミカエレ「…」

アルミン「まあ…とにかく、これはしょうがない。あとは、どんなこと聞かれたの?」

エレン「…えっと……兵士になりたい理由と希望配属兵科だった…」

アルミン「……もしかして、巨人を駆逐したいから、調査兵団以外興味ないなんて言ってないよね?…」

エレン「」

アルミン「いいかい?あくまで、調査兵団は巨人を殺すための組織じゃない。壁外のことや巨人の正体を調査するのが目的なんだよ。」


69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 22:18:43 ID:X9I9breI

エレン「…でも、調査兵団の人たちは壁外調査の時以下は巨人殺しのために日々特訓をしてるって…」

アルミン「確かに、結果的には巨人を殺すためなのかもしれない。けど、僕が思うにもっと違う理由がある。」

エレン「…何だ?」

アルミン「生きるためだよ。生きてなければ、せっかく知りえた情報も何も僕らには伝わってこない。そして、生きて、仲間を守るため、壁内の民を守るため、というのが大きいんじゃないかな。」


70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 22:31:34 ID:X9I9breI

エレン「そういえば…何で巨人を殺したいか聞かれたな…」

アルミン「そうだろう?何て答えたの?」

エレン「壁外の世界を見たいから、母さんを巨人に殺されたからって…」

アルミン「ほら、エレンは結局、自分の欲を満たしたいだけだ。他の人の志望動機を聞いてた?民のためとか人のためとかって前提じゃなかったかい?」


71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 22:39:29 ID:X9I9breI

エレン「確かに他の2人はそうだった…自分の欲を満たすことだけを考えていた俺はただのガキだ…」

アルミン「調査兵団以外興味ない理由も聞かれなかったかい?」

エレン「…駐屯兵団はただ酒飲んでサボってるだけで…憲兵団は偉そうなだけの役立たずだからって…けど、これは事実でアルミンもよく知ってるだろ?」

アルミン「エレン、今後のために教えとくよ。他人の悪口を言う人間は信用されないよ。事実はそうかもしれないけど、当人がいない所で悪口ばかり言ってるような人といっしょに働きたいと思うかい?」


72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 22:46:24 ID:X9I9breI

エレン「…思わない…」

アルミン「兵士になるってことは、仕事をするってことだよ。今までのを考えると、エレンは兵士になっても、事前準備もできず、自分のすることもわかっていなくて、自己中心的で、そのくせに人の悪口だけは一丁前に言うんだろうな、と面接官には思われてるかもよ。」

エレン ズーン

ミカサ「…アルミン、言いすぎ」

アルミン「ミカサ、今エレンが自分を見つめ直すこのチャンスにはっきりいうべきだと思う。エレンのためにね。」


73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 22:54:08 ID:X9I9breI

アルミン「とにかく、すんだことはもうしょうがない。結果を待とう。落ちても、また次期の訓練兵試験に挑戦すればいんだしね。」

エレン「…ああ、アルミンありがとう。ミカサも。はっきり言ってくれて助かったよ。俺はもうガキじゃない。兵士だ。それじゃあ早速、次の面接のために特訓だ!」

アルミン「うん!」

ミカサ「エレンが元気なら、私はそれでいい。」


74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 22:56:00 ID:73Wk4iwo

アルミンの言ってることが正論すぎてつらい


75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 23:03:58 ID:X9I9breI

~~~~~~~~~~~~~~~
後日

エレン「おーい!アルミン、ミカサー!」タッタッタッタッ

アルミン「どうしたのエレン?そんな息をきらして。」

エレン「受かったんだよ!この前の面接!ほら!」つ通知

アルミン「本当に?!よかったじゃないかエレン!」

ミカサ「本当によかった。さすがエレン。受かってなかったら私も辞退していたけど。」

エレン「ああ!本当に奇跡だ!」

アルミン「これで三人とも最終面接に進めたね!今度はちゃんと練習しようね!」

エレン「ああ!よろしく頼むぜ!アルミン、ミカサ!」


76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/07/19(金) 23:15:50 ID:X9I9breI

面接官(まあ兵士としてやれるかはわからないが、12歳という若さとおそらく嘘を言っていないであろう考え方に話し方)

面接官(なにより最低限、自分が弱いこと、自分が無力だとわかっていること)

面接官(強くなるためには、まずは自分の弱さをしらなければけない。彼が今後どうなるかはわからんが、ああいう人間には生き残ってほしいものだ)

~~~~~~~~~~~~~~

こうしてエレンたちは最終面接も無事に突破し、訓練兵になることができた。

この面接官は後の座学のメガネ教官だった。








エレン「面接力」
元スレ

テーマ : 進撃の巨人
ジャンル : アニメ・コミック

ライナー「集団感染?」【進撃ss】

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:32:25 ID:4VT6aVTo

*病名不明。症状はインフルっぽいものとお考えください。
 超あり得ない集団感染。勢いで書いた。後悔はない。

キース「うむ。一昨日あたりから訓練兵団にも猛威を振るっているが…
    十数年ぶりの大流行だそうだ」

ライナー「は、はぁ…」

キース「我々大人は耐性があるからか、たいした症状は出ていないが」

眼鏡教官「104期生のほとんどは、かかるのがはじめてみたいだね」

キース「幸い、君達5人は症状が出ていない。以前にかかったことがあるのか?」

ライナー「さぁ…どう、なんでしょうか」

眼鏡教官「小さい頃にかかったことがあるのかもしれないね。
     それはともかく、無事なのは君達だけだ。色々手伝ってもらうよ」

「ハッ」
2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:33:14 ID:4VT6aVTo

ライナー「で」

エレン「なんで」

ユミル「私らだけなんだ?」

アニ「さあ…」

ベルトルト「なんだろうね…」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:34:15 ID:4VT6aVTo

ユミル「ひとつ言えるのは、このメンツは他より年上ってことか?」

ライナー「だったらマルコもそうだし、エレンに症状出てないのはおかしいだろ」

エレン「俺の親父、医者だしなあ…」

アニ「へぇ」

エレン「親父の診療についてって、風邪うつされるとかたまにあったけど。
    まぁ、親父もあの日以来行方不明だけどな…」

ベルトルト「………」
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:35:37 ID:4VT6aVTo

ライナー「考えても仕方ねえ。とりあえず、なんだ?
     寮の全員の面倒を見ろ、だったか…」

ユミル「教官も何人かいるとはいえ、200人の看病はきついな」

ライナー「女子寮はお前ら2人に任せるぞ」

ユミル「まぁ女子のが数少ないしな。2人で手分けすりゃなんとかなるか」

アニ「水飲ませて、汗かいてたら着替えさせて、シーツ換えて…」

ユミル「めんどくせえ」

ライナー「うだうだ言ってないではじめるぞ」

ユミル「へいへい」

アニ「集合は11時に食堂でいいんだよね」

ライナー「ああ」
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:36:34 ID:4VT6aVTo

エレン「とにかく1部屋ずつ潰していくか」

ライナー「症状を記録した方がいいな。重体の奴は何度か様子を見に行こう」

エレン「お、そうだな。流石だな、ライナー」

ライナー「よし、各部屋の様子及び症状を記録しながら巡回、11時までに終わらせるぞ
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:37:35 ID:4VT6aVTo

エレン「大丈夫か?」

アルミン「エレン…うん、なんとか…」

エレン「だいぶ熱上がってるな。体はどうだ?痛いとか、寒気とか」

アルミン「痛みは、ましになったかな…普通の風邪と一緒で
     あがる時に痛くなるタイプみたい、だけど…寒気も、今は平気…」

エレン「…そっか。水、ここ置いとくからな。ちゃんと飲めよ」

アルミン「うん…ごめん、ありがと…」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:38:34 ID:4VT6aVTo

マルコ「…なんか、すごいことになってるみたいだね」

ベルトルト「僕ら以外全滅っぽいね。一体どうしたんだろう」

マルコ「集団感染…よりによって訓練兵の時に、来るとはね…ゴホッ」

ベルトルト「無理に喋っちゃだめだよ。喉、痛いんでしょ?」

マルコ「うん…ごめん、迷惑かけて…」

ベルトルト「問題ないよ。2,3日寝てれば治るみたいだし、安静にね」

マルコ「このお礼は、いつか必ずね…」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:39:34 ID:4VT6aVTo

ジャン「…くっそあちい、死ぬ…こんなことなら…」

エレン「何ブツブツ言ってんだ。寝てろよ」

ジャン「…いいからタオルとっととよこせよ」

エレン「あ?」

ジャン「汗かいてきもちわりいんだよ…」

エレン「ちっ。…着替え終わったらそこ置いとけよ。
    みんなの分も回収して洗っとくから」

ジャン「……すまねぇな」

エレン「なんか言ったか?」

ジャン「なんでもねえよ…馬鹿はいいよな、風邪ひかねえからよ」

エレン「コニーがあれなんだ、馬鹿は関係ねえ」

ジャン「…はぁ、俺は横になる。貸しは作らないからな」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:40:42 ID:4VT6aVTo

ライナー「……」

ベルトルト「どう?」

ライナー「よく寝てるが…熱がひどいな」

ベルトルト「みんなの症状見てると、体が小さい方が症状も重いみたいだね」

ライナー「と、なると向こうも心配だな」

ベルトルト「あっちはアニとユミルに任せてるんだから」

ライナー「ああ…クリスタはユミルがいれば大丈夫、だな…」

ベルトルト「…他の人のことも心配してあげてよ」
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:41:31 ID:4VT6aVTo

ライナー「こっちの重傷者は、コニー、ダズで」

アニ「女子はクリスタだけだね」

エレン「あれ、ユミルは?」

アニ「クリスタにつきっきりの看病」

ベルトルト「…困ったね」

ライナー「ああ…200人の、昼食を4人で、か…」

エレン「やるしかねぇ、だろ…」

アニ「あんたら、料理できるの」

ライナー「か、皮むきくらいなら?」

アニ「へぇ…やってみなよ」
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:42:52 ID:4VT6aVTo

ライナー「……」チンマリ

エレン「……」ボロッ

アニ「ライナーは厚く剥きすぎて野菜が小さい。
   エレンはそもそも剥けてない」

ベルトルト「……」アセアセ

アニ「…一応合格。あんたら二人は米でも洗ってて」

ライナー「米?」

アニ「全員分のパンを今から焼けるとでも?この騒動でパン屋も店閉めてるってのに。
   こんな時のために倉庫に備蓄してあったそうだよ」

ライナー「雑炊か」

アニ「そう。部屋ごとに持ってくから、鍋と食器も準備して」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:43:40 ID:4VT6aVTo

ライナー「………」

エレン「………」

ベルトルト「………」

アニ「………」

ユミル「………」

ライナー「…つかれt」

アニ「言わないで。余計疲れる」

ライナー「お前言ってるじゃねえか…」

ユミル「クリスタの様子見てくる…」

アニ「私はここで休んでるから」

エレン「俺、コニー見てくるわ…」

ライナー「ああ…頼んだ。戻ってきたら巡回替わる」

エレン「おう…」
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:44:23 ID:4VT6aVTo

ライナー「…で、だ」

アニ「なんで、私達だけ」

ベルトルト「3人だけならともかく…」

ライナー「あの2人もそうだとか?」

アニ「まさか…」

ベルトルト「エレンは医者の息子だから…?」

ライナー「ユミルは…わからん、色々不明な点が多いしな」

アニ「にしても…」

ベルトルト「疲れるね…」

ライナー「午後はずっと洗濯だったな…」

ベルトルト「1年分した気がするよ…」
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:45:40 ID:4VT6aVTo

ライナー「明日も、か…?」

アニ「言わないで…」

ベルトルト「明日は、まだマシなんじゃ…」

ライナー「だと、いいが…」

アニ「…眠い」

ライナー「部屋戻って休めよ」

アニ「病人部屋で休めと」

ベルトルト「ここで休むの?」

アニ「毛布なら持ってきてある。起きたら朝食作るから」

ライナー「俺らもここで休むか」

ベルトルト「そう、だね…」

ライナー「夜明けまで後4時間くらいか?」

ベルトルト「寝ないよりは…」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:46:27 ID:4VT6aVTo

ライナー「久しぶりだな、3人で寝るの」

ベルトルト「机に突っ伏してだけどね」

アニ「あんたに蹴られなくてすむ」

ベルトルト「…そんなにひどい?」

ライナー「うむ。今でも隣の俺が証言してやれる」

ベルトルト「全く意識してないんだけどなぁ…」

ライナー「いつだったか、アニを抱き枕にしてたよな」

アニ「蹴り殺してやったけど」

ベルトルト「やめて、思い出させないで」
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:47:11 ID:4VT6aVTo

ライナー「抱きつくといえば、嵐の夜は反対だったな」

アニ「………」

ベルトルト「3人で川の字になって、アニが真ん中でね」

ライナー「雷が鳴る度に布団に潜ってなぁ」

アニ「…殺されたいの?」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:48:04 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「最近、ライナーはいびきがうるさくてね」

ライナー「そうか?」

アニ「見た目だけじゃなくなったか」

ライナー「…どういう意味だ」

アニ「そのまんまの意味」

ベルトルト「安眠妨害だってみんな言ってるよ」

ライナー「…その、すまん」
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:49:15 ID:4VT6aVTo

ライナー「風邪といえば」

ベルトルト「うん」

ライナー「アニとベルトルト、2人して熱出したことあったよな」

アニ「そんなことあった?」

ライナー「俺とベリックで看病した」

ベルトルト「覚えてないな…」

ライナー「…そいや、その時の症状に似てるかもな」

ベルトルト「今回の?」

ライナー「うむ」
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:50:01 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「じゃぁ…この力とは関係ない?」

ライナー「どうだろな…自己回復力ってのが
     免疫力にも影響あるのかもしれんが」

アニ「どっちでもいいよ…」

ベルトルト「…エレン、戻ってこないね」

ライナー「大方、コニー看病しながらその場で寝てんじゃないか」

ベルトルト「あり得る」

ライナー「看病といえば、アニは昔よく風邪ひいてたな」

アニ「またその話かい…」

ライナー「そのたびにアニは死なないよね、ってうろたえてたなお前」

ベルトルト「もうやめてよ…」

ライナー「そして翌日はベルトルトが寝込んで、アニがうろたえて」

アニ「…覚えてないね」
20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:50:55 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「でもライナーの作った雑炊はまずかった」

アニ「味がしなかった」

ライナー「お前ら…人が一所懸命に作ったってのに…」

ベルトルト「あれ、何入れてたの…」

アニ「米は硬い、野菜は半生、出汁が全くきいてない」

ライナー「もうつくらねぇよ…」
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:51:54 ID:4VT6aVTo

ライナー「…懐かしいな」

アニ「………」

ベルトルト「………」

ライナー「帰ろう、故郷に」

アニ「ああ」

ベルトルト「うん…」

ライナー「だが、まずは」

ベルトルト「寝よ、か…」

アニ「おやすみ…」
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:52:59 ID:4VT6aVTo

ライナー「………」

ベルトルト「………」

アニ「………」

ライナー「…つかr」

ベルトルト「言わないで」

アニ「言うと殺す」

ベルトルト「結局エレンも疲れて寝込んじゃったし…」

アニ「ユミルはうつされたのか、疲れただけなのか…」

ライナー「明日からマルコらが復帰できそうだが…」

アニ「今日は私らのみ…」

ライナー「クソッたれ、やってやる、やってやるぞ」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:54:06 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「もうね、今日決行してもいいんじゃないかな」

ライナー「は?」

ベルトルト「考えてみてよ、みんな寝込んでるんだよ」

アニ「あー、賛成。看病めんどくさい」

ライナー「おいおい」

ベルトルト「天気もいいし」

アニ「絶好の巨人日和」

ベルトルト「洗濯物なんて」

アニ「見たくもない」

ライナー「おおおおおい!」
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:54:48 ID:4VT6aVTo

アニ「うるさい」

ライナー「冷静になれ、考えろ!」

ベルトルト「寝不足なんだ、静かにしてよ」

ライナー「寝込んでいるのは訓練兵だけだ!教官や調査兵団がいるだろ!」

アニ「あー」

ベルトルト「そうだった」

ライナー「そもそも、憲兵団になって内部情報を掴むんだろ!」

ベルトルト「そうだったっけ?」

アニ「忘れたね」

ライナー「頼む、考えることを放棄しないでくれ」
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:58:20 ID:4VT6aVTo

アニ「あんたはいいよね」

ベルトルト「200人分の芋の皮をむいてほしいもんだ」

ライナー「うっ…」

アニ「さすがに腱鞘炎になりそう」

ベルトルト「これから昼食作って、洗濯して、夕食作って片付けて…」

ライナー「俺だってなぁ!水汲んで運んでるんだぞ!」

アニ「教官も水汲みやってくれてるよね」

ベルトルト「まさか教官も料理作れないなんてね」

アニ「ね」
26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 22:59:14 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「皮むきもうまくなったよ」

アニ「あんたならいつでも嫁にいけるよ」

ベルトルト「僕が嫁に行くの…?」

アニ「ライナーならもらってくれる」

ベルトルト「やめて、なんか生々しい」

ライナー「お前ら…」
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:00:20 ID:4VT6aVTo

ライナー「今日を乗り越えればいいんだ、明日からはマルコらが…」

アニ「ミカサは夕方には復帰するんじゃないかな」

ベルトルト「さすがだね」

アニ「熱よりエレンに会えないことのが辛いってさ」

ベルトルト「ぶれないなぁ」

アニ「そんなことよりこれ見てよ、どう思う?」

ベルトルト「すごく…大きいです」

アニ「だろ…こいつを剥いて、みんなに食わせるんだ…」

ベルトルト「ふふふ…」

ライナー「頼む、戻ってきてくれ…」
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:02:38 ID:4VT6aVTo
ミカサ「………」

マルコ「………」

ジャン「………」

ライナー「………」

ミカサ「…これは?」

ライナー「…寝かしといてやってくれ」

マルコ「だいぶマシになったから、とりあえず来てみたけど…
    ひょっとして、僕らの食事って…」

ライナー「ああ…」

ジャン「まじかよ…」
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:01:21 ID:4VT6aVTo

ミカサ「それはいいけど、この剥かれた野菜の山は」

ライナー「聞くな。2人とも何かにとりつかれたようだった」

マルコ「まぁ…おかげで、夕飯の準備は楽だけど…」

ジャン「とりあえず医務室に運んだ方が…」

ライナー「俺はベルトルトを運ぶ」

マルコ「じゃあアニを。ジャンはミカサとここお願いね」

ジャン「おう、任せろ」
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:03:10 ID:4VT6aVTo

ミカサ「それはいいけど、この剥かれた野菜の山は」

ライナー「聞くな。2人とも何かにとりつかれたようだった」

マルコ「まぁ…おかげで、夕飯の準備は楽だけど…」

ジャン「とりあえず医務室に運んだ方が…」

ライナー「俺はベルトルトを運ぶ」

マルコ「じゃあアニを。ジャンはミカサとここお願いね」

ジャン「おう、任せろ」
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:04:01 ID:4VT6aVTo

ジャン「よし、作るか」

ミカサ「あなたが?」

ジャン「……すまん、何すればいい?」

ミカサ「見てるだけでいい」

ジャン「」

ミカサ「…食器でも準備しておいて」

ジャン「お、おう…」
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:04:38 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「…起きてる?」

アニ「…うん」

ベルトルト「疲れたね」

アニ「…うん」

ベルトルト「手、痛いし」

アニ「…痛いね」

ベルトルト「なんであんなに剥いたんだろ」

アニ「そこに芋があったから」

ベルトルト「サシャもびっくりだ」
33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:05:22 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「ライナー、うるさいね」

アニ「ほんとに」

ベルトルト「安眠妨害」

アニ「よりによって3人で医務室」

ベルトルト「ああしんどい、蒸気出そう」

アニ「もう出てるよ」

ベルトルト「ほんと?」

アニ「たぶん」

ベルトルト「びっくりさせないで」
34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:06:04 ID:4VT6aVTo

アニ「でも…」

ベルトルト「楽しかったね…不謹慎だけど」

アニ「………」

ベルトルト「もうこりごりだけど…」

アニ「まったくだ」

ベルトルト「…いい、土産話にはなる、かな」

アニ「…帰れたら、ね」

ベルトルト「帰るんだよ…」

アニ「うん…」
35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:06:50 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「ほんとうるさいね」

アニ「蹴っていい?」

ベルトルト「怪我しない程度なら」

アニ「…余計めんどくさい」

ベルトルト「疲れたしね」

アニ「うん」

ベルトルト「外もうるさいね」

アニ「……」
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:08:09 ID:4VT6aVTo

アニ「ねえ」

ベルトルト「うん?」

アニ「そっち行っていい?」

ベルトルト「う…ん?」
37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:08:51 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「いや、ちょっと待って」

アニ「何が?」

ベルトルト「だから、潜り込もうとしないで」

アニ「落ちる。そっち寄って」

ベルトルト「いやいやいやいや」

アニ「うるさいね、蹴るよ」

ベルトルト「その、僕、男だから、ね?」
38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:09:36 ID:4VT6aVTo

アニ「だから?」

ベルトルト「…その、」

アニ「意気地なし」

ベルトルト「えっ」

アニ「ヘタレ、腰抜け、臆病者、弱虫」

ベルトルト「いや、その」

アニ「安心しな、襲うつもりはない」

ベルトルト「…は、はぁ」
39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:10:36 ID:4VT6aVTo

アニ「昔は」

ベルトルト「う、うん」

アニ「こうしてよく一緒に寝たよね」

ベルトルト「昔は、ね…」

アニ「あんた、ほんとデカくなったよ」

ベルトルト「まぁ…」

アニ「…私が小さいだけか」
40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:11:25 ID:4VT6aVTo

ベルトルト「…アニは、そのままでいいよ」

アニ「…そう?」

ベルトルト「うん…」

アニ「…そう」

ベルトルト「……」

ベルトルト「…アニ?」

ベルトルト「…寝ちゃった?」

ベルトルト「……」

ベルトルト「これ、なんて生殺し?」
41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:12:17 ID:4VT6aVTo

ジャン「ったく、どんだけ芋剥くの好きなんだよ」

マルコ「まぁまぁ、おかげで朝食の準備も楽だったじゃない」

ジャン「…で、起きてくる気配ねえから運んできてやったわけだが」

マルコ「これはその…」

アニ「おはよう」

マルコ「おはよう…」

ジャン「何いちゃついてやがんだぁぁああ!」
42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:13:16 ID:4VT6aVTo

アニ「起こそうとしたらこうなった」

ジャン「天気、悪かったけどよ…」

マルコ「確かコニーも前にやられてたよね」

ライナー「ったく…お前ら朝から何騒いで…?!」

アニ「おはよう」

ライナー「ア、ニ…?」

アニ「こいつ離して欲しいんだけど」

ライナー「あ、ああ…いや、これは…」

マルコ「前回は…コニーの悲鳴聞こえてから30分かかったかな」
43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:14:05 ID:4VT6aVTo

アニ「それまでこのままでいろと?」

ジャン「起こそうとしたら蹴りが飛んでくるんだよ…」

マルコ「しかしよく寝てるなぁ」

ライナー「…疲れてたんだろう」

アニ「はぁ…どうにかなんないの」

ライナー「無理だな」

ジャン「俺は戻るぞ、付き合いきれん」

マルコ「一応…カーテン、しておくね」

ライナー「ああ…こっちもなんとかしてみる」

マルコ「はは、怪我しないでよ」
44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:14:49 ID:4VT6aVTo

アニ「…ほんと、相変わらず寝相悪いね」

ライナー「まぁ…しばらくそのままにしといてやれや」

アニ「は?なんで」

ライナー「よく寝てるしな、うん。さて俺は飯でも食うか」

アニ「…起きたら蹴っ飛ばす」
45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:15:37 ID:4VT6aVTo

『アニが、アニが…』

『落ち着け、ただの風邪だ』

『どうしよう、熱、高いよ?息も、あらいよ?
 ねえライナー、このままアニはしんじゃうの?』

『…そんなに心配なら傍についててやれよ』

『うん、そする…アニ、しなないよね?』

『お前が守ってやればいい』

『うん、守る、おっきくなって、ぜったい守る』

「…守る、から…」

アニ「……ふん」
47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/13(金) 23:22:16 ID:MLH8ZgOI
乙!
こう言うの好きだ
49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/14(土) 01:34:33 ID:t/WJVXwA

ベルさんアニと一緒に寝れて良かったね!
52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:23:45 ID:4cNlL8tI

考察が全く足りてない&捏造・妄想有のエレン編投下(>>12後)

ガチャ…パタン

エレン(……)

エレン(みんな寝てるな…)

エレン(明かりはここにおいて、と…)

エレン(よっとと…)

コニー「……」ゼエゼエ

エレン(熱、下がってねえな…額のタオルも乾燥しちまってる)

アルミン「…エレン?」
53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:24:50 ID:4cNlL8tI

エレン「悪い、起こしちまったか」

アルミン「ううん…少し前から…」

エレン「どうだ、調子」

アルミン「今朝よりは、だいぶ…。コニーは?」

エレン「…熱が下がってねぇ。飯も半分以上残してるし」

アルミン「そう…薬は、飲んだんだよね」

エレン「熱が高いやつだけな。もちろんコニーにも…って、じっとしとけよ」

アルミン「でも…」

エレン「医者の息子なめんなって」

アルミン「はは…そういや、そうだったね…」
54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:26:04 ID:4cNlL8tI

エレン「額のタオルは交換したし、俺の毛布もかぶせた。
    夜間のストーブの使用許可も貰ってあるから、薪持ってくる。
    とにかく汗かかせねぇとな…」

アルミン「…ごめん、力になれなくて」

エレン「いいって…」

アルミン「守ってもらってばっかり、だね…」

エレン「…そんなことないさ」

アルミン「君に、何か返せるといいんだけど…」

エレン「あー、じゃあ治ったら座学教えてくれよ」

アルミン「…そんなこと」

エレン「追加で、外の世界の話でもしようぜ、久々に。
    ここじゃ周りの目もあるしら、休日にミカサも連れて、3人でさ」

アルミン「…うん!」

エレン「んじゃ、薪取ってくる。横になってろよ?」
55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:27:31 ID:4cNlL8tI

エレン「……」

エレン「もう、これ以上失いたくないんだ」

エレン「……」

エレン「…薪、取りに行かないと。その前に遅くなるって伝えとくか」
56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:28:24 ID:4cNlL8tI

エレン「……」

エレン(3人とも、寝てるのか)

エレン(いや…いつもあいつらには頼ってばかりだ。
    こんな時こそ、俺が頑張らなくてどうする)

エレン(よし、まずは薪運んで、水の交換だな)
57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:29:08 ID:4cNlL8tI

エレン(はぁー…)

エレン(さすがに疲れた…肩が重いや…)

コニー「ぅ…」

エレン「!…コニー、起きたか?」

コニー「エレン、か…」

エレン「…汗、かいてるな。着替えられるか?」
58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:29:55 ID:4cNlL8tI

エレン(ストーブの上に置いてた水も丁度沸騰してる…)

エレン「これも飲んどけ」

コニー「なんだこれ…?」

エレン「生姜湯ってんだ。昔、風邪ひいたら母さんがよく作ってくれた」

コニー「……」

エレン「どうした?」

コニー「いや…家、大丈夫かなって」

エレン「ああ…ラガコ村、だっけ」

コニー「…妹と、弟がいるんだ。あいつらも、寝込んでるんじゃねえかな…」
59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:30:58 ID:4cNlL8tI

エレン「……」

コニー「…父ちゃんは昔、熊に襲われて死んじまった。ほんとは俺が、
    家族を守らなきゃなんねえんだけど…」

「…別に、お前らを恨むわけじゃねえんだけどよ。
 ローゼの住人が増えて、狩りだけで生きてくのが厳しくなったからさ」

「憲兵になれば、給金送ってやれるしよ…」

エレン「…コニーは、家族想いなんだな」

コニー「…聞かなかったことにしろよ」

エレン「だったら早く治して会いにいってやれって」

コニー「うっせえ、俺は寝る!」
60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:32:04 ID:4cNlL8tI

エレン「……」

エレン(みんな、守りたいものがあるんだな…)

エレン(俺は…)

エレン(………)

エレン(巨人を駆逐する。家族や、友達、仲間を守る為に)

エレン(強くなりてえ、誰からも頼られ、守れるように)

『どんな訓練もしっかりやれば、いつかこの人類の役に立つ』

エレン(……よし!他の部屋も見にいくか!)
61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:33:07 ID:4cNlL8tI

ライナー「…死に急ぎ野郎が」

アルミン「ごめん、ライナー…ちゃんと止めとくんだった、ケホッ」

ライナー「あー、いい。おかげでこっちは休めたしな。
     で、アルミン。こいつ隣に寝かせるぞ」

アルミン「うん…」

コニー「…毛布、俺が借りてたんだ」

ライナー「お、もう動けるのか?」

コニー「多少フラつくが問題ねえよ…天才だからな」

ジャン「天才関係ねぇだろ…」

コニー「うっせえよ馬面」

ジャン「誰が馬面だこの馬鹿」
62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:34:18 ID:4cNlL8tI

マルコ「二人ともよしなよ。…ベルトルトは?」

ライナー「あいつなら朝食作ってる。俺も戻ったら手伝うが…」

マルコ「僕も手伝おう…だいぶ熱も下がったし」

ライナー「気持ちはうれしいが、ぶり返されても困るんでな」

マルコ「しかし…」

ライナー「今日一日熱が上がらなかったら、明日から頼むさ」
63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:35:06 ID:4cNlL8tI

…夢を見た。

父さんと母さんが、いて

ミカサが微笑んで、いて

アルミンが本を広げて、いて

サシャとコニーが、遊んで、いて

ジャンとマルコが、話して、いて…
64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:35:49 ID:4cNlL8tI

「エレン?」

エレン「え…」

アルミン「大丈夫?うなされていたけれど」

エレン「あ、ああ…俺、は…」

アルミン「疲れて寝ちゃってたんだよ」

エレン「……」
65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:36:33 ID:4cNlL8tI

アルミン「大丈夫?」

エレン「ああ…あいつ、らは?」

アルミン「医務室で休んでるよ。あそこが今一番静かだから…」

エレン「そっか…結局、俺、寝ちまったのか」

アルミン「…おかげで休めたって、ライナーが」

エレン「……」
66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:37:25 ID:4cNlL8tI

………。

それから…

なんだったっけ、思い出せない。

とても幸せな夢だったのに

どうして、こんなに悲しいんだろう。
67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/15(日) 22:38:37 ID:4cNlL8tI

…期待してた方ごめんなさい。これでエレン編終了です。
ユミル編って難しいな…ちょっとお時間いただきそうです。
71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/16(月) 19:36:23 ID:fKUvfDmc
>>4後

ユミル「……」

アニ「……」

ユミル「よりによってあんたとか」

アニ「そっくりそのまま返すよ」

ユミル「チッ」
72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/16(月) 19:37:25 ID:fKUvfDmc

アニ「どうせクリスタのことが心配なんだろ」

ユミル「ああそうさ。教官とこ行く前から、えらく苦しそうだったよ」

アニ「やるだけのことやってくれたら、つきっきりでいてやればいい」

ユミル「…何が狙いだ」

アニ「別に。あんたと行動を共にするくらいなら、一人のがマシってこと」

ユミル「ああそうかい。お言葉に甘えてそうさせてもらうよ」
75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 19:59:47 ID:LfgUnzp.

…パタン。

ユミル「……」

クリスタ「……ハァ、ハァ」

ユミル(さっきより悪化してるな…)

ユミル(汗かいてるのが救いだが、昨日から意識がはっきりしてねぇ)

ユミル(食べても戻しやがるし。水以外口にしてねえんじゃないか)

ユミル(まずいな、このままじゃくたばっちまう)
76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:00:37 ID:LfgUnzp.

ユミル(こんなとこで死ぬんじゃないだろう、お前は)

ユミル(イイコトして、皆から感謝されて死にたいんだろうが)

ユミル(だから…負けるな、こんなことで)

ユミル(生きろ、頼む生きてくれ)
77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:01:31 ID:LfgUnzp.

ライナー「……」

エレン「……」

ベルトルト「……」

アニ「……」

ライナー「これはまた、すごい量が集まったもんだ」

エレン「自分の分は自分で洗う、がここの掟だからな」

ベルトルト「シーツは1人で洗うの困難だね…」

ライナー「よし、エレン!やるか!」

エレン「おう!」

ベルトルト「じゃぁ僕は服を担当するね」

アニ「…私は、あっちで洗うから」
78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:02:07 ID:LfgUnzp.

ベルトルト「あっち?」

アニ「女子の私物に興味でもあるの?」

ベルトルト「あ…そっか」

アニ「まぁ、男子のが人数多い分、少ないし。
   とはいえ女子のシーツもいくつかあるから、そっち終わったら手伝ってよ」

ベルトルト「うん。じゃぁ、後で」
79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:02:43 ID:LfgUnzp.

--数時間後。

アニ「…何やってるんだい」

ライナー「…洗濯」

エレン「…シーツ洗い」

アニ「天気いいとはいえ、冬にそんだけ濡れてたら風邪ひくと思うけど」

ライナー「…着替えるか」

エレン「…おう」

アニ「まったく…」
80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:04:22 ID:LfgUnzp.

ユミル(…もうこんな時間か)

ユミル(結局昼もあいつらに任せっきりにしちまったな…)

ユミル(米なんて備蓄してあったんだな。おかげで少しは食べられたが…)

ユミル(…チッ。少しはあっちの様子も見に行くか)
81: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:05:08 ID:LfgUnzp.

ユミル(おうおう、楽しそうに洗濯してらぁ)

ユミル(私が入ると余計やりづれえだろうな)

「…何やってるんだい」

ユミル(お、氷の女のおでましか)

「天気いいとはいえ、冬にそんだけ濡れてたら風邪ひくと思うけど」

ユミル(………)

「まったく…」

ユミル(…へぇ、意外。あんたもそんな顔するんだねぇ)
82: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:05:53 ID:LfgUnzp.

「あれ、2人は?」

「水浸しの馬鹿共は着替えに行ったよ」

「あはは、あの2人はいつもそうだよ」

「ったく、あんたもアルミンも、気苦労がたえなさそうだ」

ユミル(おや…?)

「さて、馬鹿は放っておいて、これ干しちまうよ。
 無駄に背が高いんだから役立ってよね」

「無駄とはひどいなぁ」

ユミル(おやおや…?)
83: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:09:35 ID:LfgUnzp.

ユミル(あの無口・無表情のベルトルさんが…)

ユミル(ははーん、そういうことか…)

ユミル(ん、待てよ…いつもより喋ってて、明るいのはあいつもか)

ユミル(なんだ?実はデキてたってのか?)

ユミル(いや、だとしたらさっきの表情はなんだ)

ユミル(………)

ユミル(デキてるかはともかく、ベルトルさんとアニが仲が良いのは確定としよう。
   アニとエレンは…対人格闘の師弟関係、だとして…
   アニとライナーの関係はなんだ?)

ユミル(ライナーはベルトルさんと同郷…だが)

ユミル(………)

ユミル(…ひょっとして関係ないのはエレンだけで)
84: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:10:30 ID:LfgUnzp.

ユミル(もしそうなら、昔流行ったとかで今回感染しないのも頷けるが)

ユミル(だとしたら、何故普段は隠してる?)

ユミル(何の目的が……!!)

「どうかした?」

「…いや、誰かに見られてたような」

ユミル(っぶねぇーーーー!)

ユミル(つか何だよ!こっちは元盗人だぞ、気配消す自信あるんだっての!)

ユミル(見られてるって何だよ、見られちゃまずいのかよ!)
85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:12:12 ID:LfgUnzp.

ユミル(実は3人は内地の秘密を探るスパイでしたー、とかか!)

ユミル(こないだ読んだ小説じゃあるまいし、どうかしてるよ)

ユミル(だいたい、秘密がバレて困るのは私の方だっての)

ユミル(一番困るのは、あいつかもしれねぇけどよ…)

ユミル(………)

ユミル(そうさ、あいつはこんなところでくたばっちゃいけない)
86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:12:46 ID:LfgUnzp.

…パタン。

ユミル「……」スッ

ユミル(熱さがらねえな…どうすりゃいい、どうすりゃ…)

クリスタ「…ユ、ミル?」

ユミル「クリスタ、起きたか、気分は、」

クリスタ「大、丈夫…」

ユミル「大丈夫なもんか、こんなに熱出しやがって…」

クリスタ「…ふふ」

ユミル「何、笑って…」

クリスタ「慌ててるユミル、はじめて、見た」

ユミル「…っ」
87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:13:20 ID:LfgUnzp.

クリスタ「ずっと、傍にいてくれたの?」

ユミル「…ちげえよ、たまたまだ」

クリスタ「ユミルって、嘘つく時、目、逸らすよね」

ユミル「…ぁぁ、もう」

クリスタ「ふふっ」
88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:14:46 ID:LfgUnzp.

クリスタ「ねぇユミル、手、貸して」

ユミル「ん?……おいおいクリスタ、誘ってんのか?」

クリスタ「ユミルの手って、冷たいよね」

ユミル「…私は冷てえ女だからな」

クリスタ「…冷たくて、気持ちいい」

ユミル「そりゃどうも。なんだったらもっと気持ちよくして」

クリスタ「ユミル」

ユミル「?」

クリスタ「手の冷たい人はね、その分、心が暖かいんだって」

ユミル「…どこの子供だよお前は」
89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:15:21 ID:LfgUnzp.

クリスタ「ユミルは、暖かいよ」

ユミル「……」

クリスタ「暖かい」

ユミル「…寝ろよ。眠るまではここにいてやる」

クリスタ「うん…ありがと、ユミル」
90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:16:02 ID:LfgUnzp.

ユミル「…暖かいのは、お前の方だよ」
92: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:19:16 ID:LfgUnzp.

--夜。

ユミル(いい加減戻るか…あいつなら真面目に他の部屋も見るだろ)

ユミル(ん?あれは…エレンか、1人で何やってんだ…水汲み?)

ユミル(珍しいな、力仕事ならライナーが引き受けそうだが…)
93: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:19:49 ID:LfgUnzp.

ユミル(……なるほど、ね。3人とも仲良く寝てるわけだ)

ユミル(ここは俺が頑張らないと、ってとこか?可愛いとこあるじゃないか)

ユミル(やれやれ…ここは一つ、死に急ぎ野郎にのってやるとするか)
94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:20:25 ID:LfgUnzp.

アニ「……あんたもかい」

ユミル「あんたも、ってなんだい」

アニ「エレンも寝込んだ」

ユミル「へぇー、そら災難なこったな。見ての通り、私は戦力外だ。
    寝かしてくれると助かるんだがねぇ」

アニ「…はぁ。もういいよ」

ユミル「あ、そうだ。ちょっと手貸しな」

アニ「…何」

ユミル「いいからいいから…つめてっ、さすが氷の女だぜ」

アニ「…そこで一生寝てな、起きてこなくていい」

ユミル「へいへい、アニちゃんはお優しいことで」
95: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:21:11 ID:LfgUnzp.

アニ「…何?」

ユミル「クリスタ曰くよぉ、手の冷たい人は心が暖かいんだってさー。
    よかったねー、アニちゃん」

アニ「…そんな子供の戯言を信じてるあんたらはおめでたいよ。
   それより気持ち悪いからやめてくれない」

ユミル「何か変なこと言ったかなぁ、アニちゃん?」

アニ「…もういい。この部屋には来ない」

ユミル「病人を見捨てるったぁ、冷たいなぁ」

…パタン。

ユミル「……どうして、ここの女共は素直じゃないのが多いかねぇ」
96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:21:54 ID:LfgUnzp.

クリスタ「うーん…あれ、ユミル?」

ユミル「おう愛しのクリスタ、起きたか」

クリスタ「…今、誰かと話してた?」

ユミル「こっわーい女狐とお話してたんだよ~。
    怖くて震えてきたから暖めておくれよ」

クリスタ「ちょ、ユミルっ」

ユミル「うん、熱もだいぶ下がったなぁ。
    一緒に仲良く寝て、今度は疲れた私を癒しておくれ」

クリスタ「ユミルってばー!」
97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:23:19 ID:LfgUnzp.
ユミル編終わり。難しかった…

最後におまけを投じて、終了します。
ありがとうございました!
98: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:23:56 ID:LfgUnzp.

--おまけ。

クリスタ「あ、ジャンとマルコだ!おはよう!」

マルコ「おはよう、2人とも。ひょっとして…」

クリスタ「うん、ライナー達にお礼言いに行こうと思って。起きてる、かな…?」

ジャン「あー…」

ユミル「なんだ、どうした?」

マルコ「いや…寝てる、から…後にした方がいいんじゃないかな」

ユミル「……何隠してやがる」

ジャン「いいんじゃねえか、アレは見ものだろう」

マルコ「ちょっと、ジャン」

ユミル「へぇ、何か面白いことになってるみてえだな。行くぞ、クリスタ」

クリスタ「え?何?…待ってよ、ユミル!」
99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:24:29 ID:LfgUnzp.

ユミル「邪魔するぞー」

クリスタ「お邪魔、しまーす…」

ライナー「ゲホッ、ユ、ユミルじゃないか。いきなり入ってくるなよ」

ユミル「食事中にすまないねぇ。
    クリスタがどーーーーしてもお礼を言いたいっていうからさあ」

クリスタ「もう…。大丈夫?」

ライナー「あ、ああ…」

ユミル「……」

クリスタ「色々、迷惑かけちゃって、ごめんね。ありがとう、ライナー」

ライナー「…気にするな、問題ない」

ユミル「で、後の2人は?」
100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:25:18 ID:LfgUnzp.

ライナー「…寝てるからそっとしといてやってくれないか」

ユミル「ふぅーん…寝てる、ねぇ」

ライナー「おい、待て、ユミル!」

ユミル「おっはよーござい、まーーー………」

クリスタ「?どうしたの、ユミ………」

アニ「…おはよう」
101: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:25:57 ID:LfgUnzp.

ユミル「ダッハハハハ! あんたら朝っぱらからナニやってんだよ!」

クリスタ「ちょ、ちょっとユミル!…えと、その」

アニ「…笑ったならなんとかしてくれないかい。抜けられないんだよ」

ユミル「ヒィヒィ、なんだよ、それ」

ライナー「こいつ寝相悪くてな…起こそうとしたら、たまにこうなる」

ユミル「ね、寝相とか…だめだ、また笑えてきた」

ライナー「コニーが前回の被害者だったんだが…
     まぁ、アニが知らないのも無理はない」

アニ「だから…なんとかしてっての」

ライナー「できるもんならしてる」

ユミル「すっかりベルトルさんの抱き枕じゃないですか、アニちゃん。
    しかもすっぽり収まって…プ、クククク…」

クリスタ「もうユミル、笑いすぎだって」
102: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:26:53 ID:LfgUnzp.

ベルトルト「うーん…」

ユミル「お、おお?」

ベルトルト「…あれ、ユミル、クリスタ…ライナー?」

ユミル「おっはよー、ベルトルさん…」スス…

クリスタ「お、おは、ようー…」スス…

ライナー「………」スス…

ベルトルト「どうして逃げ……ん?」

アニ「お は よ う」

ベルトルト「え…」
103: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/09/18(水) 20:27:37 ID:LfgUnzp.

アルミン「その日、彼は思い知った」

アルミン「支配されることの恐怖を」

アルミン「囚われていた屈辱の復讐がいかなるものかを」

エレン「何言ってんだ、アルミン」

アルミン「いや…誰かに言えって言われた気がして」

エレン「まぁいいや…寝ぼけてると怪我するぞ」

アルミン「はは…気をつけるよ…」


…それでは皆様、良い睡眠を!終わり!








ライナー「集団感染?」
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テーマ : 進撃の巨人
ジャンル : アニメ・コミック

アニ「陽だまりを歩く」【進撃ss】

2 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:43:14.90 ID:s57pQzTOo


ただいま。



約束通り、帰ってきたよ。



元気だった?



そう。



それは良かった。



私?



見ての通りさ。



おかげさまで怪我一つないよ。

3 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:43:42.21 ID:s57pQzTOo


庭のひまわり。



今年もきれいに咲いたんだね。



……。



実の娘に向かって失礼な……。



私だって花をきれいと思うことはあるよ。



ひまわりは、好きだしね。

4 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:44:09.26 ID:s57pQzTOo


うん、所属は憲兵団にした。



当たり前でしょう?



上位十名しか憲兵団に入れないんだからね。



……何位だって良いでしょ。



十位?



そんなぎりぎりじゃないよ。



私は四位。



ライナーとベルトルト、覚えている?



うん、その二人だよ。



その二人が二位と三位さ。

5 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:44:37.18 ID:s57pQzTOo


一位はどんなやつかって?



ミカサってやつ。



そう、女だよ。



同じ女に負けて悔しいかって?



……それほどではないかな。



ううん、大人になったわけじゃない。



巨人じゃなくて、生身の人間の中にも化け物がいるってことがわかっただけだよ。

6 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:45:05.14 ID:s57pQzTOo


他の上位卒業者?



そうだね……。



十位はクリスタ・レンズ。



これが女の私から見ても可愛くて優しい子でさ。



男共のほとんどが憧れてたんじゃないかな。



いつもユミルって子と一緒にいて、クリスタにちょっかいを出そうとしたやつはみんなそのユミルに追い払われてたよ。

7 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:45:43.87 ID:s57pQzTOo


九位がサシャ・ブラウスって子で、これが傑作なんだ。



初日の鬼教官による通過儀礼、――大声で罵倒して脅すんだけどさ。



その時に調理場から盗んできた芋を食べてるんだよ。



もちろん教官に見つかってさ。



どうして今芋を食べたのかって聞かれて、冷めたら元も子もないので、なんて言うんだ。



その日からあだ名は芋女さ。



本当に馬鹿でしょ。



食い意地だけは同期の中で断トツだったね。

8 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:46:10.80 ID:s57pQzTOo


馬鹿と言えば八位のコニー・スプリンガー。



最初から敬礼の仕方を間違えてたんだ。



敬礼には心臓を捧げるって意味があって右手を左胸に当てるんだけど、コニーは左手を右胸に当ててたんだよ。



それを見た教官に、お前の心臓は右にあるのか、って言われながら頭を鷲掴みにされてそのまま宙吊りにされてさ。



近接格闘の訓練の時なんかもサシャと一緒にふざけ合ってたっけ。



サシャと二人、馬鹿コンビで、何かしでかしては周囲を明るくしてたよ。

9 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:46:38.48 ID:s57pQzTOo


七位が、マルコ……。



……。



……え?



泣いてる?



私が?



……本当だ。



なんだろう。



急に胸が張り裂けそうになって……。



――ッ。



わからない。



どうして泣いているのか、自分でも、わからない。



……湧き上がるこの罪悪感がなんなのか、わからないんだ。

10 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:47:06.95 ID:s57pQzTOo


ごめん。



落ち着いたよ。



それで、ええと――。



そうだ、七位のマルコ・ボットだね。



あいつは真面目なやつでさ。



周囲への気遣いやサポートに長けてて判断力もあるから、チーム戦だとみんな彼と組みたがっていた。



……私と正反対で悪かったね。



彼は、憲兵団に入団して王に仕えるんだ、って最初から言ってたな。



うん、そうだね。



同じ憲兵団希望でも私とは全然違ったよ。

11 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:47:33.62 ID:s57pQzTOo


ん。



ありがとう。



久しぶりに飲んだけど、やっぱり家で飲むお茶のほうが美味しい。



それで、どこまで話したっけ。



そうそう。



それで、六位はジャン・キルシュタインって言って、七位のマルコと仲が良かったな。



立体機動がとても上手だったよ。



彼も憲兵団希望だったけど、マルコとは違ってね。



よくある内地での安全で待遇が良い暮らしを求めてたんだ。



まあ、当然だよね。



そんな彼の考えを誰も攻めなかったよ。



……一人を除いてね。

12 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:48:01.04 ID:s57pQzTOo


五位がエレンってやつ。

13 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:48:29.50 ID:s57pQzTOo


それで四位が私。



三位がベルトルトで、二位がライナーだよ。



この二人は良いよね?

14 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:49:16.07 ID:s57pQzTOo


一位がミカサ・アッカーマン。



さっきも言ったとおり、化け物だよ。



冷静で頭が良いけど、それ以上に戦闘能力が飛び抜けてた。



教官からも並の兵士百人に等価なんて言われてたね。



近接格闘……。



そうだね……。



技術で補って、なんとか渡り合えるとは思うよ。



でも、ミカサは身体能力のみで私を凌駕するんじゃないかな。



ううん。



それは違う。



教えてもらった技術があってこそ渡り合えるんだよ。



うん。



決して無駄じゃなかった。



……まあ、近接格闘訓練は評価にはほとんど反映されなかったんだけどね。

15 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:49:43.33 ID:s57pQzTOo


ああ、そうだ。



ミカサとエレンの幼馴染でアルミン・アルレルトってやついるんだ。



十位には入れなかったんだけど、座学は彼の独壇場だったな。



知識だけじゃなくて、洞察力なんかもすごいやつなんだよ。



彼さえいなければ私は――。



――ん。



何を言いかけたんだろう。



ごめんね。



疲れてるのかな。

16 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:50:25.59 ID:s57pQzTOo


まあ、他にもいろいろ面白い同期はいたんだけど……。



……。



エレンが何。



違う。



別に意識なんてしてない。



ただ、語ることがそんなにないってだけで……。



違うってば。



何をにやにやしてるの……。

17 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:50:57.74 ID:s57pQzTOo


……五位はエレン・イェーガー。



直情型の、サシャやコニーとはまた違った意味で馬鹿でさ。



熱血馬鹿って言うのかな。



巨人を駆逐してやるんだ、が口癖で、熱心に訓練に励んでいたよ。



さっきも言ったとおり近接格闘は評価には反映されないからほとんどの人が手を抜いてたんだけど、あいつだけは違った。



ちょっとしたことで私が格闘技術を見せたらさ、それから事あるごとに格闘訓練を誘われたよ。



アニの格闘技術はすごいな、って……。



まあ、それでこっちが気をきかせて、教えようかって言ったら、あいつはなんて言ったと思う?



――え? やだよ。足蹴られんの痛いし。



何よそれって感じでしょ?



うん。



とりあえず全力で足を蹴っておいた。

18 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:51:26.59 ID:s57pQzTOo


でも、馬鹿だけど……。



ううん、なんでもない。



なんでもないってば。



違うって!



……もう。



あいつは、馬鹿だけど、なにかと私たち同期の中心人物だったなって思っただけよ。



ジャンなんかも最初は近接格闘訓練では手を抜いてたんだけど、エレンに発破をかけられて真面目に取り組むようになったし。



他にも、あいつが言うことに感化されて、憲兵団じゃなくて調査兵団を希望する人が増えたりさ。

19 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:51:54.52 ID:s57pQzTOo


うん。



あいつは調査兵団志望なんだ。



巨人を駆逐するんだって。



外の世界を見たいんだって。



まるっきり、現実を見れない子どもだよね。



私にはそんな考えはできないし、するつもりもない。



けど、そんな夢を語っているときのあいつはちょっとだけ……。



ま、気の迷いだろうけどね。

20 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:52:23.81 ID:s57pQzTOo


それにしても良い天気。



軽く汗ばむくらいだ。



……今日はお昼を外で食べない?



どうしてって。



野外訓練では外でご飯を食べるんだけどさ。



ちょっと新鮮で、食べ飽きてた食事もちょっと美味しく感じたんだ。



みんなは訓練だってことを忘れて子どもみたいにはしゃいでたな。



私?



私はこんな性分だからね。



ちょっと離れて見ていただけ。



うん、それでも、楽しかったよ。

21 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:52:51.39 ID:s57pQzTOo


みんなが好きなんだなって?



馬鹿言わないでよ。



別にあんなやつら……。



まあ、でも。



そうだね。



一緒にいて、退屈しないやつらではあったよ。



だからエレンは別に……。



……。



赤くなんて、なってない!

22 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:53:18.29 ID:s57pQzTOo


……。



……。



今度さ。



晴れた日に、……その、……あいつらを家に呼んで良いかな?



庭の、ひまわり。



きれいだったからさ。



あいつらにも見せてやりたいんだ。



良いかな?



……ありがとう。



お父さん。

23 :以下、名無しが深夜にお送りします [saga]:2013/05/27(月) 22:53:45.94 ID:s57pQzTOo


――アニ・レオンハートは夢を見る。



硬い水晶の中で。



それは、ひまわり色の、陽だまりの夢。



冷たい水晶の中で。



それは、暖かく、ささやかな幸せの夢。







けれど、決して叶うことのない、――哀しい夢。







アニ・レオンハートは、独り、眠り続ける――。











終わり





アニ「陽だまりを歩く」
元スレ

テーマ : 進撃の巨人
ジャンル : アニメ・コミック

ミカサ「恋はアッカーマンの戯れ」

2: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:39:44 ID:O1vYX8Zo0
訓練兵なりたて時の話

ミカサ「私はミカサ・アッカーマン」

ミカサ「エレンの…家族」

ミカサ「…以上になりたい」

ミカサ「邪魔するやつは排除する」

ミカサ「誰であろうと」ジャキーン

エレンが巻いてくれたマフラーを少し引き上げ、顎を埋める。ざわめていた心が落ち着く。

…エレン……あなたは私だけのもの。

あなたには私だけがいればいい
3: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:40:38 ID:O1vYX8Zo0

★フランツとハンナ★

女子寮

ミーナ「さっきエレンって子巨人見たって話してたじゃない?」

ハンナ「してたー!シガンシナ出身なんだってね…超大型巨人も見たって言ってたね」

ミーナ「ねー。途中すっごい動揺してたけど、でも、なんか格好いいこと言ってたね」

ミーナ「顔も可愛いかったよね」

ハンナ「熱い感じで…なんていうか男の子らしいっていうか」

ミーナ「何?気になっちゃう!?」キャー

ハンナ「なっちゃうかも~」キャー

ハンナ「彼ってなんかいいよね~」キャー



ミカサ「………」
4: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:41:55 ID:O1vYX8Zo0

翌日 朝
食堂

エレン「…」モッキュモッキュ

ミカサ「……」モッキュモッキュ

アルミン「………」モッキュモッキュ

アルミン「…今日から本格的な訓練が始まるね」

エレン「そうだな。技術をしっかり身に付けて、巨人を一匹残らず駆逐しまくってやる」

エレン「特に、壁に穴開けた皮膚ズルムケのでっかい奴とスッゴイ固くてでかい奴!!あいつら絶対許さねえ!!刻んで削いでぶったぎってやる!!」ギリリ


ライナー 「」ドキーン

ベルトルト「むぐっ!ごっ、げぇほ!!ごほっ!!げぇほ、げほげほげほ……!!」
ガチャン!!カランカラン…
5: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:43:13 ID:O1vYX8Zo0
フランツ 「…ここ、空いてるかな?」

アルミン「うん、どうぞ。フランツ…にナッツだっけ。隣の部屋だよね」

ナック「そうそう。もう部屋も名前も覚えてるのか君。早いな」

アルミン「全員はまだだけど…昨日言葉を交わした人は大体覚えてるよ」

フランツ「へえ、君頭良さそうだものね。アルミンにエレンにミカ…サ?だよね。昨日巨人の話をしていたね」

エレン「巨人…やっと訓練兵になれたんだ。俺はっ……」ギリリ

ハンナ ミーナ「ここ空いてますか~?」

アルミン「あと二人なら座れるよ」

ミーナ「じゃこのテーブルにお邪魔しまーす」

ミカサ「」ピク
6: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:44:05 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「あっ、君、昨日シガンシナの巨人の話をしていた子でしょう?」

エレン「…そうだけど」モッキュモッキュ

ミーナ「私は直接見たことなくて…。昨日もう少し話の続き聞きたかったけど時間がなくて聞けなくて残念だったな」

ミーナ「よかったらだけど、私たちにまた聞かせてくれない?巨人の話」

ミカサ「辛い思い出を話すのは楽しくない。他の話にするべき」

ハンナ「そ、そうよね…ごめんなさい。悲しい思いでだよね…」シュン

エレン「気にすんなよ。パン旨いから食えば?」モッキュモッキュ

ハンナ「う、うん。ちょっと固いけど…お…美味しいね」モッキュモッキュ

ミカサ「エレンが気にするなと言うなら、気にしなければいい」
7: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:44:58 ID:O1vYX8Zo0
ミーナ「…ところであなた、エレンと知り合いなの?」

ミカサ「エレンは私の全て」

ミーナ「はっ!?」

アルミン「えっと、ミカサとエレンと僕は小さい頃からの幼馴染みでさ…孤児になってからも開拓地で一緒に暮らしてたんだよ」

ハンナ「ああ、幼馴染みなのね…あと、家族みたいな…?」
8: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:45:48 ID:O1vYX8Zo0
フランツ「君たちはどこ出身なの?」

ミーナ「私はトロストだよ。東の方」

ハンナ「私も。ミーナの家の近く」

ミーナ「私たちも小さい頃からの知り合いなのよね」

ナック「俺とフランツは西の方のトロストなんだ」

フランツ「同じトロストでも、東西の方向違うと余り接点無いよね」

ハンナ「そうね。西の方は行ったことないなぁ…たしか結構賑やかなとこだよね?市場とかあったり」
9: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:46:26 ID:O1vYX8Zo0
フランツ「色んな店が沢山あるよ。とくに雑貨や甘味の店が多いかな」

ミーナ「雑貨や甘味とか女の子の心擽るな~」

ハンナ「そう言えばさ、訓練兵ってお給料貰えるんだよね?」

ミーナ「そうだよ~お給料貰ったら買い物行こっか!」キャー

ハンナ「行こう、行こう!」キャー

フランツ「…よかったら、ナックと僕で案内するけど?」

ハンナ「ほんと?嬉しい。その時は、お願いしてもいいかな…?」ニコ

フランツ「もちろん」ニコ

ミカサ「」…ジー
10: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:48:15 ID:O1vYX8Zo0
格闘訓練中
訓練場


エレン「今習った技試したい」キョロキョロ

ミカサ「エレン、私と…」

エレン「おっ、あそこの金髪のでかいやつ強そうだな。あいつに相手頼もう♪おーい、お前、俺とヤらないか~」タタッ



ライナー「あいつ…ヤらないか…だと…!?」ビクッ

ベルトルト「ライナー…誘われてるのは対人格闘訓練…だよ?」
11: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:49:23 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「あっ、エレーン、私と…」

ミカサ「」ズイッ

ハンナ「」ピク

ミカサ「エレンはあの金髪のデカブツとヤる」

ミカサ「その次は私とヤる」

ハンナ「えぇ~じゃあその次でもいいんだけど…」

ミカサ「あそこにいる、今一人の…フラ…フラ…フラフラムンムンとでも、ヤれ…ヤったらいい」

ハンナ「…それ、もしかしてフランツのこと?」

ミカサ「そう、そんな感じの名前」
12: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:50:18 ID:O1vYX8Zo0

ミカサ「さぁ、早く。教官に叱られる」

ハンナ(せっかくエレンと組めるかと思ったのに…残念だなぁ)

ミカサ「早く、フラムツがこっちを見てる」

ハンナ「わ、わかったわよ…フランツ~」

ミカサ「」ニヤ

フランツ「ハンナ。相手になってくれる?」

ハンナ「あ、うん、お願いします。腕をひねる場合はお手柔らかにしてね…」

フランツ「僕はひねらないよ。男に掴まれたら痛いだろ?」

フランツ「まだ始めたばかりで、体も慣れてないし。ならず者役は僕がやるから、ハンナが兵士役をやってみて」

ハンナ「それじゃフランツが練習にならないんじゃない…?」

フランツ「後でトムか他の男子にでも、技をかけさせて貰うよ。さあ、やってみて」
13: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:51:12 ID:O1vYX8Zo0
ハンナ「ほんと?じゃあお言葉に甘えて…えーい!!」

フランツ「」サッ

ハンナ「わぁ!!」グラッ

フランツ「」ガシッ

フランツ「大丈夫?」

ハンナ「あ、ありがとう。こういう戦ったりとか全くしたことないから、難しいね~」

フランツ「大体の人は未経験だよ。さあ、もう一回やってみて?避けられたら、左側に回って腕を掴んでぐいっとこう…」バッ…クイッ

ハンナ「いたた」

フランツ「あっ、御免ね」アセッ

ハンナ「うぅ、大丈夫…。凄い上手だね」
14: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:52:34 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「まぁ、一応男だからね。小さい頃から武道習ってたし、体を鍛えるのが趣味みたいなもので…」

ハンナ(温厚そうに見えるのに、意外)

ハンナ「ふーん…そうなんだ。じゃあ、もう一回やってみるね」

ハンナ「えーい!!」タタタッ

フランツ「!!?」バッ… グイッ!!

ハンナ「きゃっ!?」

ハンナ(え!?何!!?抱きすくめられ…)
15: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:53:06 ID:O1vYX8Zo0
ドスーン……

ジャン「ぐ…ぐはっ…」ガク
16: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:53:44 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「何、この子…今飛んで……」

ミカサ「ハンナ、フランツ、邪魔をしてすまなかった」

ハンナ「ミ、ミカサ…なんかこの子飛んで来たんだけど!?」

ミカサ「勢いがつきすぎて飛んでしまった」

ミカサ「ハンナ、怪我はない?」

ハンナ「大丈夫…っ!?あっ…」ズキ

フランツ「…もしかして足、挫いちゃった?」

ハンナ「右の足首がちょっと痛いかな…」ズキズキ

ミカサ「それなら、フランツに医務室に連れていって貰えばいい」

フランツ「そうだね。行こうハンナ」

ハンナ「私はちょっとだから大丈夫だよ…」

ハンナ「それより、そこの気絶してる彼を、医務室に運んだ方がいいんじゃない?」
17: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:54:28 ID:O1vYX8Zo0
ミカサ「大丈夫」

ミカサ「はぁっ!!」ゴス!!

ジャン「うごぁ!?…はぁっ…ミ、ミカサ…」

ミカサ「ジャン、平気?」

ジャン「ぐっ…ど、どうってことねぇよ!!俺はっ…俺は平気だ!!」ガバッ

ミカサ「と、言うわけなので、二人だけで行くといい」
18: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:55:10 ID:O1vYX8Zo0
ミカサ「ただ、今のままでは歩くことは出来ない」

ミカサ「ので、背負うか抱えるかした方がいい」

ハンナ「あ、わわっ…(まだ抱き合ったままだった!!)う、痛っ」ズキ

ミカサ「フランツがおんぶかお姫様抱っこでもしたらいい」ズイッ

ハンナ「えっ、そんな、そこまではいいよ…。肩を貸してもらえたら歩けるから」

フランツ「そう…?じゃ背中に腕廻して。身長差があるから、肩には廻らないから」

ハンナ「ごめんね。お願いします」



ミカサ「いってらっしゃい」ニヤ
19: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:55:41 ID:O1vYX8Zo0
ジャン「ミカサ、もういっぺん頼む!!」サッ

ミカサ「ごめんなさいジャン。次はエレンとする。ので、また今度」

ジャン「待ってくれ…ミカサ…!!」
20: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:56:14 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「…ごめん、何か飛んで来たから、危ないと思って…急に抱えちゃったから挫いちゃったんだね」

ハンナ「え、そんな、飛んでくる人に当たった方が危ないし、大怪我するとこだったよ!」

ハンナ「えっと…助けてくれてありがとう」ニコ

フランツ「…うん」ニコ
21: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:57:10 ID:O1vYX8Zo0
夕食時
食堂

ミカサ「ハンナ、足はどう?」

ハンナ「うん、軽い捻挫だって。テーピングしておけば訓練に支障はないって」

アルミン「怪我したの?」

ハンナ「ジャンが飛んできて…避けたら挫いてしまって…」

アルミン「飛んで…?」

エレン「誰かに投げられたってことか!?スゲーな!!そいつと今度組んでみたいな!!誰だ?ジャンの相手は!?」

ミカサ「エレン、私」エッヘン

エレン「何だお前か」

ミカサ「私は強い。明日は私と組めばいい」ウキウキ

エレン「お前とはしないよ。今まで何かっつーと片手で投げ飛ばされてたしな。戦い飽きたよ。それに訓練で俺相手だと絶対手ぇ抜くだろ」

ミカサ「」ガックリ
22: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:58:05 ID:O1vYX8Zo0
エレン「他の強そうな奴と組みてぇな。今日組んだライナーとベル、ベルルトルン?なんかスゲー上手くて、めちゃめちゃ参考になったぜ!?」

エレン「明日もヤろう♪」ワクワク



ハンナ(格闘訓練、女の子と組む気は無さそうだね。…残念)



エレン「ボーッとしてないで早く食えば?今日のパンも旨いぜ」モッキュモッキュ

ハンナ「あ、うん、そうだね…美味しいね、パン」モッキュ

エレン「しっかり食べないとな。明日、体が動かなくなるからな!」ニカッ

ミーナ(エレン、くっそかわいい)キュン

ハンナ(エレン笑うと、とってもかわいい)キュン

ミカサ「」ジー
23: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:58:52 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「ここ、空いてるかな」

ミーナ「あ、フランツとナック。あいてるよ、どうぞ」

フランツ「…ハンナ、足はどう?」

ハンナ「大丈夫だよ。テーピングしてるからあまり痛くないの」

フランツ「そうか。ならよかった…」ニコ

ミカサ「」ジー
24: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 11:59:47 ID:O1vYX8Zo0

エレン「ごちそうさまでした~。アルミーン、座学のわからないところ教えて欲しいんだ~」カチャカチャ

アルミン「うん、いいよ。エレンはやる気満々だね。最初から張り切りすぎると息切れするかもよ?」カチャカチャ

エレン「しっかり兵士としての知識と技術を身に付けて、巨人を駆逐しないといけないからな!!うなじを削いで削いで削ぎまくってやるぜ!!」


ライナー「」ドキドキ

ベルトルト「」ブルブル
25: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:00:36 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「私たちも片付けて部屋いこっか」

ミーナ「エレンも行っちゃったしね」ボソ

ハンナ「…うん」カチャ

フランツ「ハンナ、それ僕が置いてくるよ。貸して」

ハンナ「えっ」

フランツ「足少し痛むだろ?僕が怪我させちゃったみたいなものだし…ね?さ、貸して」

ハンナ「あ、ありがとう…」
26: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:01:11 ID:O1vYX8Zo0

ミカサ「ジャン?」カチャカチャ

ジャン「なっ、何だミカサ…」カチャッ!!

ミカサ「お給料が入ってすぐの休みに、トロスト区西側市場で、恋人祭というイベントがあるらしい」

ジャン「恋人祭…!?」

ミカサ「その祭の日を一緒に過ごしたカップルの二人は、仲睦まじく過ごすことができ、死も二人で迎え、土に帰り、その後の世界でも一緒にいることができると伝えられる、昔のまじないなんかを模した、色々なサービスがあちこちの店で企画されているそう」


ジャン「カ、カップル…!?」


ミカサ「お付き合いをしている、もしくはこれからしようとしている二人に、ぴったりな一大イベントだそう」
27: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:01:53 ID:O1vYX8Zo0

ジャン「」ドキドキ



フランツ「…」チラ



ミカサ「なので……」



ミカサ「私はエレンと行こうと思っている」

ミカサ「ので」

ミカサ「ジャンは誰かと行けばいい。では」クルッ

ジャン「何だよ!!くっそ!!エレンかよ!?」

ジャン(しかもチラシ棒読みかよ!!不器用だなミカサ!!だがそこがいい!!)
28: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:03:05 ID:O1vYX8Zo0

女子寮

ミーナ「ちょっと~。フランツって優しくな~い?背も高いし、ガタイもいいよね…顔は十人並みだけど」

ハンナ「私は顔はエレンの方好きかも。目が大きくて可愛い顔してるから」

ミーナ「支給の食事のパンを美味しそうに食べるとことか可哀想で。開拓地は食べ物あまりないんだなって改めて思ったな~」

ミーナ「美味しい物いっぱい食べさせてお世話してあげたくなるな。母性本能くすぐる感じ」

ハンナ「自分のやりたいことに向かっていく熱い志もすてき…でも巨人に夢中で女の子には興味無さそうだよね」

ミーナ「フランツの事はどうなの~?」

ハンナ「フランツ?」

ミーナ「そうだよ~。だって抱きすくめて助けてくれてさ、それがなかったら飛んできた男の子とぶつかって、もっと怪我してたかもしれないじゃな~い」

ハンナ「う~ん、そうかもね」
29: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:03:56 ID:O1vYX8Zo0
ミーナ「頼り甲斐があってステキ~。私も助けられたい~抱かれたい~」キャー

ハンナ(鍛えるのが趣味って言ってたっけ)

ハンナ(背も高くて、筋肉質で胸板広かった…)

ハンナ(抱えられた腕も力強くて…)

ハンナ(優しい…?)ポ

ミーナ「おぉ!?意識、始めました!?」

ハンナ「えっ、え~…えぇ~…」

ハンナ「で、でもっ、助けてくれたのは危なければ助けるだろうし、足だって自分のせいだって言ってたから、責任感じてるから世話やいてくれるんじゃないかな…誰にでも…と思うけど…」

ミーナ「けど?」

ハンナ「う~ん、どうかな」

ミーナ「お給料入ったら外出の約束してたよね?楽しみだね」ワクワク

ミーナ「いつにするか日にち決めないとね!」

ハンナ「…うん」


ミカサ「」ジー
30: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:05:14 ID:O1vYX8Zo0

立体起動訓練中
訓練場


ハンナ「わぁぁ!?」バシュッ

ミーナ「ひゃああ!?」ブシュウ

ミーナ「こっ、こわ~!?」ブブシュウ プスン…

教官「おい、こら~!!そのままじゃあ巨人の餌だ!!家畜になりたくないなら、思いきってガス吹かして飛べ!!」


ハンナ「そう言われても…えいっ」パシュッ

ハンナ「ひゃぁぁ」プスン…ブラーン ブラーン

教官「そんな高さで、巨人のうなじを狙えると思うのかー!!人間のうなじにも届かないぞ!!豚でももう少し飛べるはずだ!!」

ハンナ「は、はいっ!!」ブシュウ!!
31: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:05:51 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ(できる子はもうあんなところまで飛ぶんだ…)

ハンナ(フランツ…結構上手。木の上まで飛べてる)

ハンナ(ミカサは凄い。もう命綱無しで他の木に移ってる)

ハンナ(エレンも…木の真ん中辺りまで行けてるんだ)

ハンナ(上手くいかないなぁ…私)
32: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:06:40 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「ハンナ、どう?」

ハンナ「あ、えっと…全然、かな…命綱ついてても、なんか怖くて…」

フランツ「よかったら、一緒にやってみない?」

ハンナ「…でも、フランツの練習が出来ないんじゃない?だから…大丈夫だよ」

フランツ「僕は木の上までと、近くの木に移ることができたから、まだの人を見てこいって言われたんだ」

フランツ「だから…さ、ハンナ、だいぶ難儀してたみたいだから」

ハンナ「ほんと、へたくそで恥ずかしいなぁ…」カアア

フランツ「仕方ないよ、こればっかりは個人差だからね…でも練習したら、出来る様になるさ」

フランツ「適正試験は通ってるんだからね」ニコ
33: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:07:35 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「僕でよければだけど、どう?する?」

ハンナ「ほんと…いいの?じゃあ、お願いしてもいいかな?」

フランツ「なら、始めようか」

フランツ「僕は隣の木に登るよ。ハンナはそのままの命綱着けて、今の木に登ってみて」

ハンナ「う、うん」

フランツ「まず最初だよ。左のアンカーを出して、三メートル位上を狙って。あの枝のあたりかな」パシュッ

ハンナ「うん」バシュッ

フランツ「次は右のアンカーをそこの枝にだして…ガスをふかして、両方のアンカーを巻き取って、左のアンカーを外す」

ハンナ「えいっ、うわ…」バシュッ…ブシュウキュルキュル…
34: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:08:40 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「そう、そしたらまた三メートル位上に左のアンカーを出して、ガスをふかして、両方のアンカーを巻き取る」パシュッ…キュルキュル

ハンナ「うう…」

フランツ「上手に出来てるよ?そのまま上に行ける?」

ハンナ「フランツ…これ以上は…」

フランツ「アンカーもしっかり刺さっているし、タイミングもいい。行けそうだよ?」

ハンナ「でも、高さが怖くて…もうこれ以上は…ううっ…」ジワ

フランツ「大丈夫。命綱ついているから。」

フランツ「それに、僕がいる。もし、アンカーが刺さらなくて宙ぶらりんになったら、絶対助けにいくから」

フランツ「だから頑張ってみて?」
35: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:09:12 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「う…うん、が、頑張ってみる…」ブル

フランツ「さぁ、なるべく下は見ないで、また右からだ。やってみて?」

ハンナ「ううっ…」パシュッ
36: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:09:44 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「凄いハンナ。一番上までこれたよ?」

ハンナ「あ、ありがとうフランツ…隣についてくれてたから…怖かったけど、何とか登れた…」

フランツ「怖ささえ克服出来れば、操作はなかなか上手いから、上達は早いと思うよ?」

ハンナ「怖さね…なかなか克服出来るきがしないな…」

フランツ「慣れればどうってことないさ。自主練するときは、いつでも付き合うよ」ニコ

ハンナ「ありがとうフランツ。絶対お願いする。ミーナと私じゃいつまでたっても上達しなさそうだもの」

フランツ「そう?」フフッ

フランツ「じゃあ、降りようか。ゆっくりアンカーを出して…」

ハンナ「こうかな…」キュルキュル…
37: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:10:42 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「地面に戻れたね」ストッ

ハンナ「はぁ~。よかった~戻れた~…」スタッ

ハンナ「ほんとにありがとうフランツ。丁寧に教えてくれたから、上まで行けたよ…」

フランツ「ハンナが頑張ったからだよ。もう一回一緒に登ってみる?」

ハンナ「うん、おねが…」

モブ美「ねぇ~フランツ~!!私も上まで登れないの~、教えてくれな~い?」

フランツ「あ…」

ハンナ「…私は一回登れたから…。行ってあげて?」ニコ
38: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:11:14 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「いいの?もう一回一緒に登ってからでもいいんじゃないかと思うけど」

ハンナ「そしたら授業の時間が無くなっちゃうよ…あの子、まだ登れて無いって言ってたし…あの…だから…」

フランツ「…ハンナって優しいよね」ニコ

フランツ「なら、行くね。また今度」



モブ美「もう~フランツ~!!ずっと待ってたのに~」

フランツ「え、特に約束とかはしてな」

モブ美「早く来てほしかったぁ~。フランツじゃなくちゃ私嫌だもの~」イチャ
39: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:11:51 ID:O1vYX8Zo0


ハンナ「……」

ハンナ(フランツこそ誰にでも優しいよね…)ハァ
40: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:12:23 ID:O1vYX8Zo0
夕食時
食堂

ミーナ「でさぁ、やっと登れた訳~。トーマスに教えてもらってさ~。トーマスの教え方上手かったな~」

アルミン「僕もミカサに教えてもらって、何とか上まで行けたよ。体がついていかなくて、難しい」

ミカサ「アルミンは頭ではわかっているので、体をもう少し鍛えた方がいい。取り合えず寝る前に腹筋腕立て背筋100回」

アルミン「無理だよ…ミカサじゃないんだから。日中の訓練で精一杯だよ」

ミカサ「私は300回している。アルミンはやればできる子。やるべき」

アルミン「もう少し体が慣れたらね」ハハ…
41: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:13:08 ID:O1vYX8Zo0

エレン「今日のパンも旨いな」モッキュモッキュ

エレン「お前いつもボーッとしてるのな。疲れてんの?早く食えば?」モッキュモッキュ

ハンナ「あ、うん…」モキュ…



ハンナ(あ、フランツが来る)


モブ美 モブ奈「フランツ~こっち来てよ~!!一緒に食べようよ!!」

ハンナ(え…)

モブ美「席とって置いたんだ。立体起動の事聞きたいの。ナックも来て!皆で食べよう!!」

フランツ「え…」チラ

モブ美「ここ座って~。今日の立体起動なんだけど~」
42: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:13:58 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ(あっちに行っちゃった…)


サムエル「ここ、二つ空いてるかな」

ミーナ「あたしとハンナの隣が空いてるよ?」

トーマス「じゃ僕はミーナの隣に座ろうかな」

サムエル「俺はハンナの隣、いい?」

ハンナ「…うん、どうぞ」
43: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:14:51 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「トーマス、今日は助かったよ~。ギリギリ時間内に登れたもん」

トーマス「時間内に登れないと、今度から別チームで教官に指導されるからね」

ミーナ「ほんとよかった~ありがとうね」

サムエル「ハンナも登れていたね?」

ハンナ「う、うん。最初は登れて無かったけど、教えてもらって何とか…」

サムエル「俺、わりと早く終わってたから、ハンナに教えてあげようとしたら、先を越されててね。残念だったな」

ハンナ「…そうなんだ」

ハンナ(あっちのテーブル、なんか会話弾んで楽しそう)
44: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:15:28 ID:O1vYX8Zo0

サムエル「ねぇ、ハンナ…食事終わったら、時間ある?」

ハンナ「…特にはないけど」

ハンナ(教えてくれたお礼言いたかったな)

サムエル「じゃあ…東側出入口前の倉庫の前に来てくれない?話があるんだ。ミーナと一緒でいいよ。トーマスもいるから。な?」

トーマス「どう?ミーナ」

ミーナ「なになに~?いいよ、行く行く~」

ハンナ(また…教えて欲しいんだけどな…フランツに)

ミカサ「」ジー
45: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:16:32 ID:O1vYX8Zo0

夕食後
食堂

コニー「なあ、なあ、女子とかどうよ!?」

マルコ「どうよって…コニーは気になる人がいるの?」

コニー「まぁ、いるっちゃいるけど。結構カップリングが誕生してるみたいだからさ」

マルコ「そうだね。年頃の男女が共に過ごすわけだから、そういうのあるよね」

ライナー「クリスタなんかしょっちゅう告白されてるみたいだけどな」

コニー「顔が綺麗だしな。人当たりがいいし、もてるんじゃね!?」

ライナー「女子はおっとりしてて、優しさがあるのがたまらんと思うがな」
46: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:17:04 ID:O1vYX8Zo0

コニー「おっとりと言うと、ハンナなんかも人気だな」

マルコ「笑うと優しい顔だし、実際とても女の子らしいようだね。サムエルが絶対落とすみたいなこと言ってたみたいだよ」

コニー「あいつどうしようもねぇな。まだ一ヶ月たってないのに何人目だよ」

ライナー「あまり色恋にうつつをぬかすと訓練に支障が出るかもしれん。ほどほどにしないとな」
47: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:17:50 ID:O1vYX8Zo0


マルコ「僕は、強気で勝ち気で、一見こっちが守られてるみたいだけど、実は弱くて繊細な部分があって実際は僕が支えてあげてるみたいなのがいいな」

コニー「複雑だな。理解出来ないのは、俺が馬鹿だからじゃないよな」

ベルトルト「僕も…似てるな。一見蓮っ葉だけど、虚勢を張っていただけで、本当は優しくて、儚くて脆い…」

コニー「ギャップ萌え?」

ベルトルト「普段は生意気な口を利いて、人を小馬鹿にする所があるけど、いざ事に及ぶときは、手折られるまま、流されるままに…」

ベルトルト「此方の言うことに抗えず、恥じらいながらも従順で、相手の色に染まっていく…どんな命令も、最終的には優しく受け入れてくれるんだ」

ベルトルト「ただ、僕は主導権は女性の方がいいな」

マルコ「…部分的にだけど、強く共感するね!君とは気が合いそうだ!!」
48: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:18:40 ID:O1vYX8Zo0

コニー「?」

アルミン「昼は娼婦、夜は淑女ってところかな」

コニー「なるほど~…」

アルミン「……」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

マルコ「……」

コニー「……」
49: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:19:17 ID:O1vYX8Zo0

エレン「みんなどうした?背中丸めて座って。内緒話なら席外そうか?」

アルミン「いや…いいんだ」

アルミン「皆、ただの生理現象なのさ」

コニー「ベルトルト、お前、頭のなかそういうのなんだ…真面目なやつかと思ってたのに。むっつりなんとかってやつだな」

ベルトルト「そっ、そういうんじゃなくて、好みのタイプっていうから…」

アルミン「まぁ…色々な愛の形があるってことだね」
50: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:20:21 ID:O1vYX8Zo0

ジャン「おい、フランツ…」

フランツ「何?」

ジャン「お前、ハンナと今日立体起動の訓練してたよな」

フランツ「うん、教えてあげてたよ」

ジャン「このハンカチなんだけどさ、ハンナのみたいなんだけど、落ちてたんだ」

ジャン「俺喋ったこと無いからさ、フランツ渡してくれないか?」

フランツ「…あぁ、良いよ」
51: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:21:19 ID:O1vYX8Zo0

ジャン「ええと、サムエルがさ~食後東側出入口前の倉庫の前でハンナと待ち合わせしてるって言ってたから、持っていって貰おうと思ったんだが、もういなくてな」

フランツ「…そうなんだ」

コニー「ひとけの無い所だな。もしかしてニューカップリング誕生しまくりんぐ!?」グヒヒ

ジャン「そ、そうかもな。恋人祭にでも誘うんじゃね…?」

フランツ「…」

フランツ「…ちょっとトイレ行くわ」

コニー「行ってらっしゃ~い。ごゆっくり」ニシシ
52: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:21:59 ID:O1vYX8Zo0

マルコ「なに?その恋人祭って?」

ジャン「今度トロスト区でな……」

ワイワイ



ジャン「」チラ…

ミカサ「」サムズアップ

ミカサ「」ニヤ

ジャン(ミカサが…笑った…!!)パァァ
53: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:22:29 ID:O1vYX8Zo0

東側出入口前 倉庫前


ミーナ「ごめ~ん、待った?」

サムエル「少しね。…ハンナ、話って言うのはさ」

ハンナ「あ、うん…」

サムエル「俺と付き合ってほしいんだけど」

ハンナ「うん?…え!?」

サムエル「君って、おっとりしてて、優しくてさ。ふんわりした雰囲気に癒されるんだよね…」

ハンナ「…」
54: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:23:01 ID:O1vYX8Zo0

サムエル「それに、顔だって…笑うととってもキュートでソバカスも愛らしいし」スッ

ハンナ「」ビクッ

ミーナ「いきなりほっぺ撫でるなんて、やらしいな~。ハンナあんまり楽しくなさそうだよ、やめたら?」

サムエル「嫌かどうかはハンナが決めることだろ?」

ハンナ「…えっと…サムエルとはあまり喋ったこと無いし…よく知らないし…付き合うとかは…」

サムエル「それはこれから知ればいいんじゃない?俺は君のこと凄く好きだよ…」グィッ
55: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:24:08 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「痛っ…手、離して…」

ミーナ「ちょっと、止めなさいよ!!」

トーマス「ミーナは僕と話そうよ」サッ

ミーナ「なっなにするの…」

トーマス「俺は何もしないよ。友人の恋の行方を見守りたいだけだから」

ミーナ「はぁ!?ちょっと、どきなさいよ!!ハンナ!!」

サムエル「不安そうな顔も可愛いな…」

サムエル「柔らかそうな唇だね。赤くて艶があって…美味しそう。食べちゃおうかな」スッ…

ハンナ「…!!」

ミーナ「あんた!!なにやってんの、馬鹿!!やめなさいったら…!!」




ハンナ「…………!!」
56: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:24:55 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「…………?」

サムエル「何か用なのか?取り込み中だ」

フランツ「…もうすぐ点呼の時間だぞ。お前の部屋、早い順番じゃないのか?」

サムエル「急いで戻れば間に合うさ」

サムエル「…本当に取り込み中なんだけど、肩をつかんだ手、どけてくれないか」

フランツ「…」ググッ…
57: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:25:26 ID:O1vYX8Zo0

サムエル「痛いな。わかったよ戻ればいいんだろ」チッ

サムエル「体術では君には敵わないからな…」

ハンナ「」ホッ

サムエル「ハンナ、今度の休みはあいてる?町でイベントがあるみたいなんだけど」

ハンナ「…」

サムエル「考えといて。僕は本当に君のことが可愛いと思ってるんだよ」ニコ

ハンナ「」フイッ

サムエル「戻らないといけないなら仕方ないな。じゃ、また。大好きだよハンナ」

サムエル「君らも早く帰れよな。おい、トーマス。行くぞ」
58: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:26:06 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「……大丈夫だった…?」

ハンナ「あっ、うん…う…」ポロ

ミーナ「ハンナ、平気!?」タタッ

ミーナ「あいつ、そんなやつだって思わなかった。強引なやつ…」

ミーナ「ほんと、何ともない?ごめん。告白はされると思ったけど、あんなことするなんて思わなかったから…誘いにのっちゃって。ほんと、ごめん」

ハンナ「うん…大丈夫…」ポロポロ…グス

ミーナ「フランツ、ありがとうね。助けてくれなかったらどうなっていたか…」

フランツ「なにもなかったなら、良かったよ」

フランツ「その…邪魔では無かったかな…」

ミーナ「全然!!むしろ助けてくれた的な!!」

フランツ「そう…」ホッ
59: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:26:39 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「あ、僕、ハンナのハンカチを渡したかったんだ」

ハンナ「私の…?」グス…

フランツ「落ちてたみたいだよ?」

ハンナ「ありがとう…」

フランツ「井戸へ行って、顔を少し流すかい?」

ミーナ「そうね、その方がいいよ。泣き顔で戻って皆になんか言われてもめんどくさいしね」

ハンナ「うん…そうする」

フランツ「女子寮の近くまで送るよ。さぁ、行こう」

ハンナ「うん…」グス…
60: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:27:20 ID:O1vYX8Zo0

数日後
女子寮 談話室

ミーナ「恋バナ~タ~イム!!」イヤッホー

ミーナ「訓練兵士の男子とかどうよ!?」

ユミル「どうよって、まずお前はどうよ」

ミーナ「いいな~って思う男子はいっぱいいるよ?ナックとか、エレンとか~、ベルトルトなんかも可愛い顔してるよね」

ユミル「お前、基本面食いなのな」

ミーナ「顔は大事!!中身は何かきっかけがあれば変わるかも知れないけど、顔はかわらないでしょ?ねぇ、ハンナ?」

ハンナ「そうねぇ…顔ねぇ…」
61: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:27:52 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「でもね、顔はかっこいいけど、サムエルはだめ!!」

ミーナ「このあいだ、ハンナが無理矢理キスされそうになってさ~もう最悪。飢えすぎだっつーの!!」

ミカサ「それはいけない。良い男の風上にも置けない。そのうち懲らしめてやろう」

ユミル「おい、なにする気だよ、こえ~な」ククッ

ユミル「サムエルは要チェックだな。皆メモっとけよ~」
62: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:28:24 ID:O1vYX8Zo0

サシャ「…私はお父さんみたいな人がいいですかね。腕っぷしが強くて、狩りがうまくて、料理ができて、物知りな人で、私と人生をともに歩き優しく導いてくれたりして」

サシャ「で、沢山ご飯を食べさせてくれたらそれでいいです」

ユミル「お前、何気に理想高くないか?男子のなかにはいなさそうだな。教官とか?」

サシャ「嫌ですよ~毎日おこられて晩御飯抜きで走らされそうじゃないですか~勘弁してくださいよ~…」

ユミル「あれは愛の鞭だ。私らを立派な兵士にするためのな。だから実生活では以外と優しいのかも知れないぞ?」
63: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:29:05 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「クリスタは?もう、何人かから、告白されちゃってるんだって?」

クリスタ「うーん、五人かな。」

ミーナ「すっごいね?まだ一ヶ月もたって無いのに。さすが104期一番の可愛い女子」

クリスタ「そんなことないよ…でも、今は勉強や実技についていくだけで精一杯だし…」

ユミル「クリスタには私がいれば良いんだよ」ニカ

クリスタ「ユミルが断ってくれちゃうの」

ユミル「世間知らずのお姫さまのお目付け役さ」

ミーナ「クリスタの相手にしてもいい、お眼鏡にかなう男子はいないの?」

ユミル「まだあんまり知らないが、せめて成績が十番以内だろ」

ユミル「憲兵に行けるような、頭がよくて力のあるやつじゃないと話になんねぇなぁ~」
64: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:29:45 ID:O1vYX8Zo0

ミカサ「ユミルはどうなの」

ユミル「私はな~むさ苦しい性欲の塊の年頃の男共には興味ねぇな」

ミカサ「ユミルは背が高いから、背が高くて、ユミルより強い男子が良いのでは?」

ユミル「でかいやつ?って言うと、ベルトルト、ライナー、マルコ、フランツ…あたりか?」

ユミル「大きくて強くてもな~…」

ミカサ「フランツなんかとても優しい。モテる。この間、モブ子とモブ美に告白されていたようだ」

ミカサ「体術もなかなかの手練れ。ライナーやベルトルトや私ほどでは無いけど」

ミカサ「私は今彼がイチオシ」ビシィ
65: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:30:15 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「じゃ、告れば良いじゃないの~」

ミカサ「私にはエレンがいる。守られるより、守る方がいい」

ユミル「私も守って貰うより、面倒見てやる方が好きかな」グリグリ

クリスタ「も~髪の毛絡まっちゃうよぉ~」
66: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:30:46 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ(フランツってモテるんだ…たよりがいがあって、優しいもんね…)

ハンナ(モテるって事は、やっぱり誰にでも…優しいってことだよね)ズーン

ハンナ(告白されて…その後どうしたのかな。付き合ったりとかしてるのかな…)
67: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:31:24 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「ミカサはずるい~エレン可愛いじゃない、頂戴よ~」

ミカサ「それはできない。エレンは私のものだから。ミーナはナックかベルトルトにするべき」

ミーナ「私とハンナはエレンを愛でる会を立ち上げます!!ねえ、ハンナ?」

ハンナ「あ、うん。うーん…?」

ミカサ「エレンは生意気強気素直可愛い。だけど巨人を倒す事で頭がいっぱい。女の子と遊んでいる暇はない」

ミーナ「ミカサだって女の子じゃない~」

ミカサ「私は特別。普通の女の子ではない」

ユミル「ジャンを投げ飛ばす位だからな。普通じゃないじゃん」ダハハ
68: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:32:20 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「そう言えば、ナックと今度の休みにトロストの市場に買い物いく約束したんだ♪」

ユミル「さっそくデートか?」

ミーナ「ずっと前に案内してくれるって言われてたからね。あの辺行って見たかったんだけど、不案内で。そしたら、そこ出身だって言うからさ」

ミーナ「ハンナはどうする?フランツもハンナが来るなら行くって言ってたけど」

ユミル「お前懲りねぇな。ホイホイついていくとまた襲われんぞ」

ミーナ「ナックとフランツは紳士だよ?皆もそう思うでしょ?」

ユミル「ナックも悪い噂はきかねぇな」
69: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:33:06 ID:O1vYX8Zo0

サシャ「フランツは善人ですよ。夕食抜きで死にそうなとき、こっそりパンを分けてくれました」

ミカサ「確かに普段の行動から、彼は信用できると思う。誠実な人。パンの件は別として」

ミカサ「サムエルの時も助けてくれたのでしょう?絶対安心」

ミカサ「というか、間違いがあってもフランツならそのまま間違ってしまっても良いと思う。むしろ間違いに乗っかるべき」

ミーナ「んん…?それって、まぁ、大丈夫ってことが言いたいのかなミカサは」
70: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:33:43 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「町にも行ってみたいし…フランツが来るなら行こうかな…」

ミーナ「決まりね!!伝えておく♪」

ユミル「町に行くなら土産宜しくな。とびきり甘~いお菓子と話な」

ミーナ「女子会のお供だね。了解でーす。んじゃ集金しまーす」フヒヒ

ユミル「菓子のぶんは払うが話のぶんは払わねぇぞ」フヒヒ
71: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:34:40 ID:O1vYX8Zo0

休日
トロスト区 西側 市場


ハンナ「お店も人もいっぱい~」

ミーナ「賑やかでワクワクするね~!!」

ナック「今日は特別混んでいるね。どこから行く?」

ハンナ「なんか皆にお土産たのまれてて…。寮生活だと甘いもの食べる機会がないから、お菓子とか買いたいな」

ミーナ「あと日用品とかもみたい~!」

フランツ「お菓子は、持ち帰れて日持ちするのだと少し先に、いいお店があるよ」

ハンナ「ほんと?行ってみたい!」

ミーナ「まずはそこからだね!!さぁ行こーう」
72: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:35:30 ID:O1vYX8Zo0

菓子屋 店内

ハンナ「わ~すごい…形が可愛い」

フランツ「形も可愛いけど、味も凄く良いんだよ」

ハンナ「ふうん…小さくて沢山入ってるのもあるし、部屋の子たちとも一緒に食べられるね」

ハンナ「…沢山あって迷っちゃうな~」

ハンナ「わぁ~こっちのも美味しそう~」

ハンナ「これもすっごく可愛い~」ウフフ

フランツ「…」フフッ
73: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:36:02 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「ハンナは甘めなのが好き?」

ハンナ「好きだけど、控えめ位が好みかな…」

フランツ「木の実とかドライフルーツ入りなんかはどう?好き?」

ハンナ「…そういうの結構好きかも」

フランツ「じゃあ、これと…これなんかどうかな?甘さが控えめだけどドライフルーツが沢山入っているんだ」

ハンナ「数も沢山入ってるね。うん、これにするね。ありがとうフランツ」ニコ

フランツ「どう致しまして」ニコ
74: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:36:42 ID:O1vYX8Zo0

店員「お客様~こちら只今キャンペーンを行っておりまして」

店員「カップルのお客様にはこちらの焼菓子二つつけさせて頂いております。お二人は恋人同士でよろしいですよね?」


フランツ「えっ?」チラ

フランツ「あ…はい」

ハンナ(えっ)カァァ



店員「どうぞお二人で仲良く召し上がって下さいね~」

店員「ありがとうございました~」
75: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:37:16 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「…もらっちゃったね」

フランツ「はは、もらっちゃったね」

ハンナ「なにか、二つあったみたいだけど…一つ渡すね」ガサ

フランツ「…おまけは、ハンナにあげるよ?」

ハンナ「…そう…じゃあ貰っておくね…」

ハンナ(恋人じゃないのに、貰っても迷惑だよね。私の馬鹿馬鹿馬鹿…)ズーン
76: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:37:55 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「なにそれ、おまけもらったの?カップルキャンペーンの?」

ナック「僕らは声もかけられなかったのにな」ハハ

ミーナ「何だ~貰えるものなら私も何かほしかったなぁ。得しちゃったね」

ハンナ「あ、うん…」
77: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:38:28 ID:O1vYX8Zo0

ミーナ「あっちのお店にもいって見ようよ~!ねえ、ナック、可愛いアクセサリーショップとか知らない~?」

ナック「俺さ、可愛いアクセサリーなんてしないからな~」

ミーナ「興味あるとか御用達とか言われても怖いしな~」

ナック「人気があるのはそこの先の赤い壁の店かな。入ったこと無いけどな」

ミーナ「ほんと?行ってみようよ!!髪の毛まとめるやつ欲しかったんだ!!」ワーイ

ナック「おい、待てよ~!!人が多いから迷子になるだろ!?」タタタッ

フランツ「僕らも…行く?」

ハンナ「う、うん、行こうか…」

フランツ「…」
78: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:39:51 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ(でっ、でもさっき、恋人って…はいって言ったよね。言ったよね…)ドキドキ

ハンナ(…恋人祭?今そんなイベント中なんだ)

ハンナ(このお店の看板に書いてある)

ハンナ(えっと…キャンペーンでお付けするものは、一対になる、何か…をカップルの方にプレゼント…か。ふうん)

ハンナ(おまけ貰えるから、そう言っただけなのかな…)

ハンナ(ところで、さっきのお菓子やさんはなにくれたのかな…)ゴソ

ハンナ(ハートのクッキーだ。半分に分かれてる)

ハンナ(これじゃ、別れるみたいじゃない…でも、くっ付けたらぴったりだし、これでいいのかな)
79: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:40:23 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ(あれっ?)

ハンナ(みんながいない…)

ハンナ(もしかして、はぐれた…?)

ハンナ(皆に迷惑が)キョロ

ハンナ(どうしよう…私一人だと帰れない)
80: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:40:53 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「ハンナ?」

ハンナ「えっ」クルッ

フランツ「もう他のお店に行く?」

ハンナ「ええっ、うしろ…にいてくれたの?」

フランツ「ずっといたよ」ニコ

ハンナ「よかった~。私はぐれたかと思って」

ハンナ「探して歩くことになったら、人混みだし、皆に迷惑がかかると思って…すっごい不安になっちゃった」

フランツ「この辺はじめてでしょ?はぐれたら帰れなくなるだろうからさ。僕はよく知ってるけどね。だから見失わないように側にいたよ」

ハンナ「ありがとうフランツ。本当によかった~はぐれてなくて…」

フランツ「…」フフッ
81: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:41:44 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「ミーナとナックは?」

フランツ「あっちの雑貨屋に行ったよ。僕らも行ってみる?」

ハンナ「そうね、行ってみたい」

フランツ「じゃあ行こうか」スッ

ハンナ(えっ…手?)カァァ

フランツ「…人が多いところを通るからね。はぐれると困るから…手を繋いでもいい?」

ハンナ「あ、あの…」

フランツ「…もし迷惑なら、離れない様についてきて?」

ハンナ「えっと…つ、繋いで貰おうかな…手…」キュッ…

フランツ「行こう」ニコ

ハンナ「…うん」ニコ
82: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:42:26 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ(フランツの手…大きい)

ハンナ(暖かい…恥ずかしい…)

ハンナ(でも…嬉しい)
83: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:42:58 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「お店のなかに二人は居ないね」

フランツ「もしはぐれても、夕刻の鐘がなる頃に広場の鐘の下で待ち合わせているから、平気だと思うよ」

ハンナ「そうだったの?私知らなかった…はぐれたらそこに行けばいいんだね?」

フランツ「もし、迷子になったらね。まぁ、僕はハンナを迷子にさせたりしないけど」

ハンナ「…頼もしいな」フフ

フランツ「町を案内するって言ったしね。何か見る?」

ハンナ「そうね…髪留めとか見ようかな」
84: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:43:32 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「これも可愛いな~」

ハンナ「こっちもシンプルで素敵」

フランツ「こういうのが好きなんだ」

ハンナ「ほんとは大きめの花とか蝶とかついてるキラキラしたのが好きなんだけど…訓練中はつけられないでしょう?」

ハンナ「だから、小さめの引っ掛かりがないものをね、選ぼうかなって…」

フランツ「そうなんだ。色はこんな感じが好きなの?」

ハンナ「うん、玉虫色っていうか…角度によって色が変わるから、綺麗で好きなの」

フランツ「ふうん…」

ハンナ「決めた。これ、買ってくる。店員さんあっちだね。ちょっと待ってて」タタッ

フランツ「待ってるよ」
85: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:44:18 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「…」

店員「あれ?ケフカさんとこの坊っちゃん。いらっしゃい。今日は休み?」

フランツ「あ、こんにちは。ちょっと買い物に」

店員「あれ彼女?可愛い子だね。あの子も訓練兵かい?」ニコ

フランツ「ええ、まぁ…」

フランツ「…」チラ
86: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:44:57 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「お待たせ~…会計混んでて、遅くなってごめんなさい」

フランツ「そんなには待たなかったよ。次はどこに行こうか?」

ハンナ「フランツは行きたいところは無いの?」

ハンナ「私の行きたいところばかりまわってもつまらないでしょう…?」

フランツ「そんな事は無いけど…なら、あとで広場の奥の丘の上に行ってみない?少し高くなっていて、市場の様子がよく見えるよ」

ハンナ「じゃあ、そちらに向かいつつ、気になるお店があったら入ってもいい?」

フランツ「そうだね。市場についたのが、昼を過ぎて結構たってからだけど…夕刻までまだ時間があるから、ゆっくり向かえるね」

フランツ「さ、行こう」サッ

ハンナ「…うん」キュッ
87: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:45:41 ID:O1vYX8Zo0

市場 広場奥 丘の上



フランツ「ベンチが沢山あって、休めるね」

ハンナ「色々付き合ってくれてありがとう…座って休もう?」

フランツ「普段の訓練に比べればまだまだ動き足りないくらいさ。あそこ空いてるね」

ハンナ「あれ、ミーナとナックじゃない?」

フランツ「そうだね…でも…邪魔しちゃいけない雰囲気あるな…」

ハンナ「ほんと…なんか…恋人同士みたい…」
88: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:46:14 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「………」

ハンナ「………」

フランツ「待ち合わせの時間までまだ少しあるから、僕らはこっちに座ろうか」

ハンナ「そうだね…その方がいいかも」
89: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:46:52 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「結構買い物したね」フフッ

ハンナ「どこのお店でも、おまけ沢山貰っちゃったね…」

フランツ「恋人同士に見えたのかな」

ハンナ「…そうなのかな…」


フランツ「さっきの店でハンナが会計してるとき、飲み物買ったんだ。あげるよ。飲もう?」

ハンナ「ありがとう。頂きます」ニコ
90: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:47:42 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「なんか珍しいものがあったりしてつい…いっぱい買っちゃって。荷物もってもらってごめんなさい。重いよね」

フランツ「いいよ。重たくもないし、そのつもりだったし、これくらいは全然、持つよ」

フランツ「それに…今日はハンナと二人で過ごせて嬉しかったよ」

ハンナ「フランツって優しいね…女の子に人気あるのわかるなぁ」ボソ
91: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:48:13 ID:O1vYX8Zo0

フランツ「僕が?」

ハンナ「いつも声かけてる女の子とかいるし…何人かに…こ、告白されたりとかしてるって噂で」

フランツ「はは、そんな噂されてるの?確かに言われたことは無くはないけど」

フランツ「好きな子がいるって断ったんだよ」

ハンナ「そうなんだ」

ハンナ(やっぱりいるんだ、好きな子…)シュン
92: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:48:58 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「…ごめんね、その…今日なんか、こんなイベントで、私なんかにつきあってもらって…その子と行きたかったかも知れないのに…」

フランツ「いいんだ。君たちと約束してたからね」

フランツ「最初から好きな子を誘おうと思ってたし」

フランツ「今日好きな子と来ることができて、僕は楽しかったよ」
93: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:49:36 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ(……え)

ハンナ「あ、あの……えっと」

フランツ「好きだよ、ハンナ」

フランツ「恋人って意味で…付き合ってほしい」

ハンナ「…」

フランツ「ほんとはもっと早く言いたかったけど、サムエルの事とかあったし…男子を避ける様子があったから、なかなか言い出せなくて」

フランツ「でも、ミーナが誘ってくれて、来てくれて良かった」

フランツ「嫌ならさっきの言葉は忘れてくれて構わないよ」

フランツ「誰かみたいに無理矢理どうこうなんてしない。大人しく引き下がるから」
94: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 12:50:13 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「………」ガサ

フランツ「……?」

ハンナ「」ガサガサ

フランツ「………何してるの、ハンナ」

ハンナ「」ガサガサガサガサ ガサガサ

フランツ「ハンナ?」
95: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:04:32 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「石鹸に蝋燭、洗濯の板、メモ帳とハンカチ…文鎮と匂い袋に膝掛けとヘアブラシ、ペンダントトップ、あとはクッキー…」

ハンナ「こっこれ…こっちの袋に入れたから…」

ハンナ「フランツに…あげるね。貰ったおまけの…全部の半分」

フランツ「…えっ」

ハンナ「わっ、私達…恋人同士だから…」

フランツ「ハンナ…」ニコ

ハンナ「…」…ニコ
96: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:05:35 ID:O1vYX8Zo0

夕刻の鐘「リーン…ゴーン」


ハンナ「はっ、ええっ!?ちょっと…えええ~…」

ハンナ「ミーナとナックまでしてる…!?ええ~…」

フランツ「祭りの日の丘の上で、夕刻の鐘が鳴ったとき…」

フランツ「恋人同士はキスをすると、ずっと一緒に仲睦まじくいられて…死ぬときも死んだあともずっと一緒でいられるっていうジンクスがあって…」

フランツ「だから今、周りの皆、キスしてるっていう訳なんだけど…」

フランツ「別にしなくてもいい訳なんだけど…」

フランツ「次は来年になってしまうし…」

フランツ「いや、でも僕らまだ早いかな」アハハ
97: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:06:07 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ「…フランツとなら…今でもいい…かな」

フランツ「えっ」

ハンナ「来年だと…先だもの。私もフランツの事、好きだから…今したい」

フランツ「いいの?」

ハンナ「…うん」

フランツ「じゃあ、目、瞑ってくれる…?」
98: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:10:24 ID:O1vYX8Zo0

ハンナ(…目を閉じていても、フランツが近づいて来るのがわかる…)

ハンナ(私変な顔してないかな)

ハンナ(身体中がくすぐったい)

ハンナ(熱い)
99: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:10:56 ID:O1vYX8Zo0

軽く触れた唇はすぐに離れた。
目を開けたら微笑む彼が、そっと私の肩を引き寄せて、指を絡ませた。

もう一度近づいて来る彼に、私はまた目を閉じる。啄むように唇をかさねてくる。
柔らかくて、あたたかで、とっても優しい。

片手で抱き締められて、絡めた指に力が込められる。しっかりと拘束された私の襟元に顔を埋めた彼は、耳たぶと首筋にキスをした。

彼の柔らかな吐息と唇が触れるたび、身体中がくすぐったくて堪らない。でも嫌じゃない。ずっとこうしていたい。もっとして欲しい。いつまでも。
100: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:11:35 ID:O1vYX8Zo0

夕食後
女子寮 談話室


ハンナ「というわけで、フランツと恋人同士になりました~」キャー

ハンナ「あと、この髪飾りくれたの。綺麗な細工の花がついたもの」

ハンナ「訓練には使えないけど、休みの日には絶対つけるの」

クリスタ「わぁ~玉虫色っていうの?キラキラしてとっても綺麗~。素敵~」

ユミル「ふう、あまい…甘いな。なんて甘さの土産話だ。この菓子が塩味に感じるほどに」

サシャ「しょっぱくなんか無いですよ?ほどほどに甘くて、凄く美味しいです」モグモグ

ミーナ「それは目から出た塩水の味じゃない?」

ユミル「塩水でるほど羨ましくなんか無いね」
101: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:12:07 ID:O1vYX8Zo0

ユミル「お前はナックとどうだったんだよ?」

ミーナ「好きだって言われてキスはしたけど…付き合うっていうか何て言うか」

クリスタ「ええーっ、キスしたのに、付き合って無いの!?」

ミーナ「他にもいい男いるし…まずはナックと付き合ってみるけど、他の子も知りたいって言うか」

ユミル「…女サムエルって呼ぶぞ」

ミーナ「そ、それは勘弁!!ほんと、やめて!!」

ミカサ「」フフ…
102: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:12:42 ID:O1vYX8Zo0

翌日 夕食後
食堂

エレン「お~い、ベルトントン~!!昼間の訓練の体術の事なんだけど~」

ベルトルト「…うん…何?」

ライナー「ベルトルトだぞ、エレン。言いにくい名前だが、いい加減覚えてやれ」ハハ



アルミン「…この一ヶ月にそんな事があったの」

ミカサ「そう」
103: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:13:25 ID:O1vYX8Zo0

ミカサ「エレンを狙う者があれば排除する」

ミカサ「しかし、同じ訓練兵の仲間。傷つけ、駆逐することは不可能」

ミカサ「なら、他の人とくっ付けたらいいと思った」

ミカサ「エレンを狙う者がいなくなり、私は嬉しい。恋人が出来たら、彼らも嬉しい。皆幸せ。いいアイデア」
104: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:13:58 ID:O1vYX8Zo0

ミカサ「幸い、フランツは早い段階からハンナの事を好いていたよう」

ミカサ「あとはハンナを誘導するだけだった」

アルミン「でも、ジャンを投げつけるのはやりすぎじゃない?」

ミカサ「フランツは手練れ。ジャンを受け止めるか、ハンナを庇うか、どちらかすると思っていた」

ミカサ「ジャンも受け身は上手。ちょっと投げられたくらいなら平気と思った」

ミカサ「しかし、あんなに情熱的に抱きすくめたりするとは思わなかった。こちらが恥ずかしい思いをした位」
105: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:14:40 ID:O1vYX8Zo0

ミカサ「恋人祭の話をフランツの近くでわざとしたり」

ミカサ「ハンナのハンカチをこっそり拝借して、ジャンにサムエルの話をさせてから渡して貰ったり」

ミカサ「ハンナにフランツがいかに女の子に人気があるか話したりしたら」

ミカサ「あとは勝手にくっついてくれた」

ミカサ「ミーナに関しては、彼女は移り気。ほおっておいても問題ない」

アルミン「…生き生きしてるね、今」

ミカサ「とても楽しかった。皆幸せになれてよかった」
106: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:15:13 ID:O1vYX8Zo0

ミカサ「幸せといえば、サムエルも幸せにしてあげた」

アルミン「そう言えば最近、サムエルの調子が変なんだけど…ミカサ、何かしたの?」

ミカサ「格闘訓練中組んでいるとき、私の事を好きだと言ってきた」

ミカサ「ので、投げた」
107: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:15:45 ID:O1vYX8Zo0

アルミン「…投げたの?」

ミカサ「そう、投げた。そしたら頭から落ちた。その後医務室に運ばれた」

ミカサ「昼過ぎまで寝ていたようだ。目が覚めたら別人のように、人当たりのいい真面目な男子になっていたそうだ」

アルミン「頭を強く打って性格が変わる事ってあるんだ…興味深いね…」

ミカサ「顔はいいので、性格が良くなれば念願の彼女ができるだろう。彼も幸せになれてよかった」

アルミン「まぁ、今のサムエルが彼女が欲しいかって言ったら、どうなのかなっていう所はあるけどね」
108: 進撃の名無し 2014/11/20(木) 13:17:20 ID:O1vYX8Zo0

ミカサ「アルミン」

アルミン「何?」

ミカサ「お水のコップ持って」

アルミン「?…持ったよ」

チーン☆

アルミン「乾杯なの?」フフッ

ミカサ「そう、乾杯」ニヤ

ミカサ「アッカーマンの戯れにより生まれたフランツとハンナの恋人同士に乾杯」








ミカサ「恋はアッカーマンの戯れ」
元スレ

テーマ : 進撃の巨人
ジャンル : アニメ・コミック

【エレアニss】~私の宝物~【進撃】

2 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:26:03 ID:OtstKbwQ
エレンが相談にのってくれなんて珍しいね。
そう言った幼馴染のアルミンの言葉に夕食を食べながら俺はため息をつく。

「仕方ねえよ。この気持ちに気付いてから、何をやっても上の空になっちまってよ」

俺は胸中をさらけだす。相談なんてのは口実で自分の気持ちを受け入れ、整理をつけたがっているのだ。

「アニは少なからずエレンに対して気持ちがあると思うよ。ただ、それでも通じるかどうかは僕にもわからないけどね」
アルミンの意見を聞いた俺は少し気が軽くなった。

「・・・こんな気持ちになったのはあいつだけだからな」

味気ないパンを齧りながら、俺は初めてアニと接した日を思い返していた。
3 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:28:45 ID:OtstKbwQ
「いてて・・・アニの奴、無茶苦茶強いな・・・」
宿舎のベッドに身体を預けた俺は一人呟いた。ライナーと二人してアニに負かされた日の晩のことだ。


同室のライナーやベルトルトは風呂に行って間もない。部屋には俺一人だけだ。
少しの痛みと女の子に負かされた悔しさが巡る。

いつか勝ちをもぎ取ってやる。頭の中でアニの動きをイメージする。何をされて、どう倒されたか。

しかし、イメージした回数と同じだけ地面に転がされた自分の姿が見えてしまう。

「負けっぱなしは癪なんだよ」

イライラが募る。どうにも考えるというのは性に合わない。

「そういや明日は対人格闘の訓練があるな・・・よし・・!」

とにかくアニの動きや癖、技に慣れることだろうと思った俺は布団をひっかぶると眠りについた。

4 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:29:54 ID:OtstKbwQ
翌朝、俺は朝食の時間になると真っ先にアニを探した。
食堂を見渡すとお目当ての人物はすぐに見つかった。

窓際のテーブルの端で一人、朝食を食べるアニに話し掛ける。
「ようアニ、おはよう」

仏頂面のアニはムスッとした顔をする。
「・・・朝からうるさい」

かなり寝起きが悪いようだ。寝ぼけ眼にうつらうつらとしている。

「半分寝てるみたいだな」

「そりゃどうも・・・」

どうにも虫の居所が悪いらしい。

5 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:30:26 ID:OtstKbwQ
「ま、いいか。横、座るぞ」

「・・・どうぞ」

淡々とした会話だ。ミカサも無愛想な類いだがアニは違う類の愛想の無さだった。
人に対して一線を引いていると言うか、壁を作っているというか・・・


俺がそんな事を考えている間にアニは食べ終わったのかさっさと席を立とうとする。

「あ、ちょっと待ってくれ!」

慌てて引き止める俺にアニは露骨に嫌そうな顔をする。

6 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:31:19 ID:OtstKbwQ
「・・・まだ何か用なの?」

取っつきにくい奴だなあと思いながらも俺は用件を伝える。

「あのさ、よかったら今日の対人格闘の訓練、俺と組んでくれよ」

アニはそれまで眠たそうだった眼を瞬時に起こした。
平時は何事に対しても無関心だが『格闘』に関してだけは違うみたいだ。

「別に構わないよ」

アニはそれだけ言うと踵を返して歩いて行った。

何はともあれこれはチャンスだ。そう思った俺はその日の大半を医務室のベッドで過ごす羽目となった。

7 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:31:50 ID:OtstKbwQ
「なぁエレン、もうアイツに関わるのは止めたらどうだ?」
医務室に運び込まれた俺を心配したライナーがそう言う。
なんでも『今回は今までの中で一番高く』放りあげられたそうだ。

ったく、アニの奴。あんな小さな身体でどれだけの力があるんだ。

「お前の強くなりたいって気持ちは分かるさ。けど理想と現実は違うんだからよ?・・・」

俺は一も二もなく反論する。
「だからって諦めちゃ一生、勝てないだろ!見てろよ、今度は必ず・・・」

息巻く俺の言葉にライナーの隣にいたベルトルトが苦笑いする。
「そう言えるだけでもエレンは強いよ。僕なら最初からアニと戦おうなんて思わない」

「まあまあ、エレンは言い出したら聞かないからね」
そう言うアルミンも苦笑いだ。

ミカサに至っては「怪我をしては元も子もない」だと。

俺は何も言わずにふくれっ面を見せつける。
そう言われれば俺が俄然やる気になるって事をお前達にみせてやるからな。
そう思うと俺は握り拳に力を込めた。

8 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:32:35 ID:OtstKbwQ
悔しさで夕食を食べる気分にもならなかっ俺は何をするでもなく外に出た。

夕日を背に修練場へ行く。ただ何の気なしに足が向いただけだった。
足がぴたりと止まる。

アニが居た。ただ黙々と一人、修練に打ち込んでいた。
思わず俺は岩影に身を隠した。何となく今は顔を合わせにくい・・・というよりも悔しいからだ。

観察と言えば聞こえが悪いが俺はアニの見せる動きの虜になっていた。
1つ1つの様が流水のように滑らかで素人目にも洗練された動きだいうことは明白だ。

9 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:33:57 ID:OtstKbwQ
一通りの練習が終わったかに見えたその時。
「いつまで隠れているつもり?」
アニが俺の方に向かって言った。

俺は突然の呼びかけに動転していた。背中を嫌な汗が伝う。
だが、理由はどうあれ事実にはかわりない。素直に謝ろうと岩肌から乗り出した。

「・・・あんただったの」

アニは俺と気付くとため息をついた。
「悪い、覗き見をするつもりじゃなかったんだけどつい・・・」

「別にいいよ。それより打った頭は大丈夫?」
アニは俺の頭に巻かれた包帯を見やった。
したたかに打ちつけられた時の痛みを隠し、俺は当たり前だと虚勢を張った。

10 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:34:42 ID:OtstKbwQ
「そう、ならいいけど。じゃあね」
足早に兵舎へ戻ろうとするアニ。

「なあ、明日も対人格闘の訓練はあったよな!?」俺はアニに問いかける。

俺の思惑に気付いたアニにはぽかんとした顔で俺を見るとため息をついた。

「あんた今日、私に散々にやられたろう?それ以上やったって無駄さ。それにあんたにはセンスがないよ」

「センスがなけりゃ諦めろってか?そんな腰抜け俺はごめんだ!」

自分でもカッとなってわけのわからない事を口走っている事は分かっていた。

「迷惑なのは分かってる。けど俺は強くなりたいんだ!頼む!アニ!」

恥も外聞もあるかと俺は深々と頭を下げた。

11 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:36:15 ID:OtstKbwQ
翌日の対人格闘の訓練、俺はアニと対峙していた。
頭を下げた俺を見て呆れ顔で渋々ではあるが了承してくれたからだ。

砂埃が舞う。唾が喉を通るたびごくりと音をたてる。

俺は必死で前日のアニが見せた動きを思い返していた。
どんな人間でもあくまで生き物。相手を倒そうとする時に最も隙が生まれる。
その時が
「・・・来ないならこっちから行くよ」

思考に割り込むアニが迫る。
頬を伝う汗を振りほどくように俺も動き出す。

俺はアニの動きを捉えながら身体を反らした。
細い腕、小さな手が蛇のようにするりと俺の襟元を捉えようとする。
「今だ!」

12 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:37:37 ID:OtstKbwQ
俺はアニの手を取ると一気に引き、崩し投げた。

景色がスローモーションに揺れる。

何度も投げ飛ばされた技だ。
もう嫌でも俺の身体に染み付いているだけはある。

手応えを、その掌から感じ取り俺は初めての勝利を確信した。


しかしそう思えたのはその時だけだった。
猫のようにしなやかな動きが宙で姿勢を整え、アニは膝をついただけにすぎなかった。

瞬間こそ狼狽の色を見せたが、スッと立ち上がると手を取り合ったままの俺を睨みつける。

「う・・・」

たじろぐ俺を悲鳴とともに投げ返すアニ。
畜生、また負けた。

13 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:38:12 ID:OtstKbwQ
地面に大の字になって倒れている俺をアニの顔が覗きこんだ。
ひどく嬉しそうな表情をしている。

『冷血女』『鉄仮面のアニ』

人並み以上の容姿とそれに似合わない格闘技術。他人を寄せ付けない冷たさ。
妬みや畏怖、好奇の目が一部の連中から囁かれた不名誉な二つ名。
普段のアニに関しては、そうなのかもしれない。が、「この瞬間」だけは同一人物とは思えない。

きっと本来は、俺と同じ位負けず嫌いなんだろうな。

「参ったよ。本当に強いな」
そう思いながら俺は素直にアニを称えた。


お世辞でもなんでもなく、こいつには敵わないかもなと思ったからだ。

けど、そんな俺にアニは透き通るような瞳で俺の目を覗きこみながら言った。

「そんなにこの技を教えて欲しいの?」

14 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:38:48 ID:OtstKbwQ
それからの俺は痣と生傷の絶えない日々を過ごした。
青く腫れた瞼。擦り傷と打撲に覆われた身体。綺麗な場所を探す方が簡単な位の悲惨な有り様だった。

それでも周囲の心配をよそに挑み続けていく内、俺は少しずつアニの教えを身に付けていった。

身体で覚える1つ1つの動作や姿勢。時にはあのアニから誉め言葉すら貰う事すらあった。

そして一年の月日が流れた――

15 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:39:40 ID:OtstKbwQ
「もうあんたに教える事はないよ」

アニは1日の訓練を終え、兵舎へ戻ろうとする俺に冷たく言い放った。

俺はすかさず抗議の声をあげた。今でこそ互角に渡り合えこそすれ、未だにアニに勝った事が無い。

「確かにあんたは私と五分の技術を身に付けた。けどあんたはどこか足りない」
返す言葉のない俺を見ながらアニは続ける。

「どうにも心ここにあらず。と言うより迷いしか感じられない」


思い当たる節はあった。数日前の事だ。

16 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:40:34 ID:OtstKbwQ
俺は就寝前の僅かな自由時間をテラスで過ごす習慣があった。
時には一人で、またある時はミカサやアルミン達と。といった具合だ。

その日も一日を終え、いつもの場所でのらくらしようと俺は「指定席」へ向かおうとした。

進む足が止まる。どうやら先客がいるようだ。
俺は渋々、兵舎へ戻ろうとした。

背中から話し声が聞こえる。

「・・・それにしても、今日はあの冷血女のせいで散々だったぜ」

俺の足が止まる。アニの事を言っているのだ。

「あの野郎、最初の頃は体よくサボっていやがった癖に、最近じゃ真面目ぶりやがって。」

「こっちは立体起動の補習訓練でクタクタなんだ、融通の聞かない女だよ!」

「ああ全くだ。こっちがのたうち回ってる姿を見ても顔色一つ変えやしねぇ」
会話から察するに二人の訓練兵が愚痴をこぼしている。

盗み聞きをする趣味は無いが思わずため息をつく。

17 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:42:28 ID:OtstKbwQ
ようは自分達の不出来や不平不満をアニに丸投げしているだけのお門違いな八つ当たりなのだ。

相手にするだけ後が面倒だ。そう思った時、いつだったか、アニが本音をもらした事を思い出した。

「私は誰かに好かれたくて生きているわけじゃないよ」

立体起動装置の整備をしながらアニは俺に呟いた。
本来ならグループを組み行うはずが一人、孤立していた。

露骨な迄に周囲に避けられているアニを強引にペアに誘った時の事だった。

「ただね・・・嫌われる為に生きているわけでもないから、やっぱり辛いよ」

アニは自分が周囲から浮いている事を十分、承知していた。
小柄な体躯、優れた格闘術、冷たい瞳。

畏怖と好奇の視線はいつしか不名誉な通り名を生み出した。


「まあ、自分で選んだ生き方だからいいんだけど」

うつむき加減の横顔から俺は初めてその本心に触れた気がした。

18 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:43:38 ID:OtstKbwQ
ハッと顔をあげたアニは顔を紅潮させたかと思いきや次の瞬間には普段のポーカーフェイスに切り替わっていた。

「このことは誰にも言わなくていいからね」

そう言うと、一方的に話を切り上げた。




何故アニはあの時、自分の本音を教えてくれたんだろう。
その時は何気なしにと思い、流したつもりだった。

けれどあの時、一瞬見せた寂しげな瞳にはうっすらと涙が浮かんでいたように見えた。


あの日の瞳が忘れられなかった。

19 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:44:12 ID:OtstKbwQ
俺はアニへ悪態をつく奴等を殴り飛ばしてやりたい気分に襲われた。
握り拳に力を込める

沸々とこみ上げる苛立ちを強引に押さえ付けると、その場から逃げるように駆け出した。

殴る事は簡単だ。実際に俺にかかれば相手が二人いようがコテンパンにしてやれる。

けど俺がそんな事をしてはやぶへびになる。
アニの名を貶めてしまう事は避けたい。

ああくそ、何で俺が泣いてんだ!

20 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:44:45 ID:OtstKbwQ
俺は気付いていた。
普段のアニは氷のように冷たく、他人にも自分も厳しく決して人を寄せ付けない。

けど、それは優しさや弱さの裏返しで本来は年相応の女の子に他ならないと。

時折、垣間見せる優しい瞳や傷付いたような寂しげな瞳がそれを裏付けている。

兵舎に戻り、仲間達に平常を装いながら俺は思った。

なんだ俺・・・一日中、アニの事ばっか考えてやがる・・・

21 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:45:17 ID:OtstKbwQ
「悪い・・・最近、考え事してたから。真面目に教えてくれてたのに、悪かったよ」

思い出しながら俺は頭を下げた。

素直に謝る事でアニの顔から険が消えた。

「・・・いいよ。私も言い過ぎたみたいだ。さっきの発言は取り消すよ」


それが数時間前の事だった。俺はアルミンに心境を吐露する事で区切りをつけつつあった。

22 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:45:47 ID:OtstKbwQ
「・・・そうだね、エレンがそれだけ言いきるなら間違いないよ」

アルミンはそんな俺の胸の内を理解した上で背中を押してくれた。

俺は自分自身の気持ちについていけず、もて余していた。

それは身勝手で我儘でとんでもなく厄介な代物だった。

ああ、分かっている。俺はアニが好きなんだ。
畏怖と憧れは淡い思慕になり、果ては好意に、恋慕に形を変えていた。

後は俺自身の問題だ。

アルミンはその気持ちアニに伝えるのかと尋ねてきた。

俺は考えるより先に勿論だと答えた。

23 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:46:48 ID:OtstKbwQ
アルミンは俺の答えを聞くと笑って答えた。
「エレンならそう言うと思ったよ」

話しはそれで終わった。
アルミンは決して多くは語らず、けれど俺の心を理解した上で、最小限の言葉で最大限のエールをくれた。


想いを言葉にして伝える事は難しい。それが大切な人や、特別な想いなら尚更だ。

どんな結果になったとしても、この想いだけは真っ直ぐに伝えたい。

眠れない夜を過ごし、夜明けを迎える頃、俺は上着を手に宿舎を後にした。

24 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:47:26 ID:OtstKbwQ
朝靄に霞む視界とは裏腹に俺の心は穏やかに、そして晴々としていた。

腹を括ると人はこんなにも変わるものなのか。そう思いながら、ゆっくりと歩く俺の前に何者かが立ち塞がった。

「ようエレン、随分と早いお目覚めだな」

聞き覚えのある声とシルエット。
声の主はライナーだった。


挨拶の割にはやけにその声が硬い。
何か言いたそうだなと言うとライナーは少し照れくさそうに笑った。

「お前にゃかなわんな。ん、まあアニのことなんだが・・・」

ライナーは一気に吐き出すように続けた。
「エレンが盛大にぶん投げられて医務室行きになった時、アニには関わるなって言った事、悪かったな」

俺自身はすっかり忘れていた事だと言うとライナーは破顔した。

25 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:47:57 ID:OtstKbwQ
「あいつは不器用な奴だからな。」
俺がそう言うとライナーはどこか納得のいく表情を見せた。


「あん時はお前に怪我させちまったから同郷の身としては謝っとかないと気か気じゃなくてよ」

言いたい事はわからなくないが今、話す事か?そんな俺の疑問符に気付いたライナーは一気にまくしたてた。

「ん、まああれだ、お前のお陰であいつは救われたんだと思ってるんだよ」

「あいつの事、これからも頼むわ」

そう言うとライナーは俺の反応を待たずに宿舎へと戻って言った。

「なんだあいつ・・・」
一人きりになった俺はぼそりと呟いた。朝靄はいつしか消え去っていた。

26 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:48:30 ID:OtstKbwQ
俺は朝食を終え食堂をさっさと出るアニにならびかけた。

無言の二人。並んで歩を進めるものの俺はどう切り出すか、何から話そうか、タイミングを模索していた。


「なんかようなの?」

しびれを切らしたアニの声が聞こえた。

「あー・・・おはようアニ」

「・・・おはよう」

拍子抜けしたアニは肩の力を抜いたようだ。

意を決した。俺には理屈だの打算だのは向いていないんだ。
ありのままに伝えるしかない。

27 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:49:06 ID:OtstKbwQ
「なあ、アニ」
アニの目を見つめる。

「何?」
俺の眼差しに目を背ける事なくアニが答える。

「あのさ、俺、ここんとこ何かにつけて上の空だったよな?」

「・・・そうだね。で、済んだ話を蒸し返してどうするの?」


「いや、ちょっと話がしたくってさ、今度の休暇に時間、貰えないかな?」

少しばかりの沈黙に不安の影がよぎる。頼むから首を縦に振ってくれ。そう思った時だった。

「それってもしかしてデートのお誘い?」

アニは目に意地悪な笑顔を浮かべながら俺に聞き返してきた。

28 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:49:55 ID:OtstKbwQ
核心を突かれて心臓の鼓動が加速する。
ああ、くそ、筒抜けなんだろうが、こうなったら出たとこ勝負に出るしかない。
「・・・おう、一年も相手してもらって来たんだからな。」

舌が上顎に張り付いてしまいそうなくらいの緊張が俺を襲う。

アニはそんな俺に近付くと上目遣いに見やった。
長い睫毛、空のように澄んだ碧い瞳、そして・・・匂いたつような色気と香り。

口の端を少し吊り上げてアニは答える。
「ま、気分転換にはなるかもね・・・」

アニは踵を返すと俺をその場に残し去っていった。

29 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:50:26 ID:OtstKbwQ
そして約束の日、俺はアニと街へ繰り出していた。

冷たい眼差し、人を寄せ付けない強さ。時折、垣間見せる寂しさやか弱さ。

道行く仲睦まじい家族を羨ましく見る横顔を俺は見逃さない。

俺は何故、アニを倒せないか。ずっと前からその答えに気付いていた。
けど気付かないふりをしていた。

好きだと言う気持ちが怖かった。失う怖さ、変わる怖さ。

上手く言葉に出来ないが、伝える事の難しさも手伝って尻込みしていたんだと思う。

30 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:51:31 ID:OtstKbwQ
誰が何時、命を落としてもおかしくないこの時代で、共に生きたいと思った人だから・・・

どんな結果になろうとこの気持ちを伝えたい。

街の丘にアニを連れて歩く。
雑踏を抜けてたどり着いた場所。俺はくるりと振り返るとアニを見据える。

長い髪を耳にかけながら、不思議そうに見やるアニを見て、少しくすぐったくなる。

ああ、その目だよ。俺が好きな仕草は。
本当は誰よりも臆病で、けど不器用な位に真っ直ぐなお前が誰よりも好きなんだよ。

心地よい風が吹いた。俺はゆっくりと息を吸い、ゆっくりとはく。
「アニ、俺はお前が―――」

想いを言葉に乗せて・・・



to be continued

31 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:53:03 ID:OtstKbwQ
~ani side~

初めて好きって気持ちに気付いたのはいつ?

第104期訓練兵団の解散式が終わり、それぞれが思い思いの夜を過ごす中、食堂のテーブルを挟んで向かい合わせたミーナが好奇心で問いかけてきた。

「いつっていうか・・・」

私が答えに詰まっている様子が彼女には珍しいようで目を丸くしている。

「なんにせよお似合いのカップルだと思うよ!」

本心から言ってくれているのだろう。私と彼女は親しくはないが本心で言ってくれている事くらいはわかる。
例えそれが上辺だけの言葉だとしても悪い気はしない。

「でもアニは憲兵団に行くんだよね?じゃあエレンとは・・・」

ミーナは言って後悔したのか口をつぐんだ。

「ゴメン・・・当事者でもない私が言う事じゃないのに・・・」

バツが悪そうにミーナは黙りこくってしまった。

32 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:53:34 ID:OtstKbwQ
「気にする事ないよ、それが別れじゃないから」

ミーナの緊張を解いた私はじゃあねと席を立った。

いつもより食堂が騒がしいのは皆ですごす最後の夜だからだろう。
皆が知っている。二度と全員が顔を合わせる事の無いことを。

賑やかなのは嫌いじゃない、けど私の柄じゃない。
出口のドアに手を掛けた時、視界にエレンが入った。

アルミン、ミカサと楽しそうにうお喋りをしている。
三人は昔からの幼馴染であり苦楽を共にした仲間だ。話も弾むだろう。
そんなところに水を差すほど私は無粋ではない。

ドアを開け私はかがり火が照らす薄闇の中に出た。澄んだ空気が心地よい。
私は広場の中心に組まれた焚き火の前に腰を下ろした。

33 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:57:14 ID:OtstKbwQ
燃える炎を見つめながらエレンの顔を、しぐさを思い浮かべる

「最初はただの暇つぶしだったのに・・・」

エレンと初めて向かい合ったのは対人格闘の訓練の時だった。
適当に流してやり過ごそうとしていた私に突っかかってきた事が全ての始まりだった。

もちろん私はそんなエレンを一蹴した。
お父さんから教わった体術が有無を言わさず放たれる。

女に負かされた顔はさぞかし滑稽だろう、私は鼻で笑ってやろうとした。
「今の技、凄いな!誰かに教わったのか!?」

ぎょっとした。エレンは痛みも忘れ私に近づくと目を輝かせながらそう言った。

「・・・お父さんに・・・」後ずさりながら私は答えた。

34 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:58:11 ID:OtstKbwQ
それからエレンは事ある毎に私の所へ来ては這いつくばらされていた。

「懲りない奴」「猪突猛進」当時はそんな印象しかなかった。

だが繰り返えされる習慣。慣れとは恐ろしいものだ。何度も何度も倒されるだけだったエレンは
次第に私の動きを、癖を、技術に順応し先手を打った

膝をつく私に息を弾ませながら勝利を確信したエレン
瞬間、彼は悲鳴と共に地面に転がされていた。小手先の技を見切ったからといって調子にのらないでほしい。

悔しがる彼にちょっとした気紛れを覚えたのか私は本来なら口にしないであろう台詞を口にした。
「そんなにこの技を教えてほしいの?」

35 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:58:57 ID:OtstKbwQ
訓練兵団をその熱『弁』で指導したキース教官はエレン・イェーガーを努力の人と評した。
その人物評価は確かな物だった。

一年後、エレンは私と対等に渡り合える唯一の同期生へと成長していた。
膂力だけならば同期の中でも首席を争うミカサ、ライナー、ベルトルトの三人もひけをとらないが――
積み重ねてきた努力、私と同等の技術はその比ではない。


私は感情をコントロールする事を得意としていた。感情は私情を生む。


心が波立つと隙を生む。目的を果たすために私は心を閉ざしたはずなのに・・・
戦士としての自覚と誇りを持っていた・・・それなのに・・・

私はいつしかエレンと過ごす時間を楽しみと感じていた。

「アニ、俺はお前が好きだ」
あくる日の休暇にエレン私を呼び出したかと思うと公衆の面前できっぱりと言い切った。

「・・・・・・っ!」
絶句した私は思うが先か移すが先か、エレンに平手を振りかざした。

36 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 04:59:41 ID:OtstKbwQ
「ちょっ!ちょっと待ってくれ!!」
私の手を取りエレンは哀願した。

「頼むから落ち着いてくれ!話だけでも聞いてくれよ!」

やがて落ち着きを取り戻した私は手の力を抜く事で戦意の喪失を示した。

そして無言の私を公園のベンチへ促すとエレンは話を続けた。

「・・・最初はさ、スゴイ奴だって思ってたんだ。」
「まがりなりにも男の俺を簡単にいなしたんだからさ?」


「まがりなりにもか弱い乙女に投げられるアンタが弱すぎるんだろう?」
意地の悪い返しをしたはずなのにエレンの表情は緩んでいた。

「ようやく笑ってくれたな」

私は鳩尾がひやりとした。
したと同時に激しい動悸を覚えた。

「続けるぞ?」

エレンは遠くを見つめながら言った。

37 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:00:45 ID:OtstKbwQ
「人より優れた力があるのにそれを表に出さない」
「それどころか親父さんの教えを無意味と言った」

「けどアニはそう吐き捨てた時、他の誰よりもいきいきとしていたし嬉しそうだった」
胸がちくりとする。

「嘘をつくのが下手な奴って思った。そしたらさ・・・」
「毎日アニと他愛無い話をしたり、一緒に訓練をするのが楽しくて」
心臓の鼓動が早まる。

「でも強くなっていく度に、アニを怪我させたくない、傷つけたくないって」
「アニを仲間としてじゃなく、女の子として意識していたんだ」

涼やかな風が吹いた。
私はエレンの横顔を眺めながら相槌をうつ。

38 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:01:51 ID:OtstKbwQ
「それにこんな時代だ、何時、誰が命を落としても不思議じゃない」
「そう思ったら、どんな結果になろうとこの気持ちだけは伝えなきゃって・・・あ、いや、あれだぞ!?別に俺は付きあいたいとかじゃ、」

「いいよ付き合おうよ」
エレンが言い終わる前に私は返事をしていた。
きょとんとするエレン
まるで信じられないといった彼にしては珍しい、間の抜けた表情だった。

「ほっ、ほんとにいいのか!?」

エレンの再度の問いに私はうんざりとした口調と態度で手を差し出した。
「はいはい、これからよろしくねエレン」

その日、部屋に戻った私は誰にも見られないようにベッドへ潜り込んだ。
そして明け方まで眠れず、それからの数日間エレンとまともに顔をあわすことすらできなかった。

39 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:03:03 ID:OtstKbwQ
「なんとなくから始まったんだね・・・」

私は誰に聞かせるでもなくつぶやいた。
ほんの気まぐれから始まった関係は少しずつ、少しずつ育まれていった。
「そうだ・・・あの頃はまだ引き返せたんだ・・・」

それから私とエレンは周りに冷やかされながらも今日まで特別な関係でいた。
もっとも男女の付き合いなんてのはそこにはなく気兼ねのない付き合い程度なものだった。

エレン、ミカサ、アルミン。この三人の輪にエレンを介して私が溶け込んだ狎れ合い。
ただそんな日々は確実に私の心へ沁み渡って行った。

やがて訪れる解散式の日。そしてその後はそれぞれの道へ・・・それでお別れにすればいい。

私は憲兵団へ。エレンは調査兵団へ。何も問題は無い。これが私の進む道・・・

なのに・・・どうして心がざわつくのだろう?こんなにも苦しいのだろう?
焦燥感や苛立ち、不安。別離の日が近づくにつれ私は冷静でいられなくなった。

40 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:04:51 ID:OtstKbwQ
私は・・・何を望んでいるのだろう?
答えの出ない問いかけにため息をついたその時、聞きなれた声が私を呼ぶ。

「ここにいたのか」

その声を聞いた瞬間、それまでの心のざわめきはやんだ。

「よ・・っと」

エレンは私の横に腰かけるとグラスを手渡した。
女を一人にさせてごめんの一言もないのかと噛みついてやる。

「悪かったよ、ただこれが皆で過ごす最後の夜だと思うと・・・さ」

そう言われれば私が矛を収めるしかないだろうと分かっていなくても言えるのがエレンの才能なんだろう。
と言ってやりたかったがさすがにこれは胸の内にしまった。
どうにもエレンは私の心のツボを知らず知らずの内に押す。

それよりもエレンから手渡されたグラスの中身に気付く。
酒のしたたかな匂いがした。

41 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:05:42 ID:OtstKbwQ
「とある先輩からの受け売りなんだけど・・・」
「特別な日に特別な人と酒を酌み交わしてこそ一人前の兵士の嗜みって聞いてさ」
「まあ俺も飲むのは初めてだけど折角ならアニと。ってな」

訓練兵を卒業する者達への先輩達からの粋な計らいとは聞いていたが・・・
それみしても随分と砕けた風習もあるものだ。
もっともそうでもなければこの世界でやっていけないのだろう。

抗議の声をあげるもそれは空しい徒労に終わった。
『抗議』といえば聞こえが悪いが私自身エレンと杯を酌み交わす事に不満はなかった。
素直に言ってしまえば私なりの照れ隠しなのだ。

そんな内心を悟られていると知りつつも呆れ顔の私はやれやれと言わんばかりにグラスを挙げる。

「それでイェーガー訓練兵殿、何に乾杯を?」
皮肉を込めて言ってみる。

「そうだな・・・あっ」
エレンが頭上を見上げた。

「・・・!」

見渡す限りの空に星が輝いていた。

最後に空を見上げたのはいつだったろう。

42 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:06:14 ID:OtstKbwQ
思えば私は何もかもが宙ぶらりんのままだった・・・

無言の私にエレンが話しかけた。

「なあアニ」

「何?」

「お前さ、憲兵団に行くんだよな」

ドキリとする。
「・・・うん」

「俺は調査兵団だ・・・結構離れちまうよな」

胸が締め付けられる
「・・・そうだね」

「この空ってさ壁の外も内も包んでいるんだよな距離なんか超えて」

「俺はどこにいてもお前を思って空を見上げる。だからお前も・・・」

この馬鹿さ加減がいつだって私を巻き込む。

43 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:08:22 ID:OtstKbwQ
「わかったよエレン。じゃあ・・・」

「「この空に・・・」」




グラスの中身を一息に飲み干した私はふとエレンの顔を見た。
いっそ見なければよかったのかもしれない。

エレンは真っ直ぐに私を見つめていた。
お互い、酔いにかまけている余裕なんてなかったのだろう。

初めての飲酒なんて比較にならないくらい甘美な空気が流れていた。

「アニ・・・」

そっと私の顔に手を伸ばす。

私は一瞬迷ったがエレンのまっすぐな瞳を見ると意を決した。


私は初めてエレンの唇を受け入れた。
それはごく自然な――とても当たり前の事のように。

44 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:09:03 ID:OtstKbwQ
どれくらいの時間が過ぎただろう
エレンとの口づけは数秒にも、数分にも感じられた。

そっと離れる唇。私とエレンはお互いの視線を絡ませたままだった。

「のっ、喉っ、渇いたな!俺、水持ってくるよ!」

エレンは早口にまくし立てると逃げるように駆け出した。

分かりやすい照れ隠しだ。けどそれは私にとっても好都合だ。

早鐘を打つ心臓、震える足。今にも消えてしまいたくなる程の恥じらいと私は戦っていたのだから。

呼吸を整え座りこむ。ゆっくりと息を吸い、吐く。

恋人としての二人の行いに私は静かに浸っていた。

45 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:10:09 ID:OtstKbwQ
「こんな所にいたのか。探したぞ」

背後から浴びせられる聞き覚えのある声
私は背を向けたまま無言で応えた。

「エレンには随分と骨抜きにされたようだな?どうやらお前は戦士である事よりも女である方が・・・」

言葉は遮られた。私が振り向きざまに渾身の力を込めて地面の砂を投げつけたたからだ。

ゆっくりと立ち上がり私は声の主を、ライナーを睨み付ける。

丸太のような太い腕で砂つぶてを防いだライナーは私の目をみるやそれに応える。

「今にも俺に襲いかかりそうだな」

私の殺気を理解しているのだろう

46 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:10:48 ID:OtstKbwQ
無言の押し問答の中ライナーが口を開く

「悪ふざけが過ぎたな、すまない。用件を伝えに来たんだ」

私の反応に意を介する事なくライナーは淡々と事務的に続けた。

「近々、ベルトルトが事を起こす。チャンスとみれば俺がそれに続くつもりだ」

幸せな夢から冷たい現実に引きずりだされたような気持ちだった。

「お前は俺と同じ班だ。・・・『誰が相手であろうが』その時は頼むぞ」

「それまでは・・・精々、束の間の蜜月を楽しんでくれ」

ライナーは無言の私に念押しをすると闇へと沈んで行った。

47 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:11:28 ID:OtstKbwQ
膝が崩れる。
私はその場にへたれこんだ。

何も考えれない。何も考えたくない。
五感全てが失われたようだ。

「・・ニ!アニ!」

エレンが私の肩を掴んで呼び掛ける


はっとした私は目覚めていながら意識を遮断していた事にようやく気付いた。

「エ・・・レン・・・」

エレンの顔を見ながら答える私

「驚かせないでくれよ。声をかけても近付いても上の空だったからさ」

48 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:11:58 ID:OtstKbwQ
「ごめん・・・考え事してて・・・」

「・・・そっか」

力ない返事。エレンがそんな私の態度に気付きながらも深く追求してくれなかったのは幸いだ。

「ん・・・じゃあ、はい、水・・・・・・アニ・・・」

エレンは私を見つめると静かに口を開いた。

「・・・どうして・・・泣いてんだ?」

49 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:12:32 ID:OtstKbwQ
「えっ?」

そう言いながら私は咄嗟に自分の目に手をやった。

・・・冷たい感触。
私はエレンに指摘されて、初めて自分が泣いている事に気付いた。

「あっ・・・あのっ、これっ・・・ち、違うの!」

何が違うのだろうか。

「やっ・・・こ、れっ、は・・・」

言葉を取り繕うとすればするほど言葉にならない

「アニっ!」

50 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:13:06 ID:OtstKbwQ
エレンは私の名を言うと抱きしめた。
振りほどこうとする私の腕。それを遮るエレンはそっと口を開く。
「・・・俺には言えない事があるんだろ?」

私は答えることが出来ずにいた。
離れなければ。今、別れなければ私は・・・
エレンは続ける。

「それがどれだけアニを悩ませてるか俺にはわかってやれないけど・・・」

「それでも俺はアニと一緒にいたいんだ」

涙は目に溢れ、やがてこぼれた。同時に私の腕から力が抜けた。

「お前と生きて行きたいんだ」

限界だ。

51 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:13:37 ID:OtstKbwQ
私はひゅうっと息を吸った。
そして次に鳴いた。大声をあげて鳴いた。

溢れる涙と叫び声。エレンはそんな私を優しく抱きながらゆっくりと身体を揺らしてくれた。

それは恋人同士が抱きあうというよりも我が子をあやす親のような優しさだった。


やがて涙は枯れ、鳴き声は泣き声となり嗚咽となり止んだ。

私は泣き腫らした目のままエレンをまじまじと見つめる。

エレンは優しく微笑んでいた。

52 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:14:12 ID:OtstKbwQ
「・・・エレンのせいよ・・・」

エレンは不思議そうに私を見つめる。

「・・・エレンを想えば想うほど、私は私でいられなくなる」

「けど・・・私はそれが幸せよ」

エレンは相変わらず不思議そうだ

私は何度も、何度も壁を作った。誰も触れる事の出来ない壁を。

心を許してしまえば決心が鈍る。
私は戦士なのだから。

それなのに・・・エレンは私の壁を壊す。何度も何度も私の心を包みこむ。
私がずっと探していたものをエレンは持っていた。

53 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:14:44 ID:OtstKbwQ
「エレン・・・」

私はエレンの目を見つめて呟いた。

エレンは何も言わず優しく私を見つめる

私は今までの人生で一番の勇気を振り絞った。

唇が重なりあう。二度目の口づけは私からだ。

この先、何が起ころうと私は悔いを残したくない。

エレンの背に回した腕に力を込める。

54 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:15:32 ID:OtstKbwQ
随分と長く抱き合っていたのだろう。
風に乗って微かに流れてきた喧騒も今では静寂に包まれている。

私はエレンの背中に回した腕からそっと力を抜く。
エレンは名残惜しそうに私から腕を離した。

かがり火の前に寄り添う私達はたった一夜にして深く結びつけられた恋人にほかならなかった。

エレンの肩に頭を乗せる私は何も言わない事にした。想いを言葉にするよりも今はこうしていたかったからだ。

「・・・なあ、アニ」

ふいにエレンは口を開いた。

55 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:17:30 ID:OtstKbwQ
「巨人を駆逐して全部終わったら・・・」


「迎えに行くから、さ」

叶わない想いでも、儚い願いでも、そう言われるだけで私は幸せを感じる。
感じるからこそ耐えがたい悲しみがある。

私はそれでも――戦士なのだから――

私はエレンの手を強く握る。
エレンは優しくそれを包み込む。
「エレン・・・」

私の目的は・・・願いは・・・

「ん?なんだ?」

「強くなってね。私よりも、誰よりも」

――あなたは必ず強くなる――
――それはあなたのひたむきな心と同じ新しい世界を切り拓いていく力――

「あたり前だ。必ず外の世界にいくからな」

56 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:18:33 ID:OtstKbwQ
――私『達』の力は滅ぼす為に――


「約束だぞ?アニ、俺達は・・・」


それを知った時、あなたはどんな答えを出すの?


「ええ、分かっているわ」


それでも敢えて私の手をとってくれるの?――



to be continued

57 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:23:55 ID:OtstKbwQ
番外編~とある彼女の恋愛観~

ある昼下がりの街の往来――
私はエレンと街にくり出していた。


「そう言えば恋人になってからのデートって初めてだよな」

屈託のない笑顔を向けられ反射的に顔を背ける。
「うん・・・今までは訓練、訓練でそれどころじゃなかったからね」

ぎこちない私の態度にエレンはけらけらと笑う。

二人で並んで街中を歩くなんてそうあるもんじゃない。私は内心、小躍りしていた。

「それで?買い物に行くって言ってたけど、何処に行くの?」

私の質問をはぐらかしながら、エレンはカフェに寄ろうと促す。

58 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:27:02 ID:OtstKbwQ
程なく歩いた先にある街の丘に位置するカフェへと導かれた。
テラスからは見事な眺望が開ける。

来てよかったろ?どこか自信ありげなエレンの声に素直に喜んだ

「口コミで聞いたんだけど、恋人同士でしか注文出来ないメニューがあるんだってよ」

笑顔で語るエレンを他所に私は心臓の高鳴りが彼に聞こえやしないかと内心ヒヤヒヤしていた。

「そうだね・・・って何にする?も聞かないんだから私の選択肢は最初からないじゃない」

照れくさいながらも思わず突っ込んでしまった。

ああもう、エレンといるといつもこうだ。知らず知らずの内にペースを狂わされる。

59 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:29:17 ID:OtstKbwQ
やがて運ばれて来た注文の品に目をやる。


「・・・あのねぇ・・・」
頬を赤くしながら私はエレンを非難した。


「たはは・・・」エレンは苦笑いをするのみだ。
その目が泳いでいるのを私は見逃さない。


何がたははだ。心の中で悪態をつく。「これ」を公衆の面前で飲めと?

60 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:31:00 ID:OtstKbwQ
私とエレンは向かい合わせでテーブルの上に鎮座するグラスを見る。

大きな器に波打つ色鮮やかな果実を絡めたカクテルジュース。

そしてハートを模る二本のストロー

ええと・・・つまり、二人でひとつのグラスを・・・で、ストローを吸うと口に微妙に入ったジュースもグラスに戻って・・・

ああ、穴があったら入りたい。寧ろ匿ってほしい。

61 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:35:51 ID:OtstKbwQ
狼狽に狼狽を重ねる私を余所にエレンが照れくさそうに話す。

「ほら、俺達ってさっきアニが言ったように訓練、訓練の毎日でろくに恋人らしい事もしてないだろ?」



馬鹿を言え、解散式の夜に『二回も』・・・キスをしただろうが

腹の内から叫んでやるがその叫びが届くはずもない。

恥ずかしさに顔を赤くしながらエレンへ目を向ける。


視線が合ってしまった。すかさず目を逸らす。
あの夜の勇気は本当に何処に行ったのだろう。

そんな私を見てエレンは笑いかける。

「今日、初めて目が合ったな」

62 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:40:16 ID:OtstKbwQ
「べっ、別につまらないとかそんなんじゃなくて・・・楽しいっていうか、恥ずかしくてエレンの顔が見れないと言うか・・・でもほんとはもっと見ていたいなーって・・・」


言ってしまったと同時に、激しい自己嫌悪に陥った。何を言っているんだ・・・支離滅裂もいいところだ。

俯く私を見てエレンが口を開く。

「ほんと言うと俺もちょっと恥ずかしいんだ。でもアニと一緒だと当たり前のような事でも楽しくってさ・・・」

少しの沈黙の後、ようやく平静を取り戻す。
「ん、私も楽しいし嬉しい。それはまあちょっとは・・・恥ずかしいけど・・・折角だから・・・もう!飲むんでしょ!」

半ば強引にエレンを促す。

63 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:43:39 ID:OtstKbwQ
「お、おう」

二人は恐る恐るストローに口を当てた。
おでこがぶつかるんじゃないかという距離に頭がくらくらしそうだ。

正直、味なんて感じる余裕があるはずもなかった。
きっとそれが泥水だったとしても飲んでいただろう。

それから私達は会計を済ませるまでの間、一言も喋らなかった。

私だって年頃の女の子だ。エレンとのデートや将来を妄想したりする。


だが、いざとなるとこの胸の高鳴りが私から勇気を奪うのだ。

あの夜はお互い、お酒の勢いを利用しただけなのだろうか?

道すがら、お互いの手が触れる。

64 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:50:27 ID:OtstKbwQ
揃って飛び上がる二人。
ふと、それがなんだか可笑しくなって笑いあう。

涙が出るくらい笑いながら思った。
あれこれ考える必要はない。
私はエレンが好きだしエレンも私を好きだと言ってくれる。今はそれだけでいいんだ。

ようやく気持ちが落ち着いたところで、お目当ての店へ辿り着いた。

装飾品を扱うそのお店は小さいが、よく手の行き届いたお店だった。
「ああ、これこれ」ショーウインドウに飾られた髪飾りをエレンが指差す。


薄く碧い石が散りばめられた髪飾り。
「これ、綺麗だろ?」


エレンの問いに私は一もニもなく頷く。

65 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:53:08 ID:OtstKbwQ
「この碧い部分、アイオライトって石らしいんだけど夢だとか、目標へ進む力を意味するんだってよ」

エレンの語る蘊蓄に相槌をうつ。
「それもなんだけどこの碧、アニの目と同じに見えてさ」

思わずうっとりとする私を見るやエレンは店主を呼び、買い付けた。

「ほら、やっぱり似合ってる」店主の好意でその場で髪飾りを着けてもらった私を見てエレンが賛辞の言葉をくれた。

何処で知った蘊蓄か聞きたくなったが慌てて言葉を飲み込む。
そんな事をしたって角がたつだけだ。

思ってもみないエレンからの贈り物。素直に喜べばいいのだ。

そして私は今がチャンスとばかりに予め用意していた贈り物を渡す。

66 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:55:01 ID:OtstKbwQ
エレンが中身を開け、その顔が喜びの色に染まる。私は肩を撫で下ろした。

革紐に結ばれた純銀のメダルが光る首飾りは少しばかり値のはる品だったが、こんな笑顔を見れるなら安いものだ。

私はエレンに近付き革紐を首へかけ結う。

「ん?このメダル、裏に彫り物があるな」

エレンが刻まれた模様に気付く。

買った時に無理を言って彫ってもらったのだ。

67 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:57:30 ID:OtstKbwQ
「花・・・かな?なんかおしゃれだな」
エレンがメダルを指で愛でる。

「ホトトギスっていう花よ」
つい言ってしまって口をつぐむ。

「へぇ、アニって物知りなんだな」
興味津々のエレンから話を逸らそうと私はあたふたした。

そうこうしている内に帰りの時間が近付いてきた。
私はエレンと過ごした一日を心から堪能した。
難を言うなら・・・その・・・未だに手を繋いでいないという事だ。


帰路をゆく中、何度か横並びに歩く際、手が触れあう(もっとも私からわざと触れたのだが)も、反応が無い。

68 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 05:58:41 ID:OtstKbwQ
・・・らしくない私もいいかもね――

思い立ったかのように口元が緩む私は、エレンの腕にするりと絡み付いた。

恋人なんだから、腕を組む位いいじゃない。

エレンはようやく私の態度に気付き少し頬を赤らめる。

私は神様を信じた事が無い。お祈りなんかすがるためのものとしか思っていなかった。

けど、ほんのすこし祈りたくなった。
我が儘で自分勝手だけど・・・

もうすこしだけこのままでいさせてくださいと。

69 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 06:00:17 ID:OtstKbwQ
夕陽に照らされる街並み。肩を寄せあいながら歩く。
次の角を曲がれば兵舎は目の前だ。

私は渋々、エレンの腕から離れる。
「じゃあ、またな」
言われた一言がなんだか寂しい。



私は風が通り過ぎるようにエレンの唇に軽くキスをした。

「お、おまっ・・・!」あまりにも
意外で大胆な私の行動に呆気にとられているエレンはしどろもどろだ。

まあ、お互い様と言う奴だ。
私だって心臓が飛び出してしまうんじゃないかと思うくらいドキドキしているんだから。

70 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 06:07:19 ID:OtstKbwQ
私は恥ずかしさを隠しながらエレンにはにかむと、女子寮へ歩きだした。

明日も、明後日も笑って会おう。そんな事を想いながら。




――エレン、知ってる?アイオライトの石言葉は「初めての愛」って言うのよ――

――そしてホトトギスの花言葉は――



――「永遠にあなたのもの」――



BGM zard  don't you see!

71 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 06:15:20 ID:OtstKbwQ
~ani side~

解散式の夜、私とエレンは約束をした。どれだけ離れようとも同じ空を見上げる事。そして生き抜く事を。

夜明け前の宿舎に戻った私は鏡を見るや、改めて自分の泣き腫らした目に落胆した。

「よくもこんな顔で・・・」

薄明かりの中だからこそ私は逃げ出さずにすんだのだ。
太陽の下でなんか絶対にあんな事出来ない。

エレンから告白されて私の気紛れから始まった関係は解散式の夜を迎えるまでついぞ大きな変化などなかったのだ。

72 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 06:18:06 ID:OtstKbwQ
それが一夜を共に過ごした事で二人の関係は大きな変化を遂げた。
最初のキスはエレンから。二度目のキスは私からだ。

「冷血女」「鉄仮面のアニ」訓練兵団に入った当初、同期生が密かに囃し立てた私の二つ名。

それが今では誰がどう見ても恋する乙女だ。

我ながらくすぐったくて笑ってしまう。

そして当の私といえば朝日が覗く頃、ようやく眠りへとついた。
このまま眠り姫になるのも悪くない。そう思える程、心は穏やかだった。

73 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 06:27:13 ID:OtstKbwQ
昼を過ぎる頃、ドアにノックが響いた。
別室のクリスタに起こしてもらうように頼んでおいたのは正解だった。

低血圧で寝起きが悪い私は誰かにたたき起こされでもしなければこうは起きられない。

眠たい目を擦りドアを開ける。
クリスタは笑顔で笑いかけてくれた。

「おはようアニ!昨日は随分遅かったみたいだけどちゃんと眠れたの?」

目が好奇心で輝いている。
このままだと昨夜の事を根掘り葉掘り問いただされる事が容易に想像できる。


まあ、私とエレンの関係を祝福してくれている彼女だ。それに応える位、やぶさかでない。

欠伸をしながら私は制服に着替えると少しばかりの談笑に花を咲かせた。

74 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 06:34:19 ID:OtstKbwQ
遅い食事の後、私は仲間達と班毎に割り当てられた作業を言い渡される。

もっとも駐屯兵団見習いの任務に就く事など、憲兵団への配属手続きが済むまでの間だけだ。

私は黙々と立体起動装置のメンテナンス作業をこなす。ふと建物の外に目をやる。
人々の往来を見て私は少し憂鬱な気分になる。


晴天に紅い稲妻が走る。衝撃が大地を伝い足下にやってくる。

私は仲間達を見やる。不測の事態に戸惑いを隠せない周りを余所にライナーは不気味な位、無表情だった。

75 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/05(金) 06:40:16 ID:OtstKbwQ
数十分前まで同じ班で作業をしていたベルトルトの不在を確認する。

ライナーと目が合った。何か言いたげな表情を無視すると私は仲間の一人、マルコに話し掛ける。

「地震みたいだね。外に出ようか」
自分で言ったその台詞に苛立ちを覚えながら私は足早に建屋を抜け出す。


けたたましい騒音と立ち上る砂煙。
再来した超大型巨人は壁に穴を開けると、続けざまに壁上に固定された大砲をその腕で薙ぎ払っていた。


街の人々の悲鳴と怒号が響く中、私は浮き足立つ仲間達を見つめていた。

とうとうこの日が来たのか。そう思った私は何故かエレンの顔を思い出していた。


80 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 08:23:14 ID:43r6ezPQ
第104期訓練兵団の一部を除く全員が駐屯兵団の司令部へ召還されたのは超大形巨人によって開閉扉を破壊されてから一時間後の事だった。

超大型巨人の襲撃により、命を落とした同期生が数名・・・

私は微かに罪悪感を覚え、それを隅に追いやる。

そんな心を見透かしたようにライナーが背後から耳打つ。

「以前にも言ったが、俺とお前は同じ班だ。『誰』と戦う事になっても・・・腹を括れよ」

振り向きざまの一瞬、睨み付ける。彼は肩をすくませると元の配置へと戻っていった。

私はエレンを視界の隅に捉えた。

81 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 08:26:15 ID:43r6ezPQ
この状況で私は、明らかに場違いな感情を抱いていた。

自分の命をなにより最優先に考えなければならないのに。

自身を叱責し平常心を取り戻す。

無表情の顔をあげると正面に位置する壇上を見据えた。

壇上の上では、トロスト区の駐屯兵団を指揮する青ざめた表情のキッツ・ヴェールマン氏が震え声で私達に指示を下す。


虚勢にまみれたその金切り声に思わず嘆息が漏れる。

82 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 08:27:28 ID:43r6ezPQ
私達は駐屯兵団の指揮の下、前線を援護する中衛の遊撃隊となった。

人目を憚る事も出来ないこの状況下でエレンはこちらに目で一瞥をくれると真っ先に飛び出していった。

違う班となった以上、私に出来る事といえばエレンの無事を信じるほかない。

祈りはしない。


「さあアニ、僕達も行こうか」

振り返るとベルトルトが無機質な瞳で私を見ていた。

「ああ」
私は答えながら白刃を鞘に収め、歩き始めた。

83 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 08:31:03 ID:43r6ezPQ
私達の班が持ち場についた時、既に前線は瓦解していた。

実戦経験の乏しい駐屯兵団に巨人が抑えられる筈もない。無理からぬ話だ。

空気を伝い聞こえる悲鳴。巨人の闊歩から発せられる地響き。火の手があがった街からは微かに血の臭いが漂う。



物見の兵から前進の指示が出る。

ベルトルトとライナーを除く班員は死刑宣告を告げられた罪人のような表情だ。

私はライナーに道化は御免だと目で合図を送る。

ライナーはやれやれといった表情をすると叱咤の演説を始めた。

84 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 08:34:21 ID:43r6ezPQ
続くベルトルトの激励に戦意喪失の新兵達が自らを奮い立たせる。

街を駆け抜ける私は違和感を覚えていた。
立体起動装置で空を飛ぶ時、エレンの事を想うと地の果てまでも駆け抜けられるのではないかと錯覚するほどの高揚感に包まれる。


だが、この二人と飛んでいると悪心が私の胸を締め付ける。


先程の御高説に加え、彼等の『目的』に対する怨念ともいえる執念に気後れすら覚えた。


86 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 08:42:24 ID:43r6ezPQ
その後、他の班と合流する私はエレンの死をアルミンとミカサの会話から知った。

灰色の空から降りしきる雨。
身体にまとわりつく脱力感。ひどく心が重い。

窓に映る自分の瞳。とても虚ろだ。エレンと出会う以前と同じ冷たい眼差し。

私は再び心を閉ざした。そうでもしなければ、この身を投げ出していたのかもしれない。

トロスト区の住民の避難作戦はひとまず達成された。

しかし前衛部隊の全滅という憂き目に加え中衛の訓練兵団もその多数が命を落とした。

そして幸か不幸か死線を潜り抜けた訓練兵達は再び命の瀬戸際に立たされていた。
退却の際に壁を登る為のガスが尽きかけていたのだ。

更に悪い事は続く。ガスを補給する任に就いた訓練兵達は襲来した巨人に恐怖し籠城を決め込むといった有り様だ。

87 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 08:45:02 ID:43r6ezPQ
皆が一様に青ざめ、絶望の色に染まる。


どうしたものか。私は無機質な瞳のままライナーに今後の展望について「どうする?」と尋ねた。

「『やるなら』人が集まってからだ」と答えるライナー。頑として己の道を貫くのだろう。

それは恐らくベルトルトも同じだろう。かつての仲間達を・・・


私にそれが出来るのだろうか。自問自答する思考を打ち消すかのように、ミカサが皆に発破をかける。

88 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 08:59:14 ID:43r6ezPQ
ミカサは絶望的な状況の中、死を待つばかりの彼等を奮い立たせた。


周囲に合わせざるをえない状況。
ライナーとベルトルトは肩透かしを食らったのだ。


駐屯兵団の本部を目指し、立体起動で雨の中を飛び交う。

ガスが尽き墜ちて行く者もいれば巨人の手に捕らえられる者も居た。
そんな彼等を犠牲にする事で活路が開かれた。

補給施設の窓を目がけ飛び込む私達。それを嗅ぎ付けた巨人達が後を追うように殺到する。

煽動者のミカサの姿が見えない。
私は思わず歯軋りした。
言いたい事だけ言って、さっさと死ぬなんてあんまりじゃないか。内心、悪態をつく。

窓際の巨人と目が合う。咄嗟に刃を抜いた次の瞬間、その顔はひしゃげた。

衝撃音と共に吹き飛ぶ巨人。

何が起こったのか理解出来なかった。
突然現れた黒髪の巨人は私達の周囲に群がろうとする巨人に襲いかかる。

89 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:01:48 ID:43r6ezPQ
蹴り破られた窓からミカサが同期のコニーと一緒にアルミンを連れて現れた。

恐怖に慌てふためく仲間達をなだめながらアルミンから黒髪の巨人について語られる。


安堵する周囲と裏腹に動揺を隠しきれない『私達』
何者かが、巨人の力を?


疑問符に頭を抱える間もなく、アルミンの口からこの窮地を脱する為の妙案が持ち出された。

90 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:05:32 ID:43r6ezPQ
より、多くの人間に引き付けられる巨人の習性を利用したアルミンの策はこれ以上無い程の成果を納めた。


駐屯兵団のガス補給室を占拠した巨人を悉く討ち果たし、九死に一生を得た私達は屋外へ飛び出した。

建物の上から黒髪の巨人を見やるミカサとアルミン。押し寄せる巨人の群れに四肢を食らい付かれていた。
二人はあの巨人を保護、延命出来ないかと提案した。

人類の味方ではないかと。

ベルトルトとライナーが賛同した。巨人でありながら巨人から獲物と認識される。
自分達と同じ性質を持つ者と理解しているのだ。

私にとっても興味深いものだ。

91 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:07:23 ID:43r6ezPQ
そんな事を考えていた時だった。

隅から新たに出現した巨人。黒髪の巨人はそれを見るや咆哮と共に駆け出した。

両腕を引きちぎらせ、枷を外した『彼』は血に飢えた猛獣のように殺戮の限りを尽くした。


「おいお前等・・・あんな化け物の何を助けるって?」
青ざめた表情のジャンが皮肉った。

やがて黒髪の巨人はついに力尽きたのか大地に突っ伏した。蒸気が吹き出す。

うなじを突き破る人影。私は我が目を疑った。

92 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:09:28 ID:43r6ezPQ
蒸し返す蒸気の中に、先の戦闘で死んだと聞いたエレンの姿がそこにあった。

エレンは巨人の力を持っていた? 困惑に思考のままならない私を尻目にミカサが駆け出す。

エレンを抱き止めたミカサは心臓の鼓動を確かめると声をあげて泣いた。

やがて引き上げられたエレン。私は背を向け、誰にも見られないよう静かに泣いた。

本来ならミカサやアルミンと一緒に泣いてもいいはずだった。


涙は見せられなかった。
少なくとも私を戦士と扱う者達の前でだけは。

素直に泣けるミカサが羨ましかった。

93 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:13:17 ID:43r6ezPQ
雨が降っていた事に救われた。
私の涙を降りしきる雨が洗い流す。

悟られないよう、敢えて無関心を装う。
案の定、ベルトルトとライナーが私を猜疑の目でこちらを見ている。


小さく鼻を啜り、彼等を睨み付ける事でようやくその疑惑を晴らした。

エレンの顔を見下ろす。私は去来する様々な感情や思考を無理矢理押し退けた。
生きていてくれた。それだけで今は十分だ。


雨は止み、雲の切れ間から光が差し込む。空は私の心を映す鏡のようだった。

94 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:14:19 ID:43r6ezPQ
エレンの生還からほどなくして私は生き残りの者達と合流した。

一様に口を紡ぐ私達へ皆の視線が注がれた。私は殊更、無関心を装う。

エレンの力を見た者、それに準ずると判断された者達には守秘義務が課せられた。

妥当な判断だろう。人が巨人になるなんて話が漏れようものなら、収集などつく筈もない。


疑わしきは罰せずを地で行く駐屯兵団の性質をありありと感じながら私は腰をおろす。

私はエレンの力について考察すると同時にようやく、一人の女としてエレンの身を案じる事が出来た。

95 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:16:04 ID:43r6ezPQ
一方で私は答の出ない堂々巡りに陥っていた。
自分の選んだ道が正しかったのか。確証が欲しかった。

エレンと過ごした夜を境に私は今まで目を背けてきた自分と向き合うようになっていた。

そしてその度に自分を戒め、律していた。

自分の心を閉ざす事で、その先にある目的を盲信し、それが大義と思い今日まで生き永らえてきた。
それを戦士の強さと思ってきた。

――私は、間違っているの?――

未だ答えを見出だせずにいる私は自嘲気味に俯く。


不意に爆発音が響いた。

96 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:17:24 ID:43r6ezPQ
不測の事態に周囲はたちまち混乱の渦に巻き込まれた。

エレン、ミカサ、アルミンが尋問を受けているであろう壁の内側から煙があがる。

壁上へ私が飛び立つや否やベルトルトとライナー、そしてジャンが続いた。
彼等もまたエレンに対する様々な憶測を確証にしたいのだろう。

壁に降り立ち現状把握に神経を注ぐ。


煙と蒸気から顔を覗かせる巨人の顔。
それを取り囲む兵士達には恐怖が伝搬している。

先程の爆発音は大砲による砲撃の音。そしてエレンは巨人の力を使用したという事は明白だった。

97 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:19:51 ID:43r6ezPQ
多くの兵士が刮目する中、煙の中から解き放たれたアルミンは鬼気迫る表情でエレンの嫌疑を晴らす為、正に命懸けの演説を展開した。

巨人と化したエレンが巨人のみに対して殺戮を行った事、そしてエレンが巨人から捕食の対象と見なされていた事。


アルミンの理論はこの場にいる大半の兵士を屈服させただろう。

だが最もその声を届かせなければならないヴェールマンには届いていない。
むしろ耳障りな雑音とすら感じている。

遠目にも彼が怯えきっているのがとれる。
思考を放棄した人間に何を言っても無意味だ。

側近に何かを指示したかと思うと尚も抗うアルミンの声を遮るように砲撃を宣言する。

私は壁上に配置された大砲へ目を配る。

98 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:21:23 ID:43r6ezPQ
見つけた・・・!

壁上の一角、榴弾の装填作業に取り掛かる二人の兵士を確認した。


その瞬間、私は上着から懐剣を取り出し、自らの手を刺し通そうとあてがう。

無我夢中だった。なりふりなど構っていられなかった。


エレンを死なせたくない。確かにエレンには巨人の力がある。

だが、その力に目覚めたばかりであろう彼が砲撃を続けざまに受けて無事でいられるのだろうか?

保証など何処にもないのだ。


私の力と速さなら、例え榴弾が放たれようと吹き飛ばせる。

この身体に眠る巨人の力。滅びの力を呼び起こす為の自傷。

ヴェールマンに目をやる。やってみるがいい。攻撃の合図を確認した瞬間私は真っ先に彼に地獄を見せてやろう。


あてがう懐剣に力を込めようとした。

99 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:23:21 ID:43r6ezPQ
懐剣は死角から奪われた。


相手に目を向ける。犯人のライナーが私を睨み付ける。
まるで親の仇を見るような眼差しだ。



間に合わない!悲痛な面持ちでヴェールマンへ視線を戻す。

エレンを砲撃すべく合図の動きは一人の老兵によって封じられていた。


一触即発の事態は彼により、ようやく静けさを取り戻したのだ。


思わず安堵の息をついた。そして私は我に帰った。

100 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 09:23:56 ID:43r6ezPQ
思い出したかのように凍りついた。
――私は何をしようとした?――

私をライナーが困惑した表情で私を見る。


―気付いていた。けど気付かないフリをしていた―


「すまない、ライナー」

私はそう呟くとその場を逃げるように去った。


103 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 11:29:38 ID:43r6ezPQ
エレンを処刑しようとしていた駐屯兵団。

恐怖と怯えが渦巻く空間を諌めた人物こそ駐屯兵団の司令官ドット・ピクシスと知ったのはその後のトロスト区奪還作戦の概要を伝える部隊長からだった。


飄々とした風貌に見せる老獪さ。そして目的の為なら自らを含め、どんな犠牲をも厭わない。


私の印象は見たまま、聞いたままに過ぎないがおそらくはその通りの人物なのだろう。

そしてそこからは彼が司令官たるその資質と能力を目の当たりにする。

104 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 11:30:38 ID:43r6ezPQ
ピクシス司令は悪魔のような人心掌握で、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う兵士達を束ねあげ、彼等を死地へと向かわせた。

そして新兵に過ぎないアルミンの献策を良しと思うや、あっさりと採り入れエレンに人類の希望たれと説いた。

作戦内容はシンプルそのものだった。

風穴を空けられた壁へ巨人化したエレンに大岩を持たせ、穴を塞がせる。

街へ侵入した巨人の多数は壁上に集結させた兵士達で引き付け、少数精鋭でエレンを護衛するといった内容だ。

そして私に与えられた任務はエレンへ向かう巨人の足止めだった。


我が身を餌に巨人の囮となる。
多くの危険が付きまとうが、その効果はリスクに伴うだけは有るだろう。


107 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 22:19:24 ID:43r6ezPQ
作戦に対する一抹の不安が頭を過った。が、そんな暇を与えられるはずもなく戦地へと投げ出された。

市街地を駆けずり回り、立体起動で飛び交い、ようやく私はエレンを見つけ出した。

周囲に神経を張り巡らせる。大岩を隆々とした身体に背負うエレンへ向かいつつある巨人達を視認する。

護衛を務める駐屯兵団の誇る精鋭班の姿が見えない。私は高台へ場所をうつす。

戦況は思った以上に悪かった。辺りの巨人が多すぎる為に精鋭班は護衛を務めるところか攻めあぐねている有り様だった。

ミカサの姿を視認したが彼女もご多分に漏れず苦しい戦いを強いられている。

恐らくは、エレンの発散する命の匂いに引き寄せられているのだろう。

108 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 22:22:48 ID:43r6ezPQ
目を背けたくなるような状況に思わず頭を抱えた。

精鋭班がエレンの元に辿り着くには時間も人員も足りなさすぎる。

そして今も穴からは新たな巨人が湧き出ようとしている。
いずれエレンの死を目の当たりにするであろう事は火を見るよりも明らかだった。



私はそっと瞼を閉じた。頬を伝う汗を風が拐う。

閉じた瞳に映るのは、いつか見たエレンの横顔だった。

目を見開くと私は最後の迷いを打ち消し、掌を噛み切った。

109 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/07(日) 22:32:02 ID:43r6ezPQ
身体を駆け巡る力の濁流。私は脚に力を込めると大地を踏みしめ、堰を切ったように走った。

今まさにエレンに殺到しようとした巨人を間一髪、足蹴にすると文字通り血祭りにあげた。

そこからは瞬く間の出来事だった。
頭蓋を力任せに引き千切ぎる。蹴りあげる脚で延髄を割る。

噛みつこうと開いた口に拳を打ち込みうなじを砕く。


皮肉な事に私がお父さんから刻まれた闘争の『いろは』はこのような事態に遺憾なく発揮されたのだ。


壁上から沸く驚愕と驚嘆の叫びが鋭敏な聴覚に響く。

私はエレンが大岩で穴を塞ぐ姿を見届けると足下の石畳に爪を立てる。

力のかぎり引き上げ膨大な土煙をたてるとその身を覆わせた。

ピクシス司令は聡明な方だ。後事は彼に託せばいい。
そう思うと、何とはなしに満たされた気持ちに包まれた。


112 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/08(月) 12:54:38 ID:GnQF6nkk
夕陽がその姿を地平線に沈ませようとする景色の中、私は壁上の一角でベルトルトとライナーの二人と向き合っていた。

「何故」「なんの為に」「何を思って」彼等がそう言うのは当然だろう。

当の本人ですら自分の行動に驚いているのだから。


葛藤がなかったわけではない。
しかし、そこにあった。私は自分の行動に後悔をしていない事、そして二人と道を違えた事だ。

もはや私は戦士になり損ねた。いや、エレンに惹かれた瞬間、既にそうだったのだろう。

ただ、けじめだけはつけなければならない。

私は両足の鞘から白刃を取り出すと一本づつ彼等に投げ渡し、背を向けた。

113 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/08(月) 12:57:48 ID:GnQF6nkk
「言い訳をするつもりは無いよ。好きにしな」
そう言うと私は地平線の彼方へ目をやった。

複雑な気分だが、後悔は不思議と無かった。
自己犠牲のつもりもなければ、酔狂でもない。私はエレンを守りたくて動いたのだ。


沈みゆく夕陽を何とはなしに美しいと思った。そして今日、ここで斬られる。

それが袂を分かつ二人への詫びであり、私なりの誠意なのだ。




一向に刃は降りかからなかった。
思わず振り返る先に二人はいなかった。
彼等との決別と直感した。そしてこれが最後の情けだと。

地面に横たわる白刃は紅い空を映していた。



to be continued


121 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:19:33 ID:cIOZplPQ
~elen side~

あれから何日がたっただろうか。
トロスト区奪還作戦は俺の巨人の力と多くの兵士達の犠牲、そして突如として現れたもう一体の巨人の力によって成功を収めた。

目撃者達の証言から女の姿をしたその巨人は女型の巨人と名付けられた。
女型の巨人に於いては様々な波紋を呼び、あらゆる憶測が飛び交ったがついぞ結論を見い出すには至らず今に到る。

最終的には極秘に行われてきた巨人化生体実験の『サンプル』と発表され作戦完了後ただちに死滅したとの公式発表が出され一応の終結を迎えた。
多くの疑問を残しつつも・・・


そして俺、エレン・イェーガーは紆余曲折を経てついに調査兵団への入団が認められた。
勿論、一言では言い尽くせない程のすったもんだがあったが・・・



トロスト区の壁に空けられた穴を防いだ直後、帰還した調査兵団に保護された俺は憲兵団に拘束された。


審議所での俺への処遇については調査兵団と憲兵団の意見が見事に別れた。

俺の持つ巨人の力を調べた上で始末しようという主張の憲兵団。
逆にその力を活かし人類の力に加えるべきと主張する調査兵団。

そして王侯貴族を筆頭とした保守派や壁に対して狂信的なまでに信仰を捧げる謎の教団。

122 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:22:01 ID:cIOZplPQ
それぞれの思惑や欲望、疑念、主張が交錯する中、一貫してミカサ、アルミンは俺への弁護を続けた。

終わりなき議論は堂々巡りとなる。
何故、同じ人間同士でこうも罵り合えるんだ?辟易した俺は堪らずその場にいる全ての者へ一喝した。

一瞬の静寂。そして間をおいて一斉に俺への罵倒と怒号が響き渡る。

一人の男が身を乗り出すと突然の『実力行使』によってその場を収めた。

調査兵団に属する人類最強と呼ばれる男、リヴァイ兵士長は大勢の人間が固唾をのむ中、俺を散々に痛めつけた。
顔を蹴り上げられたと思えば、頬を張られ、後頭部を踏みにじられた。

鼻血が吹き出し大理石の床に飛び散る。

荒縄で後ろ手に縛りあげられた俺はあっという間に満身創痍となった。
それは兵長なりの手荒な幕の引き方だった。
誰もが呆気にとられ、鮮血に塗れる俺の形相にもはや声を上げる者はいなかった。
機を見計らったかのように同じく調査兵団のエルヴィン団長がその雄弁を展開した。


そして遂に様々な条件が科せられはしたものの俺は自由の翼を与えられた。

123 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:23:21 ID:cIOZplPQ
俺は自身の知りうるその全てを団長と兵士長に語った。
父親の差し金により巨人の力を得た事。生家の地下室に巨人の謎が封印されている事。

どれだけ記憶のドアを開けようとしても、断片的に情景が浮かんでは消える。
その後には決まって猛烈な疲労が押し寄せる。それは幾度となく刑罰のように続けられた。

そして数日後、俺は、調査兵団の入団式でようやくかつての同期生達と顔を合わせた。

勿論、そこにアニの姿は無かった。


少しばかりの寂しさはつきものだと思考を振り払うと俺は努めて明るく振る舞った。
生きてさえいれば必ず会えるのだからと。

戸籍や兵籍、その他諸々の手続きを終えた俺はアニへの想いを忙殺するかのように一も二もなく壁外調査へ血気をはやらせた。

124 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:24:37 ID:cIOZplPQ
だが、そんな俺の思惑は見事なまでに打ち砕かれた。


奪還したトロスト区の被害は著しく、それに伴う諸々の後始末や作業を調査兵団にも要請されたのだ。
破壊された家屋の整地。移住を望む者が後を絶たずそれらに労力を割かれる数日間が続いた。


そして復旧の目処が立ったあくる日、ようやく俺が望んでやまなかった壁外調査の許可が上層部より下りた。

しかしそれは茨の道だった。
以前まで模索されてきたトロスト区からのウォール・マリア奪還の為の遠征ルートは壁の崩壊により使用が出来ない。
故に、これまでの多大な犠牲の上に構築されてきた拠点、経験は水泡と帰した。

新たな代替え案としてウォール・ローゼの東、カラネス区からの活動を余儀なくされた。
誰もがため息をつく。不可抗力とはいえ到底、納得のいかない現実に歯軋りすら覚える。


それでも俺は・・・人類は進まなければならない。巨人の謎を解き明かし、この世界を知るために。

125 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:27:21 ID:cIOZplPQ
壁外調査の前夜のカラネス区。俺は間借りした住居で一人の時間を過ごしていた。

最前線の街は否応なしに兵士達が多くなる。
王政からの補助金や待遇といった対価を目当てに家を明け渡したり、貸し出したりする事は珍しくない。

開閉扉の正面にある区画が一時的に前線基地となったのだ。無論、俺に家屋を貸し与えるという事に疑問の声が上がった。

俺個人は地下室だろうが牢だろうが一向に構わなかったが、リヴァイ兵長の鶴の一声でそれは取り下げられた。
「見張りを置くのも面倒だ。最悪、俺が始末する」俺が巨人の力を暴走させた時の事を言っているのだ。


調査兵団に入団した当初、俺は当然の如く得体の知れない化け物として扱われていた。
別に先輩達を責めているわけじゃない。
俺が逆の立場なら、やっぱり同じように畏れていただろう。

兵長はそんな俺を嬲る事で均衡を保とうとした。結果、だれもが日常を取り戻した。

126 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:34:58 ID:cIOZplPQ
リヴァイ兵長から指名された少数精鋭からなる特別部隊。通称『リヴァイ班』
その中に俺は配属された。巨人の領域に進みながらも俺の命を何より最優先とする為に。

明日の出陣で多かれ少なかれ人が命を失う。願わくば、とは言わない。
俺はその人達の命に応えるだけの働きをしなければならない。それが俺に出来る事。



不意に玄関のドアにノックが響いた。俺は突然の来訪者に驚いた。
来訪なんてのは突然で当たり前だが、真夜中に。なんてのは誰しも警戒するだろう。

もう一度ノックが鳴る。
簡素なベッドとダイニングテーブルが置かれただけの小さな間取りの家に緊張が走る。


静かにノブへ手を掛ける。気配からして相手は一人だろう。
万が一を想定し闘争心を引き起こす。鬼が出るか蛇が出るか。

深く息を吸うと俺はドアをゆっくりと開けた。

蝋燭が照らす薄明かりにその姿を捉えた。

夢か幻か。そこにいたのはアニだった。

127 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:35:57 ID:cIOZplPQ
「ア・・・!」
開いた口にそっと人差し指を当てられる。

アニは少し遠慮しがちに笑うと、会いに来たと口を動かした。

俺は通りを見渡しながらアニを引き入れる。
こんな所を誰かに見られてはどうやっても言い逃れなんてできない。


招き入れた俺はあまりの展開に戸惑うばかりだった。何故、こんな時間に?
どうやって俺の居場所を?憲兵団は?

聞きたい事は幾らでもあるのに言葉が出ない。

128 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:37:02 ID:cIOZplPQ
戸惑う俺にアニは体を預けて来た。背中に小さな手が回される。

「ごめんね」申し訳なさそうに耳打ちされた。

聞きたい事は山ほどあったが、そんな気持ちを押し退けるとアニを抱きとめた。

甘い香りがする。懐かしいその香りは俺の心のざわめきを鎮めた。

129 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:41:38 ID:cIOZplPQ
それからしばらくして、アニは俺の質問に順を追って答えてくれた。

憲兵団に入団してからミカサと手紙のやりとりをしていた事。

それによって俺が何処でどう過ごしていたかを知った事・・・そして、同じ空を見上げていた事。

時折、照れくさそうに、嬉しそうに話すその表情にミカサに心から感謝していた。


やがて沈黙が訪れた。しんと静まり返った部屋はまるで時間が止まったかのようだった。

うつむき加減のアニに目を落とす。
その頬を涙が伝いぽつりと零れる。

130 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:46:48 ID:cIOZplPQ
俺はその涙を指で掬った。
顔をあげたアニは俺の顔に手を伸ばす。

潤んだ瞳のアニがまじまじと俺を見つめる。
その頬は紅潮し、それが何を意味するのかはどんな鈍感な人間にも分かるだろう。

アニがそっと俺の胸に顔を押し付ける。

「エレンといると、何もかもが満たされてしまうの。そして今日、会わなきゃ一生後悔する。そう思ったら、居ても立っても居られなくて・・・」

そう言って俺を見つめるアニの潤んだ瞳に目をやる。

胸の内から湧き上がる衝動。


どちらからともなく唇を重ねあっていた。

131 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 05:54:07 ID:cIOZplPQ
俺とアニはベッドの上で抱き合っていた。

「灯りを消して」と言われ燭台の蝋燭を吹き消す。
窓から射し込む月明かりは雲がかっているがうっすらと部屋を照らす。

服を脱がせあう手はがちがちと震え、ぎこちない。
髪留めを外した肩甲骨まで伸びるその綺麗な髪がはらりと垂れる様子は淫靡ささえ感じさせる。

やがて裸体を晒したアニをベッドに横たわらせる
初めて見るその身体を目に焼き付けんばかりに見つめる俺の心臓は不整脈を打ち、生唾がごくりと喉を鳴らす。



触れようと手を伸ばした身体がぴくんと震える。

132 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 06:07:43 ID:cIOZplPQ
「あ、あの、エレン?」

か細いアニの声に手が止まる。
「その、わ、私・・・は、初めてで・・・」

突然の告白にどきりとする。だがこちらも言わなければフェアじゃないと思い返事を返す。

「いや、俺も初めてだよ」

上ずった声にむくりと体を起こしたアニが本当に?と目を丸くする。

「悪いか」俺はぶっきらぼうに頬を膨らませる。

愛なら街で買える。夢など明日変わる。
とある詩人が残した歌だ。

訓練兵時代、年頃の男子が抱く好奇心、そして過酷な訓練の毎日に耐えかねた一部の連中はしばしば街へ繰り出しては文字通り、金で一時の愛を買った。


136 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 12:55:23 ID:cIOZplPQ
勿論、俺も興味がない訳じゃない。
男子連中の猥談に耳を傾けることもあったし、女も知らずに死ねるかと冗談混じりに宣う彼等の気持ちも分からなくはない。


ただ、俺はそういった事はなんと言うか・・・断固として愛する人としたい。って思っていて・・・

ありのままの気持ちをそう伝える。
アニは優しく微笑むと「私も初めての相手がエレンで良かった」といい頬に口付けてきた。


醸し出されていた妖しい雰囲気は立ち消え、生娘の恥じらいを感じた俺はことさらいとおしく感じ抱き締めた。

137 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 12:56:09 ID:cIOZplPQ
俺はおおよそ目に見えるほぼ全ての箇所を愛撫した。

耳たぶからうなじの生え際。背中から腰のラインをなぞり、内腿から足の指先まで、何度も繰り返し愛でた。

時に優しく、時に少し乱暴に。
やがて乳飲み子のようにアニの乳房に吸い付く。たわわに実るその果実は甘美な程に誘いやまない。

されるがままのアニは吐息を漏らしながらみじろいでいた。


そして遂に内腿の間に顔を近づける。


「あっ・・・そこ、はダ・・メ」
俺の動きを止めようと手を伸ばすアニ

その手をとり指を絡め、ほんのすこし力が入る両足を肩口で割って入る。

薄闇の中、アニのもっとも大切な場所に舌先を這わせる。

「んっ・・・・・・は・・・あぁっ」
甘く淫らなその声が一層の興奮を呼ぶ。

138 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 12:57:32 ID:cIOZplPQ
薄い恥毛から覗きだす秘部からはとめどなく蜜が溢れだす。

舌で掬い、舐めとりながらその奥へと滑り込ませる。
抗うアニはとうとう屈したようだ。太股が小刻みに震える。

小鳥の囀りよりも小さく淫らな音だけが狭い部屋に響き渡った。



「あっ・・・んうっ・・・エレ・・・ン、わ、たし・・・もう・・」

月を隠していた雲が晴れ、窓から射し込む月明かりが強くなる。

アニは濡れた瞳と火照る顔で哀願を続ける。

俺はアニに目で問いかける。

139 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 12:59:28 ID:cIOZplPQ
アニは俺の表情を読み取り頷く。

隆々と怒張する自身をアニの秘部へとあてがう。
身体の奥から溢れだす歓喜に身震いすら感じた。

俺はアニの体内へ一息に自らのそれを押し込んだ。
「くっ・・・う・・んうっ!」
小さな悲鳴と共に背中にたてられた爪から痛みが走る。


「わ、悪い、大丈夫か?」そんな俺の気遣いにアニは涙目で答える。

「ち、ちょっとだけ痛いけど・・・大丈夫」

ちょっとどころでは無いようだ。
中止を提案する俺の意見を聞くやアニは組み敷かれた身体で俺の腰に足を回す。

140 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 13:01:26 ID:cIOZplPQ
痛みを堪えながらアニは潤んだ瞳と甘い囁きで俺を促す。

「大丈・・夫・・・私は・・エレンと一つになりたいの・・・だから・・・私の身体を、エレンの好きにして・・・」

その言葉を聞くや、俺は本能の赴くままにアニの身体を味わった。

心底、惚れた女にそこまで言わしめ心が燃え上がらない男なんているだろうか。


誰かに教えられたわけでもなく、俺は本能の訴えに忠実に動いた。
アニの体内は熱く絡み付き俺を離さなかった。



やけつくようなそのうねりは俺から全てを奪い、同時に全てを満たした。

炸裂する快楽の波が押し寄せては引き、また押し寄せては引く。
獣のように俺は思い付くかぎり勝手気ままに振る舞った。

141 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 13:03:53 ID:cIOZplPQ
アニは涙声で何度も俺の名を呼びながら背中に手を回し、唇に吸い付く。

絡め合う舌、交じる唾液。迸る汗。
頭の中の理性は消し飛んでいた。

やがて下腹部からどす黒い欲望が込み上げて来た。

猛り狂うほどの熱情を押さえきれない。
俺はアニに終わりが近い事を告げる。


「エ・・レン、私・・・身体が、変・・なの・・あ、んっ・・・ああっ!」
か細く悲鳴をあげ、弓なりにのけ反ったアニの細い首筋が目に視界に入るのと俺がアニの体内で果てたのは同時だった。

荒く息をつく二人を邪魔するものは何も無かった。
空気さえも入り込める余地の無いほどに重なり合う。

142 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/10(水) 13:05:58 ID:cIOZplPQ
それから俺とアニは朝が来るまでの間、色んな事を話した。

お互いの故郷や家族の事。会えない間、どんな気持ちだったか。・・・そして、これからの事。

「なあ、アニ」俺の胸に額を押し付けるアニに話しかける。

「なあに?」アニは優しく微笑む。

「いつだったか前に全部終わったら迎えに行くって言ったよな?戻って来たら、俺と結・・」

言葉は遮られた。アニはまた人差し指を俺の口に押し付ける。

「エレンが無事に帰ってきてくれたら私はそれでいいの」

俺は拒否されたのかと狼狽する。

それを見たアニは意地悪そうに笑うと口を開いた。
「だから、必ず迎えにきてね」



to be continued


151 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 05:59:33 ID:CE//FE7w
降りしきる雨。私は寒さに震える身体に鞭を打ち戻るべき場所へと足を速めた。

深夜に加え、雨だという事は幸いした。
こんな時間に警らに進んで行こうと思う兵などそうはいない。

例え鉢合わせしたとしても同じ憲兵団だ。何も恐れる事はない。
敢えて言うならあれこれ詮索される事が嫌なだけだ。これはもう性分としか言いようがない。

エレンとの逢瀬を果たした私は、日が昇る少し前に帰路に就いた。
カラネス区から私の所属する憲兵団の寮があるストヘス区へは最短の経路を選んでも、大人の足で一日半はかかるだろう。


定期便の馬車を乗り継ぎ、最後には徒歩を選んだ。与えられた二日間の休暇を使った往復は流石に堪えた。

限られた時間の内、私がエレンと共に過ごした時間はものの数時間。

往復の殆どに時間と、莫大な労力を費やす事は始めから分かっていた。
以前の私ならこんな非合理的な事はしなかっただろう。自嘲気味にくすりと笑う。

それでも私は満たされた心に幸せを感じていた。
太腿の付け根に残る痛みを少しばかり気にかけ一日がかりで寮に辿りついたのは真夜中の事だった。

152 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 06:00:45 ID:CE//FE7w
気配を押し殺し、物音一つたてずにドアを開け部屋に入る。
相部屋の住人は幸い眠りについているのか寝息をたてている。


私はずぶ濡れのマントとジャケットを椅子に掛けると浴場へ向かった。

熱いお湯が冷えた身体に沁み渡る。汗と埃・・・そして混じり合った体液と血の付いた下着を念入りに濯いだ。
エレンと過ごしたベッドのシーツは途中、なんとか処分できたがこればかりはどうにもできない。

数時間後にはまた億劫な任務が待っている。
部屋に戻り、ベッドに倒れこむと私は泥のように眠りこけた。


私は深い眠りの中、夢を見る。
遠い日の我が家、お父さんに散々に罵られ泣きじゃくる私。
否応なしに構えさせられ体術を叩き込まれる。繰り返される拷問のような日々。

私はそんなもの望んでいなかった。時折温かな手で頭を撫でられる。
そんな些細な事に嬉しさを感じられる日々が続いてほしかっただけだ。

153 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 06:04:25 ID:CE//FE7w
目を見開き飛び起きる。


思い出すまいと誓った過去。最近、見慣れつつあった部屋の景色がようやく私を現実へ連れ戻したと実感する。


額に滲む汗を拭いながら枕元の懐中時計に目をやる。


ああ、急がなきゃ。私はため息をつくとクローゼットへ向かい、いそいそと制服に着替えた。
髪を梳かし、後ろにまとめ結う。

ふと思い立ち、隅に置いた鞄からごそごそとお目当ての物を取り出す。
いつかエレンからプレゼントされた髪飾りをその手に持ち、殊更、いとおしげに眺める。

窓から差し込む朝日が髪飾りにちりばめられた碧い石をキラキラと輝かせる。
本来ならこんな事をしている場合では無い。時間はぎりぎりだというのに。


だが私はそうせずにはいられない。自分自身でも呆れるくらい、私の心はエレンで溢れていた。

154 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 06:05:11 ID:CE//FE7w
私は髪飾りをしまうとようやく部屋を出た。階段を下り、同僚達と顔を合わせる。

申し訳程度の会釈をすると何食わぬ顔で朝礼の列に加わる。


監督役の上司の不在と、このだらけた雰囲気をみるに上官方は今日もカードゲームの徹夜明けで今頃は夢の中なのだろう。

今に始まった事でもない。安全な内地へ近付けば近付く程、人は心根を腐らせていく。

憲兵団の腐敗は私の想像を遥かに超えていた。

155 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 06:07:03 ID:CE//FE7w
「あ~、アニ間に合ったねぇ。起こそうかなと思ったんだけど忘れちゃったぁ」
同僚でルームメイトのヒッチがへらへらと笑う。

私は無表情で愛想の一つもなく会釈する。

「・・・なーんかアニって感情が乏しいっていうか、生きててつまんなさそうだねぇ」
歯に衣着せぬヒッチの挑発的な態度に目を合わせずにいた。
この類いの手合いは関わるだけ面倒だ。


「おい、ヒッチ。言い過ぎだぞ」
同じく同僚で、新兵のまとめ役のマルロが間に割って入る。

156 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 06:16:59 ID:CE//FE7w
マルロは少し苛つきながらも兵士とは~と持論を説く。

ヒッチはうんざりとした顔で、すごすごと退いた。

やがて矛先はこちらへ向けられる。

「アニ、お前もだぞ。上官が来てまいが定刻ギリギリは弛んでいる。憲兵としての自覚を持て」

それだけ言うとマルロは列に戻って行った。

よく言えば実直。悪く言えば融通の利かない男だ。

ギリギリ間に合った。は彼の中では認められないらしい。

157 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 06:18:24 ID:CE//FE7w
それから私達は、二日酔いの上司から街の警ら、住民からの不平不満の対応といった雑務を言い渡された。

そして上司は私達に崇高な任務を与えるや迎え酒と勤しんだ。
ご立派な職務に励まれなによりだ。


同僚達はその姿を見送ると罵詈雑言の嵐を浴びせる。

私は事務的に、割り当てられた作業をてきぱきとこなす。

別に他意があるのではない。機械的にこなす方が気が楽なのだ。

158 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 06:41:25 ID:CE//FE7w
ふと、エレンが居たら、どんな顔をするだろうか思ってみた。

きっと彼の事だから上司を殴り付ける勢いで食って掛かるだろう。
そして腐る同僚達に一喝し、腐敗した制度に一石を投じようとするだろう。

思わずくすりと笑みがこぼれる。
私の知る限り、エレンはまず間違いなくそうするし、たちまちその立場は危うくなる。

ほとほと安寧とは程遠い性格だ。だからこそ私は惹かれたのだろうが。


そして、そんな性格だからこそ絶えず命を危険にさらす。

私にはエレンの帰還を願うことしか出来なかった。

159 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 06:42:58 ID:CE//FE7w
調査兵団の帰還の一報が届いたのはそれから数日が過ぎてからだった。

憲兵団、駐屯兵団のあらゆる支部に報告書が行き渡る。

エレンを始めとする面識のある人間はみな生還を果たしたのだ。

そして中央へ詳細な報告の為に召還された調査兵団の一行はカラネス区からストヘス区を通る。

私はエレンにまた会えるのではないかと内心、穏やかではなかった。

しかしそれは期待外れに終わった。
一行を導く任務は私に回ってはこなかった。

160 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/12(金) 06:45:37 ID:CE//FE7w
私に与えられた任務は、山積された書類との睨めっこに明け暮れる毎日だった。

もはや、兵士とは名ばかりの事務員だ。

同僚への応対も程々に、私は日々を忙しなく過ごす事を余儀なくされた。


そんな中、繰り返えされる調査兵団の遠征。
私はエレンが旅立つ度に波打つ心に震えた。

そして帰還を知らされる度、杞憂であった事に安堵する。

ある時、私は久しぶりにエレンと顔を合わせることが出来た。本庁へ向かう調査兵団一行の護衛任務の事だった。

ほんの一言、二言を交わしただけの会話。けれどそれで充分だった


カラネス区から始まった壁外調査は三ヶ月目が過ぎようとしていた。


そして運命の日が訪れた。


163 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:31:46 ID:LWckMg6.
私はその日を迎える前日から微熱と気だるさに襲われていた。

連日に渡る昼夜逆転の生活と雑務に追われる日々に疲れていたのだろう。

今日を終えれば、纏まった休暇が貰える。ゆっくり休んで、羽をのばそうと思った。
そんな矢先の事だった。


夜明け前のストヘス区。私の元へピクシス指令の使いがやって来た。


困惑する私に告げられたのは調査兵団の救出作戦への参加だった。

164 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:35:49 ID:LWckMg6.
カラネス区へ向かう馬車の中、幕を張った車内で内容のあらましが伝えられる。

調査兵団はウォールマリア奪還のルートを模索し続け、遠征の果てに新たなる拠点を作り続けてきた。

そして遂にマリアの壁へ差し掛かったところで突如として現れた大規模な巨人の群れと遭遇。

精鋭リヴァイ班の奮戦とエルヴィン団長の陣頭指揮も虚しく調査兵団は困難とされる退却戦を強いられていた。

これら一連の内容を前線に滞在していたピクシス指令に持ち帰った兵士は報告の任を終えると共に力尽きた。

早馬を昼夜問わず走らせ、馬を潰すと自らの足で駆け出し、巨人に襲われ半死半生となりながら尚もその使命を果たしたのだ。

165 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:36:36 ID:LWckMg6.
ピクシス指令は兵士の屍を弔うと、近隣の憲兵団、駐屯兵団に在籍する対巨人の実戦経験を持つ者の召集を側近に命じた。

私も例に漏れずその声がかかったということだ。


不眠の上の戦いなどまともに動けるのだろうか?

そう思ったと同時に苦笑いする。
いつから私は民が上げるような一般論をかざすようになったのだと。

戦いなどというものは初めから万全でないからこそ戦いなのだ。
そして力を持つ者として責任を果たさなければならない。

戦士ではなく兵士として・・・

166 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:38:36 ID:LWckMg6.
カラネス区とマリアの前に位置する開閉扉の前に敷かれた陣幕に導かれる。

即席の作戦本部に整然と並んだ兵士達。薔薇と一角獣の軍旗が風に靡く中、作戦が伝えられる。

斥候の兵による報告でエレンの無事を知ると私は胸を撫で下ろした。

しかし詳細が明るみになるに連れ、状況は決して楽観視できるものではないと知る。

カラネス区へ目と鼻の先という地点で調査兵団の殿が追走する巨人に追い付かれ交戦中と伝えられた。

疲弊の著しい事に加え背後からの襲撃。その被害が深刻である事は想像に難くない。

誰もが不安の色を浮かべる中、ピクシス指令から百十数名からなる救出作戦の先陣を切る部隊への志願を促す声が上がった。

167 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:40:03 ID:LWckMg6.
先陣を仰せつかる切り込み部隊。

聞こえは良いが、碌に面識すら無い者同士が連携をとれる筈もない。



思わず眉をひそめる。

烏合の衆、もしくは自殺志願者と言う方が正しいのかもしれない。

だが私は迷うことなく手を挙げた。
それに続く者が数名。功名心か、自惚れか、或いは義侠心か。

こうして調査兵団の救出作戦は開始された。

168 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:41:19 ID:LWckMg6.
壁上から壁に群がる巨人達へ容赦無い砲撃が降り注がれた。

周囲を焼き払う瘤弾の一斉掃射に轟音が響く。

残響がこだまする中、壁上に立つ物見の兵が掃討を確認した後、開閉扉が重苦しい音をたてて開かれる。

地獄の釜を開けるとはこの事だろうと私は思った。火の海と化した草原に朽ちゆく躯。

馬上から白刃を突き上げ追従する部隊へ合図を送る。

鐙を蹴ると馬は私の意思を体現するかのように嘶き、疾駆した。

169 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:46:54 ID:LWckMg6.
焼け野原を駆け抜け草原を過ぎ、市街地へ進行した私は視覚と聴覚を研ぎ澄ませた。

遥か地平線へと目をやり、そよぐ風に耳を傾けた。

生身で扱うには過ぎたるその力が身体へ負担をかける。

眼から染み出す血を拭い頭痛を堪える。状況は斥候の報告通りだ。


こちらへ向かう土煙を上げる一群が次第に迫る。私は空へ信号弾を放つ。
後続の本体が左右へ展開する。



やがて眼前に現れた自由の翼。敗走する調査兵団は、私達の存在に気付くや息を吹き替えしたように雄叫びをあげる。

170 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:51:59 ID:LWckMg6.
かつての仲間達とすれ違う。

クリスタ、サシャ、ジャン、そして、ライナーとベルトルト。

救援部隊の先陣を切るのが私である事に皆一様に驚きの眼差しを向ける。

視線を掻い潜った先に見える一団。
私は調査兵団の殿までたどり着くと、正面に立ち塞がる巨人に斬りかかった。

どうやら既の所で間に合ったようだ。

エレンは精鋭班と共に奮闘していた。


「アニっ!お前、何でここに!?」
気付いたエレンが叫ぶ。視線が絡み合う。


悲痛な姿のエレンに目を覆いたくなった。息も絶え絶えな土気色の顔色で頬を痩けさせている。
ここに来るまでの間に何度も巨人の力を使ったのだろう。

私はエレンに話は後だと目で訴える。

171 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:55:09 ID:LWckMg6.
エレンの横に立つ鋭い眼光を放つ男。彼が噂に聞くリヴァイ兵長なのだろう。

傍らのアルミンとミカサの存在を確認出来た。


一瞬の間を置いて切り込み隊が玉砕覚悟で巨人の群れに斬りかかった。

続いて左右から後続の本体が合流する。


戦いの場は倒し倒されの乱戦となった。やがて機を見計らい放たれた退却の煙弾が立ち上る。

本懐は遂げられた。長居は無用だ。

私は馬首を返すとエレンの方へと目をやる。

172 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:56:58 ID:LWckMg6.
立体起動で空を舞い、15メートル級の巨人へ斬りかかるエレンの背後にもう一体の巨人が見える。

誰もが退却に気をとられその存在に気付いていない。

私は目を見開き飛び上がった。

手持ちの刃を使い果たした私に出来る事は一つしかない。

巨人となる事も考えた。けど選べなかった。エレンにだけは禍々しいその姿を見せたくなかった。

ガスを全開で吹かし空を駆け抜ける最中、様々な情景が走馬灯のように浮かんでは消えた。

初めての出会い。伝えられた想い。二人で歩いた街並み。解散式。結ばれたあの夜。

巨人を倒し宙で無防備になるエレンに迫る新手の巨人。

私はエレンを突き飛ばした。そして私の身体に衝撃が走った。

173 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 21:58:21 ID:LWckMg6.
景色がこま送りのように揺れ動く。
腕どころか指一本、動かすことが出来ない。

巨人の一撃が私の身体を薙ぎ払い虚空へ舞い上げる。

視界の隅にエレンが駆け付けたリヴァイ兵長とミカサに力づくで拐われて行く姿が見える。

エレンは声にならない叫びを上げながらその身を傷付けている。

現実は非情だった。気力のみでその身を支えていたエレンは立ち上がる事さえままならない程に消耗していた。

174 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/13(土) 22:10:42 ID:LWckMg6.
全軍が決死の退却へ急ぐ中、私の口から吹き出した血が飛沫となり、風に流された。

わかっていた。自分が綺麗なままで生きていけるはずが無いと。


生まれた事への呪詛。人間への失望。生きる事に意味も価値も無いと思っていた。

そんなからっぽの私にエレンがくれた物は私の心を締め付け、苦しめ・・・温めてくれた。

エレンを愛し、そしてに愛されるために私は生き永らえてきたのだと今になって思う。

私は既に欲しかったものを手にしていた。


人類を滅ぼす事で希望を見いだそうとした『彼等』に手を貸したわけでは無い。

だが、結果として多くの命が奪われた。加担したも同然なのだ。
これはきっと、神様が私に与えた罰なんだろう。人でありながら人に在らざる私への・・・



――ごめんなさいエレン。あなたとの約束、守れない――


途切れゆく意識の中、私の目に悲しい程に碧く澄んだ空が映った。





176 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/13(土) 22:18:06 ID:TvHUDnUA
ちょっと~~切なすぎんよ~~~



182 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 08:43:18 ID:OpmvniLY
~elen side~

身体が動かない。鉛のように重く冷たい。

馬車の荷台に揺られる俺は突っ伏したまま、アニの名を繰り返し譫言のように呟いていた。

混濁しながらも途絶えない意識。力尽きたこの身体は身動き一つ許してくれない。
舌を噛みきる事すらままならなかった。

巨人の手に落ちようとした刹那、アニは危険を省みず俺の命を救った。
その身を代償に・・・

目から止めどなく流れる涙が熱い。

カラレス区の開閉扉を越えた所でようやく俺の意識は途切れた。

ぷっつりと落ちるように。

183 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 08:46:47 ID:OpmvniLY
その後、誰も彼もが慌ただしく諸々の作業に追われる一日を俺は馬車の荷台で過ごした。

死亡者や行方不明者の集計から始まり破損、消失した装備や備品の確認作業に疲弊した兵士達は目を回した。


意識を取り戻すや否や、アニの捜索を嘆願した。独りでも俺はそうするつもりだった。

そんな俺の胸中を見透かしたように、リヴァイ兵長は、俺を散々に痛めつけた後、猿轡をかけ手足を縛り上げたと思うと荷台へ放り込まれた。

「今のお前にゃそうしてるのがお似合いだ」吐き捨てる兵長はさっさと戻っていった。

自分がどれだけ無謀で途方の無い戯言を吠えているのかは自身でも承知していた。

184 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 08:49:38 ID:OpmvniLY
巨人の一撃をその身に受けたアニが生きている筈も無い。誰の目にも明らかな致死の打撃だった。

よしんば生きていたとしても、手負いの身で馬を呼べるはずもなく、自力で巨人の群れから脱する等、現実的ではない。

縛り上げられた俺に出来る事は何一つ無く、ただ自らの無力を呪い、咽び泣くことしか出来なかった。

母さんの命を奪われた時と同じだ。
俺は、また大切な人を喪った。その無力の為に・・・


夜、誰かが荷台へ乗り込んで来たと思うと俺を強引に引き起こした。


手に持つ松明が眩い光を放つ。その正体は、同じリヴァイ班に属する先輩のオルオ・ボザドだ。

「ったく、無様な格好晒しやがって」

オルオさんは俺の猿轡に手をかける。

185 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 08:53:30 ID:OpmvniLY
「おう、エレン。今からこの猿轡を解くが舌を噛んだり、逃げ出したりしないと誓えるか?・・・最も、俺ぁお前の言葉を信用するしかできないんだけどよ」

俺は静かに頷いた。冷静さを取り戻した。と言うよりはアニの後を追う気力すら無くしていたと言う方が正しいのかもしれない。

「よっしゃ、んじゃ縄を切るから大人しくしてろよ?」
オルオさんはそう言うとナイフを取り出し、猿轡を力任せに切り落とした。

続いて、後ろ手と足にかけられた荒縄にもナイフを向ける。

ようやく俺の身体は解放された。猿轡の跡が残る口元をさする。

「シケた面してんじゃねえよ!」
ぶっきらぼうに怒鳴りながら俺に何かを差し出した。

酒瓶だった。

186 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 08:56:49 ID:OpmvniLY
ぽかんとする俺に向けられた瓶からは猛烈な酒の匂いが放たれる。
相当きつい酒だとは容易に想像がつく。

「ごちゃごちゃ考えてねぇで、とっとと飲みゃあいいんだよ!」

強引に瓶を押し当てられると有無を言わさず酒を流し込まれた。

喉がやけつくように熱い。思わず吹き出す。

「あーっ!このばっきゃろう!幾らすると思ってんだ!!」

オルオさんの罵声が飛ぶ。だけど普段の先輩らしくない。

乱暴な態度だが、それはどこか優しげだった。

187 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 08:58:24 ID:OpmvniLY
「ったく、勿体ねぇ」
オルオさんはぶつぶつ言いながら、残りの酒をぐびぐびと音を立ててあおる。

「くっはあああ!!こりゃ美味ぇ!」感嘆の雄叫びを挙げながら、どっかりと俺と向かい合う形に腰を下ろした。

物怖じする俺を見ながらその口を開く。


「いい仲間を持ったな」

俯き加減の俺がハッと顔を上げる。

「お前の同期の奴等だけどな、ありゃ揃いも揃って馬鹿ばっかりだ。自分達も多かれ少なかれ怪我してやがるのに、口を開きゃあエレン、エレンってよ」

酒瓶を空けたと思うと懐から新たな酒瓶を取り出した。

188 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 09:00:22 ID:OpmvniLY
「話は聞いたよ。大切な女を喪ったんだってな」

目頭が熱くなる。俺は答えずにいた。

「いいか、エレン。お前が喪った者の辛さだとか、悲しみだとかを分かる事は誰にも出来ねぇ。ま、分かった所で俺の知ったこっちゃねぇけどな」

思わず飛び掛かろうとする俺を制止しながらオルオさんは続ける。

「だがな、今回の遠征でもそうだが、これまで死んでいった者の殆どの奴等にゃ、お前にとっての大切な女と同じ位に家族だの、恋人だの、友が居たんだよ」

至極まっとうな言葉が心臓を鷲掴みにするようでどきりとした。


190 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 09:01:23 ID:OpmvniLY
「いいか、俺もお前もちっぽけな人間に過ぎやしねぇ。お前の持つ巨人の力を抜きにしなくてもだ」

「だがな、生きている以上、俺達は戦わなきゃならねぇ。それがどれだけ危険な代物だろうがだ」

俺は瞬きすら惜しむようにオルオさんの目を見る。

「お前を守る為に女に命を捧げさせたんだったら、そいつの為に生きて戦いやがれ!泣きべそこいてる暇なんざねぇぞ!」

吐き捨てたと思えば一息に酒を飲み干した。

顔色が忽ち青ざめる。無理をして飲めない酒を呑んでいるのだろう。

191 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 09:04:55 ID:OpmvniLY
「あぁ、くそ!お前がウジウジしてやがるからぶん殴って目ぇ醒まさしてやろうと思ったのに、柄にもねぇこと言ったから悪酔いしちまった」

オルオさんは相変わらずの悪態をつきながら胸元のポケットから四角いブリキの箱を開けると煙草を取り出した。

口にくわえると松明に先を近付ける。
先端に紅い火がぼうっと灯ると共にちりちりと音が聞こえる。焦げ臭い。


「どわぁ!!おっ、俺のダンディな前髪がっ!チクショー!」

前髪を少し焦がした滑稽な先輩に思わず吹き出す。
正直、兵士ではなく、三枚目の役者なら大成するんじゃないかと失礼とは思いながらも妙に納得がいく。

たっぷりと吸いこんだ煙を顔に吹きかけられる。


193 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 09:08:34 ID:OpmvniLY
煙草の濃い煙に思わず顔をしかめる俺にオルオさんが吸いかけの煙草を差し出す。


「吸え。こんな時位、吸っちまえ」


「頂戴します」
そう言った俺は初めての煙草を目一杯、肺に吸い込んだ。そして案の定、思いっきり噎せ返った。



「お前の面見てたら分かるよ。本当に好きな女だったんだな」
不意に呟いたオルオさんの何気無い一言がアニを思い出させた。


溢れる涙がどうにも止まらない。

「ったくこの青二才が。煙草の煙が目に入った位で泣くんじゃねぇ!」

194 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 09:09:51 ID:OpmvniLY
見え透いたそんな言葉に今だけは甘えようと思った。

月の光は優しく辺りを照らしていた。


脳裏に浮かぶいつかの日々。頭の中で浮かんでは消えゆく。

共に歩いた街並み。初めてのキス。ささやかなプレゼント。結ばれた夜。そして俺にしか見せない笑顔。

二度と戻らない冷たい現実を俺は受け入れようと泣いた。

195 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 09:11:24 ID:OpmvniLY
夜明けを迎えてから俺は、真っ先にエルヴィン団長とリヴァイ兵長の元へ向かった。

深々と頭を下げ、全体の士気を身勝手な感情から疎かにした事、そして今後の忠勤に身命を尽くす事を宣言した。

泣き腫らした赤い目に何かを感じ取ったのかそれ以上は追求される事はなかった。

そして仲間達と顔を合わせると俺は、気丈に振る舞った。

――この心の傷が癒えるのはずっと先だろうし、もしかしたら永遠に癒える事は無いのかもしれない。

それでも俺は、人類は前に進まなければならないんだから――

196 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 09:15:44 ID:OpmvniLY
それから俺を含む調査兵団の面々はウォール・シーナの中央へ向かい、報告の地へ足を進めた。

ウォール・マリアへ遂に到達し、残すはシガンシナ区と言う所での敗戦に肩を落とす人がいれば、それ見たことかと息を荒げる人もいる。

しかし、それらの質疑応答に団長も兵長も凛とした対応で臨んだ。

毅然とした態度が幾ばくかの波紋を呼んだが調査兵団はシガンシナ区遠征の任の続行を許された。

これまでとは比べ物にならない多くの報告業務の為、ウォール・シーナに滞在する事が一月を超えたあくる日、一人の憲兵が俺を訪ねてきた。


203 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 20:49:35 ID:OpmvniLY
年の頃は俺とそう変わらないであろう憲兵はストヘス区の憲兵団所属のマルロと名乗った。

ストヘス区と言えばアニが配属されていた地区だと思い出す。

ここ数日はその忙しさと仲間達との日々にようやくアニの死をゆっくりと受け入れて来れた、そんな矢先の訪問に俺は眉をひそめる。

マルロは俺に一枚の書類を手渡した。

アニの戦士報告書と兵籍の抹消の通知に目をやる。

204 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 20:53:30 ID:OpmvniLY
翌日、俺は団長の許しを受けストヘス区の憲兵団支部の一角にある女子寮を訪ねた。

マルロは支部の入り口で俺の姿を見るや、案内役を請け負ってくれた。

「遺品の整理ですが、ベッドの側にある個人用クローゼットに有る物が全てです。又、お持ち頂けない物に関しましてはこちらで全て破棄させて頂きますのでご了承下さい」

道中の説明は事務的そのものだったが俺は彼が気遣ってくれている事に感謝した。

ある時、思い人がいる。とアニにしては珍しく口を滑らした事が発端だったとマルロは言った。

それから彼はあらゆる伝を頼り、俺を探し当てたと言うのだから頭が上がらない。

「失礼ですが、興味があったんです。アニはその、あまり他人と打ち解けるタイプじゃなかったので・・・」

マルロは少し罰の悪そうに弁明する。

205 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 20:58:29 ID:OpmvniLY
静まり返る建物の階段を登り、少し歩いた先でマルロは立ち止まった。

「こちらがアニが暮らしていた部屋です」

そう言いながらドアを開け、中へと招かれる。

「自分は他の業務が有りますので一旦失礼致します。一時間程で戻りますのでご容赦ください」

マルロはさっさと戻っていった。

ぼうっとした面持ちで部屋を見渡す。

簡素な二段式のベッド。小さな机。訓練兵時代を彷彿させる。
微かにアニの匂いが幽霊のようにふわふわと漂っていた。

窓のカーテンを開けると眩しい陽射しが、しんとした部屋に暖かさを与える。

207 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:01:54 ID:OpmvniLY
俺は思い出したかのようにアニのクローゼットを開けた。

折り目の着いた何枚かの洋服。制服は既に引き取られたのだろうか、ただの一着も無い。

洋服を手に取り、抱き締める。

鼻孔を擽るアニの匂いを感じる。ただそれだけで傍にいれた気がした。

ふと隅に置かれた鞄に目をやる。

片手でひょいと持ち上げられる程軽いが何かしら入っている事が取れる。

壊れ物を扱うようにそっと取り出し、机の上に置く。

208 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:03:24 ID:OpmvniLY
最初で最後のプレゼントになってしまった髪飾りを見つけ、手に取る。

窓から射し込む光を浴びてアイオライトが碧く輝く。

この髪飾りは二度と戻らない主の帰りをこれからもずっと待つのだろうか。

そう思うと薄寂しい気持ちになった。

髪飾りを懐に仕舞いこむと、鞄の底に手を伸ばし小さな紙袋を掴む。

袋の中から布切れと封の破られた一通の手紙が姿を現した。

209 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:05:51 ID:OpmvniLY
消印の日付は二月前。差出人の名を見るとそこには内地のとある医院の名があった。

どこか怪我をしていたのだろうか?

そう思いながら何枚かの便箋を取り出し目を向けた。


身体が引き裂かれたような衝撃に俺は呼吸を忘れた。



――アニ・レオンハート様

先日の検査の結果をここに通知致します。



血液検査、尿検査、精査の結果、妊娠を確認――



――本通知書と同封の認知書に父母の署名と押印の上、次回検査時にご持参して頂き――


俺は文章を全て見るよりも先にもう一枚の便箋を捲った。

210 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:06:43 ID:OpmvniLY
――母 アニ・レオンハート――

――父 エレン・イェーガー――


アニの筆跡で書かれた二人の名前。


記憶の奔流がいつかの景色を思い出させる。

消印の日付の数日後、俺は内地へ報告に向かっていた。
そしてアニはその護衛任務で俺と顔を合わせていた。

ほんの一言、二言の他愛の無い会話の最後――

「ねぇエレン、私・・・ううん、なんでもないの・・・」

何か言いたげなアニは声を押し殺し笑って見せた。

211 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:08:27 ID:OpmvniLY
震える手を無理矢理抑え込む。

心臓の鼓動は激しく締め付けるような痛みを覚えた。

俺は紙袋の中身に手をやる。
小さな布切れを手にした。タオルか何かかと思い引き伸ばす。


俺の中で何かが音を立てて崩れ落ちた。




それは赤ん坊の肌着だった。



アニの顔を思い出す。
どんな思いでこの服を買ったのだろうか。


214 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:28:39 ID:OpmvniLY
寂しく悲しい笑顔が再び浮かんだ。

俺はアニが身籠っていた事実を今になって漸く知ったのだ。

アニは何度も俺に伝えたかったに違いない。そしてその度に俺の邪魔をしまいという気持ちがその心を挫いていたのだと。

何度も何度も・・・


「・・・畜生・・・!!」

俺は腹の底から叫んだ。
獣の断末魔のような雄叫びを上げると足下の床を殴り付けた。

二度目で拳が裂け鮮血が吹き上がる。
三度目で拳が砕ける音がした。

失神するであろう激痛。意に介さず、今度は額を打ち付ける。

215 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:29:55 ID:OpmvniLY
異変に気付いたマルロが額を割り、血まみれの俺に仰天しながらも羽交い締めにする。


――どうして俺はこうなんだ。俺はアニと約束を守るどころか、その命も、心も――

喪われたアニとその身に宿った小さな命の重さ。
崩れる俺は意識を失った。


覚めない眠りにつく事を願いながら。

216 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:32:28 ID:OpmvniLY
ストヘス区のアニが過ごした部屋での一件からほんの少しの月日が流れた。

あの日、半狂乱となった俺がしでかした事件でマルロは同僚達に頭を下げ、なんとか事は穏便に済まされた。

勿論、俺が再び自暴自棄になったのは言うまでもなかった。

だが、俺はその想いを胸に秘めた。
俺の為に多くの人が命を捧げた。今はその命に応えなければならない。

それが俺に出来る弔いだからだ。


そして今、カラレス区から俺を含む調査兵団の面々が多くの人に見送られながら壁の外へと馬首を進める。

217 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/14(日) 21:32:39 ID:sIHJiSr.
アニ・・・(´;ω;`)
エレン・・・(´;ω;`)

218 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:34:09 ID:OpmvniLY
俺を挟むようにライナーとベルトルトが見合わせる。


アニの死を知ってから二人は俺を呼び出すと敬礼を向けてきたのだ。

―自分達のしてきた事を今更、詫びる事は出来ない。時期が来たら全てを話す。だから今は俺達の命を使ってくれ―

そう言うとライナーは俯いた。渇いた地面にぽつぽつと染みを作る。
ベルトルトは背を向けると肩を震わせていた。


220 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:37:49 ID:OpmvniLY
俺は詮索をする事を止めた。

アニの死が俺と同じくらい何かを変えたんだろうと思った。
だから二人の思うようにしてくれればいいと言った。

何よりこの二人が一緒に戦ってくれるという事に武者震いすら起こした。


ミカサやアルミン達の班と目配せをする。

ジャンとコニーは前衛の班だがあいつ等ならどんな戦地だろうと生き延びるだろう。


223 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:41:53 ID:OpmvniLY
開閉扉をくぐり抜けた所で鐙を蹴る。

愛馬は俺の意志を敏感に察知すると駆け出した。

心地よい風に目を閉じる。
アニに想いを告げたあの日と同じ涼やかな風だ。

そんな思い出がアニの息遣いを一瞬、思い起こさせる。

結ばれた首飾りに目をやり、なんともいえない気分になる

「エレン!護衛は俺とベルトルトに任せて居眠りしてるんじゃねぇぞ!」
ライナーの発破に思わず目を開け苦笑いする。

「まあまあライナー、今回はエレンの生家まで向かう長旅なんだ。少しでも体力を温存してもらわないと」
ベルトルトがライナーをたしなめる。

前を行くリヴァイ兵長率いるリヴァイ班の面々は二人の会話にあきれ笑いを隠しきれない。

224 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:48:24 ID:OpmvniLY
馬の速度を落として俺に近付くリヴァイ兵長が横並びに迫る。


「お前が救われた命、今度は失う事無く活かせ」


それだけ言うと兵長は元の位置へと戻って行った。



――この世界には多くの謎がある。だからって、立ち止まってどうする?残酷な運命があるのかもしれない。それでも人は新たな世界を見ようとしている。
だから俺は前を見て歩いていこう。いつか夢見た世界の果てを目指して――


アニ、いってくるよ――

225 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:56:02 ID:OpmvniLY
~epilogue~

壁上から出陣する調査兵団を見下ろす。

多くの人々に見送られるその勇壮な様は人類の希望を一身に引き受けていた。

「いいのかい、本当に会わなくて。今回はシガンシナまで行くんだ、長い旅になるよ」

ユミルがそう言った。
くすりと笑いながら首を横に降った私は当時を思い返す。

巨人の一撃を受け、大地に叩きつけられようとした刹那、ユミルが馬上から私を抱きとめてくれたのだ。


即死を免れた私は意識を失う直前にどうか私の死を偽装してくれと口を動かした。

騒音にかき消されるか細い声。
彼女は唇を読み、私の願いを叶えてくれた。

彼女曰く、「すれ違った時のあんたの顔は死相が出ていた。最初は知ったこっちゃないと思ったのに自分でも気付かない内に、巨人の群れが迫る殿へ引き返していた」

奇跡か幸運か、私は救われたのだ。

驚異的な生命力と回復力を見せる私の正体に気付いたユミルは自身の身の上と、その正体を打ち明けた。

226 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:57:44 ID:OpmvniLY
「あの時、あんたを助けに引き返した訳のわからない理由はそう言う事だったんだね」

ユミルは私に負けず劣らずの合理主義だ。
それを曲げてまで取った自分の行いとその結果に合点がいくのか、その表情は素直なものだった。

どちらにせよ私はその身に秘めた力によって命を繋いだのだ。

皮肉ではあるが、私が死を偽装してくれと望んだのはそれが原因だ。

誰の目にも明らかな致死の一撃を受けて無事に生きていたとなると話しは別だ。

切れ者や知恵者揃いの調査兵団が私の正体に気付かない訳がない。

227 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 21:58:28 ID:OpmvniLY
正直に告白し、エレンと共に戦う道もあるのかもしれない。

だが、その力に懐疑を抱く者も決して少なくない。

いたずらに刺激してしまうわけにはいかないのだ。曖昧な形にはなるが、人類にとっても、私にとってもそれが最善だと思った。

「命短し、恋せよ乙女・・・か」

思いにふける私を現実に連れ戻したユミルの一言。

彼女は思い出したかのように続ける。

「あ、あんたの場合は恋よりも愛だったね。」

228 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 22:00:06 ID:OpmvniLY
そう、私はエレンを愛していると同時に恋をしている。
今も、そしてこれからも・・・

満更でもない表情の私にユミルはぽかんとする。

「あんたのそんな顔、初めて見たわ」

そう言われ少しだけ照れくさくなる。

「さあて、私はクリスタと一緒に後詰め部隊だ・・・ぼちぼち出発の時間だね」


懐中時計を見ながらユミルは私達に一瞥をくれると立体起動で自らの戻るべき場所へ戻って行った。

229 : ◆zYQ/uWRKn. :2013/07/14(日) 22:02:39 ID:OpmvniLY
開閉扉を過ぎた兵士達は土煙をあげ、馬を走らせる。

私はそれらを見送るとそっと目を閉じる。

小鳥の囀り。木々のざわめき。そして人々の息遣いに耳を傾ける。


不意に傍らで寝息をたてていた赤子が目覚め、のびをする。
まだ薄いが、父親譲りの黒髪が風にそよぐ。

私は赤子の頬をいとおしく撫でる。

「今日はいい天気ね」

そんな私の言葉につぶらな瞳が不思議そうに向けられる。

私はにこりと笑いかけると碧い空を見上げた。

全てが終わったその時こそ、エレンに打ち明けよう。

・・・そして、私の全てを彼にささげよう。




――エレン、あなたに出逢えてよかった――










アニ×エレン ~私の宝物~
元スレ

テーマ : 進撃の巨人
ジャンル : アニメ・コミック

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