一方通行「過去に戻れる、だとォ…?」【禁書目録】

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 21:29:43 ID:Dac0ytk80

打ち止め「あれ!? ミサカのプリンがないってミサカはミサカは愕然としてみたり! ねえ! あなたミサカのプリン食べたでしょ!!」

一方通行「知らねェ」

芳川「ねえねえ一方通行。一緒に晩酌しない?」

一方通行「しねェ」

番外個体「ちょっとアナタ、ミサカ片腕使えないんだから一緒にお風呂入って背中流しなよ」

一方通行「死ね」

黄泉川「あー! ちょっと一方通行! そっちのジャーの蓋開けるじゃん!! そのままだと蒸し過ぎに…」

一方通行「ああァァァァアアああああ鬱陶ォしィィィィイイいいいいいいい!!!!」

2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 21:39:06 ID:Dac0ytk80

黄泉川「蓋開けてくれって頼んだだけじゃん!? 何をそんなにキレてんのさ!」

一方通行「あァハイハイハイこれでいンですかァ!?」カパッ

一方通行「なァンで炊飯ジャーからかに玉が出てくンだコラァァアアア!!!!」

黄泉川「ってゆーか桔梗! 未成年に酒進めちゃだめじゃん!!」

芳川「はいはい、愛穂は相変わらず固いわねえ…」

黄泉川「こちとら一応教師じゃん」

番外個体「なになに? ミサカのこの魅力的なボディを前に理性を保つ自信が無いのかにゃー?」

一方通行「そォいうセリフはせめて二桁の年になってから言え」

番外個体「ぶー。ミサカもうとっくに大人の体だっての。生理来てるし」

一方通行「黙れ」

打ち止め「ミサカのプリンーーー!!!!」ポカポカポカポカ!

一方通行「知らねェっつってンだろまとわりつくなクソガキッ!!」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 21:45:20 ID:Dac0ytk80

黄泉川「なんか本当にカリカリしてるじゃん。どうした?」

一方通行「……寝不足なンだよ」

芳川「あら、珍しい。どうして?」

番外個体「そりゃーミサカ達みたいな魅力的な女に囲まれてちゃ、ねえ?」

一方通行「そンな事情は欠片もねェから安心しろクソガキ」

番外個体「ミサカとしては多少の情事はどんとこいなんだけどね」

黄泉川「イチ教育者としてそれは許すわけにはいかないじゃん。で、ホントのとこはどうなんだ?」

黄泉川「環境に問題があるなら改善するから言ってみるじゃん?」

打ち止め「プリン……」ションボリ…

一方通行「……別にそんな大層な理由なンぞねェよ」


一方通行「……ただ、最近ちょっと嫌な夢を見るだけだ」


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 21:51:27 ID:Dac0ytk80

番外個体「ぎゃははー!! 天下の第一位様が怖い夢見て眠れないんだって!! 笑っちゃうね~!!」

一方通行「お前はマジで一回喋れなくすンぞ物理的に」

芳川「学園都市第一位の頭脳が見る夢、ねえ……」

黄泉川「どんな夢なんじゃん?」

一方通行「言うかボケ」

番外個体「あ、やっぱやらしい夢だ。それで第一位様は夜な夜な汚れたパンツを洗っていたために睡眠不足と」

打ち止め「そういえば夜中に洗面所でバシャバシャやってたあなたを見たことあるよ、ってミサカはミサカは報告してみる!!」

番外個体「えっ」

芳川「……」

黄泉川「……」

一方通行「いらンこと言うなクソガキそりゃ本当に手を洗ってただけだテメエらその生温い目をやめろコラァァアアアアアア!!!!」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 21:56:56 ID:Dac0ytk80

一方通行「ケッ…!」

黄泉川「あ、一方通行どこ行くじゃん!? もうご飯出来るじゃんよ!」

一方通行「……すぐそこのコンビニ。5分で戻る」

番外個体「夢の追求を恐れて逃げたねあれは」

芳川「隠せば隠すほどこういうのは誤解されちゃうのにねぇ……」

芳川(……或いは、誤解されてでも話すわけにはいかない内容なのか)

打ち止め「あー!!」

芳川「ど、どうしたの?」

打ち止め「プリンお願いしとけばよかったー!! ってミサカはミサカは自身の不手際にうぎぎぎぎぎーーー!!」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 22:03:12 ID:Dac0ytk80

一方通行「………」ウィーン   アリャッシター>

 一方通行の手に提げられたビニールがガラガラと音を鳴らす。
 その中身は、大量の缶コーヒーと、三個入りのプリンが二パック。

一方通行「……ったく、気ィ抜きすぎだっつの。何で本音語っちまうかねェ……」

 夢。悪夢。
 打ち止めの言葉に、一方通行は手を洗っていただけだと反論した。
 事実、その通りだったから。
 彼はただただ手を洗っていたのだ。


 夢の中でこびりついた血を洗い流すように。


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 22:10:01 ID:Dac0ytk80

 一万人の人間を殺した。

 たったひとつの理由のために。

 ただ自分のためだけに。


 夢。悪夢。

 少女の腕をもぎ取って、少女の腹を貫いて、少女の頭を踏み砕く。

 凄惨な、直視できない、血にまみれた真っ赤な悪夢。


 ―――違う。それは過去。紛れも無くかつて存在した現実。

 一方通行の脳裏に刻まれた、記憶に過ぎない。


一方通行(……俺ァ、どうして)

 夢を見て、思い出して、当然また眠りに落ちることなど出来なくて。
 つらつらと考えた末に出てくるのは、いつも自分への疑問。


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 22:18:19 ID:Dac0ytk80

 自分はどうしてあんなことをしてしまったのか。
 あんなことをして―――どうして自分は今こうして『彼女たち』と過ごすことが出来るのか。

 どのツラをさげて―――

一方通行「―――ッ!!!!」

 ダン、と思い切り地面を踏みつけていた。
 思考の末にたどり着くのはいつもこの結論で、そのたびに一方通行は耐え難い衝動に襲われる。
 「ここは恩人の家だから」、彼がそんな良識を獲得していなかったなら、黄泉川の洗面所のガラスはもう何枚目になっていただろう。
 第一位の能力を発揮できない今の一方通行は、当然地面を砕くこともできず、ただ足の裏にジンとした痛みを感じていた。
 足元に色濃く落ちた影に気づき、空を見上げた。
 満月。
 一方通行は。

一方通行(そういや、あの馬鹿が俺を止めてくれたのも……)

 こんな夜だったな。と、そんなことを思い出していた。


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 22:34:34 ID:Dac0ytk80

一方通行(認めンなァシャクだが、あの馬鹿が実験を止めたおかげで俺は闇に落ちきらなかった。あの馬鹿のおかげで…)

??『くだらねぇ実験なんざやめろ。どうせてめえは無敵なんかにゃ届かねぇ』

一方通行「…?」

 思い出したのは、夢の中でいつも聞こえてくる言葉。


??『なんでもすぐに投げ出しちまうてめえは実験だって途中で投げ出すさ。それで、その後に残るのは――』


一方通行(……これは、アイツの言葉じゃねェ。これは、一体何だ?)

一方通行(俺が物事を忘れるなンて有り得ねェ。だからこれは俺の脳みそが勝手に作り出した幻想に過ぎねェ)

一方通行(だが、もし、あの馬鹿より前に俺をこうやって止めてくれた奴がいたとしら―――)


 ―――俺はどうしてそこで止まれなかった?



「こんばんは。学園都市第一位、一方通行<アクセラレータ>。お目にかかれて光栄の至りだ」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 22:38:19 ID:Dac0ytk80

一方通行「…ッ!?」

 満月を背にして、電柱の上に誰かが立っていた。
 長いブロンドの髪が月明かりを反射する。
 ひらひらしたワンピースが夜風に揺れている。

一方通行「……女? しかも、ガキか……」

少女「ガキとは心外だな。これでも私は同年代の子達に比べれば成熟しているつもりだが」

一方通行「ンなこたァ心底どォでもいいンだよ。質問はひとつだ」

一方通行「テメエは、何モンだ?」

少女「ふむ、故あって名前を教えるわけにはいかないんだが、これだけは誓おう。私はあなたの敵ではない」

少女「いや、むしろ、私は私こそがあなたを真に救うことができる救世主だと信じている」

一方通行「……あァ? 何言ってやがンだクソガキ」

少女「私が救おう。一方通行、あなたを、『絶対能力進化計画』の亡霊から」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 22:46:11 ID:Dac0ytk80

一方通行「……テメエ、『闇』か。全部解体したと思ってたンだがなァ。ったく、トコトンゴキブリだなテメエら」

 バチン、と一方通行はチョーカーのスイッチを入れる。
 学園都市第一位の能力を開放した、完全戦闘モード。
 対する少女は飄々としたまま続ける。

少女「勘違いはしないで欲しいな。それに、その力を私に向けるのをやめて欲しい」

少女「私はしがないただの少女だよ。そんな殺意をぶつけられては怯えて足が震えてしまう」

一方通行「『絶対能力進化計画』なンてモンにたどり着けりゃ立派なレディだ。認めてやるよ。テメエは極刑に値すンぜ」

少女「おしっこ漏らしちゃう」

一方通行「………」

少女「やあ、ありがとう。そうやって殺意を解いたまま私の言葉に耳を傾けてくれ」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 22:50:57 ID:Dac0ytk80

少女「先程も言ったが、私は故あって私の名を今あなたに告げることができない」

少女「でも、私の能力をあなたに教えることは出来る。そうしなければ、あなたの信頼を勝ち取ることは出来ないだろうから」

少女「それでは開陳しよう。私の能力名、それは『時間跳躍(タイムジャンパー)』」

少女「『現在』と『過去』を自由に行き来できる能力だ」

一方通行「なっ……!?」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 22:58:09 ID:Dac0ytk80

少女「驚いてもらえたようで何より」

一方通行「……ありえねェ」

少女「しかし事実だ」

一方通行「もしそンな能力の持ち主がいたら学園都市が―――いや、世界がそいつを自由にするわけがねェ」

少女「そうだよ。だから私も完全に自由という訳ではない。学園都市の秘蔵も秘蔵っ子、それが私というわけだ」

少女「まああなた達にならって『時間跳躍』なんて名乗ってみたけど、実のところ私のこれは君たちの言う『超能力』とはまた別種の力さ」

少女「だから、レベルなんて括りで私を表すことはできない」

少女「……信じられないって顔だね」

一方通行「信じる方が馬鹿だろォが……」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:06:26 ID:Dac0ytk80

少女「じゃあ一度だけ能力を披露しよう。多用は禁じられているからね。本当にこの一度だけだ」

少女「一方通行。君の家に誰もいなかった時間はなかったかい?」

一方通行「……5時」

少女「了解」シュンッ

少女「ただいま」パッ

少女「これなーんだ?」

 少女の右手には「打ち止めの」とマジックで書かれたプリンが握られている。

一方通行「それは…ガキが無くなったって騒いでやがった……!!」

少女「これで信じてもらえたかな?」

一方通行「……」

少女「もちろん、これは私が前もってあなたの家に入って盗んだもので、私は今テレポートで隠していたこれを取りに行っただけかもしれない」

少女「信じるか信じないかは結局のところあなた次第。でも、信じてもらえたなら、私は、この力をあなたのために使うことを約束する」

少女「ねえ、一方通行」


少女「『絶対能力進化計画』を無かったことにしたくない?」


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:13:30 ID:Dac0ytk80

一方通行「……ッ!?」

少女「あなたは苦しんでいる。一万人を殺した罪悪感で。あなたは許せずにいる。それでものうのうと幸せを享受している自分を」

少女「私があなたについて、『絶対能力進化計画』について知っているのはこの能力の力」

少女「過去と現在を自由に行き来できるということは全ての歴史を検閲出来ることに等しい」

少女「私はたくさんの人間の物語を追ってきた。その中でも、あなたは格別」

少女「初めて私が、自分の能力を誰かのために使いたいと思った」

少女「私なら、あなたを幸せにしてあげられると思った」

少女「幸せにしてあげたいと思った」

少女「もし、あなたが絶対能力進化計画を無かったことにするというのなら。かつて殺した一万人が笑顔で生きている未来を望むなら」

少女「今、この場で私の手を取ってほしい」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:20:45 ID:Dac0ytk80

一方通行「ぐ…く……」

少女「先にあなたの懸念をいくつか消しておいてあげる」

少女「もし仮に、計画が初期の段階で止まったとしても、『妹達』はちゃんと二万体まで生産される」

一方通行「何ィ…?」

少女「『妹達』があなたの『絶対能力進化計画』に流用されたのはあくまでおまけ。アレイスターにはどうしても規定数の『妹達』を生産しなきゃならない理由があるのよ」

一方通行「……テメエは本当に一体何モンだ」

少女「名乗るべき時が来れば名乗るわ。今はただの少女よ」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:26:29 ID:Dac0ytk80

少女「そしてもうひとつ。わかっているとは思うけど、確認」

少女「私の『時間跳躍』は完全な過去改変を可能にする。過去の改変による、現在の変革を可能にする」

少女「つまり、もしあなたが『絶対能力進化計画』を無かったことにすることに成功したなら」

少女「あなたが『現在』に戻ってきたとき―――『絶対能力進化計画』が存在した先である『今』は消えて、変わってしまっている」

少女「あなたのそばに『打ち止め』はいない」

少女「その代わりに、死んだはずの一万人が生きて―――笑っている」


 少女が手を差し出す。
 一方通行は―――


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:29:07 ID:Dac0ytk80

打ち止め「……あの人、遅いね、ってミサカはミサカはちょっぴり心配してみたり」

番外個体「……からかいすぎたかな?」

芳川「……」

黄泉川「……ったく、もうすっかり冷めちゃったじゃんよ」


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:34:20 ID:Dac0ytk80

 ―――数年前、とある学区。

一方通行「がァふ…!」ドシャァ!

少女「あ」

一方通行「……」ピクピク…

少女「しまった忘れてた。そりゃこの時はまだミサカネットワークなんて確立されてないんだから一方通行は活動出来なくなっちゃうよね」

一方通行「……」ピクピク…

少女「あ、やばい。早くしないと『この時代』のあの人が来ちゃう」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:42:58 ID:Dac0ytk80

一方通行「……ハッ!!」

少女「ふぅ、これでよし。勝手にだけど、あなたのチョーカーをこの時代使用に変えさせてもらったよ」

一方通行「どうやって…!」

少女「未来では一万人の脳の補助によってあなたの脳の機能を賄っていた。その補助の役割を、この時代のコンピューターに切り替えただけ」

一方通行「オマエは本当に何モンなんだよ…」

少女「『時間跳躍<タイムジャンパー>』に不可能は無いのだ」

少女「あ、でも能力使用時の膨大な演算処理までは賄えないよ。そんなことしたら一瞬でコンピューター焼き切れちゃうから」

一方通行「うォォ!? そこ一番可能にしとかなきゃならンとこだろ!! ンなモンどうやって実験止めンだァ!?」

少女「成せば成る! 行きましょー!!」

一方通行「あと何かオマエキャラ変わってねェ!?」

少女「少しずつ慣れてきたんですよ!!」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:49:03 ID:Dac0ytk80

少女「一方通行」

一方通行「シレッと呼び捨てにしてンじゃねェよ」

少女「見てください、あそこ」

一方通行「……ッ!!」


スキルアウトA「ひ、ひぃぃぃ!!」

スキルアウトB「ぎゃばぁ!!!!」

一方通行(過去)「あぎゃァっはっはっはァァーーーーッ!!!!」


少女「この時代のあなたです」

一方通行「……調子乗ってやがンな、あのクソガキ」

少女「クソガキって、あれはあなた自身ですよ」

一方通行「まさしく自己嫌悪って奴だ、反吐が出る。蟻ンコいたぶって喜ンでンじゃねェよ……」


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:51:29 ID:4Mc72hyt0

勝ち目ないだろ


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:53:15 ID:Dac0ytk80

少女「どうします?」

一方通行「今すぐ出ていってシバキ回してやりたいトコだがなァ……」

少女「逆にあなたがシバキ回されるでしょうね」

一方通行「今は何月何日だ」

少女「○月×日ですね」

一方通行「ちっ、時間はねェな。確か実験の声がかかンのがその辺だったはずだ」

少女「改めて聞きますが、どうします?」

一方通行「取り敢えず止めるしかねェだろ」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/31 23:59:42 ID:Dac0ytk80

少女「どうやって?」

一方通行「直接。オイ! そこの最強気取りのクソ坊っちゃンよォッ!!」

一方通行(過去)「あァ?」

少女「ほわぁーーーー!!!!」ガバァッ!

一方通行「うごッ!!」ドタン!

過去通行「ン~? この俺に向かって随分愉快なクチ聞きやがるヤロォが居たと思ったが、気のせいか……」

一方通行「何しやがる!!」

少女「シー!! 何考えてるんですか!! 過去の自分との直接接触なんて禁止に決まってるでしょ!!!!」

一方通行「は、はァァ!!?」

少女「この時代のあなたが今ここにいるあなたを認識してしまった場合、二人とも爆裂して死にます」

一方通行「はァァァァァァアアアあああああああああああああああああああ!!!!!!!!??????」

少女「それが世界の理です」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:04:49 ID:XYnbdtpC0

一方通行「オマエふざっけンなよ!! 後から後からとンでもねェ縛り設けて来やがってよォ!!」

一方通行「俺がどンな決意でこの時代に戻ってきたと思ってンの!?」

少女「それでも私は、あなたはやり遂げることができると、そう信じています」

一方通行「何その綺麗な瞳ッ!! そォいうのマジいらねェンだよォォおおおおおお!!!!!」

少女「とにかく、何か方法を考えましょうよ」

一方通行「つっても、時間はねェ。まず、今ここで、奴に接触するしか第一次実験を止める手立てはねェ」

少女「では、あれを使ってはいかかでしょう?」

一方通行「……マジかよ」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:10:04 ID:XYnbdtpC0

一方通行「止まれ、そこの最強気取りの真っ白ボッチャンよォ」

過去通行「……」ピタッ

過去通行「……カカッ、いいねェ。やっぱ聞き違いじゃ無かったンかよ。最強気取りってこたァ、俺のことを知ってるってことだよなァ」

過去通行「それでも俺にそンなクチ聞きやがる愉快野郎は今までちょっと会ったことねェぞォ!!」クルッ

一方通行「……」

過去通行「……」

一方通行「……」←ゲコ太の被り物してる

過去通行「イヤ、マジでこンな愉快な奴会ったことねェわァ……」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:11:14 ID:16fYRGXm0

想像したらちょっとワロタ


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:17:06 ID:XYnbdtpC0

一方通行(過去の自分に見下されるってなァ精神的に来ンなァ……)

過去通行「ンで? テメエは何なのよ? 俺を笑い死にさせようって魂胆かァ?」

一方通行(ゲコ太)「いいか、一つだけ教えてやるよ。利口な利口な第一位ちゃン」

過去通行「あァ?」

一方通行(ゲコ太)「今日、あと数時間もしねェ内にオマエに声をかけてくる奴らが現れる」

一方通行(ゲコ太)「そいつらの口車に乗るな。乗せられて、安い幻想を抱くな。誓え」

一方通行(ゲコ太)「オマエは、誰も殺すンじゃねェ」

過去通行「………」



過去通行「ウゼェよ。何様だテメエは」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:22:52 ID:XYnbdtpC0

一方通行「……グ…」

少女「目が覚めました?」

一方通行「……ッ!? 夜!?」

少女「はい。あなたは過去のあなたに吹き飛ばされ、今まで気を失っていました」

一方通行「じ、実験は……!」

少女「その結果が、今出るようです」

一方通行「………」

一方通行「……ッ!!」


過去通行「………」フラ…


一方通行「何て顔……してやがる……」


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:28:51 ID:XYnbdtpC0

過去通行「アー……だりィ」

過去通行「コーヒー買って……サッサと寝るとすっかァ……」

過去通行「……」

過去通行「……またテメエかよ」

一方通行「……この、馬鹿野郎が」

過去通行「はァ?」

一方通行「殺すなって、言っただろォがァ!!」

過去通行「……何か色々知ってるみてェだけどよォ。人聞きの悪ィこと言ってンじゃねェよ」

過去通行「俺は人殺しなンてしてねェ……俺がしたのは、ただの『処理』だ」

一方通行「そォやって割り切ることが出来ねェのは、テメエが一番わかってるだろォが」

過去通行「……あァ?」ピクッ


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:35:42 ID:XYnbdtpC0

一方通行「オマエがこれから家に帰って何をするか教えてやろォか?」

一方通行「オマエはまず大量に買ってきたコーヒーをかっくらう。ケッ、酒飲ンで酔って誤魔化すことも出来ねェのさ。ホントにただのクソガキだ」

一方通行「好物飲ンで、多少落ち着きを取り戻して、オマエはそのままウトウト眠るのさ」

一方通行「そして、起きる。夢を見て、起きる」

一方通行「そしてオマエは手を洗うのさ。落ちないことなんて分かってンのに、いつまでもいつまでも洗ってンだ」

一方通行「そして、最悪なことにオマエは泣く。ポロポロ泣いて、もう嫌だと―――」

一方通行「――――??」

一方通行(もう、嫌だと―――?)

過去通行「ウルッセェエエえええええええええええええ!!!!!!」

一方通行「!!」ハッ


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:39:35 ID:XYnbdtpC0

過去通行「何なんだテメエは!! 見透かしたよォにベラベラベラベラよォ!!!!」

一方通行「オマエ……!」

過去通行「もォいい喋ンな口を開くな、テメエの声はどこまでも癇に触るンだよォォオオオおおおおおお!!!!」

一方通行「く……!!」


 ズズ……ン……!!


77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:48:37 ID:XYnbdtpC0

少女「…気がつきました?」

一方通行「チ…またかよ……」ムクリ…

一方通行(能力が無きゃァ、ホントにただのクソガキだな俺ァ…『アイツ等』みてェに、体一つで何かを為すことなンて出来やしねェ)

少女「…彼は、あなたは、止まるでしょうか?」

一方通行「さァな」

少女「あなた自身のことなのに?」

一方通行「この時の俺がどンな精神状態だったかなンて覚えてねェよ」

一方通行「覚えてりゃもう少し……」

一方通行(待て…何で俺はこの時期の俺の気持ちを思い出せねェンだ?)

一方通行(俺は一方通行だぞ? 『俺が物事を忘れるなンて有り得ねェ』…!)

少女「思索に耽っているところ申し訳ないですが」

一方通行「!!」

少女「彼が、いえ、あなたがやって来ましたよ。二度目の実験を行うために」

一方通行「……オイ、俺は何時間寝てた……?」

少女「丸一日ほど。起こそうとはしましたが、起きませんでしたので」


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 00:53:19 ID:XYnbdtpC0

過去通行「……」ザッ、ザッ、

一方通行「く……!」

 少女への怒りも、先ほど頭を渦巻いた疑問も、今は置いておく。
 目の前を歩む過去の自分は、これから二度目の実験へ向かう。
 それだけは止めなければ。
 ここで止めなければ、彼はもう戻れなくなる。
 それだけは、覚えているから。

 初めて自分の意思で『彼女』を殺した瞬間のことだけは、絶対に忘れないから。



一方通行「止まれ」

過去通行「よォ…生きてたンかよ。そりゃ何よりだったなァ」


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:07:42 ID:XYnbdtpC0

一方通行「研究所には、絶対に行かせねェ」

過去通行「イヤァ…悪ィが通してもらうぜゲコ太君。俺にはやらなきゃなンねェコトがあるンでな」

一方通行「テメエ……!」

過去通行「問答もしてやンねェよ。教えてやるケド、俺ァ忙しいの。被りモンして遊ンでるテメエとは違ェンだよ」

一方通行「何故…何故わからねェ…」

過去通行「あ?」

一方通行「くだらねェ実験なンざやめろ。どォせテメエは無敵なンかにゃ届かねェ」

一方通行「なンでもすぐに投げ出しちまうテメエは実験だって途中で投げ出すさ。それで、その後に残るのは――」

一方通行「――――ッ!!!!????」

一方通行(今の――言葉は―――!!!!)

少女「………」


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:09:57 ID:XYnbdtpC0

過去通行「ご高説どォもォ。だけどよォ…俺は学園都市最強の第一位、『一方通行』だ」

過去通行「俺は誰の指図も受けねェ。俺の行動を決定出来るのは、俺だけだ」

 過去の一方通行が、今の一方通行の傍を通り抜ける――その刹那。
 過去の一方通行の手が、今の一方通行の体にふれ――その自由を、一瞬で奪った。

一方通行「か…は…!」

過去通行「だがまァ……多少参考にはなった。礼だきゃ言っといてやるぜ」

少女「……!」タタタッ!

過去通行「……連れがいたンかよ。だったらさっさとそのゲコ太を病院に連れて行ってやれ」

一方通行「か…ふ…」

少女「……立って」


少女「立って!!!!」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:16:50 ID:XYnbdtpC0

少女「いいんですか!? 今ここで彼を行かせたら何も変わらない!!」

少女「変えてください…過去を…未来を!!」

一方通行「お…まえ……」

少女「変えられなかったんです! 今まで、私の『時間跳躍』で過去を変えることなんて出来なかった……」

少女「あなたが今まで失敗し続けたように、過去を変えようとしても必ず世界からの修正を受ける」

少女「でも、あなたならって思った! あなたなら、出来るって……」

少女「人生は、やり直すことが出来ると証明してくれるって!!」

一方通行「が…ぐ…!」

少女「立って…『一方通行<アクセラレータ>』!! 立って、あなたの過去を塗り替えて!!」


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:24:08 ID:XYnbdtpC0

一方通行「がァァアァアアあああああああああ!!!!!!」

過去通行「何ッ!?」

 能力使用モード、ON。
 コンピューターが焼き切れるのは一瞬。
 能力が使えるのは、一瞬。
 だが、それで十分。

一方通行「闇なンぞに行かせやしねェぞ、三下がァァァアアああああああああああ!!!!」

過去通行「……馬鹿が! デフォじゃ」

一方通行「『反射』だよなァ!! 知ってるよ、誰よりもよォ!!!!」

 『今』の一方通行の手が、過去を掴む。

過去通行「……テメエ!! 俺の能力に干渉を…」

一方通行「演算の上書き対決だ。ケド、悪ィなァ……」


一方通行「これでもこちとら、成長してんだよォ!!」ゴォッ!


91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:33:01 ID:XYnbdtpC0

 倒れふす二人の一方通行。
 一人は渾身の一撃をその身に受けて。
 一人は、その身を支える術を失って。

過去通行「が…か…!」

一方通行「く…か…!」

 すたすたと、二人の一方通行に少女が歩み寄る。

少女「おめでとうございます、一方通行。といっても、もう人語を理解することは出来ないでしょうが」

少女「さて、忘れないうちにこの時代の一方通行の記憶をいじっておきましょうか」

少女「記憶は消えても、無意識に深く刻まれた敗北感は消え去らない」

少女「その敗北感は、『無敵』への更なる渇望を生み――その渇望がどういった結果を招くのか、それはあなたがよく知っている通り」

少女「これにてあなたの『今』は確定しました。プラン5032完了です」


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:40:30 ID:XYnbdtpC0

 ―――現在、黄泉川のマンション近くの道

一方通行「……オイ」

少女「状況を説明しましょうか? あなたは見事過去の自分を討ち果たし、『現在』へと帰還したところです」

一方通行「……オイ…!!」

 一方通行の手が己の首元に伸びる。
 その指が、演算補助のチョーカーに触れる。

一方通行「何でコレがまだ俺についてる…! 過去は変わったはずだ。なら今も変わったンじゃねェのか!?」

少女「つまり変わってないってことですね。簡単なことです」

一方通行「な…! ふざけ…!! ……!! なら、もォ一度だ!! もォ一度…」

少女「いい加減気づいても良さそうなものだけど」


少女「過去を変えることなんて出来るわけないじゃない。馬鹿じゃないの?」


95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:45:06 ID:XYnbdtpC0

一方通行「な…!!」

少女「過去というのはあなたが過去を変えようと過去に戻ることまで含めて過去なんですよ」

少女「つまり、今この時のあなたが過去に戻って行動を起こす……それを今のあなたは過去で経験しているんです」

少女「あなたは、今ここにいるあなたは、過去にゲコ太の被り物をしたおかしな奴に出会っていた」

少女「おわかりですか?」

一方通行「だが……俺にその記憶はねェ……」

少女「あ、それは私が細工しました。ごめんなさい」


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:49:06 ID:qj0yea8a0

おちょくっただけか


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:50:48 ID:XYnbdtpC0

少女「ま、何でこんな面倒な真似をしたかというとですね。簡単にいえば『絶対能力進化計画』を絶対に遂行したかったからです」

少女「もちろん、あなたを無敵にしたかったわけじゃないですよー。そんなん無理だとわかっていますし」

少女「肝要なのは『妹達』を大量生産するための口実をでっち上げることです」

少女「彼女たちが――ミサカネットワークがどれほど重要なものかは、『ドラゴン』にたどり着いたあなたなら薄々勘づいているとは思いますが」

少女「やっぱ『妹達』だけ一万規模で生産したら勘のいい奴は感づきますからねー」


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 01:55:07 ID:XYnbdtpC0

少女「ところが『絶対能力進化計画』を遂行するにあたって最大の問題が発生しました」

少女「言うまでもなくあなたです。一方通行」

少女「あなたは笑えることに、本当に笑えることに、とてもとても優しかった」

少女「一体目の『妹達』を過失で殺してしまってあなた、本当は泣いてたんでしょう?」

少女「そして、本当は二体目の実験にかかる前に研究所を潰すつもりだった。本当なら『最強』である自分で満足しようと、妥協することが出来ていた」

少女「本当なら―――ね」


100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 02:03:43 ID:XYnbdtpC0

一方通行「テ…メ…エ……!」

少女「あとはもう説明しなくてもわかるでしょうし、実のところ思い出してきてもいるのでしょう? あなたの記憶にロックをかける意味はもうありませんしね」

一方通行「肉片になれコラァ!!」ドゥッ!

少女「ふふっ」スカッ

一方通行「な…触れねェ…だと……?」

少女「お別れだよ、一方通行。だけど、その前に――最後に私の名前を教えようか」

 そう言って、少女は―――いや、もう一方通行には『ソイツ』が少女だとは思えない。
 かといって、男なのか、女なのか、はたまた少女か、老人か―――一方通行にはもうまるきりわからない。
 そして少女は、いや、男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『ソイツ』は笑ってその名を告げた。


「面と向かって名乗るのは初めてだな。私は、アレイスター。アレイスター=クロウリー」


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 02:10:43 ID:XYnbdtpC0

アレイスター「別れ際になんだが、大人として君に忠告しておこう」

アレイスター「君は自覚しなくてはならない」

アレイスター「打ち止めと、それを取り巻く今の環境を、君は一度捨てたのだ。それも、自分のために」

一方通行「黙れ!! 黙れェェェえええええええ!!!!」

アレイスター「彼女たちのため? 違う。殺された一万人のため? 断じて違う」

アレイスター「君は君のために、ただ罪悪感に耐えられず、悪夢から逃げ出すために、そんな綺麗事を言って彼女たちを捨てたのだ」

一方通行「違う! 俺は…! 俺は……!!」

アレイスター「私はいつでも君を見ている。本当に見ものだよ。これから君が彼女たちとどう接していくのか」

一方通行「おァァァァアアアアあああああああ!!!!」


102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 02:16:18 ID:XYnbdtpC0

 ―――窓のないビル

エイワス『彼には少々かわいそうなことになったな』

アレイスター『現在は全ての過去の積み重ねだ。過去を否定するということは、今の自分を否定することにほかならない』

アレイスター『私がこの術式を身に付けたのは既に200年ほど前になるが、これまで一度として自身の過去を変えようとしたことはない』

アレイスター『彼はそれがわかっていなかった。当然の報いと言えるだろう』

エイワス『そう仕向けたのは君ではないか。人でなしめ』

アレイスター『心外だなエイワス。私は誰よりも”人間”のつもりだよ』


105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/01 02:21:58 ID:XYnbdtpC0

エイワス『とはいえ、本当に回りくどい方法をとったものだ。当時の彼を君が叩き伏せれば簡単だったんじゃないのか?』

アレイスター『そうしなかった理由は三つある。ひとつは当時の彼に”もうひとつの法則”に触れさせる訳にはいかなかったこと』

アレイスター『もうひとつは今現在の彼に、私に対して苛烈な敵愾心を抱かせる必要があったこと。彼はまだ規定のレベルに達していない。今のようなぬるま湯に浸っていたままでは困る』

アレイスター『最後の理由だが―――これがもっとも大きな理由なのだが』


アレイスター『それでは、私がつまらないだろう?』

エイワス『やれやれ、やはり君は”人でなし”だよ。アレイスター』


 終わり






一方通行「過去に戻れる、だとォ…?」
元スレ

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